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オマケの続き

離縁の危機

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「…恋人…ですか?」

「もう隠さなくて結構です」

私に知られていることに驚いてか、公爵は混乱している。

「なんの事でしょうか?」

私から決定的な証拠を提示していないので誤魔化してこの状況を切り抜けるつもりなのか、公爵は認めることはなかった。それとも、公爵の不貞により私が慰謝料を請求すると思っていたりするのだろうか?
別にお金が欲しいわけではないが、そんな風に思われていたらと思うと悲しくなる…

「公爵は浮気しているから、私を避けているのでしょう?」

「ううわっ?…違います」

「…では何故先ほどから私を執務室から遠ざけようとしているですか?誰かが部屋の中に居て、逃げるための時間稼ぎをしているのではないですか?」

「そんなことしていません。この部屋に入ったことがあるのは執事と使用人の数人だけです」

真剣な表情で訴えられると信じてしまいそう…
確かに外からでは曇りガラスによって相手の顔は正確には判別出来ず、重なりあったように見えただけ…
私は公爵を信じても良いの?

「では、どうして私が執務室に入るのを拒んだのですか?」

「それは…令嬢が心配で…」

「私が?」

「知っての通り私は呪われていますから…令嬢に私の呪い移り変調をきたすのでは?と…」

「今のところ私は呪いの影響はありません。そもそも呪いを信じていないわけではありませんが、私は公爵が呪われているとは感じておりません」

「この部屋を確認してもですか?」

「…はい。この部屋は呪われているんですか?」

執務室を一周し確認するも、私には問題を見つける事が出来ない。
床が傾いているわけでも天井に手形があるわけでもなく、普通の部屋。

「…お気付きではないのですか?」

「えっ?あっはい」

「窓をご覧ください」

私は公爵に言われるがまま窓を確認した。
窓なんて普段注意深く見たことはないが、なにか不自然さがあるのだろうか?再び確認するが人の顔が映ったり手形が消えないとか血痕があるという問題もなく、私には何が呪われているのかかなりの難問だ。

「えっと…公爵様、何が呪いなんでしょうか?」

降参した。

「えっ?あの…窓が」

「はい」

窓が何でしょう?

「雲っていて…」

曇りガラスですよね?

「…そうですね…?」

「あの…この窓は以前までは曇りなどではなく庭で働く者の顔も確認できる程でした。ですが、ある日突然雲ってしまいこの状態になりました。公爵夫人の部屋の手形に、怠さを感じる廊下の報告を受けていたので、これも呪いの一種なんだと理解しました」

はぁい、次回呪われた執務室…これ、解決編いる?
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