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オマケの続き

押し付けちゃった

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 そしてルルーシアン公爵から食料と種苗が届き、事前に説明したように領民が持参したカビの生えた食料と交換する。
 交換して気付くが、ほとんどの領民の食材にはカビが繁殖している事が分かり、これが原因だとすれば誰がいつ病状が現れても不思議ではない。

 カビが繁殖した食材は全て研究機関に届け、必要なければ処分してもらうことにした。
 ランクーベ公爵が表だって動いてくれたが、その後ろに私が控えているのをみて研究員達の不穏な空気を感じる。
 きっと、ワガママ妻が「面倒な事は研究所に押し付ければ良い」と公爵に助言したのだろうと思っているのがひしひしと伝わる。
 私達を対応している代表は真面目で私に対して興味ないようだが、話を聞いている他の研究員達は私を敵と認識している空気だ。
 そんな雰囲気にも負けず、集めたカビの色が二種類あり黒と青を確認。そのうち青カビから何か出来ると過去に見たテレビを思い出し質問する。

「青カビから薬のようなものが作れると聞いたのですが本当ですか?」

 私の疑問に研究員達は「何を言っているんだ、この貴族は」という感情が伝わるも目の前の代表は演技かもしれないが、一度悩む仕草をする。

「そんなこと聞いたことないですね」

 やんわりと返され、その後研究に繋がる雰囲気は感じられない。

「「菌で菌を殺す」と何かの本で読んだのですか…」

 私も諦め悪く続ける。

「菌で菌を殺す…ですか?」

「はい。王宮の図書館だったかしら?」

「王宮図書にそんなことが?」

 権力を使うのは好きではないが、「王宮の図書館」という言葉で少しだか私の言葉に耳を傾けてくれた…ような気がした。

「はい、青カビが菌を溶かす…その発見は様々な病原菌にも効果を示す…とあったような…」

「それはなんと言う本ですか」

 私のにわか知識が代表の興味を引いた事で研究員達も狼狽えだす。

「あの時は様々な本を読んでいたのでタイトルまでは…」

「そうなんですね、では思い出したらお教えください。私の方も研究してみます」

「お願いします」

 私は代表から望みの言葉を頂き満足していた。これでカビが繁殖した食材を回収してもらえる場所が確保できたのだから。
 新鮮な食材を領民に配り、カビが繁殖した食材は研究対象として研究所で保管する。新鮮な食材が無くなったら、カビが付着しても食べてしまう人が出てくるだろう。それに、間違った処分の仕方でカビが大量繁殖してしまうこともある。そうならないために処分場は必要。研究所なら適切な処分方法を見つけてくれるだろう。

 「あっ…」

私は気付かぬうちに面倒なことを押し付けてしまったのかもしれない。ワガママにならないようにと気を付けていたのに…私って根っからのワガママで面倒な女なのかもしれない。自分は普通だと思っていたが自然とワガママを発揮していた…知らなかった事実に静にショックを受けていた。
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