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喧嘩両成敗……全成敗
乙女ゲームの恋愛部分だけ楽しもうなんざ許さない 三
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「ちょっと待ってください。もしかして貴方はアドリアーナ様と結託し、私が嫌がらせを受けていないと仰りたいのではありませんか? 」
パトリシアはアドリアーナが証言する前に遮った。
それはアドリアーナを助けたのではなく、自身こそ嫌がらせの被害者であると言いたいのだ。
「では、貴方は嫌がらせについてどなたかに相談したんですか?」
「……私は、誰にも相談せず一人で耐えてきました」
「そうですか。私は教科書の件も空き教室に閉じ込められた件も先生に証拠を持って訴えました。階段からの転落については学園長に調査してほしいと直接訴えてあります」
パトリシアは私が先生と学園長に被害を訴えたと話すと動揺する。
「えっ……教っ科書は……自身で噴水に落とす事も出来るし、空き教室も『閉じ込められた』と言えば被害者になれます。階段も……不注意で転落したのでは?」
「それは貴方にも言える事ですよね?」
「えっ……私は本当に……」
相手を責める為の言葉が自身に返ってくるとは思っていなかったパトリシア。
「私が空き教室に閉じ込められた件ですが、オークランス先生に助けて頂きました。先生が証人です。あの部屋は内側からの鍵が壊れているので使用していないのです。中にいた私が外から鍵を掛ける事は出来ません」
「……鍵が壊れているんですよね? 扉を閉めたはずみで鍵が閉まったとも考えられますよ」
「では、パトリシア様は誰に助けていただいたんですか? 」
「えっ……私は……」
小声でつぶやく彼女の言葉は聞き取れないので、先に進むことにした。
「彼が目撃した証言と、オークランス先生の証言が一致するかどうかは後ほど確認しましょう。次は……階段からの転落についてなのですが……貴方はどのあたりから転落したのですか?」
「……私は……階段の…中腹から……」
「それは、足を踏み外したのでは?」
「いえ、誰かに背中を押されました」
「そうなのですね。それで、怪我はされなかったのですか?」
「……はい、運が良く。怪我も、もう治りました」
「それは良かった。犯人の顔や特徴を見ましたか?」
「…ぃぇ」
「そうですか……私は、最上段から降りようとした時に後ろから突き飛ばされました。犯人を見る余裕はなく、気が付いたら階段下に横たわり気を失いました。その後気が付くと保健室におりました。アドリアーナ様の逃走を目撃した彼の証言と私が何処から運ばれたのか詳細を知っている保険医に確認すれば分かる事です。ちなみにパトリシア様は何処で転落したのですか?」
「……私は……転落した時に頭を打ち、場所までは……」
「そうですか。全ては確認すれば分かる事です」
パトリシアは何も言わない。
「……聞いていたが、私の調査が不十分であり今は確証を得られないという事か?」
静かに聞いていたディートヘルム。
愛しのパトリシアを嘘つき呼ばわりしている私に敵意を向けている様子。
「はい。皆さんの証言は『ピンク色の髪』で被害に遇ったのは『パトリシア』さんだと思い込んでいるようですが、実際に被害を受けていたのは『ピンク色の髪をした私』です」
「事件について再度調査する。偶然二か所で事故が起きていた可能性もあり、これ以上パトリシアを噓つき呼ばわりする事は見過ごせない。気になる事があれば今、全部話すといい。再調査に加える」
自身の見せ場を奪われたディートヘルムは、見るからに不機嫌。
私としては明らかいしたい真実がもう一つあった。
パトリシアはアドリアーナが証言する前に遮った。
それはアドリアーナを助けたのではなく、自身こそ嫌がらせの被害者であると言いたいのだ。
「では、貴方は嫌がらせについてどなたかに相談したんですか?」
「……私は、誰にも相談せず一人で耐えてきました」
「そうですか。私は教科書の件も空き教室に閉じ込められた件も先生に証拠を持って訴えました。階段からの転落については学園長に調査してほしいと直接訴えてあります」
パトリシアは私が先生と学園長に被害を訴えたと話すと動揺する。
「えっ……教っ科書は……自身で噴水に落とす事も出来るし、空き教室も『閉じ込められた』と言えば被害者になれます。階段も……不注意で転落したのでは?」
「それは貴方にも言える事ですよね?」
「えっ……私は本当に……」
相手を責める為の言葉が自身に返ってくるとは思っていなかったパトリシア。
「私が空き教室に閉じ込められた件ですが、オークランス先生に助けて頂きました。先生が証人です。あの部屋は内側からの鍵が壊れているので使用していないのです。中にいた私が外から鍵を掛ける事は出来ません」
「……鍵が壊れているんですよね? 扉を閉めたはずみで鍵が閉まったとも考えられますよ」
「では、パトリシア様は誰に助けていただいたんですか? 」
「えっ……私は……」
小声でつぶやく彼女の言葉は聞き取れないので、先に進むことにした。
「彼が目撃した証言と、オークランス先生の証言が一致するかどうかは後ほど確認しましょう。次は……階段からの転落についてなのですが……貴方はどのあたりから転落したのですか?」
「……私は……階段の…中腹から……」
「それは、足を踏み外したのでは?」
「いえ、誰かに背中を押されました」
「そうなのですね。それで、怪我はされなかったのですか?」
「……はい、運が良く。怪我も、もう治りました」
「それは良かった。犯人の顔や特徴を見ましたか?」
「…ぃぇ」
「そうですか……私は、最上段から降りようとした時に後ろから突き飛ばされました。犯人を見る余裕はなく、気が付いたら階段下に横たわり気を失いました。その後気が付くと保健室におりました。アドリアーナ様の逃走を目撃した彼の証言と私が何処から運ばれたのか詳細を知っている保険医に確認すれば分かる事です。ちなみにパトリシア様は何処で転落したのですか?」
「……私は……転落した時に頭を打ち、場所までは……」
「そうですか。全ては確認すれば分かる事です」
パトリシアは何も言わない。
「……聞いていたが、私の調査が不十分であり今は確証を得られないという事か?」
静かに聞いていたディートヘルム。
愛しのパトリシアを嘘つき呼ばわりしている私に敵意を向けている様子。
「はい。皆さんの証言は『ピンク色の髪』で被害に遇ったのは『パトリシア』さんだと思い込んでいるようですが、実際に被害を受けていたのは『ピンク色の髪をした私』です」
「事件について再度調査する。偶然二か所で事故が起きていた可能性もあり、これ以上パトリシアを噓つき呼ばわりする事は見過ごせない。気になる事があれば今、全部話すといい。再調査に加える」
自身の見せ場を奪われたディートヘルムは、見るからに不機嫌。
私としては明らかいしたい真実がもう一つあった。
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