【完結】嫌いなアイドルを人気者にしたのは……私?

天冨 七緒

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世界の中の日本

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「始まりました、世界の中の日本」

 司会者のタイトルコールから番組がスタート。
 ゲストの外国人の紹介から始まる。
 滞在歴が一年の者から三十八年までの外国人、計二十名。
 対して日本人。
 俳優、アイドル、タレント、モデル、芸人の計二十名。
 
「まずは、貴方のうちの家庭料理を教えて」

 初めは、互いを知るということで自国を紹介し合う。
 相手を褒めつつ自国をアピール。
 和やかな雰囲気で始まった番組。
 テーマが代わる。

「貴方の国の絶景を教えて」

 有名な観光地から、穴場まで。
 そして、後半。

「ここが全く違う」

 自国と日本を比べる。
 どちらの方が生活しやすいか意見を交わすのだが、次第にヒートアップしていく人たちが現れる。

『日本は不便。日本もやり方を変えるべき』
『こんなことをする日本人はおかしい』

 次第に批判めいた言葉が飛び交うようになり、日本人も……

『そのやり方は、日本に合わない』
『そんなに日本に不満があるのなら、国に帰ればいい』

 互いの国への理解を深める番組だったのだが、言い争う場面が増え手に負えなくなる。
 終わらせようにも、感情が高まっているのかなかなか終えられない。
 司会者がどうにか宥め終わらせるも、オープニングとの雰囲気から一変。
 不満を隠さない出演者。
 なんとか番組を終わらせ、出演者を帰宅させる。

「お疲れさまでした。本日はありがとうございます」

 彼等を宥める為に、笑顔で見送る。
 言い争いをしていた人達がその後、鉢合わせしないようスタッフが壁となりずらして見送る。

「なんとか終わった」

 撤収作業をする。
 
「先輩、ちょっと来てください」

「ん? どうしたの?」

「楽屋が……」

「楽屋?」

 後輩に言われるまま、楽屋の確認をする。

「うわっ……何これ……」

 出演者の為に多めに準備していた飲み物やお菓子、更には部品がなくなっていた。
 それだけでなく、ゴミは散乱し鏡も汚れ放題。
 割れていないだけ、ましなのかもしれない。
 
「はぁ……最低。だから、こういう番組はなくなったのか……」

 何年か前までは討論番組は沢山あった。
 だが、次第に減少。
 その理由が今分かった。
 撮影中の不満を発散するべく、楽屋で感情をぶちまける 
 楽屋は酷い有様。

「……片付けよう」

「はい」

 後輩と二人でゴミの処分や鏡の汚れ、床も飲み物が溢され水浸し。
 それらの掃除をしながら、思った。
 
『今回の番組は一度で終わりだな』

 こんな面倒な番組なら、しない方が楽だわ。
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