王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒

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聖女についての噂

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 王宮内での、今代の聖女の評価。

「今代の聖女様は、本当にお一人ですべてをこなしているのですね」

「本来なら聖女候補者も共に祈りを捧げるのが通例なのに……」 

「候補者が誰一人として王宮に上がらないなんて、前代未聞ですよ」

「それだけ優秀ということよ。補佐すら必要ないほどに」

「候補時代は祈りの力は、歴代聖女の中でも飛び抜けていたらしいわよ」

「そんなにですか? それなら一人で祈れるのも納得ですね」

「ええ。力は、人格に比例するのよ」

 使用人たちの噂は、今日も『聖女』の話題で持ちきり。
 我が国の聖女は、祈りによって国全体に結界を張る存在。
 通常は複数の補佐と共に、祈りを捧げる。
 だが、今代の聖女は違う。 
 たった一人でその役目を果たしているらしい。

「聞いた話だと、近々隣国の王族が聖女様の力を見に来るそうですよ」

「まぁ、王族まで。すごいですね」 

「これで王子との婚約も決まりでしょうね。だって、他の候補者を王宮に上げなかったんですもの」

「聖女候補時代も大変だったみたいだしね」

「教会とはいえ、公爵令嬢までいたら平民出身の聖女様は肩身が狭かったでしょうね」

「身分で判断するなんて酷い話です」

「でも、ようやく報われるのよ」

「聖女様を苦しめていた方たちも、これで大人しくなるでしょうね」

「いい気味だわ」

 普段貴族たちから理不尽な扱いを受けている使用人たちは、『平民出身の聖女』に自然と肩入れしていた。

「最近は、ずっと祈りの間で祈られているとか」

「素晴らしい方よね。貴族の聖女候補だった方たちなんて、忙しくてもパーティーやお茶会は欠かさず参加していたらしいじゃない」

「そういう方だからこそ、聖女に選ばれたんですね」

「今代の聖女様さえいれば、国は安泰ね」

 王宮で働く使用人も、最近の聖女の姿を見なくなった。
 身分で苦労し、聖女候補たちからの嫌がらせに耐えながら聖女に任命された女性。

「そう言えば……ちょっと気になる噂も聞きましたよ」

「気になる噂?」

「司祭様たちが、最近やけに頻繁に各地の結界を確認しているとか」

「それは別におかしくはないでしょ?」

「そうなんですが……魔獣の目撃情報も増えているって話もあって……」

「それ、聖女様を貶めようとする人たちが流しているんじゃなくて?」

「そうなんですかね?」

「王子との結婚発表前の、最後の悪あがきよ。調べればすぐに嘘だと分かるわ。そんな噂を流した貴族はすぐに罰せられるでしょうね」

「そうですよね」

「王宮には色んな人が出入りするから、変な噂に振り回されないようにね」

「はい」

 使用人たちは、聖女を信頼している。
 一点の曇りもなく。
 それは、彼女たちだけではない。
 貴族も平民も同じように、聖女を崇拝している。 
 聖女に助けられたと話す者もは多いだろう。 
 聖女候補たちさえ、今代の聖女について悪くいうことはない。







 ―――――――――――――――

 こちらは『ふざけんな! こんな聖女の補佐に誰が就くもものか。王子様、あなたが責任取りなさい』の修正版です。
 どのようにしたら少しでもよくなるのか、探っている最中です。
 結末は同じ、話の進め方を変更しました。
 どちらが読みやすいか、面白いのか、皆さんの感想を教えていただきたいです。
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