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王子との会話
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「王都から辺境まで、王子にとっては長旅でお疲れでしたでしょう?」
王子の訪問を笑顔で対応する。
目の前に座るのは、
コルネリウス・リヴェラーニ第一王子。
金色に光り輝く髪は王家の証。
透き通るような青い瞳は、『すべてを見通す』と称えられ、幼い頃から多くの令嬢を虜にしてきた。
王子は聖女と婚約するのだろうと噂されているが、正式な発表はまだない。
そのため、令嬢たちはわずかな可能性に縋り、王子と親しくなろうと必死だという話も聞く。
そんな王子が王宮へ呼び付けるのではなく、わざわざ王都から遠い辺境まで足を運んだ。
この事実を知れば、勘ぐる貴族も多いだろう。
……私は、少しだけ優越感に浸っていた。
「……いや、問題ない」
「そうですか」
私は貴族令嬢には珍しく、王都ではなく辺境に滞在している。
その私のもとへ、王子自ら訪れた。
これが何を意味するのか。
こうなることは、予想していた。
「その……手紙では伝えきれなかったが、今回令嬢の元を訪れたのは、今代の聖女についての話なんだ」
「聖女様のご活躍は、この辺境でとても実感しておりますわ」
王子はわずかに視線を落とす。
以前までは、私がいくら訴えても聞く耳を持ってもらえずにいた。
そんな王子が、私に頼み事ですか。
「……そうか……令嬢も知っていると思うが、今代の聖女は平民から王宮に上がった者。聖女候補として教会で活動していた頃とは違う環境に……困惑……しているようなんだ」
「……まぁ、そうなんですか? それは、大変ですね」
「あぁ……環境の変化や精神的負担が重なり……能力を発揮しきれていないらしい。結界も弱まり、あちこちで被害を訴える声が上がっている。今は騎士を派遣し対応している。聖女の負担を軽減するためにも、聖女の素質を持ち、補佐出来る人物を求めている」
「そうですか」
「……令嬢は……彼女と共に聖女候補者として教会に通っていただろう……」
王子の言いたいことは分かる。
私は幼い頃に受けた儀式で聖女の素質ありと認定され、聖女候補として教会に九年ほど通っていた。
今代の聖女とはわずかだが共に学び、お互いを知っている。
「はい。短い期間ではありましたが、共に聖女教育を受けておりました」
「……令嬢に、このようなことを頼むのは気が引けるのだが……聖女を助けてもらえると有り難ぃ」
「助ける……ですか?」
「あぁ。令嬢には王宮に滞在してもらい……『聖女の一人』として招き入れたいと考えている。待遇も保証する」
「補佐ではなく、聖女の一人として王宮に滞在……ですか?」
「あぁ。それが難しいようであれば、せめて王都に戻ってきてくれないか?」
「……このことは、今代の聖女様もご存じなのでしょうか?」
「それは……まだだ。だが、私から直接話し説得するつもりだ。だから、どうか受けてもらえないだろうか?」
「……今代の聖女様に相談することなく、私に話をするというのは聖女様に失礼ではありませんか?」
「……あぁ、そうだな。令嬢の言うとおりだ……」
「……王子、私の素直な気持ちをお話ししてもよろしいでしょうか?」
「あっ、あぁ」
王子の訪問を笑顔で対応する。
目の前に座るのは、
コルネリウス・リヴェラーニ第一王子。
金色に光り輝く髪は王家の証。
透き通るような青い瞳は、『すべてを見通す』と称えられ、幼い頃から多くの令嬢を虜にしてきた。
王子は聖女と婚約するのだろうと噂されているが、正式な発表はまだない。
そのため、令嬢たちはわずかな可能性に縋り、王子と親しくなろうと必死だという話も聞く。
そんな王子が王宮へ呼び付けるのではなく、わざわざ王都から遠い辺境まで足を運んだ。
この事実を知れば、勘ぐる貴族も多いだろう。
……私は、少しだけ優越感に浸っていた。
「……いや、問題ない」
「そうですか」
私は貴族令嬢には珍しく、王都ではなく辺境に滞在している。
その私のもとへ、王子自ら訪れた。
これが何を意味するのか。
こうなることは、予想していた。
「その……手紙では伝えきれなかったが、今回令嬢の元を訪れたのは、今代の聖女についての話なんだ」
「聖女様のご活躍は、この辺境でとても実感しておりますわ」
王子はわずかに視線を落とす。
以前までは、私がいくら訴えても聞く耳を持ってもらえずにいた。
そんな王子が、私に頼み事ですか。
「……そうか……令嬢も知っていると思うが、今代の聖女は平民から王宮に上がった者。聖女候補として教会で活動していた頃とは違う環境に……困惑……しているようなんだ」
「……まぁ、そうなんですか? それは、大変ですね」
「あぁ……環境の変化や精神的負担が重なり……能力を発揮しきれていないらしい。結界も弱まり、あちこちで被害を訴える声が上がっている。今は騎士を派遣し対応している。聖女の負担を軽減するためにも、聖女の素質を持ち、補佐出来る人物を求めている」
「そうですか」
「……令嬢は……彼女と共に聖女候補者として教会に通っていただろう……」
王子の言いたいことは分かる。
私は幼い頃に受けた儀式で聖女の素質ありと認定され、聖女候補として教会に九年ほど通っていた。
今代の聖女とはわずかだが共に学び、お互いを知っている。
「はい。短い期間ではありましたが、共に聖女教育を受けておりました」
「……令嬢に、このようなことを頼むのは気が引けるのだが……聖女を助けてもらえると有り難ぃ」
「助ける……ですか?」
「あぁ。令嬢には王宮に滞在してもらい……『聖女の一人』として招き入れたいと考えている。待遇も保証する」
「補佐ではなく、聖女の一人として王宮に滞在……ですか?」
「あぁ。それが難しいようであれば、せめて王都に戻ってきてくれないか?」
「……このことは、今代の聖女様もご存じなのでしょうか?」
「それは……まだだ。だが、私から直接話し説得するつもりだ。だから、どうか受けてもらえないだろうか?」
「……今代の聖女様に相談することなく、私に話をするというのは聖女様に失礼ではありませんか?」
「……あぁ、そうだな。令嬢の言うとおりだ……」
「……王子、私の素直な気持ちをお話ししてもよろしいでしょうか?」
「あっ、あぁ」
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