王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒

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聖女時代

王子と聖女候補であり次期王妃候補のお茶会

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「ねぇ、レンスって休みの日は何してるの?」

 ソミールは何かあれば、聖女候補に質問して回っている。
 今回は、教会の休みの日に候補者たちが何をしているのか。

「色々と勉強しております」

「どんな勉強? 聖女様について? なら、私も一緒にいい?」

「それは出来ません」

「えっ、どうして?」

「司祭様に報告し訪問先に事前に許可をいただき、勉強させていただいております。それに、この勉強も聖女候補の課題だと思ってください。各々国の問題に向き合い自身に何が出来るのか、自身を見つめ直すためのものなんです」

「……そうなんだ……私は皆と違って、聖女候補期間が短いじゃない? どうしたらいいのか分からず、焦っちゃってるの……」

 困った表情で見つめるソミール。
 私が折れるのを期待しているのが伝わる。

「ソミール様は私たちとは違う感性を持っていそうですから、私たちと同じようにする必要はありませんよ。私はソミール様が何に興味があるのか楽しみにしております。焦らず、お互い頑張りましょう」

「……はぁい……」

 私が了承する気がないと分かると、分かりやすく落ち込むソミール。
 どのような考えを持っているのか興味があるのは本当。
 だけど、それ以上に彼女と一緒にいたくないというのが本音。
 彼女を回避しても、別の問題がやって来る。 

〈聖女候補兼王妃候補であるフローレンスとコルネリウスのお茶会の場合〉

「バルツァル嬢、ソミール嬢から聞いたよ。情報を既存の聖女候補同士のみで共有し、ソミール嬢には与えていないそうだな。君がそういう人間だったとは、とても残念だよ」

 聖女候補であり婚約者候補である私たちの約束日以外でコルネリウスが訪れる理由。
 支援している教会の内情調査。
 次代の聖女候補の人格調査。
 次期王妃に相応しいのか素行調査。
 としているが、コルネリウスは私たちを調査対象としかみておらず、誰か一人のためとしか思えないような尋問の仕方をする。

「なんのことでしょうか? 私たちは司祭様の講義を受け、独自に聖女について学んできました。他の聖女候補の方と情報を共有したことはありません」

「ソミール嬢が聖女と遅れて発覚したのは教会側の失態だ。それをソミール嬢の不手際のように語り、聖女の文献にも近付かせていないと聞いている」

「一度の儀式で何らかの手違いがあり、聖女と認定されなかった聖女候補は以前にもおりました。私たちはその方を非難したことはありません。聖女様についての過去の文献も、司祭様の許可が得れば誰ても閲覧できます。手順を踏まずには、閲覧出来ないというだけです」

「手順があるということや、手順について伝えていなんだろう?」

「私からは伝えておりません。聖女候補として迎えられ、司祭様から教会内についての説明を受けます。その一つに文献の閲覧について聞いているはずです」

「君たちは何年も候補として生活してきた。先輩方の姿を見て身に付いたことだってあるだろう。一度の説明で全てを理解し、実行できるとは思えない。そういう時は、既存の聖女候補が手を差し伸べるべきではないか?」

「そうかもしれませんね。学ぶ姿勢や『この方には教えたい』と思えたら、お節介を焼いていたかもしれませんね」

「……ソミール嬢に嫉妬して、教えたくなかったということか?」

「誰の何に嫉妬したのか分かりませんが、私は聖女候補として常に正しいと思える行動を選択してきました」

「正しい……フフッ。令嬢とは根本から物の考え方が違うんだな。もう分かったよ。君とは分かり合えないということが」

 コルネリウスは、私が準備した紅茶に一切手を付けることなく去って行く。
 今回私たちのお茶会は、誰の邪魔も入ることなく二人だけだった。
 
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