王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒

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聖女時代

ありがとうございまぁす、司祭様!

 コルネリウスはフローレンスとの会話で得た内容を、すぐにソミールに伝える。

「ソミール嬢、過去の聖女の文献は司祭の許可さえ下りれば見ることが可能だそうだ」

「そうなの? 知らなかった……」

「司祭から話はなかったのか?」

「そんな話は聞いてないかなぁ」

「他の候補者からは?」

「皆からも、ないよ……あっ、きっと私が知ってると思ったんだよ。それに皆は忙しいし……私みたいな身分では話しかけにくくて……」

 同乗を誘うように寂しげに話すソミール。

「……そうか。過去の文献については、そういうことだから、今後は遠慮することはない」

「コルネリウスさん、ありがとう。私、聖女様について知りたいと思っていたから、すごく嬉しい」

 ソミールはコルネリウスから『過去の聖女の文献を見るには、司祭の許可が必要』と聞き、司祭の部屋を訪問する。

「司祭様? ソミールです。いいですか?」

「……入りなさい」

「はい」

「どうしましたか?」

「聖女様について知りたくって……教えてくれませんか?」

「聖女様についてはすでに講義で話しておりますが、更に調べたい時は過去の文献を読むのがいいでしょう」

「文献ですか? 私みたいな平民が見てもいいんですか?」

「……聖女候補であれば問題ありませんよ」

「そうなんだぁ、知りませんでしたぁ。聖女様のこと沢山知れますね。なら、皆に教えてあげないと」

「……ソミールさん、他の候補者はご存じだと思いますよ」

「皆は知ってたんですか? ……私だけ……知らなかったんだ……」

 顔を伏せ、悲しみを表現するソミール。

「聖女候補の皆さん、教会を案内した初日に私が伝えておりますよ」

 ソミールはこの時、司祭の机の上に聖女候補が提出した報告書を目にする。
 これから実施するであろう候補者の活動報告書。

「ソミールさん、聞いてますか?」

「あっはい。そうなんですね。なら、私は聖女様について調べたいと思います。ありがとうございまぁす、司祭様」

 ソミールは司祭の部屋を後にする。
 司祭は、何か仕出かすのではないかとソミールの後ろ姿に不安を覚える。
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