32 / 96
聖女時代
ヒロインの本領発揮
聖女候補同士で情報を共有すると、自然とソミールを警戒し始める。
次第に隙を見せない行動を心がける。
〈ファビオラ・アンギレーリの場合〉
「あっ、ファヴィちゃん!!」
「……どうして……あなたが、こちらに……いらっしゃるの?」
「私? 私は休みの日に孤児院や貧困街で奉仕活動しているの。それより、ファヴィちゃんはここで何しているの? ここは知らないかもしれないけど、あんまり……治安が……お買い物とかだったら、この道を戻って……」
「いえ、私はこの近くに用があって来たので……それでは、ごきげんよう」
「あっ……またねぇ~」
ファビオラは近くの教会に挨拶をし、貧困街で食事を配布する計画書を司祭に提出していた。
この日のために事前に教会へ何度も足を運び、当日の予定も打ち合わせ、滞在する教会の修繕も終わらせていた。
教会を拠点に、食料配布をする予定。
どんなに安全を確保しても司祭から危険と判断されているので、護衛騎士と共にファヴィオラ教会で報告を受ける。
食料配布が始まり一度目の報告。
「聖女候補様。報告させていただきます。食料配布は順調で、問題はありません」
「そうですか。遠くからでも状況を確認したいのですが、落ち着いた頃に教えていただけますか?」
「はい、畏まりました。しばらくは続くと思いますので、声を掛けさせていただきます」
こちらが統制をとろうとするも、一度崩れると一気に広まり危険地帯となってしまう。
相手が聖女候補であっても、どうなるか分からない。
なので、ファヴィオは様子を見ながらの参加となる。
その間、食料配布は教会に身を置く見習いがしている。
「聖女候補様、本日は大変ありがとうございます」
教会の司祭が挨拶に訪れる。
「いえ、私こそ教会の方には感謝しております」
貧困街が今、どのような状況なのか説明を聞く。
「貧困街は根本を変えなければ、これからも支援を必要とします。この状況をどう改善するべきか解決とはいえないでしょう」
「そうですか……」
「……ん? なんだ?」
司祭と会話していると、突然外が騒がしくなる。
「何かあったんでしょうか?」
「聖女候補様は、こちらでお待ちください。私が確認して参ります」
司祭が確認に行く間、ファヴィオに緊張が過る。
食料に何か不具合があったのではないか。
食料配布に不手際があり、暴動でも起きたのではないか。
……結局、聖女候補とはいえ施しは貴族の傲慢、不満を訴えられたのかもしれない。
善意からの支援でも、受け取る側にはそうとは限らない。
ファビオラは無事に司祭が戻ってくれるのを、両手を握り静かに祈る。
「聖女候補様!!」
司祭が戻る。
「……良かった……どうしました?」
「あの……外で……聖女候補様が……」
司祭はファビオラの様子を窺う。
「どうされたんですか? 食料に問題でも?」
「問題はないのですが……一度確認していただけないでしょうか?」
「はい」
外で何が起きているのか分からないファビオラは、不安に思いながら配布所へ向かう。
「皆さぁん、落ち着いて。ちゃんと準備してあるので、順番を守ってくださぁい」
配布所で配布している見習いの中に、ソミールの姿を発見。
「なぜ……ソミール様が?」
ソミールに食料配布するよう許可していない。
なのに、なぜ彼女が食料配布しているのか。
それだけではない。
「こんなところにまで聖女候補様が来てくださるなんて……」
「なんでも、あの方は平民出身らしい」
「ああ、あの噂になった」
「私たちの為に企画してくれたらしいぞ」
「それだけじゃなく、自ら食料を配ってくれるなんて……」
「ありがたや。ありがたや」
ファビオラが計画した食料配布は、ソミールが計画したものになっていた。
ファビオラはソミールの元へ急いで向かう。
「ソミール様、何をしているのですか?」
「あっ、ファビちゃん。今ね皆に食料を配ってるの。ファビちゃんも一度でもこういう経験した方がいいよ?」
「これは私が……」
「おっ、この嬢ちゃんも聖女候補様なのか?」
「そっちの聖女候補様も、この方を見習いなさい」
ファヴィオラとソミールの会話を聞いていた者たちが、食料を貰いながら会話に加わる。
「やだぁ、私なんて見習うとこないよ。ファビちゃんは貴族なんだもの。私とは違うの!」
「お貴族様は私たちに食料なんて配らないわよ」
「なら、なんでここに来た?」
計画者がファヴィオだとは知らない平民は、『貴族』と聞いた瞬間ファヴィオに鋭い視線を送る。
「わしは、あんたの方が聖女様になると信じとるよ」
「私が聖女様? そんなぁ。聖女候補の皆、私より素敵な人が沢山だからなぁ」
否定するも、自身が次代の聖女と言われ嬉しそうに笑顔を見せるソミール。
「着飾ってるだけで聖女様に成れるはずないだろ」
「聖女様になるには『心』が大事だ」
「貴方の方が綺麗よ」
食料配布の実績も平民の心も、すべてソミールに奪われた。
「これは私が計画したものです」
ファヴィオラが訴えたが、その声はソミールを支持する声にかき消される。
わずかな人間に届いたが、彼らの反応は……
「平民の手柄を奪うのが貴族か」
「やり方が汚いのよ」
「そんな人間が、聖女になれるわけないだろう」
その言葉がファヴィオラの耳に届く。
何を発言しても平民には届かないと判断し、ファヴィオラは静かに去った。
「聖女候補様……」
事実を知る司祭がファヴィオラに声をかけるも、見習いはソレーヌの親しみやすい性格と笑顔に魅了されていた。
「……私がいては却って迷惑になりそうですので、下がりますね」
心配する司祭に微笑みを見せ、静かに平民の前から立ち去るファヴィオラ。
その後、ファビオラの聖女候補としての活動は大教会に戻り報告書で提出する。
だが、おかしな噂が広まり始める。
「貧困街に聖女候補自ら食料を配布してくれた。笑顔が素敵な彼女はなんと、平民出身。彼女こそ、聖女に相応しい」
今回の食料配布は、ソミールの名前で広まっていた。
「どうして、アレの実績となっているんですか? 食料配布を計画しあそこまでやり遂げたのは、ファビオラ様ではありませんか!!」
誰よりも正義感が強く、貴族の功績を平民に奪われることを許さない聖女候補が司祭の部屋へ乗り込み怒鳴りつける。
「私はアンギレーリ様が準備し、当日の行動もあちらの司祭から報告を受けております。ですが、噂はなぜかそのようになってしまったんです……噂話は、私にはどうにもできません」
「教会が今まであの女を野放しにしてきたからではありませんか! 今後も私たちの功績を奪う気ですよ、アレは!!」
「……今回は、偶然でしょう。毎回都合よく候補者の奉仕活動場所に居合わせるのは難しいですから。それに彼女は平民。馬車を所持していないのですから、教会が手配しない限り移動手段はありません」
「そうやって楽観視していると、司祭様も利用されますよ」
エリベルタは不穏な言葉を残し、司祭の部屋を去って行く。
次第に隙を見せない行動を心がける。
〈ファビオラ・アンギレーリの場合〉
「あっ、ファヴィちゃん!!」
「……どうして……あなたが、こちらに……いらっしゃるの?」
「私? 私は休みの日に孤児院や貧困街で奉仕活動しているの。それより、ファヴィちゃんはここで何しているの? ここは知らないかもしれないけど、あんまり……治安が……お買い物とかだったら、この道を戻って……」
「いえ、私はこの近くに用があって来たので……それでは、ごきげんよう」
「あっ……またねぇ~」
ファビオラは近くの教会に挨拶をし、貧困街で食事を配布する計画書を司祭に提出していた。
この日のために事前に教会へ何度も足を運び、当日の予定も打ち合わせ、滞在する教会の修繕も終わらせていた。
教会を拠点に、食料配布をする予定。
どんなに安全を確保しても司祭から危険と判断されているので、護衛騎士と共にファヴィオラ教会で報告を受ける。
食料配布が始まり一度目の報告。
「聖女候補様。報告させていただきます。食料配布は順調で、問題はありません」
「そうですか。遠くからでも状況を確認したいのですが、落ち着いた頃に教えていただけますか?」
「はい、畏まりました。しばらくは続くと思いますので、声を掛けさせていただきます」
こちらが統制をとろうとするも、一度崩れると一気に広まり危険地帯となってしまう。
相手が聖女候補であっても、どうなるか分からない。
なので、ファヴィオは様子を見ながらの参加となる。
その間、食料配布は教会に身を置く見習いがしている。
「聖女候補様、本日は大変ありがとうございます」
教会の司祭が挨拶に訪れる。
「いえ、私こそ教会の方には感謝しております」
貧困街が今、どのような状況なのか説明を聞く。
「貧困街は根本を変えなければ、これからも支援を必要とします。この状況をどう改善するべきか解決とはいえないでしょう」
「そうですか……」
「……ん? なんだ?」
司祭と会話していると、突然外が騒がしくなる。
「何かあったんでしょうか?」
「聖女候補様は、こちらでお待ちください。私が確認して参ります」
司祭が確認に行く間、ファヴィオに緊張が過る。
食料に何か不具合があったのではないか。
食料配布に不手際があり、暴動でも起きたのではないか。
……結局、聖女候補とはいえ施しは貴族の傲慢、不満を訴えられたのかもしれない。
善意からの支援でも、受け取る側にはそうとは限らない。
ファビオラは無事に司祭が戻ってくれるのを、両手を握り静かに祈る。
「聖女候補様!!」
司祭が戻る。
「……良かった……どうしました?」
「あの……外で……聖女候補様が……」
司祭はファビオラの様子を窺う。
「どうされたんですか? 食料に問題でも?」
「問題はないのですが……一度確認していただけないでしょうか?」
「はい」
外で何が起きているのか分からないファビオラは、不安に思いながら配布所へ向かう。
「皆さぁん、落ち着いて。ちゃんと準備してあるので、順番を守ってくださぁい」
配布所で配布している見習いの中に、ソミールの姿を発見。
「なぜ……ソミール様が?」
ソミールに食料配布するよう許可していない。
なのに、なぜ彼女が食料配布しているのか。
それだけではない。
「こんなところにまで聖女候補様が来てくださるなんて……」
「なんでも、あの方は平民出身らしい」
「ああ、あの噂になった」
「私たちの為に企画してくれたらしいぞ」
「それだけじゃなく、自ら食料を配ってくれるなんて……」
「ありがたや。ありがたや」
ファビオラが計画した食料配布は、ソミールが計画したものになっていた。
ファビオラはソミールの元へ急いで向かう。
「ソミール様、何をしているのですか?」
「あっ、ファビちゃん。今ね皆に食料を配ってるの。ファビちゃんも一度でもこういう経験した方がいいよ?」
「これは私が……」
「おっ、この嬢ちゃんも聖女候補様なのか?」
「そっちの聖女候補様も、この方を見習いなさい」
ファヴィオラとソミールの会話を聞いていた者たちが、食料を貰いながら会話に加わる。
「やだぁ、私なんて見習うとこないよ。ファビちゃんは貴族なんだもの。私とは違うの!」
「お貴族様は私たちに食料なんて配らないわよ」
「なら、なんでここに来た?」
計画者がファヴィオだとは知らない平民は、『貴族』と聞いた瞬間ファヴィオに鋭い視線を送る。
「わしは、あんたの方が聖女様になると信じとるよ」
「私が聖女様? そんなぁ。聖女候補の皆、私より素敵な人が沢山だからなぁ」
否定するも、自身が次代の聖女と言われ嬉しそうに笑顔を見せるソミール。
「着飾ってるだけで聖女様に成れるはずないだろ」
「聖女様になるには『心』が大事だ」
「貴方の方が綺麗よ」
食料配布の実績も平民の心も、すべてソミールに奪われた。
「これは私が計画したものです」
ファヴィオラが訴えたが、その声はソミールを支持する声にかき消される。
わずかな人間に届いたが、彼らの反応は……
「平民の手柄を奪うのが貴族か」
「やり方が汚いのよ」
「そんな人間が、聖女になれるわけないだろう」
その言葉がファヴィオラの耳に届く。
何を発言しても平民には届かないと判断し、ファヴィオラは静かに去った。
「聖女候補様……」
事実を知る司祭がファヴィオラに声をかけるも、見習いはソレーヌの親しみやすい性格と笑顔に魅了されていた。
「……私がいては却って迷惑になりそうですので、下がりますね」
心配する司祭に微笑みを見せ、静かに平民の前から立ち去るファヴィオラ。
その後、ファビオラの聖女候補としての活動は大教会に戻り報告書で提出する。
だが、おかしな噂が広まり始める。
「貧困街に聖女候補自ら食料を配布してくれた。笑顔が素敵な彼女はなんと、平民出身。彼女こそ、聖女に相応しい」
今回の食料配布は、ソミールの名前で広まっていた。
「どうして、アレの実績となっているんですか? 食料配布を計画しあそこまでやり遂げたのは、ファビオラ様ではありませんか!!」
誰よりも正義感が強く、貴族の功績を平民に奪われることを許さない聖女候補が司祭の部屋へ乗り込み怒鳴りつける。
「私はアンギレーリ様が準備し、当日の行動もあちらの司祭から報告を受けております。ですが、噂はなぜかそのようになってしまったんです……噂話は、私にはどうにもできません」
「教会が今まであの女を野放しにしてきたからではありませんか! 今後も私たちの功績を奪う気ですよ、アレは!!」
「……今回は、偶然でしょう。毎回都合よく候補者の奉仕活動場所に居合わせるのは難しいですから。それに彼女は平民。馬車を所持していないのですから、教会が手配しない限り移動手段はありません」
「そうやって楽観視していると、司祭様も利用されますよ」
エリベルタは不穏な言葉を残し、司祭の部屋を去って行く。
あなたにおすすめの小説
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
『愛人を連れて帰ってきた翌朝、名前すら呼ばれなかった私は離縁状を置いて旅に出ます。これからは幸せになります――そう思っていました。』
まさき
恋愛
夫に名前すら呼ばれず、冷たく扱われ続けた私は、ある朝、ついに限界を迎えた。
決定打は、夫が見知らぬ女性を連れて帰ってきたことだった。
――もういい。こんな場所に、私の居場所はない。
離縁状を残し、屋敷を飛び出す。
これからは自由に、幸せに生きるのだと信じて。
旅先で出会う優しい人々。
初めて名前を呼ばれ、笑い、温かい食事を囲む日々。
私は少しずつ、“普通の幸せ”を知っていく。
けれど、そのたびに――背中の痣は、静かに増えていた。
やがて知る、自らの家系にかけられた呪い。
それは「幸せを感じるほど、命を削る」という残酷なものだった。
一方その頃、私を追って旅に出た夫は、焦燥の中で彼女を探し続けていた。
あの冷たさも、あの女性も、すべては――。
けれど、すべてを知ったときには、もう遅くて。
これは、愛されていなかったと信じた私が、
最後にようやく“本当の愛”に気づくまでの物語。
婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。
石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。
やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。
失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。
愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。
亡き姉の身代わりとして嫁いだ私ですが、離縁状を置いた翌朝、夫が私の「真実」に気づいたようです』
まさき
恋愛
「サインはもう、いただきました。あとは私がこの屋敷を出るだけです」
五年間の結婚生活。侯爵令嬢エルゼが演じ続けたのは、亡き姉・ロザリーの「身代わり」という配役だった。
夫であるカイル公爵が愛していたのは、かつて雪の中で自分を救ってくれた初恋の少女・ロザリー。
生き写しの妹であるエルゼを娶りながらも、彼は一度も彼女を「エルゼ」と呼ぶことはなかった。
冷淡な視線、姉と比較される日々。
「君はどこまでいっても、ロザリーの代わりにはなれない」
その言葉を最後に、エルゼは静かに離縁状を置き、屋敷を去る決意をする。
しかし、彼女が消えた翌朝。
カイルは、エルゼが大切に遺していった古い小箱を見つける。
そこにあったのは、十五年前のあの日、彼が「命の恩人」に預けたはずの片方のカフスボタン。
そして、幼いエルゼが綴った、あまりにも切ない真実の日記だった。
――「あの日、雪の中で貴方を抱きしめていたのは、お姉様ではなく、私だったのです」
真実を知り、絶望の中でエルゼを追うカイル。
だが、すべてを捨てて「自分」を取り戻したエルゼは、もう二度と、彼の隣で微笑む仮面の妻には戻らない。
これは、名前を奪われた女が自由を掴み、愚かな夫が真実の愛を失うまでの、静かで鮮やかな再生の物語。
皆さん勘違いなさっているようですが、この家の当主はわたしです。
和泉 凪紗
恋愛
侯爵家の後継者であるリアーネは父親に呼びされる。
「次期当主はエリザベスにしようと思う」
父親は腹違いの姉であるエリザベスを次期当主に指名してきた。理由はリアーネの婚約者であるリンハルトがエリザベスと結婚するから。
リンハルトは侯爵家に婿に入ることになっていた。
「エリザベスとリンハルト殿が一緒になりたいそうだ。エリザベスはちょうど適齢期だし、二人が思い合っているなら結婚させたい。急に婚約者がいなくなってリアーネも不安だろうが、適齢期までまだ時間はある。お前にふさわしい結婚相手を見つけるから安心しなさい。エリザベスの結婚が決まったのだ。こんなにめでたいことはないだろう?」
破談になってめでたいことなんてないと思いますけど?
婚約破棄になるのは構いませんが、この家を渡すつもりはありません。
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。