王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒

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聖女時代

領地訪問から戻りました

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 スカルノが卒業し新たな聖女候補も誕生。
 年々聖女候補の誕生は少なくなっているが、それ以外は問題なく数年を過ごす。
 私は、コルテーゼ領以外にも訪問している。

「司祭様、こちら教会訪問の報告書です」

「今回も無事でなによりです。何か問題はありませんでしたか?」

「教会は……修繕が必要な箇所が目立っていました。司祭様や見習いの様子から犯罪はなく、支援が足りていないと感じました」

「そうですか。王都から離れると、どうしても支援の申し出が減りますからね。分かりました。他にはどうでしたか?」

「魔獣などの被害の報告はありませんでした」

「そうですか。報告書、受け取りました」

「ありがとうございます」

「バルツァルさんから見て、今の候補者同士は問題ありませんか?」

「問題……教会内では皆が聖女候補と認識しています。ですが、私たちは爵位というものを幼いころから自覚するよう教養を受けて来ました。なので、教会では聖女候補は『皆が同一』と言われても、切り替えるのが難しいと感じる者もいます」

「そうですね。爵位が高ければ、家門に対しても誇りが強いでしょう。徐々に慣れていただかなくてはなりませんね。スカヴィーノさんとは、上手くやっていけそうですか?」

「はい。デルフィーナ様は聖女候補としても尊敬しておりますし、素晴らしい方です」

「新たな候補者が現れたとき、年長者として対応できそうか?」

「はい」

「そうですか。噂で耳にしたかもしれませんが、バルツァルさんが各地を訪問中に聖女候補が現れました」

 最近は、聖女候補の誕生が安定していない。
 年々人数が減少している。
 そのため、祈りの時間にも影響が出始めている。
 私の領地教会訪問の回数も、以前に比べ減らしている。
 領地訪問中も欠かさず祈りを捧げている。
 それでも、王都を離れることで、他の候補者に負担がかかっているのではないかと思うようになっていた。
 聖女候補の活動を、領地訪問から変更しなければならないのかもしれないと考えていた。
 今年の聖女候補はすでに誕生している。
 儀式でなんらかの不具合が起こり、聖女の素質ありと判定されなかった者は過去にもいた。
 今回は数週間の遅れ。
 その程度であれば、問題は起きないだろう。
 
「それは喜ばしいことですね」

「……だと、いいのですが……」

「何か、不安なことでもあるんですか?」

「……その方は……いえ。紹介したときに分かるでしょう」

「……はい」

「今後、年長者の方には大変な思いを強いるかもしれませんが、頼みますよ」

「はい」

 私は、デルフィーナに続き年長者となる。
 司祭には、聖女候補たちを先導する者としての覚悟を聞かれたのだと思っていた。
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