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聖女時代
諦めない女
「ですので、お茶会は残念ですがお断りさせていただきま……」
「ではっ、私が卒業生として、その週は祈りに来るのはどうかしら? 掃除も挨拶も問題ないわ」
後輩たちが意を決して断るのだが、それを遮るように提案するベネデッタ。
問題しかない。
どうしたら、そのような考えに辿り着くのか……
はっきりと宣言したい。
『貴方と距離を置きたくてお断りしているんですぅぅぅぅ』と……叫んでもいいだろうか。
今後、この調子で教会に居座られたら堪ったものではない。
「ベネデッタ様、そのような前例はありません」
「前例がなければ作ればいいんですよ。司祭様にお願いしてください。お二人は高位貴族ではありませんか?」
ここで彼女は爵位を持ち出す。
私たちが高位貴族だというのを、彼女は忘れていたわけではなさそう。
今までの無礼は、『聖女候補』だから私たちの爵位は同列と思っているのだろう。
都合よく、爵位と聖女候補を使い分けている。
「……ベネデッタ様、それでは候補者の育成にはなりません。何かあれば卒業生を頼るのを覚えては、能力を高めようという意識が欠如してしまいます」
「そんなこと、ないわよね?」
彼女の『先輩』という立場が邪魔して、候補者たちは同意していいのか困惑している。
一度招待されたお茶会を参加と表明しておきながら断っているので、これ以上は失礼にあたると考えていそう。
「ベネデッタ様。そんなことをされては、私たちは能力不足だと宣言するようなもの。私たちの名誉を傷付けたいのですか?」
「私はそんなつもりではなく……親友が困っているんですもの、助けたいって思ってはいけないの?」
「私たちは誇りをもって聖女候補をしております。陰で私たち以外の者が祈っていたと知られた時、信用を失います。それが卒業された聖女候補だったとしてもです」
「……そんな重く捉えなくても……私は卒業したばかりだし、聖女候補も現れていないんだもの……結界が崩れるよりかはいいと思うけど……」
「その真実が広まり来年もまた候補者が現れなかった時、国民がどう思うか考えたことはありますか?」
「どうって……別に。今年もいないのかぁ……くらいじゃない?」
「聖女候補が現れず陰で卒業生たちが祈っていたとなれば、国民は不安を覚えます。それが二年も続けば今後もそうなのではないかと疑心暗鬼になり、大丈夫なのかと教会に詰め寄ります。その対応に時間を割かれ、更に祈りの時間が減れば負の連鎖が始まるんです。ですので、教会や王族からの依頼がない限り安易に『私も一緒に祈ります』等と仰らないでいただきたい。あなたはここを卒業されたんです。後輩たちの仕事を奪わないでください」
「……そこまで言うなら、分かったわよ」
ようやくベネデッタは諦めて去って行く。
「フローレンス様、ありがとう。本来は私が明確に断らなければならなかったのに……」
「私も彼女に圧倒され、言葉が出てきませんでした」
「いえ。こういう時は助け合いだと思います。それに一度了承してしまったら、二度目も有無を言わせずお茶会に呼ばれそうですからね」
「「「「えっ」」」」
了承してしまった後輩たちは、一度だけ参加すればいいだろうと安易に考えていた。
あの性格の彼女の招待が、一度で終わるとは到底思えない。
寧ろ、今後も彼女の承認欲求を満たす為に利用され続けるだろう。
後輩たちに私とスカルノ、デルフィーナが頷くと全員が表情を引き攣らせる。
「ベネデッタ・パラッチィ……聖女候補の中で一番厄介な人物だったのね」
「私はあんな先輩にはならないわ」
「あれには……なれないと思う……」
嵐が過ぎ去り静けさに安堵。
六年目にして、スカルノとデルフィーナと距離を縮められた気がする。
「ではっ、私が卒業生として、その週は祈りに来るのはどうかしら? 掃除も挨拶も問題ないわ」
後輩たちが意を決して断るのだが、それを遮るように提案するベネデッタ。
問題しかない。
どうしたら、そのような考えに辿り着くのか……
はっきりと宣言したい。
『貴方と距離を置きたくてお断りしているんですぅぅぅぅ』と……叫んでもいいだろうか。
今後、この調子で教会に居座られたら堪ったものではない。
「ベネデッタ様、そのような前例はありません」
「前例がなければ作ればいいんですよ。司祭様にお願いしてください。お二人は高位貴族ではありませんか?」
ここで彼女は爵位を持ち出す。
私たちが高位貴族だというのを、彼女は忘れていたわけではなさそう。
今までの無礼は、『聖女候補』だから私たちの爵位は同列と思っているのだろう。
都合よく、爵位と聖女候補を使い分けている。
「……ベネデッタ様、それでは候補者の育成にはなりません。何かあれば卒業生を頼るのを覚えては、能力を高めようという意識が欠如してしまいます」
「そんなこと、ないわよね?」
彼女の『先輩』という立場が邪魔して、候補者たちは同意していいのか困惑している。
一度招待されたお茶会を参加と表明しておきながら断っているので、これ以上は失礼にあたると考えていそう。
「ベネデッタ様。そんなことをされては、私たちは能力不足だと宣言するようなもの。私たちの名誉を傷付けたいのですか?」
「私はそんなつもりではなく……親友が困っているんですもの、助けたいって思ってはいけないの?」
「私たちは誇りをもって聖女候補をしております。陰で私たち以外の者が祈っていたと知られた時、信用を失います。それが卒業された聖女候補だったとしてもです」
「……そんな重く捉えなくても……私は卒業したばかりだし、聖女候補も現れていないんだもの……結界が崩れるよりかはいいと思うけど……」
「その真実が広まり来年もまた候補者が現れなかった時、国民がどう思うか考えたことはありますか?」
「どうって……別に。今年もいないのかぁ……くらいじゃない?」
「聖女候補が現れず陰で卒業生たちが祈っていたとなれば、国民は不安を覚えます。それが二年も続けば今後もそうなのではないかと疑心暗鬼になり、大丈夫なのかと教会に詰め寄ります。その対応に時間を割かれ、更に祈りの時間が減れば負の連鎖が始まるんです。ですので、教会や王族からの依頼がない限り安易に『私も一緒に祈ります』等と仰らないでいただきたい。あなたはここを卒業されたんです。後輩たちの仕事を奪わないでください」
「……そこまで言うなら、分かったわよ」
ようやくベネデッタは諦めて去って行く。
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「私も彼女に圧倒され、言葉が出てきませんでした」
「いえ。こういう時は助け合いだと思います。それに一度了承してしまったら、二度目も有無を言わせずお茶会に呼ばれそうですからね」
「「「「えっ」」」」
了承してしまった後輩たちは、一度だけ参加すればいいだろうと安易に考えていた。
あの性格の彼女の招待が、一度で終わるとは到底思えない。
寧ろ、今後も彼女の承認欲求を満たす為に利用され続けるだろう。
後輩たちに私とスカルノ、デルフィーナが頷くと全員が表情を引き攣らせる。
「ベネデッタ・パラッチィ……聖女候補の中で一番厄介な人物だったのね」
「私はあんな先輩にはならないわ」
「あれには……なれないと思う……」
嵐が過ぎ去り静けさに安堵。
六年目にして、スカルノとデルフィーナと距離を縮められた気がする。
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