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聖女時代
再びのコルテーゼ領
「バルツァル公爵令嬢、お待ちしておりました」
コルテーゼ侯爵だけでなく、ルードヴィックに夫人も私を出迎えてくれた。
「本日はお招きいただき、感謝いたします」
「いえ、私たちこそバルツァル公爵令嬢の発見に感謝いたします。令嬢の発見をルードヴィックに聞いた時は信じられずにおりまして、その後調査し……」
「父さん、それは屋敷に入ってからの方が」
コルテーゼは興奮した様子で話を勧め、ここがまだ外だと忘れ息子のルードヴィックに落ち着くよう促される。
「あぁ、そうだな。バルツァル公爵令嬢、どうぞ中へ」
「はい」
コルテーゼは、今まで私のことを『聖女候補様』と呼んでいた。
だが今回は『バルツァル公爵令嬢』と、私個人を認識したように聞こえる。
私の考えすぎかもしれない。
案内されているのは応接室。
「バルツァル公爵令嬢、わざわざ領地までお越しいただき感謝いたします」
「いえ、こちらこそ令息に突拍子もない発言をしてしまったと思っております」
「いや、令嬢には大変感謝しております……」
使用人は紅茶とお菓子の準備を終えると応接室を退出。
部屋にはコルテーゼ侯爵、夫人、ルードヴィックと私の四人。
重要な会話がされるということ。
「……それで早速で申し訳ないが、令嬢の発見について報告させていただきます」
「はい」
「あの沼地に生息していた花は令嬢の仰る通り、ブルニーマ・クラウトだと証明されました」
「やはり……」
「ブルニーマ・クラウトは昏睡状態の者を目覚めさせる伝説のような植物。実際発見されるとは……思いもしませんでした」
「俺も何度も見ていたが、まさかあの花が伝説の花とはまったく思わなかった」
「ブルニーマ・クラウトは、昼は普通の白い花のつぼみで夜に開花しますからね。そして最終判断は満月の夜に光り輝く。確認するには、あの沼地を夜に訪れないといけませんものね」
「半信半疑でしたが、ルードヴィックと共に確認いたしました。満月の夜に」
「どうでした?」
本物と聞いてもやはり、夜に光り輝く花と言うのは信じられない。
「光り輝いていた」
「そう……なんですね」
輝く花……私も一度、見てみたい。
「ブルニーマ・クラウトはとても貴重な花。調査してから王族へ報告しようと思います。あの場所も我々が管理して行こうと思うので、バルツァル公爵令嬢からの報告は待ってほしいんです」
「私はコルテーゼ侯爵に従います」
「本当によろしいんですか? この発見は次世代の『聖女』に大きく影響しますよ?」
「構いません。貴重な花ですから報告するには慎重を期す必要があるのも分かります。私はコルテーゼ侯爵にお任せしたいと思います」
「……ありがとうございます」
「バルツァル公爵令嬢も、よくあの花がそうだと分かりましたね」
「偶然です。私、花壇で薬草を育てていまして、その栽培方法を調べる時に偶然目にしたのを覚えてただけです」
「今回発見できたのは令嬢の知識があってこそです。ありがとございます」
侯爵が頭を下げる。
報告を終えると、紅茶をいただき夫人が中心となって和やかな会話へと移る。
緊迫した空気を変化させるために、夫人も同席されたのだろう。
伝説の花の発見に興奮し冷静を装う私たちだったので、夫人の存在は大きかった。
「そうだ。フローレンス嬢、もうすぐ満月だが観に行ってみるか?」
提案するのはルードヴィック。
「拝見したいですが……あの場所に私が行ってもよろしいんでしょうか?」
「発見者なんだ、当然だろ。な、父さん」
「あぁ、令嬢はいつでも歓迎です」
「では、光り輝く瞬間を拝見したいです」
「それなら俺が案内する」
「ルードヴィック、護衛は当然だが注目は避けるように。今日は夕方から商会近くの宿に滞在する方が良いかもしれないな」
安易に懇願してしまったが、貴族が夜に移動するのは危険。
それに私たちの軽率な行動で、あの花の存在が知られるのも困る。
「あの……ご迷惑でしたら……」
「いえ、迷惑ではありません。我が領地は安全ですが、用心に越したことはないですからね」
準備が整えられていく。
見学に向かうまでの時間、夫人とお茶をしたりとのんびり過ごし夕方にルードヴィックと宿に向かう。
「宿からあの場所までは十分ほど。宿近くで夕食するとして、直後ではまだ時間が早いと思う。一度部屋で休んでからの方が良いと思う」
「はい」
「フローレンス嬢、名前なんだが街中で『令嬢』と呼ぶと目を付けられてしまう。平民のように呼ぶが問題ないか? 」
「そうですね。名前は構いません。私は令息をなんとお呼びしたらいいでしょう?」
「ルーイで」
「ルーイ様……様は、おかしいでしょうか?」
「そうだなルーイで。令嬢は何て呼んだらいい?」
「私は愛称で呼ばれたことがないのですが……フローラ? ですかね?」
「分かった。それでは、フローラと呼ぶ。夕食は今の恰好でいいが、花を見に行く時は男の恰好でローブもあった方が良いだろう」
「分かりました、着替えておきます」
宿に到着し、一息つくとルードヴィックが迎えに来る。
「食事に行こうと思う、準備は出来ているか?」
「はい」
二人で宿近くで夕食を取り、他愛のない会話をする。
会話内容で貴族と感づかれないための配慮。
食事が終わるとルードヴィックは私を部屋まで送ってくれた。
「また呼びに来る。この階には護衛も宿泊しているが用心しろよ。もし外出したけれ俺の部屋は隣だから、遠慮なく来てくれ。絶対に一人で行動するなよ。それと扉を開ける時は気を付けろ。一応、扉開ける前のノックの回数を三・二・三とする。その後、俺が声かけるからそれを聞いてから扉を開けるように」
ルードヴィックは心配症と感じるが、貴族と疑われれば狙われるのは私。
令嬢が誘拐となれば噂は一気に広まる。
これは大げさではない。
「はい、ありがとうございます。ルーイが訪れるのを待ちます」
「あぁ」
コルテーゼ侯爵だけでなく、ルードヴィックに夫人も私を出迎えてくれた。
「本日はお招きいただき、感謝いたします」
「いえ、私たちこそバルツァル公爵令嬢の発見に感謝いたします。令嬢の発見をルードヴィックに聞いた時は信じられずにおりまして、その後調査し……」
「父さん、それは屋敷に入ってからの方が」
コルテーゼは興奮した様子で話を勧め、ここがまだ外だと忘れ息子のルードヴィックに落ち着くよう促される。
「あぁ、そうだな。バルツァル公爵令嬢、どうぞ中へ」
「はい」
コルテーゼは、今まで私のことを『聖女候補様』と呼んでいた。
だが今回は『バルツァル公爵令嬢』と、私個人を認識したように聞こえる。
私の考えすぎかもしれない。
案内されているのは応接室。
「バルツァル公爵令嬢、わざわざ領地までお越しいただき感謝いたします」
「いえ、こちらこそ令息に突拍子もない発言をしてしまったと思っております」
「いや、令嬢には大変感謝しております……」
使用人は紅茶とお菓子の準備を終えると応接室を退出。
部屋にはコルテーゼ侯爵、夫人、ルードヴィックと私の四人。
重要な会話がされるということ。
「……それで早速で申し訳ないが、令嬢の発見について報告させていただきます」
「はい」
「あの沼地に生息していた花は令嬢の仰る通り、ブルニーマ・クラウトだと証明されました」
「やはり……」
「ブルニーマ・クラウトは昏睡状態の者を目覚めさせる伝説のような植物。実際発見されるとは……思いもしませんでした」
「俺も何度も見ていたが、まさかあの花が伝説の花とはまったく思わなかった」
「ブルニーマ・クラウトは、昼は普通の白い花のつぼみで夜に開花しますからね。そして最終判断は満月の夜に光り輝く。確認するには、あの沼地を夜に訪れないといけませんものね」
「半信半疑でしたが、ルードヴィックと共に確認いたしました。満月の夜に」
「どうでした?」
本物と聞いてもやはり、夜に光り輝く花と言うのは信じられない。
「光り輝いていた」
「そう……なんですね」
輝く花……私も一度、見てみたい。
「ブルニーマ・クラウトはとても貴重な花。調査してから王族へ報告しようと思います。あの場所も我々が管理して行こうと思うので、バルツァル公爵令嬢からの報告は待ってほしいんです」
「私はコルテーゼ侯爵に従います」
「本当によろしいんですか? この発見は次世代の『聖女』に大きく影響しますよ?」
「構いません。貴重な花ですから報告するには慎重を期す必要があるのも分かります。私はコルテーゼ侯爵にお任せしたいと思います」
「……ありがとうございます」
「バルツァル公爵令嬢も、よくあの花がそうだと分かりましたね」
「偶然です。私、花壇で薬草を育てていまして、その栽培方法を調べる時に偶然目にしたのを覚えてただけです」
「今回発見できたのは令嬢の知識があってこそです。ありがとございます」
侯爵が頭を下げる。
報告を終えると、紅茶をいただき夫人が中心となって和やかな会話へと移る。
緊迫した空気を変化させるために、夫人も同席されたのだろう。
伝説の花の発見に興奮し冷静を装う私たちだったので、夫人の存在は大きかった。
「そうだ。フローレンス嬢、もうすぐ満月だが観に行ってみるか?」
提案するのはルードヴィック。
「拝見したいですが……あの場所に私が行ってもよろしいんでしょうか?」
「発見者なんだ、当然だろ。な、父さん」
「あぁ、令嬢はいつでも歓迎です」
「では、光り輝く瞬間を拝見したいです」
「それなら俺が案内する」
「ルードヴィック、護衛は当然だが注目は避けるように。今日は夕方から商会近くの宿に滞在する方が良いかもしれないな」
安易に懇願してしまったが、貴族が夜に移動するのは危険。
それに私たちの軽率な行動で、あの花の存在が知られるのも困る。
「あの……ご迷惑でしたら……」
「いえ、迷惑ではありません。我が領地は安全ですが、用心に越したことはないですからね」
準備が整えられていく。
見学に向かうまでの時間、夫人とお茶をしたりとのんびり過ごし夕方にルードヴィックと宿に向かう。
「宿からあの場所までは十分ほど。宿近くで夕食するとして、直後ではまだ時間が早いと思う。一度部屋で休んでからの方が良いと思う」
「はい」
「フローレンス嬢、名前なんだが街中で『令嬢』と呼ぶと目を付けられてしまう。平民のように呼ぶが問題ないか? 」
「そうですね。名前は構いません。私は令息をなんとお呼びしたらいいでしょう?」
「ルーイで」
「ルーイ様……様は、おかしいでしょうか?」
「そうだなルーイで。令嬢は何て呼んだらいい?」
「私は愛称で呼ばれたことがないのですが……フローラ? ですかね?」
「分かった。それでは、フローラと呼ぶ。夕食は今の恰好でいいが、花を見に行く時は男の恰好でローブもあった方が良いだろう」
「分かりました、着替えておきます」
宿に到着し、一息つくとルードヴィックが迎えに来る。
「食事に行こうと思う、準備は出来ているか?」
「はい」
二人で宿近くで夕食を取り、他愛のない会話をする。
会話内容で貴族と感づかれないための配慮。
食事が終わるとルードヴィックは私を部屋まで送ってくれた。
「また呼びに来る。この階には護衛も宿泊しているが用心しろよ。もし外出したけれ俺の部屋は隣だから、遠慮なく来てくれ。絶対に一人で行動するなよ。それと扉を開ける時は気を付けろ。一応、扉開ける前のノックの回数を三・二・三とする。その後、俺が声かけるからそれを聞いてから扉を開けるように」
ルードヴィックは心配症と感じるが、貴族と疑われれば狙われるのは私。
令嬢が誘拐となれば噂は一気に広まる。
これは大げさではない。
「はい、ありがとうございます。ルーイが訪れるのを待ちます」
「あぁ」
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第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
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