78 / 96
ソミール・イリノエ
3
コルネリウスを見送り一人部屋に戻る。
「私をお披露目するために、王宮でパーティーだなんて。んふふっ。あぁ~楽しみぃ。みんなに申し訳ないなぁ……聖女になるためにあんなに頑張ってたのに。私一人が聖女だなんて……世話係でみんなを従えるのも気持ちいいけど、コルネリウスさんがみんなのことあんまりよく思ってないから仕方がないよね。その代わり私が王宮を案内してあげたら、みんなも喜ぶだろうなぁ……あっ、延期になったお茶会も開催してあげないと!!」
しばらくすると、待ちに待った来客。
「こちらが完成品になります」
「わぁ、綺麗なドレス」
依頼したドレスが届く。
「最終確認のため、ご試着をお願いできますでしょうか?」
「はぁい」
使用人数人でドレスの試着を行う。
「どうかな?」
「大変よくお似合いです」
「んふっ、皆はどう思う?」
ドレス姿を使用人にも見せ感想を聞く。
『素晴らしいです』
『お綺麗です』
『よくお似合いです』
「本当? 良かったぁ」
ドレスの試着を終え、靴と宝石も届く。
すべての確認を終え、パーティー当日を待つ。
「お嬢様。こちらが届きました」
「ドレス? 誰から?」
「コルネリウス王子からです」
「コルネリウスさんから、私にドレス?」
「はい。それにこちらも」
コルネリウスから届いたのはドレス以外に宝石。
そして手紙。
『ソミール嬢。
聖女お披露目パーティーでは、私にエスコートをさせてもらえないだろうか?
それと、当日はこちらのドレスを着用してほしい。
贈ったドレスを着るソミール嬢を見られることを祈っている。
コルネリウス』
「こちらのドレスは王家御用達のデザイナーですね」
「そうなの?」
私が準備した物とは、形の違うドレス。
「こちらはコルネリウス王子の瞳の色ですね」
「言われると、そうだね。何か、意味があるの?」
「貴族の方に自身の瞳や髪の色の物を贈るのは、婚約者か相手を慕っているという意味です」
「なら、今度のパーティーはこれにする!!」
聖女お披露目パーティーでは、コルネリウスからのドレス一式を選んだ。
「ソミール。ダンスは出来るのか?」
侯爵にダンスができるのか確認を受けた。
侯爵が言っているダンスは、お祭りで平民がその場の雰囲気に合わせて踊るダンスのことではないよね?
「ダンスは……ないです」
「そうか。講師を雇う。聖女お披露目パーティーまでにできるようにしておきなさい」
「はぁい」
私のパーティーまでの時間、ダンス練習が始まった。
侯爵が雇った講師も意地悪な人だったけど、我慢した。
パーティーまで時間がなかったから。
終わってから、侯爵に伝えるつもり。
そして、パーティー当日。
「次代の聖女は、ソミール・イリノエ侯爵令嬢だ。令嬢は能力だけでなく、聖女としての人格も申し分ないと判断した。今代の聖女ソミール・イリノエ侯爵令嬢だが歴代の聖女を凌ぐ能力を所持している為、聖女補佐を必要としない事を宣言する」
会場にいるみんなが、私を羨望の眼差しで見ている。
聖女候補のみんなも、私の姿に魅入っている。
私のために開催されたパーティー。
これが貴族で、聖女様。
「ソミール嬢」
コルネリウスに手を差し出される。
一番初めに私たちのダンスを披露する。
「はい」
コルネリウスのエスコートでダンスが始まる。
練習したけど、少し足がバタバタしてしまったがドレスで見えなかったはず。
ダンスを終えれば、みんなからの拍手を受ける。
「多くの貴族が挨拶に訪れる。ソミールは私の隣に」
「はい」
教会で顔を合わせたことのある貴族もいれば、面識のない貴族からも挨拶を受ける。
「ソミール・イリノエ侯爵令嬢、聖女就任おめでとうございます」
知らない貴族が挨拶に訪れるも、みんなはなかなか来てくれない。
どこにいるのか探していると、壁際にレンスの姿を見つけた。
隣には、ルードヴィックの姿。
もしかして、私がコルネリウスのエスコートを受けたことで悲しむルードヴィックをレンスが慰めていたのかもしれない。
レンスは、以前からルードヴィックを慕っていた。
私が気を遣うと余計気まずくなっちゃうよね?
明るく振る舞わなきゃ。
「レンス、ここにいたの! もう、気づかないところだったよ」
レンスに声をかけると、ルードヴィックから縋るような切ない視線を受ける。
レンスと会話している最中も、ルードヴィックの視線が気になって仕方がない。
彼のためにも、はっきりさせなくては。
「……ルードヴィックさん。あの……あなたと婚約は、できそうにありません。ごめんなさい。それじゃぁ」
「ソミール嬢。彼と婚約とは、どういうことだ?」
すぐにその場から離れたかったのに、コルネリウスに引き止められる。
コルネリウスと一緒にいる私を見たら、ルードヴィックが悲しんでしまうのに……。
「婚約を申し込まれていたのか?」
コルネリウスに確認を取られる。
なんて答えたらいい?
「聖女様に婚約を申し込んだことはございません。何か誤解されているのではありませんか?」
「はっ、はい。分かりました。そういうことにしておきます」
聖女でコルネリウスのエスコートを受けている私に婚約を申し込んだとなれば、彼の立場が危うくなってしまう。
私も、彼の嘘に同調した。
私が彼にできることは、このくらいしかない。
「君、名前は?」
「私は、ルードヴィック・コルテーゼと申します。フローレンス嬢があの花を発見したのは、我が領地です」
「……あの頃はソミール嬢は、平民だった。今後はそうはいかないからな」
「コルネリウスさん! 私は、大丈夫だから。レンス、またね」
コルネリウスは、私が発見した花をレンスも一緒に発見したことにしてほしいとお願いしたのをまだ怒っている。
私はもう、いいのに。
レンスとはいつまでも友だちでいたいと思ってるから、険悪になりたくない。
そうなる前に、急いでコルネリウスと共に立ち去る。
レンスには隠したかった。
すべては、あの提案を受け入れた私が悪い。
その後も、聖女候補で一緒だったみんなに挨拶をするも、隣に立つコルネリウスが鋭い視線を向ける。
私のためなのはわかるけど、私はみんなを許した。
だから、コルネリウスにもみんなを許してほしい。
「みんなからの手紙はないのか……」
パーティーが終わり多数の貴族からお茶会の招待状が届くも、聖女候補のみんなから連絡はない。
「私をお披露目するために、王宮でパーティーだなんて。んふふっ。あぁ~楽しみぃ。みんなに申し訳ないなぁ……聖女になるためにあんなに頑張ってたのに。私一人が聖女だなんて……世話係でみんなを従えるのも気持ちいいけど、コルネリウスさんがみんなのことあんまりよく思ってないから仕方がないよね。その代わり私が王宮を案内してあげたら、みんなも喜ぶだろうなぁ……あっ、延期になったお茶会も開催してあげないと!!」
しばらくすると、待ちに待った来客。
「こちらが完成品になります」
「わぁ、綺麗なドレス」
依頼したドレスが届く。
「最終確認のため、ご試着をお願いできますでしょうか?」
「はぁい」
使用人数人でドレスの試着を行う。
「どうかな?」
「大変よくお似合いです」
「んふっ、皆はどう思う?」
ドレス姿を使用人にも見せ感想を聞く。
『素晴らしいです』
『お綺麗です』
『よくお似合いです』
「本当? 良かったぁ」
ドレスの試着を終え、靴と宝石も届く。
すべての確認を終え、パーティー当日を待つ。
「お嬢様。こちらが届きました」
「ドレス? 誰から?」
「コルネリウス王子からです」
「コルネリウスさんから、私にドレス?」
「はい。それにこちらも」
コルネリウスから届いたのはドレス以外に宝石。
そして手紙。
『ソミール嬢。
聖女お披露目パーティーでは、私にエスコートをさせてもらえないだろうか?
それと、当日はこちらのドレスを着用してほしい。
贈ったドレスを着るソミール嬢を見られることを祈っている。
コルネリウス』
「こちらのドレスは王家御用達のデザイナーですね」
「そうなの?」
私が準備した物とは、形の違うドレス。
「こちらはコルネリウス王子の瞳の色ですね」
「言われると、そうだね。何か、意味があるの?」
「貴族の方に自身の瞳や髪の色の物を贈るのは、婚約者か相手を慕っているという意味です」
「なら、今度のパーティーはこれにする!!」
聖女お披露目パーティーでは、コルネリウスからのドレス一式を選んだ。
「ソミール。ダンスは出来るのか?」
侯爵にダンスができるのか確認を受けた。
侯爵が言っているダンスは、お祭りで平民がその場の雰囲気に合わせて踊るダンスのことではないよね?
「ダンスは……ないです」
「そうか。講師を雇う。聖女お披露目パーティーまでにできるようにしておきなさい」
「はぁい」
私のパーティーまでの時間、ダンス練習が始まった。
侯爵が雇った講師も意地悪な人だったけど、我慢した。
パーティーまで時間がなかったから。
終わってから、侯爵に伝えるつもり。
そして、パーティー当日。
「次代の聖女は、ソミール・イリノエ侯爵令嬢だ。令嬢は能力だけでなく、聖女としての人格も申し分ないと判断した。今代の聖女ソミール・イリノエ侯爵令嬢だが歴代の聖女を凌ぐ能力を所持している為、聖女補佐を必要としない事を宣言する」
会場にいるみんなが、私を羨望の眼差しで見ている。
聖女候補のみんなも、私の姿に魅入っている。
私のために開催されたパーティー。
これが貴族で、聖女様。
「ソミール嬢」
コルネリウスに手を差し出される。
一番初めに私たちのダンスを披露する。
「はい」
コルネリウスのエスコートでダンスが始まる。
練習したけど、少し足がバタバタしてしまったがドレスで見えなかったはず。
ダンスを終えれば、みんなからの拍手を受ける。
「多くの貴族が挨拶に訪れる。ソミールは私の隣に」
「はい」
教会で顔を合わせたことのある貴族もいれば、面識のない貴族からも挨拶を受ける。
「ソミール・イリノエ侯爵令嬢、聖女就任おめでとうございます」
知らない貴族が挨拶に訪れるも、みんなはなかなか来てくれない。
どこにいるのか探していると、壁際にレンスの姿を見つけた。
隣には、ルードヴィックの姿。
もしかして、私がコルネリウスのエスコートを受けたことで悲しむルードヴィックをレンスが慰めていたのかもしれない。
レンスは、以前からルードヴィックを慕っていた。
私が気を遣うと余計気まずくなっちゃうよね?
明るく振る舞わなきゃ。
「レンス、ここにいたの! もう、気づかないところだったよ」
レンスに声をかけると、ルードヴィックから縋るような切ない視線を受ける。
レンスと会話している最中も、ルードヴィックの視線が気になって仕方がない。
彼のためにも、はっきりさせなくては。
「……ルードヴィックさん。あの……あなたと婚約は、できそうにありません。ごめんなさい。それじゃぁ」
「ソミール嬢。彼と婚約とは、どういうことだ?」
すぐにその場から離れたかったのに、コルネリウスに引き止められる。
コルネリウスと一緒にいる私を見たら、ルードヴィックが悲しんでしまうのに……。
「婚約を申し込まれていたのか?」
コルネリウスに確認を取られる。
なんて答えたらいい?
「聖女様に婚約を申し込んだことはございません。何か誤解されているのではありませんか?」
「はっ、はい。分かりました。そういうことにしておきます」
聖女でコルネリウスのエスコートを受けている私に婚約を申し込んだとなれば、彼の立場が危うくなってしまう。
私も、彼の嘘に同調した。
私が彼にできることは、このくらいしかない。
「君、名前は?」
「私は、ルードヴィック・コルテーゼと申します。フローレンス嬢があの花を発見したのは、我が領地です」
「……あの頃はソミール嬢は、平民だった。今後はそうはいかないからな」
「コルネリウスさん! 私は、大丈夫だから。レンス、またね」
コルネリウスは、私が発見した花をレンスも一緒に発見したことにしてほしいとお願いしたのをまだ怒っている。
私はもう、いいのに。
レンスとはいつまでも友だちでいたいと思ってるから、険悪になりたくない。
そうなる前に、急いでコルネリウスと共に立ち去る。
レンスには隠したかった。
すべては、あの提案を受け入れた私が悪い。
その後も、聖女候補で一緒だったみんなに挨拶をするも、隣に立つコルネリウスが鋭い視線を向ける。
私のためなのはわかるけど、私はみんなを許した。
だから、コルネリウスにもみんなを許してほしい。
「みんなからの手紙はないのか……」
パーティーが終わり多数の貴族からお茶会の招待状が届くも、聖女候補のみんなから連絡はない。
あなたにおすすめの小説
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。
石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。
やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。
失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。
愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。
『愛人を連れて帰ってきた翌朝、名前すら呼ばれなかった私は離縁状を置いて旅に出ます。これからは幸せになります――そう思っていました。』
まさき
恋愛
夫に名前すら呼ばれず、冷たく扱われ続けた私は、ある朝、ついに限界を迎えた。
決定打は、夫が見知らぬ女性を連れて帰ってきたことだった。
――もういい。こんな場所に、私の居場所はない。
離縁状を残し、屋敷を飛び出す。
これからは自由に、幸せに生きるのだと信じて。
旅先で出会う優しい人々。
初めて名前を呼ばれ、笑い、温かい食事を囲む日々。
私は少しずつ、“普通の幸せ”を知っていく。
けれど、そのたびに――背中の痣は、静かに増えていた。
やがて知る、自らの家系にかけられた呪い。
それは「幸せを感じるほど、命を削る」という残酷なものだった。
一方その頃、私を追って旅に出た夫は、焦燥の中で彼女を探し続けていた。
あの冷たさも、あの女性も、すべては――。
けれど、すべてを知ったときには、もう遅くて。
これは、愛されていなかったと信じた私が、
最後にようやく“本当の愛”に気づくまでの物語。
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
亡き姉の身代わりとして嫁いだ私ですが、離縁状を置いた翌朝、夫が私の「真実」に気づいたようです』
まさき
恋愛
「サインはもう、いただきました。あとは私がこの屋敷を出るだけです」
五年間の結婚生活。侯爵令嬢エルゼが演じ続けたのは、亡き姉・ロザリーの「身代わり」という配役だった。
夫であるカイル公爵が愛していたのは、かつて雪の中で自分を救ってくれた初恋の少女・ロザリー。
生き写しの妹であるエルゼを娶りながらも、彼は一度も彼女を「エルゼ」と呼ぶことはなかった。
冷淡な視線、姉と比較される日々。
「君はどこまでいっても、ロザリーの代わりにはなれない」
その言葉を最後に、エルゼは静かに離縁状を置き、屋敷を去る決意をする。
しかし、彼女が消えた翌朝。
カイルは、エルゼが大切に遺していった古い小箱を見つける。
そこにあったのは、十五年前のあの日、彼が「命の恩人」に預けたはずの片方のカフスボタン。
そして、幼いエルゼが綴った、あまりにも切ない真実の日記だった。
――「あの日、雪の中で貴方を抱きしめていたのは、お姉様ではなく、私だったのです」
真実を知り、絶望の中でエルゼを追うカイル。
だが、すべてを捨てて「自分」を取り戻したエルゼは、もう二度と、彼の隣で微笑む仮面の妻には戻らない。
これは、名前を奪われた女が自由を掴み、愚かな夫が真実の愛を失うまでの、静かで鮮やかな再生の物語。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?