【完結】浮気しておきながら婚約は継続してほしい? 何言ってるの?

天冨 七緒

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最近の娯楽は……

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 なんの計画もないまま、長期休暇が始まった。
 会えない事で、相手の事を考えてしまい愛が膨れ上がると聞いたことがある。
 
「なら、考えなければいいのよ。考えないぞ、考えないっ」

 考えないようにするには他の事を考えるしかない。
 他の事……他の事……

「お嬢様、オペラなどの鑑賞は如何ですか?

「オペラって神話とか伝説とかだよね? 」

 オペラは難しい印象。

「昨今では喜劇的なものもありますし、今は豪華な舞台と派手な演出のものも開催されていると聞きます」

「ふぅん、なら行ってみようかな」

 話題だというオペラ。
 客入りからも人気なのが分かる。
 物語は貴族に仕える二人が結婚を決め、新婦の初夜を奪いたい貴族があれこれと画策する話。
 ちなみに、この貴族は結婚している。
 廃止した初夜権を復活させ新婦の初夜を奪おうとしてみたり、母親くらいの年齢の人間と新郎を結婚させようとしてみたりするのだ。
 貴族の策略を必死に交わす二人なのだが、そこに貴族の夫人が現れる。
 夫人は夫が別の人に夢中な事に嘆き悲しみ、新婦と協力して夫に罠を仕掛ける。
 そして結末は…… 

「絵画に続きオペラまで……」

 夫が夫人以外の女性に夢中になりながら、夫人はひたすら夫に思いを寄せる……
 不快と感じる内容なのに、音楽や役者の技術が素晴らしいのが複雑だ。
 当事者でなければ楽しめるのだろうが、これは昨今の貴族を批判した内容ともいえる。
 何故、このような演目の許可が下りたのか不思議でならない。
 相当口の立つ人物が許可を得たのだろう。

「娯楽も安易に選べないわね……」

 屋敷に戻り、父と共に夕食を取る。

「シャルロッテ、私はしばらく領地に滞在しなければならない。どうする? 一緒に来るかい? 」

「領地ですか……」

「途中宿泊しながら馬車で移動する」

 学園と王都しか知らない私に領地は未知の世界。

「行ってみたいです」

「そうか」

 領地に一緒に行くことは、仕事で向かう父には邪魔なだけだろうに嬉しそうにしている。
 溺愛する娘と一緒なのが嬉しいのだろう。
 それから荷物の準備を行い領地へ向かう。
 父とは別の馬車で、休憩を挟みながら移動し一泊する。
 移動中も同行していたマキシーが甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、初めての長期移動だが何とか耐えられている。
 王都を抜けると街並みが一気に変わっていく。
 時間は掛かるが、比較的治安の良い町を通っている。
 護衛騎士と共に移動していても、狙われる時は狙われる。
 用心するに越したことはない。
 宿泊も貴族が利用するという場所なので、管理や警備がしっかりしていて対応も洗練されている。
 馬車で移動していただけなのに、疲れていたようでベッドに入ると眠ってしまった。
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