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婚約発表パーティー
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卒業パーティー後。
今まで会話した事もない令嬢からお茶会の誘いの手紙が毎日届く。
私としては、すべての返事は同じ。
「お誘いありがとうございます。今は婚約パーティーの準備の為、お会いできないのが残念です」
パーティーの準備があるのは本当だが、お茶会が出来ない程ではない。
招待状を手配しドレスに宝石の仕立てが終わればほとんどやることは無い。
会場の準備はすべて使用人が動いてくれる。
滞りなく準備は進み婚約パーティー当日となる。
「今回は一番に見る事が出来たな」
あの日、ロヴァルトは一番に私のドレス姿を見ることが出来ず残念がっていた。
冗談かと思っていた。
「はい。今日は一番ですね。それに一緒に入場できそうです」
「辞職手続の最終確認や卒業パーティーの会場手配の確認などで遅れてしまったのが悔やまれる。シャルロッテを一人入場させるなんて」
「まだ気にしてたんですか? 」
「当然だろ。卒業パーティーは大抵婚約者がパートナーを務める。俺以外にエスコートさせるつもりは無かったが、一人で参加させる気もなかったんだ……」
「そこまで気にすることないのに……」
確かに卒業パーティーに一人での入場はかなり目立ち、緊張や不安などで震えていた。
その後のロヴァルトの登場で状況は一変し、私も卒業パーティーを楽しむ事が出来た。
それを忘れずに悔やんでくれるのが嬉しかったりもする。
「気にするさ……あっ、それは俺が」
最後の装飾品であるネックレスを使用人が準備すると、ロヴァルトの手によって身に着けられる。
今回のドレスも宝石も彼が選んでくれた物だ。
ネックレスを付ける時に髪を片側に寄せられ、現れた私の首に口付ける。
「ひゃっ……くすぐったい……んふっ……」
くすぐったいと言ったのは照れ隠し。
その行為がニヤケてしまう程恥ずかしくて……嬉しい。
「どう……ですか? 」
彼が選んでくれたものを身に着けた私。
全身を確認される。
「流石、俺だ。完璧だな」
確かにドレスも宝石も私に似合っていると思う。
だけど、言い方……
ロヴァルトの俺様具合が日に日に増している気がする。
「……招待客の皆様、ご到着されました」
先程から使用人がいたのだが、甘い雰囲気に会場の準備が整ったことをいつ告げるべきか見計らっていた。
「そろそろ行くか」
「はい」
パーティー会場はアイゼンハワー公爵家の庭。
招待状を送った貴族、全員から出席の返事を頂いた。
その為、かなりの人数となっている。
公爵家と侯爵家の婚約発表パーティーという事もあり、かなり豪華な仕様になっていた。
父の指示により、念入りに準備がされたのが分かる。
その会場に婚約者のエスコートで登場する。
「突然の招待にも拘らず私達の婚約発表パーティーに参加して頂き、ありがとうございます。皆様には未熟な私達を温かい目で見守って頂けたらと思います」
ロヴァルトの挨拶から始めるパーティー。
主催者であるロヴァルトに注目するのは仕方がないが、女性達の視線の意味が分かる私は警戒していた。
浮気・不倫を毛嫌いしていた女性達がロヴァルトに思いを寄せているのを真横で目撃した夫・婚約者は不安を覚え始める。
以前までの男達は本命を蔑ろにし愛人や恋人に夢中だったのに、いざ夫人や婚約者が自分ではない男に夢中になる姿にようやく相手の気持ちを理解したよう。
これから男女逆転が始まろうとしていた。
だとしても
「ロヴァルト様は、渡しませんからっ」
【終わり】
今まで会話した事もない令嬢からお茶会の誘いの手紙が毎日届く。
私としては、すべての返事は同じ。
「お誘いありがとうございます。今は婚約パーティーの準備の為、お会いできないのが残念です」
パーティーの準備があるのは本当だが、お茶会が出来ない程ではない。
招待状を手配しドレスに宝石の仕立てが終わればほとんどやることは無い。
会場の準備はすべて使用人が動いてくれる。
滞りなく準備は進み婚約パーティー当日となる。
「今回は一番に見る事が出来たな」
あの日、ロヴァルトは一番に私のドレス姿を見ることが出来ず残念がっていた。
冗談かと思っていた。
「はい。今日は一番ですね。それに一緒に入場できそうです」
「辞職手続の最終確認や卒業パーティーの会場手配の確認などで遅れてしまったのが悔やまれる。シャルロッテを一人入場させるなんて」
「まだ気にしてたんですか? 」
「当然だろ。卒業パーティーは大抵婚約者がパートナーを務める。俺以外にエスコートさせるつもりは無かったが、一人で参加させる気もなかったんだ……」
「そこまで気にすることないのに……」
確かに卒業パーティーに一人での入場はかなり目立ち、緊張や不安などで震えていた。
その後のロヴァルトの登場で状況は一変し、私も卒業パーティーを楽しむ事が出来た。
それを忘れずに悔やんでくれるのが嬉しかったりもする。
「気にするさ……あっ、それは俺が」
最後の装飾品であるネックレスを使用人が準備すると、ロヴァルトの手によって身に着けられる。
今回のドレスも宝石も彼が選んでくれた物だ。
ネックレスを付ける時に髪を片側に寄せられ、現れた私の首に口付ける。
「ひゃっ……くすぐったい……んふっ……」
くすぐったいと言ったのは照れ隠し。
その行為がニヤケてしまう程恥ずかしくて……嬉しい。
「どう……ですか? 」
彼が選んでくれたものを身に着けた私。
全身を確認される。
「流石、俺だ。完璧だな」
確かにドレスも宝石も私に似合っていると思う。
だけど、言い方……
ロヴァルトの俺様具合が日に日に増している気がする。
「……招待客の皆様、ご到着されました」
先程から使用人がいたのだが、甘い雰囲気に会場の準備が整ったことをいつ告げるべきか見計らっていた。
「そろそろ行くか」
「はい」
パーティー会場はアイゼンハワー公爵家の庭。
招待状を送った貴族、全員から出席の返事を頂いた。
その為、かなりの人数となっている。
公爵家と侯爵家の婚約発表パーティーという事もあり、かなり豪華な仕様になっていた。
父の指示により、念入りに準備がされたのが分かる。
その会場に婚約者のエスコートで登場する。
「突然の招待にも拘らず私達の婚約発表パーティーに参加して頂き、ありがとうございます。皆様には未熟な私達を温かい目で見守って頂けたらと思います」
ロヴァルトの挨拶から始めるパーティー。
主催者であるロヴァルトに注目するのは仕方がないが、女性達の視線の意味が分かる私は警戒していた。
浮気・不倫を毛嫌いしていた女性達がロヴァルトに思いを寄せているのを真横で目撃した夫・婚約者は不安を覚え始める。
以前までの男達は本命を蔑ろにし愛人や恋人に夢中だったのに、いざ夫人や婚約者が自分ではない男に夢中になる姿にようやく相手の気持ちを理解したよう。
これから男女逆転が始まろうとしていた。
だとしても
「ロヴァルト様は、渡しませんからっ」
【終わり】
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