男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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気になってるのは御礼のため

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あの事件以来一人で歩くことが少し怖くなり、不本意ながら団体行動をしっかり守るようになった。
そして変わったことがもうひとつ。
あの時助けてくれた男の人が気になり出した。
これは好きとかそう言う感情ではなく御礼というか少し、ほんの少し話してみたいなぁという感情。
俺は今でも女の子が好き。
だから本当、ただの御礼として逢いたいだけ。
それだけ。
あの人は二年生だと思う。
ネクタイの色とあの人の顔だけは覚えている。
後、背も高かったな。
180cm以上あったんじゃないかな。
顔も整っていたけど綺麗というよりは男らしいという感じだった。
大人っぽい人。
あんな風になりたい、理想的な人。
あの人の事を思い出しながら校舎をさ迷った。
あの人は何処に居るんだろう。
後、探してない場所といえば旧校舎の方だけ。
だけどあっちは人通りがないから少し躊躇いがある。
それに、あの人がわざわざ旧校舎に行くなんて思えない。
…けど、本校舎に居ないって事は旧校舎?
んー怖いけどあの人に逢いたいから、行ってみようかな。

勘違いしないで欲しい。
これは単にお礼のため。
お礼のため。
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