男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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誘惑に負けるな

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「泊まってけよ…な」

壁を背に先輩に囚われる。
焦らすようゆっくりと、優しい壁ドンを受けた。
唇が触れそうなのに触れない、熱が伝わってくる距離が余計に心臓を速める。
荷物を持つ手に力が入った。

「だめだよ」

「何で?」

「あ…だって、ロ…ローファーとか無いし」

「いいだろそんぐらい…それとも泊まりたくないの?」

「ちっ違うよ。先輩と居るとずっと居たくなって、離れられなくなっちゃうから…だから…だめ」

「離れなきゃ良いだろ、側にいんだろ」

「ずっとを長続きさせるために適度な距離は必要かと…」

「…わかった…キスは良いだろ」

「ぅん」

キスは俺もしたかったから頷いた。
頷き俯いた事で先輩にキスしながら頭の角度を変えられた。

「ん…あっぁむん…ん…ぁ…は…んん…ぁはぁっんん…ぁむ…ん゛…ん゛」

長くない?
角度を変えられたことで攻めてくる先輩と壁に完全に押さえつけられている頭は逃げる事が出来ず、先輩のキスを全力で受ける。
どうにかずり下がろうとするも、その手を封じるように下から追い上げてくる。
もう、俺の意思では先輩のキスから逃れられない。
唇が離れ息がしやすくなるも、首筋に吸い付き甘噛みされる。
本能なのか、首を噛まれるとゾクっと恐怖が走るがそれすらも快感に変わっていく。
腰がむずむずと反応し始める。

「せ、んぱいもうだめぇえ」

「もぉちょっと」

抵抗もせず先輩のもうちょっとを受け入れる。
もうちょっとだけを信じ鞄を強く握りしめていた。

「ぁっ」

急に先輩が俺のを握った。
もしかしてこれはお別れのキスではなく帰らせないためのキスなのか?
片手で俺のを握っている先輩の手を軽く制すも先輩の手が止まる事はなく、俺のを扱く先輩の手を握ているだけでしかなかった。
しっかりと俺のが反応したのが分かると満足したのか、先輩が手を止める。

「帰るか、今日はバスで帰れよ」

「………」

この状態で?と無言の抗議をするも

「最終バスまで時間有るだろ。バス停まで付いていってやる」

その言葉は決して優しさではない。
俺の中途半端な状態を知った上で帰らせようとしてる。
俺が泊めてって言うのを待っているように。
だめ、絶対に流されないんだから。
こんなイタズラする時は先輩の思惑に乗ってはいけない。
絶対帰る。
鞄で主張するあれを隠しながら少し前屈みで歩く。
その間も先輩は俺の腰やお尻を撫でまわし、距離を取ろうとする俺を引き寄せる。
漸くバス停に着くもイチャイチャが終わらない。
遅い時間と言うこともあり、人通りも車もまばら。
時刻表とバス停の屋根で隠れながら激しめのキスを受ける。
外という事に誰かに見られるという緊張からか、異常に神経が過敏になる。
何とか耐えていた俺の下半身がまたも興奮してくる。
先輩と離れるのは嫌だけど、今は早くバスが来て欲しいと願う。

「ぅぁあん」

ズボンの上から指で先輩のを受け入れている場所を刺激された。
不意打ちの刺激に外ではしたない声を出したことで顔が熱くなった。
先輩の指は止まることなくグイグイと強さを増していく、感じている俺の反応をみて楽しんでいる先輩を睨む、ちょっぴり潤んだ瞳で。
先輩から軽くキスされた。
キスしてって合図じゃないとムッとするも、なんの攻撃にもなっていない。

「バス来たぞ」

振り向くとバスの姿が見えた。
先輩は少し離れていた。
涼しい顔で。

「気を付けて帰れよ」

なんでこんな時にそんな爽やかな笑顔なの?
こっちはこんな状態でバスに乗らなきゃ行けないのに。
先輩のバカっ。
バスに乗り込み、先輩の姿を探す。
にやりと笑って片手をあげ合図する姿がまたしても憎らしい。
バスが発車するも気が抜けなかった。
最終に近いためかバスは程ほどに混んでいた。
少しの前屈みと鞄で何とか隠れてはいる。
その為、体勢を変えることは許されない。
家から学校までのバスより距離は短いはずなのに、今はとても長く感じる。
お願い、早く着いて欲しい。
悶々と時間は過ぎ何とか家の近くに。
バスを降り早足で家へ向かう。
家に着き部屋へ入ると安心したのか落ち着いてくる。

「む゛ー」

このなんとも言えない気持ちをぶつけるべく、鞄から携帯を取り出し先輩に当たってやる。
………だから、連絡先っ。
また聞くの忘れた。
もぉー。
いつか先輩に仕返ししてやる。
絶対するから。
今は怒りと共にベッドに沈んだ。
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