男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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もうキス以上がしたい

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扉が開き湯上がりの先輩が現れた。
お父さんの服なのに先輩が着ると格好いい。

「風呂上がった」

「はぁい、兄ちゃんどうする?」

「凛、先に入っていいよ」

「いいの?なら、先に入るねぇ」
 
パタパタと凛が部屋を出て駆けていった。

「どうした?」

「凛がねやっぱりうちの学校受けたいって」

「………まぁ、ヤベェだろうな」

「先輩も守ってくれるよね?」

「限界は有るけどな、教室はどうすんだよ」

「そこだよね」

「芯はどうなんだよ?」

「ん?俺はそんなの全く大丈夫だよ。確りしてるし」

「………」

「…俺には功刀って友達がいた」

「ふぅん、どんな奴?」

「さっぱりしてる感じ、色々忠告してくれたりした」

「…どんな関係?」

先輩に同級生の事聞かれるの初めてかも。
俺の事知りたいって思ってくれてるのかな?
嬉しぃ。

「どんな?普通の友達」

「普通ねぇ」

「あっんんふっんんはぁん」

急にキスされた。
今の話の流れで何故?

「こんな事する友達か?」

「え゛、そんな事する友達なんていないよ」

「なら、教室で抱き締められたりとか無いよな」

「無いに決まっ…」

「んぁ゛?」

「違うの、あれはぶつかりそうになって…こうっねぇ」

「なんだよ」

「そう言う意味の抱き締めじゃないよ」

「相手はわかんねぇだろ?」

「だけど、話したこと無いし」

「話す必要はない」

話す気は無いけど、同じクラスだし。
先輩子供みたいで可愛いな。

「そう言う先輩は?」

「あ゛?芯としかヤってねぇよ」

「そうじゃなくて」

「芯とヤりてぇ」

腰に先輩の腕が蛇のように巻き付いてくる。
俺だって今すぐにでもしたいよ。
ベッドを背もたれに座っていた先輩に跨がりゆっくりと近付きキスをする。
蛇と化した手がするりと服のなかに潜り込んで俺の体を這いずり回る。

「ぅっんっ」

胸の突起が捕らえられ理性が本能に喰われ始めた。
このままもっと。
先輩を俺の中に欲しい。
先輩の毒が次第に身体中に回る。
身体が熱をもち呼吸も荒く全身を支配される。
抵抗する気も奪われる。
先輩の舌が蛇の舌のように俺の舌を捕らえ追い詰め離さない。
俺の些細な反応さえ見逃さないという先輩の鋭い眼差しさえも精神的に俺を捕まえに来る。
もう、俺は先輩から逃げられない。
逃げたいなんて気持ちもない。
全てを先輩に支配されたい。
先輩、俺の事もっと食べて。
全部、一欠片も残らないくらい…。

パタパタパタと歩く音とが響いた。
きっと凛がお風呂から上がったのだろうと分かる。
普段はこんな事思わないのに今は凛がもう少し長く入ってくれたら良かったのにと…嫌な感情が生まれてしまった。
大切な弟なのに。
唇が離れ先輩との距離が生まれてくる。
そんなの一生生まれなくていいのに。
先輩の上から降りて平静を保つ。

ガチャ

「兄ちゃん、上がったよ」

「うん、分かった」

俺が立ち上がる代わりに凛がそばに来て座る。
先輩と凛が~なんて心配は一切ない。
ただ先輩の側には俺がいたい、それだけだった。
弟に…大切な凛にすら嫉妬してしまうなんて。
恋は本当に周りを見えなくさせてしまう。
俺がそうなるなんて高校入学前の俺には想像もつかなった。

「お風呂行ってくるね」

「はぁい」

「おぅ」

二人を残しお風呂場に向かった。
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