男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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早起きしてしまった

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夏休みなのに、六時半に起きてしまった。
先輩の家に行くと思ったら目が覚めてしまい二度寝も出来ないくらいぱっちりです。
諦めて起きるもすることがない…。
いや、沢山ある。
夏休みの課題。
すっかり忘れて何一つ手を付けていなかった。
まだ、夏休み始まったばかりだから焦ることはない。
が、一つも手を付けていないのは不味いよね。
目、覚めちゃったしやるか。
朝から勉強とか真面目じゃない?
自分で言うのもなんだけど。
一つ一つこなすも全く時間が進まない。
はぁ、集中出来ていないことなんてわかってる。
あぁ~ん、先輩に早く会いたいよぉ。
一つ問題を解けば時間を確認するというのを何度も何度も繰り返した。
それでもやっぱり時間が進まない。
よし、覚悟を決めて一気にやってしまおう。
一冊全て終わったらご褒美に先輩に会いに行く。
そう思えば一気に出来そう。
ぬぉー、全部終わらせてやるぅ。
………。
…はぁはぁはぁ、大分できたのでは?
結構出来たよね?時間は?
うわぁーやったぁ九時だ。
もう行っても良いよね?良いよね?
よし準備して早く行こうっ。
急いで急いでぇ。
携帯と鍵とお財布があれば十分。
あっご飯どうしよう…。
今日の朝ごはんサンドイッチだぁ、美味しそう。

「母さん、今から先輩の家に行くのこれ持っていって良い?」

「んー良いわよぉ、ならもっと作る?これだけじゃ足りないでしょ?」

確かに俺一人なら十分だが先輩はよく食べる方だと思う。

「良いの?ありがとう」

「あんまり先輩に迷惑かけちゃダメよ」

「はぁい、ねぇ母さん、また先輩泊まりに来ても良い?」

「良いわよ、ご家族の方は大丈夫なの?」

「…先輩、一人暮らしなの」

先輩の家族の事を詳しく言うのはアレかなって思って誤魔化した。

「あらぁ、そうなの?ならもっとうちに泊まればよかったのに?」

母さんの意外な言葉に驚いた。

「良いの?」

「フフ、良いわよ」

なんか含みの有る笑顔だけど、許可を得たので嬉しいっ。

「先輩に言ってみる」

「んー…はい、これだけあれば足りるかしら」

相当な量が出来ていた。
先輩と二人で食べきれるかな?

「うん、ありがとう」

「入れる箱はこれで良い?」

「入るなら何でも」

「そう?なら………はい、出来た」

「行ってくるねぇ」

準備が整い急いで先輩のマンションへ。
フフ待っててね、先輩。

「はーい、気を付けてねぇいってらっしゃーい」

バタン
玄関の閉まる音が響いた。

「ん?お父さん今出掛けたの?」

凛が起きてきた。

「おはよ、今行ったのは芯よ」

「えっ兄ちゃんどこ行ったの?俺も行きたかったぁ」

「フフ…お友達とお勉強だってぇ」

「むっ」

「凛も勉強しないとねぇ」

「むー」

「早く顔洗ってご飯食べなさい?」

「はーい」

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