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3巻
3-10
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「相変わらず、話題には事欠かないな」
「別に狙ってるわけじゃないぞ」
「くく、退屈しないのはいいことだぞ。さて積もる話もあるが、長旅で疲れているだろう。嬢ちゃんは一般人みたいだしな。一旦部屋に案内させる。風呂で身を清めたのち、皆で食事としよう」
今の時刻は午後4時半。
シンやシュニーはともかく、ティエラはさすがに疲れを見せていたので、気遣ってくれたようだ。
ウォルフガングとクオーレは一旦仕事に戻り、食事のときに合流するらしい。
「ああ、そうだ。シン、ちょっとこっちへ」
移動しようとしたところで、ジラートがシンに声をかけた。
「なんだ?」
「パーティを組んでくれ。あとで話がある」
「わかった」
どうやら何か内密の話があるようだ。旧世代バージョンのパーティ編成を行い、いつでも心話可能にしておく。
部屋へはヴァンとラジムが案内してくれた。
それぞれ個室で、武家屋敷らしく畳に箪笥といった内装だ。掛け軸まであった。
《シン。さっそくで悪いが、ちょいと付き合ってもらえるかい?》
《ああ、そっちに行くから待っててくれ》
シンが部屋について内装を眺めていると、さっそくジラートから心話が来た。
なぜだか、あまりいい予感がしない。とはいえ、聞かないわけにはいかないので、マップを頼りにジラートのもとへと向かう。
余談だが、シンの視界に映る簡易マップは、いつの間にかゲーム時のような、マップ作成機能が復活していた。おかげで、武家屋敷内の構造は丸わかりである。
「お、いたいた」
マップを確認しつつ進んでいると、縁側に座りながら庭を眺めているジラートを発見した。家に合わせたのか、服装が着物になっている。
「来たか。まあ座ってくれ。茶はもうすぐ来る」
「じゃあ、遠慮なく」
用意してあった座布団に座り、ジラートの視線を追うようにシンは庭に目を向ける。
それなりに広い庭は池や庭石、草木をうまく配置しており、こういったものに詳しくないシンでも、なんとなく良いものなのだろうと思える出来だった。
やがて、シュニーが茶器を持ってやってきた。茶を準備していたのはシュニーだったらしい。
「さて、何から話すか」
「ジラートの建国武勇伝なら、シュニーから聞いたぞ」
「おいおい、先に言っちまったのか。自慢してやろうと思ってたんだがな」
「あなたのことです。誇張した内容を話すと思ったので、客観的に見た、ありのままを伝えておきました」
残念がるジラートに、微笑しながらシュニーが返答する。気心が知れた者同士の、遠慮のない応酬だ。
「仕方ない。ワシの武勇伝は置いておくか。代わりにシンのことを聞かせてくれ、メッセージは受け取ったが、細かいことまでは書かれていなかったのでな」
「そうだな、シュニーには言ったが、実は――」
シュニーのときと同じように、これまでの経緯を簡単に説明する。
「なるほどな。どうりでいくら探しても、手がかり1つ見つからないわけだ」
事情を聞いたジラートが呆れたように頷く。
ジラートとて少なからずシンの捜索はしていた。シュニーと情報を共有していたので、その困難さもよく知っている。
「にしても、シンも面妖なことに巻きこまれてるな」
やれやれ、とでも言いたげな口調でジラートは言う。当事者としては、やれやれどころでは済まないため、シンは軽く流した。
「まったくだ。まあ全部が全部、悪いことってわけでもないのが救いだよ」
「そうか。そうだな。少なくともワシにとっては良いことだ」
「ジラート?」
ジラートの雰囲気が変わる。シンに伝わってくる肌を刺すような感覚は、ジラートの纏ったオーラによるものだ。
「そろそろ本題に入ろう。シン、ワシはお前さんに伝えなければならんことがある」
「……なんだ?」
シンの頭にある予想が浮かぶ。しかし、それを顔に出すことなく静かに聞き返した。
「ワシは、もうすぐ死ぬ。長くはない。恐らくあと一月と持たないだろう」
「どういうことだ?」
少なくとも目の前にいるジラートは、一月やそこらで死ぬようには見えない。むしろ、数十年単位で生き続けてもおかしくないような肉体と、相応の覇気を纏っている。
「数週間前から違和感を覚えていたんだが、シュニーのメッセージを読んで確信した。ワシの中の、止まっていた時間が動き出したようだ。まるでシンが帰ってくるのを待っていたようにな」
シュニーも言っていた言葉だ。
「この世界に神がいるなら、ワシの願いを聞き届けてくれたのかもしれん」
「願い?」
それが本題なのだろう。
ジラートは真っ直ぐにシンを見て、口を開く。
「勝負だ、シン。ワシは……お前と戦いたい」
「ジラート……お前……」
残りの寿命が短くなっている状況で、戦えと言う。
全てを言葉にしなくとも、ジラートの言いたいことは、シンにはよくわかった。
(戦いの中で、死ぬ気か)
ジラートは戦士だ。職業ではなく、生き方としての。
だからこそ、願わずにはいられなかった。主であり、同時に最強の戦士であるシンとの戦いを。
ゲーム時代では決して叶うことのなかった、一対一での決闘を。
自分の拳は、技は、超越者を相手にどこまで届くのか。
獣王ではない、サポートキャラクターとしてでもない。ただ一人の戦士として、高みへと挑みたかったのだ。
「最後の願いだ。受けてくれるな?」
残された命を燃やすのにこれほど相応しいものはないと、ジラートの瞳が告げている。
老いてなお燃え盛る闘志を前にして、シンに受けないという選択肢は存在しなかった。
たとえ、それが死へと続く道だとしても、かつてともに歩んだ仲間の願いだというのなら、受けて立つのがシンの務め。
初代獣王の最期を飾る相手として、シン以上の適役はいない。
「……わかった。受けて立つ」
ジラートの目を見返し、承諾する。
2人の目に悲壮感はない。
まるで来るべき時が来たような、そんな感覚を共有していた。
「…………」
覚悟を決めて向き合う2人を、シュニーは静かに見つめていた。
胸の内のすべてをさらけ出すジラートを、羨ましく感じながら。
「ところで、今の話。ウォルフガングやヴァンたちには話したのか?」
初代獣王としてのジラートの存在は大きい。その死となれば、周囲に与える影響は計り知れないだろう。
「寿命が残りわずかだとは伝えたが、決闘の話はまだだ。とはいえ隠すつもりはない。この後話す。まあ、ヴァンとラジムはワシの望みに気づいていそうだがな」
腹心の名を出して、ジラートは笑う。
彼らは隠しごとなど見抜いてしまうのだろう、本当に長い付き合いのようだ。
「戦友か?」
「ああ、シンがいなくなってから、共に闘い続けてきた間柄だ」
ジラートは昔を懐かしむように、同時にどこか誇らしげに話した。
「象に亀。ビーストの中で1、2を争う長命種か。500年以上生きられるってのは本当だったんだな」
「まあ、さすがにワシともども爺だがな。元はどこかのギルドにいたらしいが、それも『栄華の落日』で崩壊してしまったという話だ」
出会った当初は、2人ともまだ少年だったらしい。人生を共にしてきた部下であり、友だという。
「あいつらももう年だ。ワシも同様。そろそろ、国の者たちにはワシらの影響下から脱してもらわねばな」
部下の自慢をしていたときとは違い、何かを憂えるようにジラートは目を閉じる。
「ビーストの世代交代は早い。自分で言うのもなんだが、その中でワシらの存在は大きくなりすぎた。2代目、3代目あたりまでならご隠居で済んだが、それ以降は依存するような形になりつつある。今でも現獣王より、ワシらを頼りにするやつまでいるくらいだからな」
「それは、確かにマズイな」
歴代最強の王がいまだ現役というのは、それはそれで問題だった。
仮に実力が衰えていたのなら、少しは話が違っただろう。しかし、良いか悪いかは別として、ジラートの身体能力はほとんど変わっていない。
それが原因で治世に悪影響が出てしまっては、ジラートも立つ瀬がないだろう。
性格から考えて、変に政治に口を出すようなことはしないことは予想できる。だが、いるだけで影響が出てしまうのが初代なのだ。
「寿命通りに死んでいれば、とは言わん。だが、やはり国としてはよくない。選定者もいるのでそう強くは言えんが、数人の強者に頼るばかりでは、その者たちが死んだらどうなるかわからんしな。シンが来なければ、どこか遠い地にでも行こうと思っていた」
強い者を中心に纏まることは、必ずしも悪いことではない。しかし、ジラートの強さは他の選定者と比べると、あまりにも桁が違った。同列のものとして扱えないほどに。
「ウォルフガングは統治者としては優秀だと聞いたが、そこはどうなんだ?」
「ああ、歴代の中でもあやつは特に優秀だ。戦闘力にしても、ファルニッドの中じゃワシの次に強い。民の声に耳を貸すこともできるしな」
現獣王は、ヴァンやラジムよりも強いらしい。
「死ぬなら今、か」
「そうなる」
国を託せる者がいる。それは国を担い、支えてきた者たちにとって、とても喜ばしいことだ。自分が創った国だけに、ジラートも後顧の憂いなく逝けるのだろう。
「そういえば、ウォルフガングとクオーレは選定者じゃないって聞いたが、どういうことなんだ?」
「確かにあいつらは選定者ではない。だが、そうだな。ステータスで言うなら平均で600以上はあるだろう」
ジラートの告げた値は、シンの予想していた選定者の能力値を大きく上回っていた。どうやら、この世界の実力者は選定者だけではないらしい。
「とは言っても、例外のようなものだがな。ワシの直系の中には、時折ワシの能力を引き継いでいるような子が生まれることがある。ウォルフガングとクオーレはそれだな。どう引き継ぐかは個人差があるが、総じて能力値が高い」
「選定者の場合、そういうことはないのか?」
「少なくとも、そういう話は聞いたことがない。ただ、一定以上のステータスを持っていると、そういうケースもある、という噂なら耳にした。あくまで噂の域を出んがな」
噂という部分を強調するジラート。確認したわけではないが、子どもの身に起こっていることなので、ないとは言い切れないようだ。
「実際、選定者の中には極稀に、ウォルフガング以上の能力を持った者が生まれることがある」
かつて一度、非常に強力な選定者が現れたことがあったらしい。
ジラートいわく、各ステータスが平均700はあったとのこと。カゲロウとも戦える数値だ。その子孫に関する情報はないという。
ちなみに普通の選定者は、シンの予想通りSTRやINTなど、どれか1つの項目が500に届いていれば上級に分類されるようだ。2つの項目が高ければ、かなり希少らしい。
ベイルリヒトの2人の王女はそれに該当するらしいが、他にはほとんどいないという。
しかも高い項目以外の数値は200から300程度。この数値は戦ったときの感覚から予想したものだ。
大多数の選定者は、ステータス平均がせいぜい350ほどらしい。
「それでも、一般人からすれば十分脅威か」
「そうなるな。さて、話がそれた。決闘の話に戻すぞ」
ジラートが軽く首を振った。
「わかった。そういえば、戦うのはいいとして場所はどうするんだ? 俺たちが本気でやりあったら、冗談では済まなくなるぞ」
シンの言う通り、周囲は間違いなく更地になるだろう。場合によっては地形が変わることも考慮に入れる必要がある。
もちろん、闘技場や訓練場なども建物が持たない。シンとジラートの攻撃がぶつかりあえば、見ているだけでも危険である。
「それに関しては当てがある。ベイルーンから来たのなら、ラルア大森林は知ってるな? あそこでやる」
「……戦えそうな場所があるのか? ジャングルみたいだったが」
「あの森は少しばかり特殊でな。あの森が広がっている範囲内なら、いくら木を切り倒しても一晩ほどで元に戻る。以前ものは試しと暴れたことがあるんだが、根までひっくり返しても、次の日には元通りになっていた」
「なんだそりゃ……」
「密林タイプのダンジョンが変異したようでな。原因は不明だが、森林が一定範囲以上に広がらないので放置されている。選定者同士の戦いの場として使われるのも、初めてではない」
「なるほどな」
はじめは自然破壊じゃないかと心配したシンも、ジラートの言葉を聞いて納得した。
いくらやっても元通りになるのなら、戦場としては申し分ない。しかも、以前から戦いの場として使われていたとなれば、遠慮はいらないだろう。
2人が本気を出せば、周辺をうろつくモンスターがいたとしても、脅威にもならない。まさにうってつけだ。
「場所は問題なしか。あとは時間だな。あまり残ってないんだろ?」
「ワシとしては1週間後がベストだな」
「もっと早い方がいいんじゃないのか?」
「いや、おそらくその日が最も力が出る。消えかけた火が最後に燃え上がるときも、タイミングがあるだろう?」
体調にも波がある、ということなのだろう。死を察知しているからか、そんなことまでわかるらしい。
「そうか。じゃあその間に、お前の武器を仕上げておく。やるなら最高の装備にしないとな」
「そうこなくてはな。やはり最後はあれをつけて戦いたい」
ジラートの専用武器は手から肘までを覆う手甲【崩月】だ。武器としてのランクはいうまでもなく古代級。シンのアイテムボックスの中でしっかりと保管されていた。
【蒼月】はすでにシュニーへと返されているので、残るサポートキャラクター用の装備は3つだ。
「防具はどうだ? そっちは持たせたままにしてたと思うが」
「しっかり保管してある。見た目は少々あれだが、調子が悪いってことはない。さすがに500年も使ってると、なんとなく性能が下がってる気はするがな」
「一応見ておくか。聞いた感じだと、修理できる奴もいなかったんだろ?」
「ああ、スキルレベルが足りなくてな。耐久値が飛び抜けた古代級でなければ、今頃は使い物にならなかっただろう」
ジラートの場合、鎧ではなく道着に近いので整備のしようもなかったと言える。魔力操作によってしか、手を加えられないのだ。
ジラートの言う通り、これが神話級だったなら、使い物にならなくなっていた可能性もある。性能もそうだが、耐久値という面でも古代級というのは最高クラスなのだ。
「防具は先に渡しておこう――これだ」
「オーケー、預かっとく……って、こりゃひどいな」
ジラートがアイテムボックスからアイテムカード化された防具を取り出すと、軽く防具の状態をチェックしたシンが呆れたような声を上げた。なぜなら、ジラート専用の防具の耐久値がすでに3割を切っていたからだ。
古代級の防具をここまで消耗させるのは、たとえゲームであっても難しい。
ジラートの言葉通り、耐久値が下がっていても防御力に関してはほとんど変化がないあたり、さすがは古代級といえるだろう。
試しにと具現化してみれば、ボロボロという形容詞以外思いつかない有様だった。
破けているところ、焦げているところ、変色しているところと、よくもまあここまでやったものだと言わざるを得ない。
とはいえ――。
「戦いに次ぐ戦いに500年以上の月日とくれば、よく持ったと言うべきかね」
防具が重ねてきた時間を考えると、納得ではあるのだが。
「その状態でも性能は変わらないからな。いまだ現役だぞ」
「自分で言うのもなんだが、えらい物作ってたんだな」
「おいおい、製作者が言うセリフか?」
ジラートの言うことはもっともだが、それでもデータでない実物に接すると、これほどのものなのか、とシンは思わされた。
現代科学に慣れた身としては、これ1つで技術革命でも起こせるのではないかと考えてしまう。
「……まあいいか」
シンは考えることをやめた。元の世界に帰れば、魔力だのスキルだのといったものは存在しないし、可能だとしても、この世界のものを持っていく気などないのだから。
「とりあえず装備は任せろ。あとは何か決めることはあるか?」
話を元に戻し、シンはジラートに問いかける。決戦場所や装備は問題ないとしても、何がしかの引き継ぎや手回しというのは必要だろうと。
シンが手伝えるかは別として、できることがあるなら手を貸すつもりだった。
「他にか……特にないな。ワシは何か役職に就いているわけでもないから、面倒な引き継ぎもない。手回しももう済んでいるしな。ああ、そうだ。ワシとの戦いをウォルフガングとクオーレ、ヴァンとラジムの4人に見せたいのだが、かまわんか?」
「ああ、問題ない。もうハイヒューマンだって言ってあるし、向こうだって見ておきたいだろ」
「ワシとしては、ハイヒューマンがどういうレベルの強さなのか、知って欲しいのだ。この世界の住人は、ワシらより強い存在というのを知らん。もちろんワシらより強いモンスターがいることは知っているが、国を背負って立つならば、上には上がいると理解しておいた方がいいだろう」
敵に回してはいけない相手だと実感させたいのだろう。シンたちの強さは話を聞くだけなら誇張されたお伽噺のようなものだ。その身で体感しなければ、わかるはずもない。
「なるほど。確かに、俺たちのことは『栄華の落日』前から生きてる長命種でもなきゃ、知りようがないからな」
「ワシらが本気で戦うようなことも、そうそうないのでな。遠視を使って見ることになるが、戦いの空気を感じることは十分できるだろう」
近くで観戦、などと言ったら小突くつもりだったが、さすがにそれはなかった。
最低でもケメル単位で距離を空けてもらわないと、冗談抜きで、戦いの余波で死人が出る。シンとジラートの戦いとはそういうものだ。
自力で身を守れるか、影響のない離れた場所からでなければ、安全に観戦などできない。
「早急に決めなきゃならんことは、こんなところだな。あとはウォルフガングたちに話をつけてからあらためて決める」
「はいよ。じゃあ、今日はここまでか」
「うむ。ああ、シュニー。すまんが湯呑みを調理場まで持って行ってくれんか」
「ええ、かまいませんよ」
シュニーは御盆に3人分の湯呑みをのせ、音もなく去っていく。何のためにいたのかわからないほどの傍観者っぷりだった。
「……で? 何かシュニーに聞かれたくない話でもあるのか?」
シュニーの姿が見えなくなってから少し間を置いて、シンはジラートに問いかける。
なんともわざとらしいやり方だったので、シュニーも気づいていただろう。
「まあ、こればかりはな」
申し訳ないことをした、というふうに頬をかくジラート。
「別に狙ってるわけじゃないぞ」
「くく、退屈しないのはいいことだぞ。さて積もる話もあるが、長旅で疲れているだろう。嬢ちゃんは一般人みたいだしな。一旦部屋に案内させる。風呂で身を清めたのち、皆で食事としよう」
今の時刻は午後4時半。
シンやシュニーはともかく、ティエラはさすがに疲れを見せていたので、気遣ってくれたようだ。
ウォルフガングとクオーレは一旦仕事に戻り、食事のときに合流するらしい。
「ああ、そうだ。シン、ちょっとこっちへ」
移動しようとしたところで、ジラートがシンに声をかけた。
「なんだ?」
「パーティを組んでくれ。あとで話がある」
「わかった」
どうやら何か内密の話があるようだ。旧世代バージョンのパーティ編成を行い、いつでも心話可能にしておく。
部屋へはヴァンとラジムが案内してくれた。
それぞれ個室で、武家屋敷らしく畳に箪笥といった内装だ。掛け軸まであった。
《シン。さっそくで悪いが、ちょいと付き合ってもらえるかい?》
《ああ、そっちに行くから待っててくれ》
シンが部屋について内装を眺めていると、さっそくジラートから心話が来た。
なぜだか、あまりいい予感がしない。とはいえ、聞かないわけにはいかないので、マップを頼りにジラートのもとへと向かう。
余談だが、シンの視界に映る簡易マップは、いつの間にかゲーム時のような、マップ作成機能が復活していた。おかげで、武家屋敷内の構造は丸わかりである。
「お、いたいた」
マップを確認しつつ進んでいると、縁側に座りながら庭を眺めているジラートを発見した。家に合わせたのか、服装が着物になっている。
「来たか。まあ座ってくれ。茶はもうすぐ来る」
「じゃあ、遠慮なく」
用意してあった座布団に座り、ジラートの視線を追うようにシンは庭に目を向ける。
それなりに広い庭は池や庭石、草木をうまく配置しており、こういったものに詳しくないシンでも、なんとなく良いものなのだろうと思える出来だった。
やがて、シュニーが茶器を持ってやってきた。茶を準備していたのはシュニーだったらしい。
「さて、何から話すか」
「ジラートの建国武勇伝なら、シュニーから聞いたぞ」
「おいおい、先に言っちまったのか。自慢してやろうと思ってたんだがな」
「あなたのことです。誇張した内容を話すと思ったので、客観的に見た、ありのままを伝えておきました」
残念がるジラートに、微笑しながらシュニーが返答する。気心が知れた者同士の、遠慮のない応酬だ。
「仕方ない。ワシの武勇伝は置いておくか。代わりにシンのことを聞かせてくれ、メッセージは受け取ったが、細かいことまでは書かれていなかったのでな」
「そうだな、シュニーには言ったが、実は――」
シュニーのときと同じように、これまでの経緯を簡単に説明する。
「なるほどな。どうりでいくら探しても、手がかり1つ見つからないわけだ」
事情を聞いたジラートが呆れたように頷く。
ジラートとて少なからずシンの捜索はしていた。シュニーと情報を共有していたので、その困難さもよく知っている。
「にしても、シンも面妖なことに巻きこまれてるな」
やれやれ、とでも言いたげな口調でジラートは言う。当事者としては、やれやれどころでは済まないため、シンは軽く流した。
「まったくだ。まあ全部が全部、悪いことってわけでもないのが救いだよ」
「そうか。そうだな。少なくともワシにとっては良いことだ」
「ジラート?」
ジラートの雰囲気が変わる。シンに伝わってくる肌を刺すような感覚は、ジラートの纏ったオーラによるものだ。
「そろそろ本題に入ろう。シン、ワシはお前さんに伝えなければならんことがある」
「……なんだ?」
シンの頭にある予想が浮かぶ。しかし、それを顔に出すことなく静かに聞き返した。
「ワシは、もうすぐ死ぬ。長くはない。恐らくあと一月と持たないだろう」
「どういうことだ?」
少なくとも目の前にいるジラートは、一月やそこらで死ぬようには見えない。むしろ、数十年単位で生き続けてもおかしくないような肉体と、相応の覇気を纏っている。
「数週間前から違和感を覚えていたんだが、シュニーのメッセージを読んで確信した。ワシの中の、止まっていた時間が動き出したようだ。まるでシンが帰ってくるのを待っていたようにな」
シュニーも言っていた言葉だ。
「この世界に神がいるなら、ワシの願いを聞き届けてくれたのかもしれん」
「願い?」
それが本題なのだろう。
ジラートは真っ直ぐにシンを見て、口を開く。
「勝負だ、シン。ワシは……お前と戦いたい」
「ジラート……お前……」
残りの寿命が短くなっている状況で、戦えと言う。
全てを言葉にしなくとも、ジラートの言いたいことは、シンにはよくわかった。
(戦いの中で、死ぬ気か)
ジラートは戦士だ。職業ではなく、生き方としての。
だからこそ、願わずにはいられなかった。主であり、同時に最強の戦士であるシンとの戦いを。
ゲーム時代では決して叶うことのなかった、一対一での決闘を。
自分の拳は、技は、超越者を相手にどこまで届くのか。
獣王ではない、サポートキャラクターとしてでもない。ただ一人の戦士として、高みへと挑みたかったのだ。
「最後の願いだ。受けてくれるな?」
残された命を燃やすのにこれほど相応しいものはないと、ジラートの瞳が告げている。
老いてなお燃え盛る闘志を前にして、シンに受けないという選択肢は存在しなかった。
たとえ、それが死へと続く道だとしても、かつてともに歩んだ仲間の願いだというのなら、受けて立つのがシンの務め。
初代獣王の最期を飾る相手として、シン以上の適役はいない。
「……わかった。受けて立つ」
ジラートの目を見返し、承諾する。
2人の目に悲壮感はない。
まるで来るべき時が来たような、そんな感覚を共有していた。
「…………」
覚悟を決めて向き合う2人を、シュニーは静かに見つめていた。
胸の内のすべてをさらけ出すジラートを、羨ましく感じながら。
「ところで、今の話。ウォルフガングやヴァンたちには話したのか?」
初代獣王としてのジラートの存在は大きい。その死となれば、周囲に与える影響は計り知れないだろう。
「寿命が残りわずかだとは伝えたが、決闘の話はまだだ。とはいえ隠すつもりはない。この後話す。まあ、ヴァンとラジムはワシの望みに気づいていそうだがな」
腹心の名を出して、ジラートは笑う。
彼らは隠しごとなど見抜いてしまうのだろう、本当に長い付き合いのようだ。
「戦友か?」
「ああ、シンがいなくなってから、共に闘い続けてきた間柄だ」
ジラートは昔を懐かしむように、同時にどこか誇らしげに話した。
「象に亀。ビーストの中で1、2を争う長命種か。500年以上生きられるってのは本当だったんだな」
「まあ、さすがにワシともども爺だがな。元はどこかのギルドにいたらしいが、それも『栄華の落日』で崩壊してしまったという話だ」
出会った当初は、2人ともまだ少年だったらしい。人生を共にしてきた部下であり、友だという。
「あいつらももう年だ。ワシも同様。そろそろ、国の者たちにはワシらの影響下から脱してもらわねばな」
部下の自慢をしていたときとは違い、何かを憂えるようにジラートは目を閉じる。
「ビーストの世代交代は早い。自分で言うのもなんだが、その中でワシらの存在は大きくなりすぎた。2代目、3代目あたりまでならご隠居で済んだが、それ以降は依存するような形になりつつある。今でも現獣王より、ワシらを頼りにするやつまでいるくらいだからな」
「それは、確かにマズイな」
歴代最強の王がいまだ現役というのは、それはそれで問題だった。
仮に実力が衰えていたのなら、少しは話が違っただろう。しかし、良いか悪いかは別として、ジラートの身体能力はほとんど変わっていない。
それが原因で治世に悪影響が出てしまっては、ジラートも立つ瀬がないだろう。
性格から考えて、変に政治に口を出すようなことはしないことは予想できる。だが、いるだけで影響が出てしまうのが初代なのだ。
「寿命通りに死んでいれば、とは言わん。だが、やはり国としてはよくない。選定者もいるのでそう強くは言えんが、数人の強者に頼るばかりでは、その者たちが死んだらどうなるかわからんしな。シンが来なければ、どこか遠い地にでも行こうと思っていた」
強い者を中心に纏まることは、必ずしも悪いことではない。しかし、ジラートの強さは他の選定者と比べると、あまりにも桁が違った。同列のものとして扱えないほどに。
「ウォルフガングは統治者としては優秀だと聞いたが、そこはどうなんだ?」
「ああ、歴代の中でもあやつは特に優秀だ。戦闘力にしても、ファルニッドの中じゃワシの次に強い。民の声に耳を貸すこともできるしな」
現獣王は、ヴァンやラジムよりも強いらしい。
「死ぬなら今、か」
「そうなる」
国を託せる者がいる。それは国を担い、支えてきた者たちにとって、とても喜ばしいことだ。自分が創った国だけに、ジラートも後顧の憂いなく逝けるのだろう。
「そういえば、ウォルフガングとクオーレは選定者じゃないって聞いたが、どういうことなんだ?」
「確かにあいつらは選定者ではない。だが、そうだな。ステータスで言うなら平均で600以上はあるだろう」
ジラートの告げた値は、シンの予想していた選定者の能力値を大きく上回っていた。どうやら、この世界の実力者は選定者だけではないらしい。
「とは言っても、例外のようなものだがな。ワシの直系の中には、時折ワシの能力を引き継いでいるような子が生まれることがある。ウォルフガングとクオーレはそれだな。どう引き継ぐかは個人差があるが、総じて能力値が高い」
「選定者の場合、そういうことはないのか?」
「少なくとも、そういう話は聞いたことがない。ただ、一定以上のステータスを持っていると、そういうケースもある、という噂なら耳にした。あくまで噂の域を出んがな」
噂という部分を強調するジラート。確認したわけではないが、子どもの身に起こっていることなので、ないとは言い切れないようだ。
「実際、選定者の中には極稀に、ウォルフガング以上の能力を持った者が生まれることがある」
かつて一度、非常に強力な選定者が現れたことがあったらしい。
ジラートいわく、各ステータスが平均700はあったとのこと。カゲロウとも戦える数値だ。その子孫に関する情報はないという。
ちなみに普通の選定者は、シンの予想通りSTRやINTなど、どれか1つの項目が500に届いていれば上級に分類されるようだ。2つの項目が高ければ、かなり希少らしい。
ベイルリヒトの2人の王女はそれに該当するらしいが、他にはほとんどいないという。
しかも高い項目以外の数値は200から300程度。この数値は戦ったときの感覚から予想したものだ。
大多数の選定者は、ステータス平均がせいぜい350ほどらしい。
「それでも、一般人からすれば十分脅威か」
「そうなるな。さて、話がそれた。決闘の話に戻すぞ」
ジラートが軽く首を振った。
「わかった。そういえば、戦うのはいいとして場所はどうするんだ? 俺たちが本気でやりあったら、冗談では済まなくなるぞ」
シンの言う通り、周囲は間違いなく更地になるだろう。場合によっては地形が変わることも考慮に入れる必要がある。
もちろん、闘技場や訓練場なども建物が持たない。シンとジラートの攻撃がぶつかりあえば、見ているだけでも危険である。
「それに関しては当てがある。ベイルーンから来たのなら、ラルア大森林は知ってるな? あそこでやる」
「……戦えそうな場所があるのか? ジャングルみたいだったが」
「あの森は少しばかり特殊でな。あの森が広がっている範囲内なら、いくら木を切り倒しても一晩ほどで元に戻る。以前ものは試しと暴れたことがあるんだが、根までひっくり返しても、次の日には元通りになっていた」
「なんだそりゃ……」
「密林タイプのダンジョンが変異したようでな。原因は不明だが、森林が一定範囲以上に広がらないので放置されている。選定者同士の戦いの場として使われるのも、初めてではない」
「なるほどな」
はじめは自然破壊じゃないかと心配したシンも、ジラートの言葉を聞いて納得した。
いくらやっても元通りになるのなら、戦場としては申し分ない。しかも、以前から戦いの場として使われていたとなれば、遠慮はいらないだろう。
2人が本気を出せば、周辺をうろつくモンスターがいたとしても、脅威にもならない。まさにうってつけだ。
「場所は問題なしか。あとは時間だな。あまり残ってないんだろ?」
「ワシとしては1週間後がベストだな」
「もっと早い方がいいんじゃないのか?」
「いや、おそらくその日が最も力が出る。消えかけた火が最後に燃え上がるときも、タイミングがあるだろう?」
体調にも波がある、ということなのだろう。死を察知しているからか、そんなことまでわかるらしい。
「そうか。じゃあその間に、お前の武器を仕上げておく。やるなら最高の装備にしないとな」
「そうこなくてはな。やはり最後はあれをつけて戦いたい」
ジラートの専用武器は手から肘までを覆う手甲【崩月】だ。武器としてのランクはいうまでもなく古代級。シンのアイテムボックスの中でしっかりと保管されていた。
【蒼月】はすでにシュニーへと返されているので、残るサポートキャラクター用の装備は3つだ。
「防具はどうだ? そっちは持たせたままにしてたと思うが」
「しっかり保管してある。見た目は少々あれだが、調子が悪いってことはない。さすがに500年も使ってると、なんとなく性能が下がってる気はするがな」
「一応見ておくか。聞いた感じだと、修理できる奴もいなかったんだろ?」
「ああ、スキルレベルが足りなくてな。耐久値が飛び抜けた古代級でなければ、今頃は使い物にならなかっただろう」
ジラートの場合、鎧ではなく道着に近いので整備のしようもなかったと言える。魔力操作によってしか、手を加えられないのだ。
ジラートの言う通り、これが神話級だったなら、使い物にならなくなっていた可能性もある。性能もそうだが、耐久値という面でも古代級というのは最高クラスなのだ。
「防具は先に渡しておこう――これだ」
「オーケー、預かっとく……って、こりゃひどいな」
ジラートがアイテムボックスからアイテムカード化された防具を取り出すと、軽く防具の状態をチェックしたシンが呆れたような声を上げた。なぜなら、ジラート専用の防具の耐久値がすでに3割を切っていたからだ。
古代級の防具をここまで消耗させるのは、たとえゲームであっても難しい。
ジラートの言葉通り、耐久値が下がっていても防御力に関してはほとんど変化がないあたり、さすがは古代級といえるだろう。
試しにと具現化してみれば、ボロボロという形容詞以外思いつかない有様だった。
破けているところ、焦げているところ、変色しているところと、よくもまあここまでやったものだと言わざるを得ない。
とはいえ――。
「戦いに次ぐ戦いに500年以上の月日とくれば、よく持ったと言うべきかね」
防具が重ねてきた時間を考えると、納得ではあるのだが。
「その状態でも性能は変わらないからな。いまだ現役だぞ」
「自分で言うのもなんだが、えらい物作ってたんだな」
「おいおい、製作者が言うセリフか?」
ジラートの言うことはもっともだが、それでもデータでない実物に接すると、これほどのものなのか、とシンは思わされた。
現代科学に慣れた身としては、これ1つで技術革命でも起こせるのではないかと考えてしまう。
「……まあいいか」
シンは考えることをやめた。元の世界に帰れば、魔力だのスキルだのといったものは存在しないし、可能だとしても、この世界のものを持っていく気などないのだから。
「とりあえず装備は任せろ。あとは何か決めることはあるか?」
話を元に戻し、シンはジラートに問いかける。決戦場所や装備は問題ないとしても、何がしかの引き継ぎや手回しというのは必要だろうと。
シンが手伝えるかは別として、できることがあるなら手を貸すつもりだった。
「他にか……特にないな。ワシは何か役職に就いているわけでもないから、面倒な引き継ぎもない。手回しももう済んでいるしな。ああ、そうだ。ワシとの戦いをウォルフガングとクオーレ、ヴァンとラジムの4人に見せたいのだが、かまわんか?」
「ああ、問題ない。もうハイヒューマンだって言ってあるし、向こうだって見ておきたいだろ」
「ワシとしては、ハイヒューマンがどういうレベルの強さなのか、知って欲しいのだ。この世界の住人は、ワシらより強い存在というのを知らん。もちろんワシらより強いモンスターがいることは知っているが、国を背負って立つならば、上には上がいると理解しておいた方がいいだろう」
敵に回してはいけない相手だと実感させたいのだろう。シンたちの強さは話を聞くだけなら誇張されたお伽噺のようなものだ。その身で体感しなければ、わかるはずもない。
「なるほど。確かに、俺たちのことは『栄華の落日』前から生きてる長命種でもなきゃ、知りようがないからな」
「ワシらが本気で戦うようなことも、そうそうないのでな。遠視を使って見ることになるが、戦いの空気を感じることは十分できるだろう」
近くで観戦、などと言ったら小突くつもりだったが、さすがにそれはなかった。
最低でもケメル単位で距離を空けてもらわないと、冗談抜きで、戦いの余波で死人が出る。シンとジラートの戦いとはそういうものだ。
自力で身を守れるか、影響のない離れた場所からでなければ、安全に観戦などできない。
「早急に決めなきゃならんことは、こんなところだな。あとはウォルフガングたちに話をつけてからあらためて決める」
「はいよ。じゃあ、今日はここまでか」
「うむ。ああ、シュニー。すまんが湯呑みを調理場まで持って行ってくれんか」
「ええ、かまいませんよ」
シュニーは御盆に3人分の湯呑みをのせ、音もなく去っていく。何のためにいたのかわからないほどの傍観者っぷりだった。
「……で? 何かシュニーに聞かれたくない話でもあるのか?」
シュニーの姿が見えなくなってから少し間を置いて、シンはジラートに問いかける。
なんともわざとらしいやり方だったので、シュニーも気づいていただろう。
「まあ、こればかりはな」
申し訳ないことをした、というふうに頬をかくジラート。
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