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3巻
3-14
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その言葉に合わせ、シンの周囲に7属性の上級魔術スキルが展開していく。
白い炎から始まり、高速回転する水、赤い雷、鎌首をもたげる土と、この世界で魔術を使う者が見れば卒倒するような術が、詠唱らしい詠唱もなしに次々と顕現していく。
だが、シンの周りを囲む魔術スキルを前にしても、ジラートは微塵も表情を動かさない。
当然だ。この程度で動揺するようでは、牙を届かせるなど夢物語にすらならない。
「――――ゆく」
ただ一言。それだけを口にして、ジラートは消えた。
否、そう錯覚させた。
「ッ!!」
事前動作のない高速移動。上級選定者でさえ、反応を許されない速度。
しかし、それをもってしても振り切れない。驚きはしても、シンの知覚能力はジラートを捉え続ける。
シンが展開していた魔術の1つ。赤き雷がジラートへと迫り――。
「当たらんよ」
わずかにかすることもなく、森を焼いた。
「そうか、なるほど!! ここまで来たかっ!!」
雷撃をかわしたジラートに、笑いながらシンが叫ぶ。
雷術と光術。魔術スキルの中で最速を誇るこの2つは、避けようと思って避けられるものではない。それが可能なのは、補助スキルで先読みを可能にし、AGIが900を超える値に至った者の中でも、さらに一握りだけだ。
ジラートのAGIは800に届くかといった数値だった。いくら身体能力を強化しようと、900は超えられない。
だが、ジラートは雷術をかわして見せた。ゲームでは不可能だったことを、可能にして見せた。
「待っていたぞ。このときを」
熱い息とともに言葉を吐き出し、雷撃の熱を肌に感じながらジラートは前に踏み込む。
戦場を越え、技を磨き、己の限界を超える術を探してきた。
どこまでいけるのか、どこまでやれるのか、ジラート自身にもわからない。
それでも、たった1つ。確信があった。
「今が、今だけが――」
そう、きっとこの瞬間だけが。
「お前に、我が牙が届くときっ!!」
加速する。
雷撃をかわしたときよりなお速く。
光術すらも擦り抜けて。
ジラートは人の限界点、その頂きに、足を踏み入れる。
悲鳴を上げる体を意思でねじ伏せ、眼前の標的へと突き進む。
「オオオオオオオオオオオオオオッ!!」
トップスピードを維持したまま繰り出す拳は、ほんの数分前とは比べ物にならない威力だった。一条の光のごとく背後から迫るジラートの一撃を、しかしシンは手にした【真月】で受け止める。
「これで倒せる、なんて思ってないよな?」
当たり前のように反応して、シンはジラートに告げる。
「無論だ」
対するジラートも、当然の反応だと驚くことはない。
ジラートは人の限界、頂きへ続く道に足を踏み入れ、やっと頂点を視界に収めた。
しかし、シンはすでに頂点にいるのだ。多少意表を突いた程度で一撃をもらうほど、甘くはない。
「初めて見るな。その強化どうやった?」
「シュニーにでも聞くことだ。この戦いの後でなっ!!」
咆哮とともに無手系武芸スキル【爆打】を発動し、ジラートはシンを押しのける。
いくらステータス差があっても、質量は変わらない。今のジラートならば、強力なノックバック効果のある【爆打】を使えば、強制的にシンを弾くことも可能だった。
地面を削りながら後退するシンに、ジラートは再度突撃を図る。
距離を取れば勝ち目はなく、時間もそう多くない。ゆえに、勝負はジラートが攻めきれるか否かにかかっていた。
踏みしめた地面を爆散させ、ジラートの姿が消える。
「グルアアアッ!!」
「しぃっ!!」
左から迫る拳に、シンは刃を合わせる。攻撃は必ずしも背後から来るわけではない。そんな単調な攻撃をジラートがするはずもない。
火花が消えるより先に、ジラートの姿がまた消えた。最大速度を維持したままシンの周りを駆け巡り、死角からだけでなく、ときには正面からも打ちかかっていく。
シンは考える。ジラートの驚異的な能力上昇は、シンの知るジラートの限界を超えていた。とくれば、さらに何か隠しているかもしれない。
魔術を展開するか、接近戦に持ち込むか。それとも意表を突いてみるか。ジラートの動きを観察しながら、シンは次の一手を考える。
動かないシンを攻撃しながら、ジラートもいかにして渾身の一撃を与えるか考えていた。
ジラートからすれば、シンが魔術スキルを使うよりも、その場から動かれる方が厄介だ。もし、シンが縦横無尽に森を駆け回れば、それだけでジラートの勝機が消えかかる。
ジラートにはスキル、獣化による強化だけでなく、アーツによる強化もかかっている。そしてその3重の強化を、生命力を消費して過剰に引き上げているのだ。
ジラートの限界を超えた動きは、この一戦にすべてを懸けているからこそ。そこまでしてやっと、真っ向から戦うことができる。
へたに動かれて移動距離が増えれば、それだけで時間切れになりかねない。とはいえ、現状は長くは続かないはずだ。
シンは全力で相手をすると言ったのだ。このまま大人しくしているはずがない。
「……そろそろ、こっちから行くぞ」
一言告げて、シンは地面を蹴る。突っ込んでくる形になったジラートに、手加減抜きの一閃を繰り出した。
「ちぃっ!!」
ジラートは迫る刃を【崩月】で滑らせると同時に体を傾けた。真横に吹き飛ばされるところを、辛うじて下方向への衝撃に変えることに成功する。四肢を使って着地すると同時に上体をはね上げ、頭上に向かって拳を突き出した。
「術式付与ッ!!」
2人の声と武具が激突する音が重なり、衝撃で周囲の木々が吹き飛んでいく。
移動系武芸スキル【飛影】による急激な方向転換とともに、追撃を繰り出したシンと、それに見ることすらなく反応してみせたジラート。
自らの攻撃範囲に入れば、無意識に体が動く。互いの戦い方から性格まで知っているがゆえに、ジラートの反応は的確だ。
特にシンは、ジラートが体得したような、この世界独特の戦法を知らない。だからこそ、ジラートはより正確にシンが繰り出してくるスキルを予測できていた。
「時間がないんだろ。削り合いなんてしてていいのかっ!!」
刀1本分もない距離で、シンは叫ぶ。
ジラートがどういう強化方法を使っているのはわからないが、少なくともまともな方法ではないことは、戦っていればわかる。長期戦になるような削り合いなどしていては、有利になるのはシンばかりだ。
そんなものは、望んでいた戦いではない。
(ジラートはそんなもの望まないだろ!!)
その思いとともに、シンは刃を持つ手に力を込める。
「答えろ!! ジラートォオッ!!」
強烈な一撃をばねにして後ろに下がり、ジラートは構え直す。
「くく、ああ、ああそうだ。まったく、強化がうまくいってワシも欲が出たか」
シンの言葉に、ジラートも思わず苦笑が漏れた。
一体何を考えていたというのか。シンという最大目標を前にして力を温存するなど、以前の自分なら考えもしなかったはずだ。
そんな思いを呼気とともに吐き出し、先ほどまでの思考を破棄する。
シンに動かれたら勝機が消える? 体力が持たない?
そんな考えは余裕のある者の思考だ。
「ない、ないなぁ。余力を残して、おまえに牙が届くかよぉおっ!!」
言葉とともに駆け出す。シンの叫びに対する答えとして、真正面からの一撃を返す。
シンはかわさない。振り下ろした刃を撥ね上げて、ジラートの叫びに答える。
スキルも技巧もない単純な一撃。だからこそ、そこに込められた思いが武器を通して互いに響く。
「はっ、はははっ」
「くっ、くははっ」
達人同士は言葉ではなく、技の応酬で語り合うという。
「はははははははははははははっ!!」
故にこの瞬間から、2人は相手に語りかけることを止めた。
言わずともわかる。武器を交えれば伝わる。
互いの口から出てくるのは、ただ笑いのみ。
「ぜぇぇやぁあああっ!!」
シンが刀術と水術の複合スキル【雪月花】を発動させ、間合いの外から氷の刃による一撃を繰り出せば――。
「グルゥアアアッ!!」
ジラートは拳に炎を纏わせ、氷刃を砕く。さらに炎が消える前に、拳を前に突き出した。
シンには届くはずもない距離。しかし、突き出された拳からは意趣返しとばかりにエネルギーの塊が打ち出され、拳に纏わせていた炎とともにシンに襲いかかる。
無手炎術複合スキル【灼空】と、無手系武芸スキル【遠当】を組み合わせた反撃だ。
「このていどっ!!」
通常の【遠当】の数倍。1メルほどの大きさの炎の弾丸を、シンはその1刀で真っ二つに両断した。【真月】に付与されている効果の1つ、刀身に接触する魔術スキルの無効化だ。
もちろん、触れた魔術のすべてを消しされるわけではないし、武芸スキルのような純粋なエネルギーは無効化できない。たった今ジラートの一撃を斬れたのは、そこに炎の術式が付与される形になっていたことと、シンの能力の高さゆえだ。
だが、魔術を斬れるということは、こと戦闘では非常に重宝する。今回は少し違う形だったが、本来は結界スキルを叩き斬るのに使うのだ。それだけでも攻める側は有利になる。
だが今回はそれが仇になった。ジラートはシンが【遠当】を斬れるとわかっていたからこそ、炎を纏わせたままスキルを繰り出したのだ。
巨大な炎弾を隠れ蓑に、ジラートは刀を振り切った状態のシンに、追撃のスキルを繰り出した。
放つのは無手系武芸スキル【蛇絞】だ。
相手の動きを阻害するように、蛇の形をしたエネルギーがシンの腕に纏わりつく。
「加減はせん」
シンの前ではその拘束も一瞬で吹き飛ぶが、2人の戦いにおいてはその一瞬が勝機となる。
「至伝――」
シンの動きが止まった一瞬。ジラートは渾身の一撃を放つ。
それは1系統の武芸スキルのすべてを身につけた者のみが放つことのできる奥義。
武芸スキルにおける1つの極み。
「絶佳ぁぁあああああっ!!」
無手系武芸スキル【至伝・絶佳】。発動前に一瞬だけためが必要になるこのスキルは、動きこそただ真正面に拳を突き出すだけ。リーチは短く、隙も大きい。
しかし、だからこそ、その威力は数多の武芸スキルの中でもトップクラスだった。対人戦においては、ときに一撃で戦況を覆すとまで言われたほど。
それを今のジラートが放ったとなれば、その威力はシンの想定すら超える。
「く、ぐ、おおおおおおおおおおおっ!!」
迫る拳を前にして、シンはかろうじて【真月】を拳と体の間に滑り込ませる。
だがさすがのシンも、ぎりぎりで間に合った状態では満足に受け止めることも、受け流すことも難しい。踏ん張りもきかず、吹き飛ばされる形で森に突っ込む。
「げほっ、さすがに、きつい」
大木を幾本も叩き折りながら数十メルを吹き飛ばされたシン。直撃こそしていないが、ダメージが体に浸透しているのがわかる。
いくらステータス差がある程度残っているとはいえ、至伝クラスの武芸スキルは威力の桁が違った。シンのいた場所以外の森が、ケメル単位で扇状に消し飛んでいることが、その威力のすさまじさを物語っている。
立ち上がってジラートの元に戻ろうとするシン。スキルを使ったことによる硬直時間がなくなっているとはいえ、【絶佳】は反動の大きいスキルだ。ゲーム中ですら使用後は一時的に動けなくなり、少なくないダメージを受ける。そんなスキルを使って、すぐに追撃ができるとは考えていなかった。
ゆえに、背後からの攻撃に反応するのが遅れた。
ジラートは音もなく、気配もなく、地面を滑るようにシンへ迫っていたのだ。
まるでシンの思考を読んでいたかのような、一瞬の隙をついた突撃。スキルの反動すら強引に抑え込み、獲物を狩る獣のように、その瞳だけが爛々と輝いていた。
「――っ!!」
風術スキルによって拳の風切り音すら消して迫る拳を、シンは【真月】の柄で撥ね上げる。
刃は間に合わないと判断し、最小限の動きで体を回転させ、撥ね上げた方とは逆の拳を左腕の手甲で受け止めた。
手甲同士がぶつかり金属音が響く。シンでなければ腕ごと持っていかれかねない一撃だった。
互いの距離は数十セメル。シンの領域をジラートが侵食する。
無手系武芸スキル【逆波】――それはかつてシンが使った【透波】の派生技。力を敵の内部ではなく、外部で一気に破裂させる一点突破の技だ。
この至近距離ではジラート自身にも少なからずダメージがあるが、既にそんなものは気にしていない。
だがシンとて、左腕に集まる圧力を感じて黙ってはいない。即座に無手系武芸スキル【鋼弾き】で【逆波】の威力の大半を受け流すが、それでも残った衝撃で左腕が弾かれるのは防げない。
とはいえ、防御によってダメージを軽減したシンと、余波の一部を受けたジラート。ダメージはジラートの方が多く、すぐには動けないはずだった。
しかし、ジラートは止まらない。まるでダメージなどなかったように次のスキルを発動する。
乱れた体勢を強引に整え、発動するのは無手系武芸スキル【八華掌】。
その名の通り、繰り出される連撃の数は8。流れるようなコンビネーションは、しかし既にシンに見切られていた。この世界であっても、連撃には決まったモーションがあるのだ。
シンは知らないことだが、スキルとは肉体を使った魔術とこの世界では言われている。
スキルごとの決まった型というのはある種の詠唱であり、繰り出される一撃は発動した魔術と言えるのだ。ゆえに、武芸スキルというのは途中で型を変えることは非常に難しく、もし強引に干渉すれば威力も落ちる。
そして、たとえそんな法則を知らずとも、スキルとそれに伴うモーションを熟知しているシンからすれば、対処するのは難しくない。
至近距離での武芸スキルの激突に体勢を崩しながらも、シンは繰り出される拳を、蹴りを、最小限の動きでかわしていく。
そして、最後の後ろ回し蹴りが迫り、それに合わせて反撃しようと力を込めたところで、またしても予想外の出来事が襲う。
シンの前を蹴りが通過していった直後、軸足を瞬時に入れ替え体の回転を利用したジラートの蹴りが、シンの頭部を狙って打ち出されたのだ。
それは紛れもなく、無手系武芸スキル【双輪】の連続回転蹴りの動き。
「ぐっ――っ?」
顔めがけて迫る蹴りを【真月】で受け止め、その威力の軽さにシンは眉をひそめる。
だが、その違和感を確かめる間もなくジラートは次の行動に出た。受け止めたシンの刃を足場にして飛び上がり、回転しながらスキルを発動する。
シンの頭上で一回転し、その勢いを乗せたまま放たれた無手系武芸スキル【飛泉】の踵落としが、シンをその場に縫い付けた。
大地を陥没させ、受け止めたシンの足が大地に沈む。しかし、それほどの威力であっても決定的な一打にはならない。
メインジョブが侍であるシンは、盾職のように防御技能に特別優れているわけではないし、強度の高い盾を装備しているわけでもない。
だが、シンの持つ刀は古代級の武器、【真月】だ。並の盾など足元にも及ばないほどの強度がある。
加えて武器としての性能もトップクラスなので、普通の刀では不可能な防御と攻撃が両立できていた。これは、普通は強度を重視した大剣で行うような戦闘法である。
とはいえ、シンの獲物が【真月】かそれに準ずる代物でなければ、今のジラートの至伝クラスの一撃を防ぐなどできなかった可能性が高いが。
「しっ!!」
大地に足を埋めたまま、空中にいるジラートに向け、シンは反撃とばかりに【真月】を一閃させる。
ジラートはシンの刀が振られるよりわずかに早く、移動系スキル【飛影】で距離を取った。
シンの胸中を満たすのは驚きだ。ゲームのころには考えもしなかった動きをジラートはしている。
反動のある【絶佳】はともかく、【八華掌】から【双輪】、さらに【飛泉】への流れるようなコンビネーションは、攻撃を受けた身であっても見事だと思えた。
この戦法を編み出すのに、一体どれほどの鍛錬を重ねてきたのはわからない。
ただ1つはっきりしているのは、これが全身全霊を懸けたジラートの実力だということ。ハイヒューマンにすら土をつけかねない、本物の強者。
それを思うと、シンもジラートと同じように、その胸に悔しさがにじんだ。
理解はしていた。いや、したつもりだったということだろう。やはりどこかで、ゲームだったころの感覚で戦っていたのだと気づかされる。
この世界での対人戦は既に経験したと言っても、まともな戦いになどなっていなかった。だからだろう。本当の戦いというものが、わかっていなかった。
ゆえに、後手に回っている。
「……情けない。命を懸けてる相手に上から目線でものを言って、あげくこのざまか」
決定打を受けないのは、ステータスと積み上げてきた戦闘経験のおかげだ。だがそれも、今ではジラートに追いつかれつつある。
挑戦を受けると言いながら、なんという体たらく。このままでは、いずれ軽くない一撃を受けかねない。
「……だめだな。それはだめだ」
シンは考える。初代獣王が追い求めてきた相手が、その程度であってはならない。
妙な称号などなくとも、これほどの相手だと、最期にこそ相応しい相手だと、皆が思えなければならないはずだ。
これが限界か?
「――違う」
これがジラートの主の戦いか?
「――違う」
圧倒的だったはずだ。追随を許さなかったはずだ。
それがハイヒューマン。頂きに立つ者。
「……悪いジラート。俺はまだ、全力じゃなかった」
ゲームの戦い方はもう終わり、ここからがシンの全力だ。
「至伝――」
仕切りなおすのに、小技は無意味。ジラートと同じく、至高の技にてその意を示す。
構えるは大上段。動きは上から下への唐竹割り。
ただ、その一刀にのみすべてを込める。
「天斬!!」
天を斬ると銘打った一撃は、刹那と見紛う速度で一直線にジラートへ走った。
「――っ!!」
ジラートとてシンが自分を見失っていないことはわかっていたが、それでも瞠目せざるを得ない。振り下ろした一刀は、ジラートの目をもってしても霞んで見えたのだ。
本能と直感に従った体が、考えるよりに先に動く。強化に強化を重ねた肉体とジラートの異常ともいえる反応速度が呼応し、かろうじて直撃を防ぐことに成功する。
「くっ!」
それでも無傷で、とはいかない。戦いに影響はないが、ジラートの胴着タイプの防具、その肩の一部が裂け血が滲んでいた。
同じ至伝といえど、ジラートの【絶佳】よりも【天斬】の方が、より力が収束しているのだ。
攻撃を防いだジラートの後方では、【天斬】によって断ち切られた大地がその断面をさらしていた。
白い炎から始まり、高速回転する水、赤い雷、鎌首をもたげる土と、この世界で魔術を使う者が見れば卒倒するような術が、詠唱らしい詠唱もなしに次々と顕現していく。
だが、シンの周りを囲む魔術スキルを前にしても、ジラートは微塵も表情を動かさない。
当然だ。この程度で動揺するようでは、牙を届かせるなど夢物語にすらならない。
「――――ゆく」
ただ一言。それだけを口にして、ジラートは消えた。
否、そう錯覚させた。
「ッ!!」
事前動作のない高速移動。上級選定者でさえ、反応を許されない速度。
しかし、それをもってしても振り切れない。驚きはしても、シンの知覚能力はジラートを捉え続ける。
シンが展開していた魔術の1つ。赤き雷がジラートへと迫り――。
「当たらんよ」
わずかにかすることもなく、森を焼いた。
「そうか、なるほど!! ここまで来たかっ!!」
雷撃をかわしたジラートに、笑いながらシンが叫ぶ。
雷術と光術。魔術スキルの中で最速を誇るこの2つは、避けようと思って避けられるものではない。それが可能なのは、補助スキルで先読みを可能にし、AGIが900を超える値に至った者の中でも、さらに一握りだけだ。
ジラートのAGIは800に届くかといった数値だった。いくら身体能力を強化しようと、900は超えられない。
だが、ジラートは雷術をかわして見せた。ゲームでは不可能だったことを、可能にして見せた。
「待っていたぞ。このときを」
熱い息とともに言葉を吐き出し、雷撃の熱を肌に感じながらジラートは前に踏み込む。
戦場を越え、技を磨き、己の限界を超える術を探してきた。
どこまでいけるのか、どこまでやれるのか、ジラート自身にもわからない。
それでも、たった1つ。確信があった。
「今が、今だけが――」
そう、きっとこの瞬間だけが。
「お前に、我が牙が届くときっ!!」
加速する。
雷撃をかわしたときよりなお速く。
光術すらも擦り抜けて。
ジラートは人の限界点、その頂きに、足を踏み入れる。
悲鳴を上げる体を意思でねじ伏せ、眼前の標的へと突き進む。
「オオオオオオオオオオオオオオッ!!」
トップスピードを維持したまま繰り出す拳は、ほんの数分前とは比べ物にならない威力だった。一条の光のごとく背後から迫るジラートの一撃を、しかしシンは手にした【真月】で受け止める。
「これで倒せる、なんて思ってないよな?」
当たり前のように反応して、シンはジラートに告げる。
「無論だ」
対するジラートも、当然の反応だと驚くことはない。
ジラートは人の限界、頂きへ続く道に足を踏み入れ、やっと頂点を視界に収めた。
しかし、シンはすでに頂点にいるのだ。多少意表を突いた程度で一撃をもらうほど、甘くはない。
「初めて見るな。その強化どうやった?」
「シュニーにでも聞くことだ。この戦いの後でなっ!!」
咆哮とともに無手系武芸スキル【爆打】を発動し、ジラートはシンを押しのける。
いくらステータス差があっても、質量は変わらない。今のジラートならば、強力なノックバック効果のある【爆打】を使えば、強制的にシンを弾くことも可能だった。
地面を削りながら後退するシンに、ジラートは再度突撃を図る。
距離を取れば勝ち目はなく、時間もそう多くない。ゆえに、勝負はジラートが攻めきれるか否かにかかっていた。
踏みしめた地面を爆散させ、ジラートの姿が消える。
「グルアアアッ!!」
「しぃっ!!」
左から迫る拳に、シンは刃を合わせる。攻撃は必ずしも背後から来るわけではない。そんな単調な攻撃をジラートがするはずもない。
火花が消えるより先に、ジラートの姿がまた消えた。最大速度を維持したままシンの周りを駆け巡り、死角からだけでなく、ときには正面からも打ちかかっていく。
シンは考える。ジラートの驚異的な能力上昇は、シンの知るジラートの限界を超えていた。とくれば、さらに何か隠しているかもしれない。
魔術を展開するか、接近戦に持ち込むか。それとも意表を突いてみるか。ジラートの動きを観察しながら、シンは次の一手を考える。
動かないシンを攻撃しながら、ジラートもいかにして渾身の一撃を与えるか考えていた。
ジラートからすれば、シンが魔術スキルを使うよりも、その場から動かれる方が厄介だ。もし、シンが縦横無尽に森を駆け回れば、それだけでジラートの勝機が消えかかる。
ジラートにはスキル、獣化による強化だけでなく、アーツによる強化もかかっている。そしてその3重の強化を、生命力を消費して過剰に引き上げているのだ。
ジラートの限界を超えた動きは、この一戦にすべてを懸けているからこそ。そこまでしてやっと、真っ向から戦うことができる。
へたに動かれて移動距離が増えれば、それだけで時間切れになりかねない。とはいえ、現状は長くは続かないはずだ。
シンは全力で相手をすると言ったのだ。このまま大人しくしているはずがない。
「……そろそろ、こっちから行くぞ」
一言告げて、シンは地面を蹴る。突っ込んでくる形になったジラートに、手加減抜きの一閃を繰り出した。
「ちぃっ!!」
ジラートは迫る刃を【崩月】で滑らせると同時に体を傾けた。真横に吹き飛ばされるところを、辛うじて下方向への衝撃に変えることに成功する。四肢を使って着地すると同時に上体をはね上げ、頭上に向かって拳を突き出した。
「術式付与ッ!!」
2人の声と武具が激突する音が重なり、衝撃で周囲の木々が吹き飛んでいく。
移動系武芸スキル【飛影】による急激な方向転換とともに、追撃を繰り出したシンと、それに見ることすらなく反応してみせたジラート。
自らの攻撃範囲に入れば、無意識に体が動く。互いの戦い方から性格まで知っているがゆえに、ジラートの反応は的確だ。
特にシンは、ジラートが体得したような、この世界独特の戦法を知らない。だからこそ、ジラートはより正確にシンが繰り出してくるスキルを予測できていた。
「時間がないんだろ。削り合いなんてしてていいのかっ!!」
刀1本分もない距離で、シンは叫ぶ。
ジラートがどういう強化方法を使っているのはわからないが、少なくともまともな方法ではないことは、戦っていればわかる。長期戦になるような削り合いなどしていては、有利になるのはシンばかりだ。
そんなものは、望んでいた戦いではない。
(ジラートはそんなもの望まないだろ!!)
その思いとともに、シンは刃を持つ手に力を込める。
「答えろ!! ジラートォオッ!!」
強烈な一撃をばねにして後ろに下がり、ジラートは構え直す。
「くく、ああ、ああそうだ。まったく、強化がうまくいってワシも欲が出たか」
シンの言葉に、ジラートも思わず苦笑が漏れた。
一体何を考えていたというのか。シンという最大目標を前にして力を温存するなど、以前の自分なら考えもしなかったはずだ。
そんな思いを呼気とともに吐き出し、先ほどまでの思考を破棄する。
シンに動かれたら勝機が消える? 体力が持たない?
そんな考えは余裕のある者の思考だ。
「ない、ないなぁ。余力を残して、おまえに牙が届くかよぉおっ!!」
言葉とともに駆け出す。シンの叫びに対する答えとして、真正面からの一撃を返す。
シンはかわさない。振り下ろした刃を撥ね上げて、ジラートの叫びに答える。
スキルも技巧もない単純な一撃。だからこそ、そこに込められた思いが武器を通して互いに響く。
「はっ、はははっ」
「くっ、くははっ」
達人同士は言葉ではなく、技の応酬で語り合うという。
「はははははははははははははっ!!」
故にこの瞬間から、2人は相手に語りかけることを止めた。
言わずともわかる。武器を交えれば伝わる。
互いの口から出てくるのは、ただ笑いのみ。
「ぜぇぇやぁあああっ!!」
シンが刀術と水術の複合スキル【雪月花】を発動させ、間合いの外から氷の刃による一撃を繰り出せば――。
「グルゥアアアッ!!」
ジラートは拳に炎を纏わせ、氷刃を砕く。さらに炎が消える前に、拳を前に突き出した。
シンには届くはずもない距離。しかし、突き出された拳からは意趣返しとばかりにエネルギーの塊が打ち出され、拳に纏わせていた炎とともにシンに襲いかかる。
無手炎術複合スキル【灼空】と、無手系武芸スキル【遠当】を組み合わせた反撃だ。
「このていどっ!!」
通常の【遠当】の数倍。1メルほどの大きさの炎の弾丸を、シンはその1刀で真っ二つに両断した。【真月】に付与されている効果の1つ、刀身に接触する魔術スキルの無効化だ。
もちろん、触れた魔術のすべてを消しされるわけではないし、武芸スキルのような純粋なエネルギーは無効化できない。たった今ジラートの一撃を斬れたのは、そこに炎の術式が付与される形になっていたことと、シンの能力の高さゆえだ。
だが、魔術を斬れるということは、こと戦闘では非常に重宝する。今回は少し違う形だったが、本来は結界スキルを叩き斬るのに使うのだ。それだけでも攻める側は有利になる。
だが今回はそれが仇になった。ジラートはシンが【遠当】を斬れるとわかっていたからこそ、炎を纏わせたままスキルを繰り出したのだ。
巨大な炎弾を隠れ蓑に、ジラートは刀を振り切った状態のシンに、追撃のスキルを繰り出した。
放つのは無手系武芸スキル【蛇絞】だ。
相手の動きを阻害するように、蛇の形をしたエネルギーがシンの腕に纏わりつく。
「加減はせん」
シンの前ではその拘束も一瞬で吹き飛ぶが、2人の戦いにおいてはその一瞬が勝機となる。
「至伝――」
シンの動きが止まった一瞬。ジラートは渾身の一撃を放つ。
それは1系統の武芸スキルのすべてを身につけた者のみが放つことのできる奥義。
武芸スキルにおける1つの極み。
「絶佳ぁぁあああああっ!!」
無手系武芸スキル【至伝・絶佳】。発動前に一瞬だけためが必要になるこのスキルは、動きこそただ真正面に拳を突き出すだけ。リーチは短く、隙も大きい。
しかし、だからこそ、その威力は数多の武芸スキルの中でもトップクラスだった。対人戦においては、ときに一撃で戦況を覆すとまで言われたほど。
それを今のジラートが放ったとなれば、その威力はシンの想定すら超える。
「く、ぐ、おおおおおおおおおおおっ!!」
迫る拳を前にして、シンはかろうじて【真月】を拳と体の間に滑り込ませる。
だがさすがのシンも、ぎりぎりで間に合った状態では満足に受け止めることも、受け流すことも難しい。踏ん張りもきかず、吹き飛ばされる形で森に突っ込む。
「げほっ、さすがに、きつい」
大木を幾本も叩き折りながら数十メルを吹き飛ばされたシン。直撃こそしていないが、ダメージが体に浸透しているのがわかる。
いくらステータス差がある程度残っているとはいえ、至伝クラスの武芸スキルは威力の桁が違った。シンのいた場所以外の森が、ケメル単位で扇状に消し飛んでいることが、その威力のすさまじさを物語っている。
立ち上がってジラートの元に戻ろうとするシン。スキルを使ったことによる硬直時間がなくなっているとはいえ、【絶佳】は反動の大きいスキルだ。ゲーム中ですら使用後は一時的に動けなくなり、少なくないダメージを受ける。そんなスキルを使って、すぐに追撃ができるとは考えていなかった。
ゆえに、背後からの攻撃に反応するのが遅れた。
ジラートは音もなく、気配もなく、地面を滑るようにシンへ迫っていたのだ。
まるでシンの思考を読んでいたかのような、一瞬の隙をついた突撃。スキルの反動すら強引に抑え込み、獲物を狩る獣のように、その瞳だけが爛々と輝いていた。
「――っ!!」
風術スキルによって拳の風切り音すら消して迫る拳を、シンは【真月】の柄で撥ね上げる。
刃は間に合わないと判断し、最小限の動きで体を回転させ、撥ね上げた方とは逆の拳を左腕の手甲で受け止めた。
手甲同士がぶつかり金属音が響く。シンでなければ腕ごと持っていかれかねない一撃だった。
互いの距離は数十セメル。シンの領域をジラートが侵食する。
無手系武芸スキル【逆波】――それはかつてシンが使った【透波】の派生技。力を敵の内部ではなく、外部で一気に破裂させる一点突破の技だ。
この至近距離ではジラート自身にも少なからずダメージがあるが、既にそんなものは気にしていない。
だがシンとて、左腕に集まる圧力を感じて黙ってはいない。即座に無手系武芸スキル【鋼弾き】で【逆波】の威力の大半を受け流すが、それでも残った衝撃で左腕が弾かれるのは防げない。
とはいえ、防御によってダメージを軽減したシンと、余波の一部を受けたジラート。ダメージはジラートの方が多く、すぐには動けないはずだった。
しかし、ジラートは止まらない。まるでダメージなどなかったように次のスキルを発動する。
乱れた体勢を強引に整え、発動するのは無手系武芸スキル【八華掌】。
その名の通り、繰り出される連撃の数は8。流れるようなコンビネーションは、しかし既にシンに見切られていた。この世界であっても、連撃には決まったモーションがあるのだ。
シンは知らないことだが、スキルとは肉体を使った魔術とこの世界では言われている。
スキルごとの決まった型というのはある種の詠唱であり、繰り出される一撃は発動した魔術と言えるのだ。ゆえに、武芸スキルというのは途中で型を変えることは非常に難しく、もし強引に干渉すれば威力も落ちる。
そして、たとえそんな法則を知らずとも、スキルとそれに伴うモーションを熟知しているシンからすれば、対処するのは難しくない。
至近距離での武芸スキルの激突に体勢を崩しながらも、シンは繰り出される拳を、蹴りを、最小限の動きでかわしていく。
そして、最後の後ろ回し蹴りが迫り、それに合わせて反撃しようと力を込めたところで、またしても予想外の出来事が襲う。
シンの前を蹴りが通過していった直後、軸足を瞬時に入れ替え体の回転を利用したジラートの蹴りが、シンの頭部を狙って打ち出されたのだ。
それは紛れもなく、無手系武芸スキル【双輪】の連続回転蹴りの動き。
「ぐっ――っ?」
顔めがけて迫る蹴りを【真月】で受け止め、その威力の軽さにシンは眉をひそめる。
だが、その違和感を確かめる間もなくジラートは次の行動に出た。受け止めたシンの刃を足場にして飛び上がり、回転しながらスキルを発動する。
シンの頭上で一回転し、その勢いを乗せたまま放たれた無手系武芸スキル【飛泉】の踵落としが、シンをその場に縫い付けた。
大地を陥没させ、受け止めたシンの足が大地に沈む。しかし、それほどの威力であっても決定的な一打にはならない。
メインジョブが侍であるシンは、盾職のように防御技能に特別優れているわけではないし、強度の高い盾を装備しているわけでもない。
だが、シンの持つ刀は古代級の武器、【真月】だ。並の盾など足元にも及ばないほどの強度がある。
加えて武器としての性能もトップクラスなので、普通の刀では不可能な防御と攻撃が両立できていた。これは、普通は強度を重視した大剣で行うような戦闘法である。
とはいえ、シンの獲物が【真月】かそれに準ずる代物でなければ、今のジラートの至伝クラスの一撃を防ぐなどできなかった可能性が高いが。
「しっ!!」
大地に足を埋めたまま、空中にいるジラートに向け、シンは反撃とばかりに【真月】を一閃させる。
ジラートはシンの刀が振られるよりわずかに早く、移動系スキル【飛影】で距離を取った。
シンの胸中を満たすのは驚きだ。ゲームのころには考えもしなかった動きをジラートはしている。
反動のある【絶佳】はともかく、【八華掌】から【双輪】、さらに【飛泉】への流れるようなコンビネーションは、攻撃を受けた身であっても見事だと思えた。
この戦法を編み出すのに、一体どれほどの鍛錬を重ねてきたのはわからない。
ただ1つはっきりしているのは、これが全身全霊を懸けたジラートの実力だということ。ハイヒューマンにすら土をつけかねない、本物の強者。
それを思うと、シンもジラートと同じように、その胸に悔しさがにじんだ。
理解はしていた。いや、したつもりだったということだろう。やはりどこかで、ゲームだったころの感覚で戦っていたのだと気づかされる。
この世界での対人戦は既に経験したと言っても、まともな戦いになどなっていなかった。だからだろう。本当の戦いというものが、わかっていなかった。
ゆえに、後手に回っている。
「……情けない。命を懸けてる相手に上から目線でものを言って、あげくこのざまか」
決定打を受けないのは、ステータスと積み上げてきた戦闘経験のおかげだ。だがそれも、今ではジラートに追いつかれつつある。
挑戦を受けると言いながら、なんという体たらく。このままでは、いずれ軽くない一撃を受けかねない。
「……だめだな。それはだめだ」
シンは考える。初代獣王が追い求めてきた相手が、その程度であってはならない。
妙な称号などなくとも、これほどの相手だと、最期にこそ相応しい相手だと、皆が思えなければならないはずだ。
これが限界か?
「――違う」
これがジラートの主の戦いか?
「――違う」
圧倒的だったはずだ。追随を許さなかったはずだ。
それがハイヒューマン。頂きに立つ者。
「……悪いジラート。俺はまだ、全力じゃなかった」
ゲームの戦い方はもう終わり、ここからがシンの全力だ。
「至伝――」
仕切りなおすのに、小技は無意味。ジラートと同じく、至高の技にてその意を示す。
構えるは大上段。動きは上から下への唐竹割り。
ただ、その一刀にのみすべてを込める。
「天斬!!」
天を斬ると銘打った一撃は、刹那と見紛う速度で一直線にジラートへ走った。
「――っ!!」
ジラートとてシンが自分を見失っていないことはわかっていたが、それでも瞠目せざるを得ない。振り下ろした一刀は、ジラートの目をもってしても霞んで見えたのだ。
本能と直感に従った体が、考えるよりに先に動く。強化に強化を重ねた肉体とジラートの異常ともいえる反応速度が呼応し、かろうじて直撃を防ぐことに成功する。
「くっ!」
それでも無傷で、とはいかない。戦いに影響はないが、ジラートの胴着タイプの防具、その肩の一部が裂け血が滲んでいた。
同じ至伝といえど、ジラートの【絶佳】よりも【天斬】の方が、より力が収束しているのだ。
攻撃を防いだジラートの後方では、【天斬】によって断ち切られた大地がその断面をさらしていた。
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