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6.プリンセスローズの秘密
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「すまない。ローズ姫が強くて手加減できなかった。怪我はないか?」
ブランが再びローズの手を引いて立ち上がらせる。
「大丈夫よ。はぁ、それにしても詐欺よ! 詐欺だわ!」
「お前、どの口がそれを言うんだ」
腕まくりした袖を直しながらブランが呆れたようにローズを見つめた。
「だってこんな線の細そうな白皙の美青年がジュードーの寝技のスペシャリストだなんて思わないじゃない」
「俺だってまさか婚約者に薬を盛られると思わなかったがな」
「……悪かったわよ」
ローズは気まずそうにしながらもブランに謝った。
ブランはそんなローズを見て口の端を上げてニヤリと笑った。
「まあ、さすがは薔薇の姫というところか」
「ん? どういうこと?」
「ローズ姫は薔薇のようなお姫さま『プリンセスローズ』としてプランタンでは有名らしいな」
「……もしかして全部知ってるの?」
ブランは煌びやかな美しい顔の唇の両端を上げてニイっと笑った。
「プランタンの薔薇の姫は美しいのにずいぶんと棘が凶暴らしい。お前、強いヤツを見つけると片っ端から勝負を挑んでいたらしいじゃないか」
ブランが意地悪そうに笑いながらローズを眺めた。
「なんでそれを……」
「姫さま、全部バレてるみたいですよ」
ローズが頭を抱える横で、アネモネがあーあと言った顔をしていた。
プランタンで『プリンセスローズ』と言えば、美しいのに凶暴な棘がある残念なローズ姫のことを揶揄するための言葉だった。
「ただ悪名高い『プリンセスローズ』の名前を逆手にとって、高貴な薔薇の香りの香水として売り出したのは見事だったな」
「でしょ! 『プリンセスローズ』ってただ馬鹿にされるのは悔しいから、なんとか一泡ふかせてやりたくって!」
頭を抱えていたローズはガバと顔を上げて、得意げな顔をする。
「まぁそのせいでプランタン国内の評判は散々らしいが」
「むぐ……。そうよ、もう国内じゃ私と結婚したいなんて奇特な方はいないから国外に嫁ぐことになったのよ」
ブランが再びローズの手を引いて立ち上がらせる。
「大丈夫よ。はぁ、それにしても詐欺よ! 詐欺だわ!」
「お前、どの口がそれを言うんだ」
腕まくりした袖を直しながらブランが呆れたようにローズを見つめた。
「だってこんな線の細そうな白皙の美青年がジュードーの寝技のスペシャリストだなんて思わないじゃない」
「俺だってまさか婚約者に薬を盛られると思わなかったがな」
「……悪かったわよ」
ローズは気まずそうにしながらもブランに謝った。
ブランはそんなローズを見て口の端を上げてニヤリと笑った。
「まあ、さすがは薔薇の姫というところか」
「ん? どういうこと?」
「ローズ姫は薔薇のようなお姫さま『プリンセスローズ』としてプランタンでは有名らしいな」
「……もしかして全部知ってるの?」
ブランは煌びやかな美しい顔の唇の両端を上げてニイっと笑った。
「プランタンの薔薇の姫は美しいのにずいぶんと棘が凶暴らしい。お前、強いヤツを見つけると片っ端から勝負を挑んでいたらしいじゃないか」
ブランが意地悪そうに笑いながらローズを眺めた。
「なんでそれを……」
「姫さま、全部バレてるみたいですよ」
ローズが頭を抱える横で、アネモネがあーあと言った顔をしていた。
プランタンで『プリンセスローズ』と言えば、美しいのに凶暴な棘がある残念なローズ姫のことを揶揄するための言葉だった。
「ただ悪名高い『プリンセスローズ』の名前を逆手にとって、高貴な薔薇の香りの香水として売り出したのは見事だったな」
「でしょ! 『プリンセスローズ』ってただ馬鹿にされるのは悔しいから、なんとか一泡ふかせてやりたくって!」
頭を抱えていたローズはガバと顔を上げて、得意げな顔をする。
「まぁそのせいでプランタン国内の評判は散々らしいが」
「むぐ……。そうよ、もう国内じゃ私と結婚したいなんて奇特な方はいないから国外に嫁ぐことになったのよ」
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