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1月2日 初めて①
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~ 1月2日 AM2:00 ~
ふと舞衣歌が目を覚ますと、目の前にシン君の綺麗な顔があった。
驚いて息を呑むと、舞衣歌の起きた気配を感じたのか、シン君は眉をわずかにひそませて、んんっと小さく声をあげて身じろぎをした。
舞衣歌は息を止めてゆっくりとベッドから脱け出した。
ベッドの中の二人は下半身をさらしたままだった。
昨晩、あの後、互いの汚れを拭き取り、ベッドで抱きあいながら横になっていたら寝てしまったようだ。
(あぁ、やっちゃった……)
舞衣歌は脱いだ服を拾って着ると、そーっとリビングに戻って頭を抱えた。
(弟よりも若い子相手に何やってんの……)
リビングのテーブルに置いたままのスマホの時計を見ると午前2時だった。
中途半端に覚醒してしまい、このままだと寝付けそうにないので頭を冷やしがてらコンビニに行くことにした。
ついでに明日の朝ごはんでも買ってこよう。
ジャージの上にダウンコートを着込み、少し悩んだけれど家の鍵は開けたままにして置いて行くことにする。
外に出るとシンとした寒さが身体を包む。
ハァ、とため息をつくと白い息がモワッと広がった。
ゆっくりとコンビニに向かい、暗闇の中、こうこうと光るコンビニの店内に入る。
カゴを手に取りお弁当コーナーを見ると、さっき見た雑煮はもう無かった。
お弁当コーナーにはろくなものが残っておらず、舞衣歌はパンの棚に残っていた甘いスティックパンをカゴに入れた。
なんとなく帰りづらくて、他に何かいるものあるかな、と店内を一通り見て回るとコンドームの箱が置いてあった。
(これがあったら、さっき止まれなかったな……)
コンビニの棚の前で考えこんでいると、背後からスッと手が伸びてきた。
「これは俺が買います」
舞衣歌がふり返ると、口元に手の甲を当てて顔を赤くしたシン君がいた。
「シン君!」
シン君はコンドームの箱を手に取り舞衣歌のカゴに入れると、舞衣歌からカゴを奪ってさっさとレジで精算してコンビニの外に出てしまった。
舞衣歌があわててシン君の後を追うと、外で待っていたシン君が舞衣歌の手を掴んだ。
「舞衣歌さん。早く家に帰りましょう」
「待って!」
舞衣歌の言葉を無視して、シン君は舞衣歌の手を掴んだままズンズン早足で家に戻っていく。
早足は次第にそのスピードを上げていき、途中からは二人とも小走りになって家に着く頃にはハァハァと息が上がっていた。
ドアの前で鍵を開けようと立ち止まった瞬間、互いのあまりに必死な姿に二人は目を合わせると、ふはっと笑ってしまった。
「あー、もう、余裕なくて恥ず……」
目の端を赤くして綺麗な顔を恥ずかしそうにくしゃと歪ませるシン君の顔を見ていたら、舞衣歌は、もういいか、と思ってしまった。
(こんな綺麗で可愛くて美味しそうな子が目の前にいて、我慢できるわけないじゃんね)
鍵を開けて一緒に部屋に入ると、そのままシン君が抱きついてきて舞衣歌の唇をふさいだ。
ふと舞衣歌が目を覚ますと、目の前にシン君の綺麗な顔があった。
驚いて息を呑むと、舞衣歌の起きた気配を感じたのか、シン君は眉をわずかにひそませて、んんっと小さく声をあげて身じろぎをした。
舞衣歌は息を止めてゆっくりとベッドから脱け出した。
ベッドの中の二人は下半身をさらしたままだった。
昨晩、あの後、互いの汚れを拭き取り、ベッドで抱きあいながら横になっていたら寝てしまったようだ。
(あぁ、やっちゃった……)
舞衣歌は脱いだ服を拾って着ると、そーっとリビングに戻って頭を抱えた。
(弟よりも若い子相手に何やってんの……)
リビングのテーブルに置いたままのスマホの時計を見ると午前2時だった。
中途半端に覚醒してしまい、このままだと寝付けそうにないので頭を冷やしがてらコンビニに行くことにした。
ついでに明日の朝ごはんでも買ってこよう。
ジャージの上にダウンコートを着込み、少し悩んだけれど家の鍵は開けたままにして置いて行くことにする。
外に出るとシンとした寒さが身体を包む。
ハァ、とため息をつくと白い息がモワッと広がった。
ゆっくりとコンビニに向かい、暗闇の中、こうこうと光るコンビニの店内に入る。
カゴを手に取りお弁当コーナーを見ると、さっき見た雑煮はもう無かった。
お弁当コーナーにはろくなものが残っておらず、舞衣歌はパンの棚に残っていた甘いスティックパンをカゴに入れた。
なんとなく帰りづらくて、他に何かいるものあるかな、と店内を一通り見て回るとコンドームの箱が置いてあった。
(これがあったら、さっき止まれなかったな……)
コンビニの棚の前で考えこんでいると、背後からスッと手が伸びてきた。
「これは俺が買います」
舞衣歌がふり返ると、口元に手の甲を当てて顔を赤くしたシン君がいた。
「シン君!」
シン君はコンドームの箱を手に取り舞衣歌のカゴに入れると、舞衣歌からカゴを奪ってさっさとレジで精算してコンビニの外に出てしまった。
舞衣歌があわててシン君の後を追うと、外で待っていたシン君が舞衣歌の手を掴んだ。
「舞衣歌さん。早く家に帰りましょう」
「待って!」
舞衣歌の言葉を無視して、シン君は舞衣歌の手を掴んだままズンズン早足で家に戻っていく。
早足は次第にそのスピードを上げていき、途中からは二人とも小走りになって家に着く頃にはハァハァと息が上がっていた。
ドアの前で鍵を開けようと立ち止まった瞬間、互いのあまりに必死な姿に二人は目を合わせると、ふはっと笑ってしまった。
「あー、もう、余裕なくて恥ず……」
目の端を赤くして綺麗な顔を恥ずかしそうにくしゃと歪ませるシン君の顔を見ていたら、舞衣歌は、もういいか、と思ってしまった。
(こんな綺麗で可愛くて美味しそうな子が目の前にいて、我慢できるわけないじゃんね)
鍵を開けて一緒に部屋に入ると、そのままシン君が抱きついてきて舞衣歌の唇をふさいだ。
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