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戦い
始まり
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二年後──────
あぁ、ついにこの時がきてしまった。リマが、死んだ。私の家族が、死んだ。唯一の家族が、死んだ。悲しかったし、怖かったし、苦しかったけど、リマはもういない。リマは小さなベッドの上で静かに逝った。まぁ、不幸中の幸いだと思おう。殺されたわけでも、病気で苦しんでたわけでもなかったのだから。
だが、私は勿論壊れる。「唯一」がいなくなってしまったのだから。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ──────
もうこの世になんかいたくない。リマがいった世界へと、私もついて行きたい。誰が、望んだ?こんな世界。もう私はうんざりだ。生きる意味が無くなったのだ。死ぬのは当たり前だろう。
うん、死のう。
なんの躊躇もなく、ベランダから飛び降りるつもりだった。つもりだったのに。
遠くの方で、何かがひかり、大きな揺れとともに風が私の顔を揺すった。初め、地震かと思ったが、そんなものでは無い。
大きな揺れを感じた私は咄嗟にベランダにかけていた足を離す。
何かがおかしい。ベランダの床をじっと見つめていた視線を恐る恐るあげる。
あそこには、確かにさっきまであったはずだ。この街と、隣町との間にある、大きな山が。それがさっぱりなくなっていた。まるで巨大チェーンソーで全部刈られてしまったかのように消えていた。
「大丈夫?!」
お母さんの声だ。2階の私の部屋に向かって階段下から叫んでいる。久しぶりにこんなに叫んでいる。なんだろう。懐かしい気分になった。
「うん。」
返事をしてしまった。しなければ、そのまま飛び降りれたのに。私の、お母さん。何故か、あの景色を見てすごく不安になった私は、『恋しい』という謎の感情が湧き上がってくる。
「そう…」
お母さんは我に返ったのか、リビングへと戻って行った。
一体日本で何が起きているのか知りたいのでスマホを開く。ネットの中も、混乱しているようで、中には宇宙戦争が起きたとか言う人もいたが、一番有力な情報は…
中国──────
そう。中国が攻めてきたんだ。その情報が一番まともで、かつ有り得ることだ。
ついさっきまで死ぬ事しか考えていなかった私でも、怖いと思った。まだどこかでは生きたいと思っていたのかもしれない。
何をどうすればいいか分からぬまま、家族のいるリビングへと行った。
「お、お父さんは?」
リビングにはお父さんがいなかった。お母さんとお姉ちゃんの二人だけ。
「分からないわ。多分お酒を買いにコンビニに行ったと思うんだけど…。」
眉毛の先を下に向けて悲しそうな、不安そうな顔をしているお母さんは久しぶりだ。感情が顕になることなんて、この数十年間、私は見たことがなかった。
お父さんは戻ってこない。一時間たっても、二時間経っても戻ってこなくて、さすがに心配だと思ったのか、座り込んでいたお母さんがすくっとたった。
「ちょっと外見てくるね。」
やっぱり心配なんだ。なんでだろう。お父さんのことを心配するほど、お母さんの頭はおかしくなっていたのだろうか。
私とお姉ちゃんは家のリビングで静かに待った。
朝。気を失うように寝ていた私は、目を覚ます。しんと静まりかえるリビングにはお母さんとお姉ちゃんしかいなかった。つまりお父さんは見つからなかったのだろう。どこか安心している自分がいる。
こんな時でもお腹はすくんだ。美味しいと思ったことは無いご飯でも、生きていくには必要なんだと今気づく。
だが、まだ起きていないお母さんを起こすほど、私はあのご飯を食べたいとは思わなかった。
暫くその場に突っ立って、何をしようか考えていると、玄関の扉をどんどんと叩く音が響いた。
「おはようございます~。何やら避難誘導が出ているようなので、中学校の方へ行きますよぉ~。『早川』さーん?」
玄関が開くのを待つ気もないような大声で声をかけてきたその人の正体は隣の家のおばさんだ。
「すみません!今準備しますから先に行っといてください!」
はーいとのんきな声が聞こえてきたかと思うと、さっきまでのしんとした空気が戻ってきた。
起こさなくてはいけないので、お母さんの体を揺する。
「ん…。あ、おはよう。」
「避難。しなくちゃだって。」
何が始まっているのか、よく分からないが避難ということはだいぶ危険な状態なんだろう。災害以外で避難なんて聞いたことがない。
私達は外へ出た。少し肌寒い空気が、冬の訪れを告げているように思った。リマのお墓に目をやっても、リマの幽霊はいなかった。『幽霊』なんて、都合のいい生き物は誰の勘違いで生まれたんだろうか。そんな期待してしまうものを生んだ人を私は恨む。幽霊なんて、信じない。
中学校に着いた。やはりそこにもお父さんの姿はなかった。
「『早川』さんはここですよ。」
案内人の人が私たちを誘導する。ボランティアかなにかだろうか。そんな暇な人達が何人もここにいると考えると、馬鹿だなと思う。避難なんかしても、なにか危険なことが起きていることは変わらないのに。
そんなことを考えて、群がる人を掻き分けながら、私たちは定位置に着いた。そこから一体何をしたのか。本を読んだのか、誰かと話したのか、はたまた寝てしまったのか。覚えていないが、すぐに夜はやってきた。
冷たい床に寝転がって、静かに朝を待つ。隣にはお母さんとお姉ちゃん。すやすやと眠るその顔はまるで危険なことなど起こってもないような顔だ。今だけ、忘れたいと思った。お父さんの事も、中国のことも、リマがいないことも。全部忘れて、幸せな夢を見たいと思った。
やけに騒がしい。久しぶりの幸せなひとときなど、一瞬で終わるものだ。
重たい目がまだ閉じようとしている頃、私は騒がしさの源を知った。
ドン ドン ドンと、地響きのような音。音とともに少し遅れて振動がガタガタと来る。一体何なのか。体育館の小さな窓から外の様子を探ってみると、地面が割れていた。物体が転がり落ちて、破片がそこら中に散らばっている。グラウンドの方は砂埃が舞い上がり、何が起こっているのかさえ分からない。
「襲撃だぁー!!!」
その一言で、頭のモヤが颯爽と消え去った。今、世間を騒がしている中国か、宇宙人か、とにかく私たちの敵が襲撃してきたという事だ。
体育館にいた人達はパニック状態になり、自分たちの宝物たちを抱えて外に逃げようと波を作る。
ぼうっとつったている私の手を引いたのはお母さんだった。はっと我に返り、人の波に押し揉まれながら外へと進む。私たちは特に宝物などないので、荷物は少なく、動きやすいが、周りの人はめいいっぱいに抱えている。そんな人たちを横目に見ながら、私たち三人はすごい勢いで走っていった。
息が上がる。周りは、人、人、人。何度も何度も転けそうになりながら何とか校門までたどり着いた。だが、またあの地響きが始まった。
「早く!進んで!」
「邪魔だぁ!どけろ!」
「爆弾が来るぞぉ!!」
叫んでいる人がそこら中にいて、一人一人聞き取ることなどできなかった。
ドン ドン ドン
何かに火が移って、一瞬で辺りが赤色に染まった。空には飛行機が五台程過ぎ去っていく。
とにかく後ろは見ずにひたすら走ることしか出来なかった。止まったら、その時点で人と火に飲まれる。恐怖のせいか、火傷しそうなほど暑いはずなのに少し肌寒かった。
煙を吸いながら走ると、すぐに息が上がり、苦しかった。もう周りの音など聞こえず、ただひたすらに嫌な夢を見続けているかのようだった。
走って走って、前にあるお母さんの背中を見ていたら、急にその背中が大きく前に傾いた。
お母さんの体が床について、私も転けそうになったが、必死に避けた。一瞬、止まったが、後ろからは人の波が押し寄せてきて、お母さんの体の上をズカズカと踏み荒らす。
私も踏まれるので止まる訳には行かなかった。必死に足を動かして、後ろを向きながら段々と小さくなっていくお母さんの蹲った体を見つめる。
人の足と足の間からお母さんの顔が一瞬見えた。目が、見えた。
「はっはっはっはっ」
息が上がって話すこともままならない。
叫ぶことも出来ないのに、私は必死で何かを言おうとしていた。喉が焼けるように痛い。
あれ。ふと気づいた。お姉ちゃんがいない。辺りを見渡し、確認して安心したかった。孤独を感じたくなかった。そんな気持ち、まだ残っていたことに今になって気づいてしまう。
もう、目の前には知らない人の背中しかなかった。
あぁ、ついにこの時がきてしまった。リマが、死んだ。私の家族が、死んだ。唯一の家族が、死んだ。悲しかったし、怖かったし、苦しかったけど、リマはもういない。リマは小さなベッドの上で静かに逝った。まぁ、不幸中の幸いだと思おう。殺されたわけでも、病気で苦しんでたわけでもなかったのだから。
だが、私は勿論壊れる。「唯一」がいなくなってしまったのだから。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ──────
もうこの世になんかいたくない。リマがいった世界へと、私もついて行きたい。誰が、望んだ?こんな世界。もう私はうんざりだ。生きる意味が無くなったのだ。死ぬのは当たり前だろう。
うん、死のう。
なんの躊躇もなく、ベランダから飛び降りるつもりだった。つもりだったのに。
遠くの方で、何かがひかり、大きな揺れとともに風が私の顔を揺すった。初め、地震かと思ったが、そんなものでは無い。
大きな揺れを感じた私は咄嗟にベランダにかけていた足を離す。
何かがおかしい。ベランダの床をじっと見つめていた視線を恐る恐るあげる。
あそこには、確かにさっきまであったはずだ。この街と、隣町との間にある、大きな山が。それがさっぱりなくなっていた。まるで巨大チェーンソーで全部刈られてしまったかのように消えていた。
「大丈夫?!」
お母さんの声だ。2階の私の部屋に向かって階段下から叫んでいる。久しぶりにこんなに叫んでいる。なんだろう。懐かしい気分になった。
「うん。」
返事をしてしまった。しなければ、そのまま飛び降りれたのに。私の、お母さん。何故か、あの景色を見てすごく不安になった私は、『恋しい』という謎の感情が湧き上がってくる。
「そう…」
お母さんは我に返ったのか、リビングへと戻って行った。
一体日本で何が起きているのか知りたいのでスマホを開く。ネットの中も、混乱しているようで、中には宇宙戦争が起きたとか言う人もいたが、一番有力な情報は…
中国──────
そう。中国が攻めてきたんだ。その情報が一番まともで、かつ有り得ることだ。
ついさっきまで死ぬ事しか考えていなかった私でも、怖いと思った。まだどこかでは生きたいと思っていたのかもしれない。
何をどうすればいいか分からぬまま、家族のいるリビングへと行った。
「お、お父さんは?」
リビングにはお父さんがいなかった。お母さんとお姉ちゃんの二人だけ。
「分からないわ。多分お酒を買いにコンビニに行ったと思うんだけど…。」
眉毛の先を下に向けて悲しそうな、不安そうな顔をしているお母さんは久しぶりだ。感情が顕になることなんて、この数十年間、私は見たことがなかった。
お父さんは戻ってこない。一時間たっても、二時間経っても戻ってこなくて、さすがに心配だと思ったのか、座り込んでいたお母さんがすくっとたった。
「ちょっと外見てくるね。」
やっぱり心配なんだ。なんでだろう。お父さんのことを心配するほど、お母さんの頭はおかしくなっていたのだろうか。
私とお姉ちゃんは家のリビングで静かに待った。
朝。気を失うように寝ていた私は、目を覚ます。しんと静まりかえるリビングにはお母さんとお姉ちゃんしかいなかった。つまりお父さんは見つからなかったのだろう。どこか安心している自分がいる。
こんな時でもお腹はすくんだ。美味しいと思ったことは無いご飯でも、生きていくには必要なんだと今気づく。
だが、まだ起きていないお母さんを起こすほど、私はあのご飯を食べたいとは思わなかった。
暫くその場に突っ立って、何をしようか考えていると、玄関の扉をどんどんと叩く音が響いた。
「おはようございます~。何やら避難誘導が出ているようなので、中学校の方へ行きますよぉ~。『早川』さーん?」
玄関が開くのを待つ気もないような大声で声をかけてきたその人の正体は隣の家のおばさんだ。
「すみません!今準備しますから先に行っといてください!」
はーいとのんきな声が聞こえてきたかと思うと、さっきまでのしんとした空気が戻ってきた。
起こさなくてはいけないので、お母さんの体を揺する。
「ん…。あ、おはよう。」
「避難。しなくちゃだって。」
何が始まっているのか、よく分からないが避難ということはだいぶ危険な状態なんだろう。災害以外で避難なんて聞いたことがない。
私達は外へ出た。少し肌寒い空気が、冬の訪れを告げているように思った。リマのお墓に目をやっても、リマの幽霊はいなかった。『幽霊』なんて、都合のいい生き物は誰の勘違いで生まれたんだろうか。そんな期待してしまうものを生んだ人を私は恨む。幽霊なんて、信じない。
中学校に着いた。やはりそこにもお父さんの姿はなかった。
「『早川』さんはここですよ。」
案内人の人が私たちを誘導する。ボランティアかなにかだろうか。そんな暇な人達が何人もここにいると考えると、馬鹿だなと思う。避難なんかしても、なにか危険なことが起きていることは変わらないのに。
そんなことを考えて、群がる人を掻き分けながら、私たちは定位置に着いた。そこから一体何をしたのか。本を読んだのか、誰かと話したのか、はたまた寝てしまったのか。覚えていないが、すぐに夜はやってきた。
冷たい床に寝転がって、静かに朝を待つ。隣にはお母さんとお姉ちゃん。すやすやと眠るその顔はまるで危険なことなど起こってもないような顔だ。今だけ、忘れたいと思った。お父さんの事も、中国のことも、リマがいないことも。全部忘れて、幸せな夢を見たいと思った。
やけに騒がしい。久しぶりの幸せなひとときなど、一瞬で終わるものだ。
重たい目がまだ閉じようとしている頃、私は騒がしさの源を知った。
ドン ドン ドンと、地響きのような音。音とともに少し遅れて振動がガタガタと来る。一体何なのか。体育館の小さな窓から外の様子を探ってみると、地面が割れていた。物体が転がり落ちて、破片がそこら中に散らばっている。グラウンドの方は砂埃が舞い上がり、何が起こっているのかさえ分からない。
「襲撃だぁー!!!」
その一言で、頭のモヤが颯爽と消え去った。今、世間を騒がしている中国か、宇宙人か、とにかく私たちの敵が襲撃してきたという事だ。
体育館にいた人達はパニック状態になり、自分たちの宝物たちを抱えて外に逃げようと波を作る。
ぼうっとつったている私の手を引いたのはお母さんだった。はっと我に返り、人の波に押し揉まれながら外へと進む。私たちは特に宝物などないので、荷物は少なく、動きやすいが、周りの人はめいいっぱいに抱えている。そんな人たちを横目に見ながら、私たち三人はすごい勢いで走っていった。
息が上がる。周りは、人、人、人。何度も何度も転けそうになりながら何とか校門までたどり着いた。だが、またあの地響きが始まった。
「早く!進んで!」
「邪魔だぁ!どけろ!」
「爆弾が来るぞぉ!!」
叫んでいる人がそこら中にいて、一人一人聞き取ることなどできなかった。
ドン ドン ドン
何かに火が移って、一瞬で辺りが赤色に染まった。空には飛行機が五台程過ぎ去っていく。
とにかく後ろは見ずにひたすら走ることしか出来なかった。止まったら、その時点で人と火に飲まれる。恐怖のせいか、火傷しそうなほど暑いはずなのに少し肌寒かった。
煙を吸いながら走ると、すぐに息が上がり、苦しかった。もう周りの音など聞こえず、ただひたすらに嫌な夢を見続けているかのようだった。
走って走って、前にあるお母さんの背中を見ていたら、急にその背中が大きく前に傾いた。
お母さんの体が床について、私も転けそうになったが、必死に避けた。一瞬、止まったが、後ろからは人の波が押し寄せてきて、お母さんの体の上をズカズカと踏み荒らす。
私も踏まれるので止まる訳には行かなかった。必死に足を動かして、後ろを向きながら段々と小さくなっていくお母さんの蹲った体を見つめる。
人の足と足の間からお母さんの顔が一瞬見えた。目が、見えた。
「はっはっはっはっ」
息が上がって話すこともままならない。
叫ぶことも出来ないのに、私は必死で何かを言おうとしていた。喉が焼けるように痛い。
あれ。ふと気づいた。お姉ちゃんがいない。辺りを見渡し、確認して安心したかった。孤独を感じたくなかった。そんな気持ち、まだ残っていたことに今になって気づいてしまう。
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