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穴蔵の底へ
ここは多次元黄泉葉原
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いわゆる、JR秋葉原駅の電気街口まで出て、駅連絡通路を背に正面…中央通りを前に見る。
左手に見えるラジオ会館は、建て直される前の古い建物なあたりに、ここが正確には秋葉原ではなくマイナの言う「黄泉葉原」なのだと思わされる。
駅前の喧騒には覚えがある。休日昼間の買い物客が溢れる感じ。
…まあ、記憶自体は相変わらず曖昧なままなのだが。そろそろ名前くらいなんとかせんとなーとは思うのだが。
「さあ、行きましょう!キュセマップから回りましょう!」
マイナが目を輝かせてわたしの手を掴み、中央通りへ歩き始めた。
中央通りへ出てすぐ横断歩道を渡り、「九泉」と紙が貼られ、その下の店名看板と繋げて「map」…なるほどキュセマップと読むんだろうな、という七階建くらいのビルへと入る。
マイナは慣れた足取りでビル奥の二基あるエレベータの、上ボタンを押した。
左側のエレベータが開く。マイナとわたしが乗り込んだ後に、やや強引に太い男が入って来て物も言わず七階のボタンを押した。わたしたちが降りるのはマイナの押した五階らしい。
太いのが息荒く呼吸音を響かせる中、エレベータは扉を閉じ、上へ上り始める。
エレベータが五階に止まり、扉が開いたが太いのが邪魔でマイナが降りれなさそうなので、
「すみません」
と、
あくまでもスマートに。
わたしが彼に話しかけると、彼は何故か狭いエレベータの奥に飛び退き、震え始めた。
まあ些か意味が分からなかったがわたしはマイナを促し、降りた。次にわたしの視界に入ったら分かってるだろうな…
わたしたちが降り、エレベータの扉が閉まる。
「あ、あの…」
マイナがわたしに怖々といった感じに声を掛けてきた意味が分かりかねる。
「?」
「いえ、そんな可愛い顔で小首傾げても!どうして瞬間的にふた振りも剣を出して刃先突きつけて脅したりする…出来ちゃうんですか!」
「エレベーターでドア前に立ってる時のマナーってダイジダヨネ」
まあ別に刺したりしてないし。
それはともかく五階はフィギュアやらプラモやらのフロアらしかった。大きい化粧箱に入ったフィギュアが所狭しと積み上げられている。
「ありました!わたしが欲しいの」
背が低いマイナが持ち上げるとそれでなくても大きめなフィギュア箱がさらに大きく見えて微笑ましかった。
「あなたは何か欲しいもの無いですか…って、ごめんなさい、そもそもお腹空いてるんでしたよね…これ買ったら何か食べましょう?」
あーその件思い出したか…ってそらそうだよな。事実お腹は減ってるが。
やはりここが黄泉の国なのは間違いなさそうだし、何かを食べるのはやめた方が良いようにも思うが…
あれこれ考えているとマイナがレジで会計を済ませて戻ってきた。これまた大きな紙袋に商品を入れたようだが、マイナの体格だと袋の底を床に引きずりそうで心配だ。
「何系がいいですか?最近はラーメン屋さんが多いです」
「あの世なのに店の入れ替わりとかあるの?」
「ここを訪れるひとたちの意思によって、以前あったお店と入れ替わったりするんだそうです。わたしの行きつけは牛丼屋さんだったりカツ屋さんだったりステーキ屋さんだったりしてますね」
「思い出の店が入れ替わりに現れる…って感じ?」
「らしいですね。モデルになった街をわたしは知らないので日を跨ぐと急に違う店だったりして楽しいですけど。ビルがあったところが急にスポーツコートだったりとか」
「あーわかりやすいわソレ」
かなり自由なようだ。
キュセマップの裏通りへ出て、中央通りの一本脇の通りを北へ上がる。
大きい交差点を渡り、裏通りを歩き続けると確かにラーメン屋が多いようだ。
ふと。
なんとなく目に入ったラーメン屋のラーメンが猛烈に食べたくなり…
気付いたら、マイナと二人で店内で中華そばを食べていた。
この、「こってり」にしといてからの七味を散らして食うのがキクんだよな…
ここの七味はマジで辛いからあまりかけない方がいいよ、とマイナにも説明しながら…
詳しいんですね!なんてマイナに尊敬の眼差しを向けられながら…
あああああああああああああ。
食べちゃった。
スープも残さず。腹減ってたからな!
明太子ごはん頼めば良かったなくらいに思う程度には堪能したわ!
…よし。
ナニモナカッタコトニシヨウ。
店の外に出て自販機の缶ジュースを二人で飲みながら、マイナもご満悦である。
「すんません先輩、すっかり奢ってもらっちって」
「いえ…ここのお金なんてどうせ使い切れないくらいありますから」
「そうなの?」
「ええ。わたし一人で回っても楽しく無いですし。今日はとっても楽しいです。美味しいラーメン屋さんも教えてもらったし」
マイナの笑顔は眩いばかりであった。
「じゃ、今日は帰りましょうか。またいつでも来れますから」
「そうだね」
賽の河原も三途の川も無かったがまあ実際あの世なんてのは来てみればこんなもんかも知れないな、と…
いやいや、ちげーだろ多分!
左手に見えるラジオ会館は、建て直される前の古い建物なあたりに、ここが正確には秋葉原ではなくマイナの言う「黄泉葉原」なのだと思わされる。
駅前の喧騒には覚えがある。休日昼間の買い物客が溢れる感じ。
…まあ、記憶自体は相変わらず曖昧なままなのだが。そろそろ名前くらいなんとかせんとなーとは思うのだが。
「さあ、行きましょう!キュセマップから回りましょう!」
マイナが目を輝かせてわたしの手を掴み、中央通りへ歩き始めた。
中央通りへ出てすぐ横断歩道を渡り、「九泉」と紙が貼られ、その下の店名看板と繋げて「map」…なるほどキュセマップと読むんだろうな、という七階建くらいのビルへと入る。
マイナは慣れた足取りでビル奥の二基あるエレベータの、上ボタンを押した。
左側のエレベータが開く。マイナとわたしが乗り込んだ後に、やや強引に太い男が入って来て物も言わず七階のボタンを押した。わたしたちが降りるのはマイナの押した五階らしい。
太いのが息荒く呼吸音を響かせる中、エレベータは扉を閉じ、上へ上り始める。
エレベータが五階に止まり、扉が開いたが太いのが邪魔でマイナが降りれなさそうなので、
「すみません」
と、
あくまでもスマートに。
わたしが彼に話しかけると、彼は何故か狭いエレベータの奥に飛び退き、震え始めた。
まあ些か意味が分からなかったがわたしはマイナを促し、降りた。次にわたしの視界に入ったら分かってるだろうな…
わたしたちが降り、エレベータの扉が閉まる。
「あ、あの…」
マイナがわたしに怖々といった感じに声を掛けてきた意味が分かりかねる。
「?」
「いえ、そんな可愛い顔で小首傾げても!どうして瞬間的にふた振りも剣を出して刃先突きつけて脅したりする…出来ちゃうんですか!」
「エレベーターでドア前に立ってる時のマナーってダイジダヨネ」
まあ別に刺したりしてないし。
それはともかく五階はフィギュアやらプラモやらのフロアらしかった。大きい化粧箱に入ったフィギュアが所狭しと積み上げられている。
「ありました!わたしが欲しいの」
背が低いマイナが持ち上げるとそれでなくても大きめなフィギュア箱がさらに大きく見えて微笑ましかった。
「あなたは何か欲しいもの無いですか…って、ごめんなさい、そもそもお腹空いてるんでしたよね…これ買ったら何か食べましょう?」
あーその件思い出したか…ってそらそうだよな。事実お腹は減ってるが。
やはりここが黄泉の国なのは間違いなさそうだし、何かを食べるのはやめた方が良いようにも思うが…
あれこれ考えているとマイナがレジで会計を済ませて戻ってきた。これまた大きな紙袋に商品を入れたようだが、マイナの体格だと袋の底を床に引きずりそうで心配だ。
「何系がいいですか?最近はラーメン屋さんが多いです」
「あの世なのに店の入れ替わりとかあるの?」
「ここを訪れるひとたちの意思によって、以前あったお店と入れ替わったりするんだそうです。わたしの行きつけは牛丼屋さんだったりカツ屋さんだったりステーキ屋さんだったりしてますね」
「思い出の店が入れ替わりに現れる…って感じ?」
「らしいですね。モデルになった街をわたしは知らないので日を跨ぐと急に違う店だったりして楽しいですけど。ビルがあったところが急にスポーツコートだったりとか」
「あーわかりやすいわソレ」
かなり自由なようだ。
キュセマップの裏通りへ出て、中央通りの一本脇の通りを北へ上がる。
大きい交差点を渡り、裏通りを歩き続けると確かにラーメン屋が多いようだ。
ふと。
なんとなく目に入ったラーメン屋のラーメンが猛烈に食べたくなり…
気付いたら、マイナと二人で店内で中華そばを食べていた。
この、「こってり」にしといてからの七味を散らして食うのがキクんだよな…
ここの七味はマジで辛いからあまりかけない方がいいよ、とマイナにも説明しながら…
詳しいんですね!なんてマイナに尊敬の眼差しを向けられながら…
あああああああああああああ。
食べちゃった。
スープも残さず。腹減ってたからな!
明太子ごはん頼めば良かったなくらいに思う程度には堪能したわ!
…よし。
ナニモナカッタコトニシヨウ。
店の外に出て自販機の缶ジュースを二人で飲みながら、マイナもご満悦である。
「すんません先輩、すっかり奢ってもらっちって」
「いえ…ここのお金なんてどうせ使い切れないくらいありますから」
「そうなの?」
「ええ。わたし一人で回っても楽しく無いですし。今日はとっても楽しいです。美味しいラーメン屋さんも教えてもらったし」
マイナの笑顔は眩いばかりであった。
「じゃ、今日は帰りましょうか。またいつでも来れますから」
「そうだね」
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いやいや、ちげーだろ多分!
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