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穴蔵の底へ
【ノルマ達成】ガチャを久々に回しました!
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香ばしく卵が焼ける匂いと音で目を覚ます。
穴蔵生活なのにまったくもって健康的な朝といった風情の寝覚めだったが、
掛け布団の上に乗った物体の微妙な重みがわたしの寝覚めを台無しにしていた。
不機嫌そのものの表情のままわたしはそれを手に取る。
金属製の籠手が一対。色は輝かしい黄金。
まあメッキだろうが、腰から下は黒なのに籠手金色かぁ…別にコーディネートで戦うわけでもないけどさぁ。
せいぜい納刀/抜刀の速度が上がるくらいかね、と考えながら試しに手に嵌めてみる。
脚鎧の時も感じたが、なかなかにフィット感があって心地いい。やはりこの手のグッズも馴染むかどうかが重要だったりするんだろうか。
戦闘しながらタブレットやらドローン操縦やらをしようとも考えてもいないが、それさえ可能ではないかと思わせる程度に指先の自由度が高い。
手の甲側…外向きには金属製のガワが付いているが、内向きはただの革手袋のような造りだが、この皮がフィット感の源泉なのだろう。気持ちいい。
「起きましたか?…どうしました、朝からレジェンド級のマジックアイテムなんか嵌めて」
朝食の支度を終えたマイナは、ベッドルームへ入るや否やわたしの手元の籠手をそう評価した。
「懐かしい…王国騎士団の正に黄金期…十三名の騎士それぞれに下賜されたものですけど、付与魔術師の実力もあって、なかなかにレアな効果も付いた実用品ですよ」
「鑑定士か!」
「いい仕事ですねー」
マイナが調子付く。テレビ好きの異世界人め…
「…説明はまあなんとなくわかるんだけど、コレ懐かしい、っていうような物なの?」
ふと沸いた違和感を口にする。
「いや、マイナが子供の頃の出来事がその「マジックアイテムの下賜」ならそうなんだろうけど、なんかちょっと違和感がね。ちなみにその黄金期の十三人の騎士って何年前くらいの出来事なん?」
わたしの何気ない問いが、
マイナを凍りつかせていた事に、わたし自身まだ気づいていなかった。
「サアゴハンガサメナイウチニタベマショウ」
抑揚やら句読点やらが完全にない平板の言葉がマイナの口から漏れ出てきた。
「怖っ。わかったわかった、これ以上聞くなってんなら聞かないから!」
「ホントですよ…レディに外堀を埋めるようなやり方で歳を聞かないで下さい」
すぐに元に戻ったのでホッとしたがかなりのホラー感があった。この件は触れない方が良いな…
マイナ謹製の朝食を口にしながら、
「で、今朝は何時出発?」
「ああ、はい。十一時くらいに向う着で良いですよ。盛り上がりだけ見たら後は普通に巡回ですし」
確かに。わたし的にも見たい店が開いてる時間以降の方が都合が良い。
「たまに夜まで向こうにいても良いんですよ?」
「またカラオケ行きたいとかそんな感じ?」
「それも良いですね!でもお酒飲めたりするとこ行ってもいいかなーって」
「飲食店も多いからね。ま、今日はそれでもいっか…」
ドローン他便利グッズを揃えてダンジョンを攻略しよう(ズル)ももうなんか至急案件でもない感じだしなー。
なんかどんどん状況に流され始めた気がする…これが、黄泉の食物による囲い込み(*多分違う)…
それはともかく朝食後にゆっくりと準備して、いつもの電車で岩本町。そのまま黄泉葉原駅まで歩き、駅ビルのガラス窓にデカデカ貼られたキャラポスターやらそれに群がる亡者(ダブルミーニング)を遠巻きに見る。
「…三階のストアとかで限定グッズあるみたいだね。行く?」
「いやー初日は並びそうだし良いです。閉店間際に覗きたいです」
なるほど夜まで居たかった理由はそれか。つくづくだなこの子!
「それまではあなたの見たいとことか回りましょう?買ってるのは実用品ばかりなの見てますけど、意外とフィギュアとか興味ありそうですよね?」
マイナめ…わたしの動向を結構見てるな…確かに、記憶も曖昧なのにラジ館の中の模型店の品揃えに興味津々だけどさぁ!
さすがにこの不安定な状況でプラモやらフィギュアやら買う気にもならんわ…
上に戻ったらそもそも中世ファンタジーレベルの生活に戻るんだろうし。
「まー見てはいるけど買うまではねぇ」
「いいじゃないですか、どうせ貰ったお金なんですし。ウチでしばらく預かっておいて後で渡したって良いんですよ?」
その「後で」がこの場合問題なんだけどねぇ。
とはいえ多分マイナ的にはわたしが何を買うのかに興味があるんだろうしな…
ま、確かに「この異世界の中でもさらに異世界の、ログボで貰ったゲーム内マニー」にさほどこだわっても仕方ないか。
「よし、じゃ今日は工具類含めてその辺も買うか!…塗装ってあのマイナの家でやっても良いの?」
「いやー、臭う系はちょっと…」
「ま、最初だしパチ組みでいっか。」
そしてわたしたちはラジ館横の模型店ビルに入り、五階フロア内を眺める。
見た事のある、しかしキミ主役機じゃないよね?というロボットプラモの発売記念コンペ開催のビラを見ていたわたしに、
「アンタも好きなのかい…その機体」
この手の店でかけられたくない感じの上位に入りそうな声のかけられ方をした。
穴蔵生活なのにまったくもって健康的な朝といった風情の寝覚めだったが、
掛け布団の上に乗った物体の微妙な重みがわたしの寝覚めを台無しにしていた。
不機嫌そのものの表情のままわたしはそれを手に取る。
金属製の籠手が一対。色は輝かしい黄金。
まあメッキだろうが、腰から下は黒なのに籠手金色かぁ…別にコーディネートで戦うわけでもないけどさぁ。
せいぜい納刀/抜刀の速度が上がるくらいかね、と考えながら試しに手に嵌めてみる。
脚鎧の時も感じたが、なかなかにフィット感があって心地いい。やはりこの手のグッズも馴染むかどうかが重要だったりするんだろうか。
戦闘しながらタブレットやらドローン操縦やらをしようとも考えてもいないが、それさえ可能ではないかと思わせる程度に指先の自由度が高い。
手の甲側…外向きには金属製のガワが付いているが、内向きはただの革手袋のような造りだが、この皮がフィット感の源泉なのだろう。気持ちいい。
「起きましたか?…どうしました、朝からレジェンド級のマジックアイテムなんか嵌めて」
朝食の支度を終えたマイナは、ベッドルームへ入るや否やわたしの手元の籠手をそう評価した。
「懐かしい…王国騎士団の正に黄金期…十三名の騎士それぞれに下賜されたものですけど、付与魔術師の実力もあって、なかなかにレアな効果も付いた実用品ですよ」
「鑑定士か!」
「いい仕事ですねー」
マイナが調子付く。テレビ好きの異世界人め…
「…説明はまあなんとなくわかるんだけど、コレ懐かしい、っていうような物なの?」
ふと沸いた違和感を口にする。
「いや、マイナが子供の頃の出来事がその「マジックアイテムの下賜」ならそうなんだろうけど、なんかちょっと違和感がね。ちなみにその黄金期の十三人の騎士って何年前くらいの出来事なん?」
わたしの何気ない問いが、
マイナを凍りつかせていた事に、わたし自身まだ気づいていなかった。
「サアゴハンガサメナイウチニタベマショウ」
抑揚やら句読点やらが完全にない平板の言葉がマイナの口から漏れ出てきた。
「怖っ。わかったわかった、これ以上聞くなってんなら聞かないから!」
「ホントですよ…レディに外堀を埋めるようなやり方で歳を聞かないで下さい」
すぐに元に戻ったのでホッとしたがかなりのホラー感があった。この件は触れない方が良いな…
マイナ謹製の朝食を口にしながら、
「で、今朝は何時出発?」
「ああ、はい。十一時くらいに向う着で良いですよ。盛り上がりだけ見たら後は普通に巡回ですし」
確かに。わたし的にも見たい店が開いてる時間以降の方が都合が良い。
「たまに夜まで向こうにいても良いんですよ?」
「またカラオケ行きたいとかそんな感じ?」
「それも良いですね!でもお酒飲めたりするとこ行ってもいいかなーって」
「飲食店も多いからね。ま、今日はそれでもいっか…」
ドローン他便利グッズを揃えてダンジョンを攻略しよう(ズル)ももうなんか至急案件でもない感じだしなー。
なんかどんどん状況に流され始めた気がする…これが、黄泉の食物による囲い込み(*多分違う)…
それはともかく朝食後にゆっくりと準備して、いつもの電車で岩本町。そのまま黄泉葉原駅まで歩き、駅ビルのガラス窓にデカデカ貼られたキャラポスターやらそれに群がる亡者(ダブルミーニング)を遠巻きに見る。
「…三階のストアとかで限定グッズあるみたいだね。行く?」
「いやー初日は並びそうだし良いです。閉店間際に覗きたいです」
なるほど夜まで居たかった理由はそれか。つくづくだなこの子!
「それまではあなたの見たいとことか回りましょう?買ってるのは実用品ばかりなの見てますけど、意外とフィギュアとか興味ありそうですよね?」
マイナめ…わたしの動向を結構見てるな…確かに、記憶も曖昧なのにラジ館の中の模型店の品揃えに興味津々だけどさぁ!
さすがにこの不安定な状況でプラモやらフィギュアやら買う気にもならんわ…
上に戻ったらそもそも中世ファンタジーレベルの生活に戻るんだろうし。
「まー見てはいるけど買うまではねぇ」
「いいじゃないですか、どうせ貰ったお金なんですし。ウチでしばらく預かっておいて後で渡したって良いんですよ?」
その「後で」がこの場合問題なんだけどねぇ。
とはいえ多分マイナ的にはわたしが何を買うのかに興味があるんだろうしな…
ま、確かに「この異世界の中でもさらに異世界の、ログボで貰ったゲーム内マニー」にさほどこだわっても仕方ないか。
「よし、じゃ今日は工具類含めてその辺も買うか!…塗装ってあのマイナの家でやっても良いの?」
「いやー、臭う系はちょっと…」
「ま、最初だしパチ組みでいっか。」
そしてわたしたちはラジ館横の模型店ビルに入り、五階フロア内を眺める。
見た事のある、しかしキミ主役機じゃないよね?というロボットプラモの発売記念コンペ開催のビラを見ていたわたしに、
「アンタも好きなのかい…その機体」
この手の店でかけられたくない感じの上位に入りそうな声のかけられ方をした。
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