4 / 57
今日は王城へ行く日です。
しおりを挟む
ぷちパレード?的な歓待から解放されわたしは野菜売りのおっさんが教えてくれた道を歩き、城へと向かう。
市場付近の賑わいは無いとしても、それなりに人は多いようだ。家屋敷やらなにかの店舗が並ぶ、石畳の通りが続いた。
たまに人が跨った馬やら馬車やらが走るのを見ると、異世界感があるなーと感じる。
馬上の人の中には鎧を着込んで鞍に槍やら剣やらを付けている者もいる。
そんな中、一際整然と駆けていく騎馬の一団が通り過ぎた。白銀の鎧、白銀の大楯、白の馬上槍と、揃いの装備が一際目を引く美しさだった。
行く先も自分の向かう方と同じようだ。
騎士団かな?と思えた。
先頭を駆けていた騎士が、自分の横を通り過ぎる時にこちらの方を見たように思えた。
あー、これ現地の人とバトっちゃう流れかなー。
なんだ、生意気な異世界人め!みたいな。
「勇者の方か」
だが拍子抜けすることに。
騎士は少し通り過ぎたが全団を止め、
自らはわざわざ馬上から降りて馬を引きながら自分の方へ近づいてきた。
「自信はあまりありませんが、多分」
わたしも普通に答える。
「はは、あなた方はご自身の都合と無関係に召喚されたのですし、そのお答えもやむを得ませんな」
騎士はなかなかに爽やかな長髪の青年であった。
「…よくわたしがその無理やり召喚された者だとわかりましたね?」
なんとなくだが、まだ因縁つけられる可能性があるのではという疑念を捨てられなかった。
「お手元の緑龍のツノですな。あの憎き奴めの顔から生えていたものと見受けました」
「あれと戦った事があるんですね」
「あなたのように戦利品を得るには至りませんでしたが、村落を襲いに来たのを撃退したことが何度かは」
小さな驚きであった。
地元民やるじゃん。あんなデカイの謎のマジックアイテムの加護でもなけりゃ戦いたくねー。
「凄いですね。いえ、騎士の方に言う事でもありませんがわたしもかなり恐ろしかったですし」
「素直な方だ。あなたのおっしゃりようは信用出来るようだ。…名乗るのが遅れました、私はアーサスと申します。ご推察通り王にお仕えする騎士です。」
騎士アーサスは名乗り、一礼した。
「さあ馬へ。王城は間もなくですが、道すがら街も案内致しましょう」
「乗って良いって事ですか?」
「勿論」
アーサスは笑顔だった。
彼に従っていた者たちも既に馬から降り、全員馬を引いたまま進む気のようであった。
わたしもそう言う事なら…と、思っていたが、
「あ、そうだ…名乗ってもらってなんですが、わたし自分の名前も思い出せない状態で」
「なんと…では王に謁見される前に治療院へ行きますか?記憶以外に何か怪我やら気になる事もありましょうしな」
「あ…いえ、王様にはお会いしたいです。この世界へ来てすぐ、王様に会えと」
「小さな女の子に言われましたか」
「ご存知ですか」
「いや、他の勇者の方も大体その女の子の指示でこちらへ向かうように言われているようでしたので。私自身が見た訳ではありません。」
「あの子はなんなんですか?神様みたいなものなんでしょうか」
「話を聞いてみて感じたのは…神様だとすれば、サンラプンラ神のように思いました」
もしかして:みたいなサジェストがあるんだ…
「どんな神様なんです?」
「ガチャの神です。この国最大の宗教勢力ですな。最高指導者の教父は国王に匹敵すると言える」
言葉の最後の方は若干苦々しげな声音だった。まあ騎士ならば王以外が権力を持つのは面白くないか。
?…だが、いましれっと大事な言葉が。
「あの子そんな凄い神様だったんだ…」
と言いながらも、
「ガチャの神てなにさ?」
「まあ、この街に居れば徐々に分かるかと思います。その辺りの件は、あなたがたの世界と我々の世界が根本的に異なる点のようです」
アーサスが視線を上げる。
一際大きな白い城楼。どうやら目的地に
着いたようだ。
急な謁見にも関わらず、王への目通りが叶ったのはアーサスの口添えが大きかったようだ。
王は満面の笑顔だったが、両脇に居並ぶ身なりの良い、大臣なのか脇侍なのかは全員が全員ウエルカムという表情ではないのがよくわかる。
まあ、素直に「誰だお前!」だろうしなあ。
「よく来た。お前がSSSRか。ぱっと見ただのかわいこちゃんだが、手にあるは緑龍のヒゲとアーサスからも聞いておる」
どよめきがあがる。嘘だろ、とか確かにあれは、とか真偽を確かめようとしているようでもあった。
「静まれい!…で、娘御よ。聞けば己が名も分からぬそうであるな。体調は良いのか?緑龍撃退の折に手傷を負ったようであれば治癒術師も当てがおう。」
「いえ、怪我とかは大丈夫です。お気遣い感謝致します。あの、お聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか」
「うむ、なんでも申せ」
「陛下、わたしは何をするためにここへ召喚されたのでしょうか」
「うむ。されば頼むとしよう。SSSRの勇者よ。そなたには今我が国を脅かす憎き龍の軍団の首魁、巨赤龍の討伐を頼みたい…!」
人のことレアリティで呼ぶのやめろやと思いながら、わたしは王の言葉を聞いた。
市場付近の賑わいは無いとしても、それなりに人は多いようだ。家屋敷やらなにかの店舗が並ぶ、石畳の通りが続いた。
たまに人が跨った馬やら馬車やらが走るのを見ると、異世界感があるなーと感じる。
馬上の人の中には鎧を着込んで鞍に槍やら剣やらを付けている者もいる。
そんな中、一際整然と駆けていく騎馬の一団が通り過ぎた。白銀の鎧、白銀の大楯、白の馬上槍と、揃いの装備が一際目を引く美しさだった。
行く先も自分の向かう方と同じようだ。
騎士団かな?と思えた。
先頭を駆けていた騎士が、自分の横を通り過ぎる時にこちらの方を見たように思えた。
あー、これ現地の人とバトっちゃう流れかなー。
なんだ、生意気な異世界人め!みたいな。
「勇者の方か」
だが拍子抜けすることに。
騎士は少し通り過ぎたが全団を止め、
自らはわざわざ馬上から降りて馬を引きながら自分の方へ近づいてきた。
「自信はあまりありませんが、多分」
わたしも普通に答える。
「はは、あなた方はご自身の都合と無関係に召喚されたのですし、そのお答えもやむを得ませんな」
騎士はなかなかに爽やかな長髪の青年であった。
「…よくわたしがその無理やり召喚された者だとわかりましたね?」
なんとなくだが、まだ因縁つけられる可能性があるのではという疑念を捨てられなかった。
「お手元の緑龍のツノですな。あの憎き奴めの顔から生えていたものと見受けました」
「あれと戦った事があるんですね」
「あなたのように戦利品を得るには至りませんでしたが、村落を襲いに来たのを撃退したことが何度かは」
小さな驚きであった。
地元民やるじゃん。あんなデカイの謎のマジックアイテムの加護でもなけりゃ戦いたくねー。
「凄いですね。いえ、騎士の方に言う事でもありませんがわたしもかなり恐ろしかったですし」
「素直な方だ。あなたのおっしゃりようは信用出来るようだ。…名乗るのが遅れました、私はアーサスと申します。ご推察通り王にお仕えする騎士です。」
騎士アーサスは名乗り、一礼した。
「さあ馬へ。王城は間もなくですが、道すがら街も案内致しましょう」
「乗って良いって事ですか?」
「勿論」
アーサスは笑顔だった。
彼に従っていた者たちも既に馬から降り、全員馬を引いたまま進む気のようであった。
わたしもそう言う事なら…と、思っていたが、
「あ、そうだ…名乗ってもらってなんですが、わたし自分の名前も思い出せない状態で」
「なんと…では王に謁見される前に治療院へ行きますか?記憶以外に何か怪我やら気になる事もありましょうしな」
「あ…いえ、王様にはお会いしたいです。この世界へ来てすぐ、王様に会えと」
「小さな女の子に言われましたか」
「ご存知ですか」
「いや、他の勇者の方も大体その女の子の指示でこちらへ向かうように言われているようでしたので。私自身が見た訳ではありません。」
「あの子はなんなんですか?神様みたいなものなんでしょうか」
「話を聞いてみて感じたのは…神様だとすれば、サンラプンラ神のように思いました」
もしかして:みたいなサジェストがあるんだ…
「どんな神様なんです?」
「ガチャの神です。この国最大の宗教勢力ですな。最高指導者の教父は国王に匹敵すると言える」
言葉の最後の方は若干苦々しげな声音だった。まあ騎士ならば王以外が権力を持つのは面白くないか。
?…だが、いましれっと大事な言葉が。
「あの子そんな凄い神様だったんだ…」
と言いながらも、
「ガチャの神てなにさ?」
「まあ、この街に居れば徐々に分かるかと思います。その辺りの件は、あなたがたの世界と我々の世界が根本的に異なる点のようです」
アーサスが視線を上げる。
一際大きな白い城楼。どうやら目的地に
着いたようだ。
急な謁見にも関わらず、王への目通りが叶ったのはアーサスの口添えが大きかったようだ。
王は満面の笑顔だったが、両脇に居並ぶ身なりの良い、大臣なのか脇侍なのかは全員が全員ウエルカムという表情ではないのがよくわかる。
まあ、素直に「誰だお前!」だろうしなあ。
「よく来た。お前がSSSRか。ぱっと見ただのかわいこちゃんだが、手にあるは緑龍のヒゲとアーサスからも聞いておる」
どよめきがあがる。嘘だろ、とか確かにあれは、とか真偽を確かめようとしているようでもあった。
「静まれい!…で、娘御よ。聞けば己が名も分からぬそうであるな。体調は良いのか?緑龍撃退の折に手傷を負ったようであれば治癒術師も当てがおう。」
「いえ、怪我とかは大丈夫です。お気遣い感謝致します。あの、お聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか」
「うむ、なんでも申せ」
「陛下、わたしは何をするためにここへ召喚されたのでしょうか」
「うむ。されば頼むとしよう。SSSRの勇者よ。そなたには今我が国を脅かす憎き龍の軍団の首魁、巨赤龍の討伐を頼みたい…!」
人のことレアリティで呼ぶのやめろやと思いながら、わたしは王の言葉を聞いた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる