始める気もなかったゲームのガチャの引きが良すぎた

らふれられ

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敵として戦うのにスケールデカ過ぎない?

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地に降りる。
酷い熱と臭気。
立ち昇る大気も揺らぐ。
…の、はずなのだが。
大地を自分の足で踏み締めると、ペガ公の背で空を飛んでいた時よりも落ち着いて思えた。
巨赤龍を睨む。
奴は右眼を失った怒りもあるのだろう、低く唸り、肌の色も心なしか先ほどまでより黒ずんでいるように見えた。
体のあちこちから炎が、間欠泉のように細かく噴き出している。
さ…て、どう攻めるか…
足元でも斬りつけてやるしかないか。
青赤の長衣、右手にキングオブソーズ、左手にペイジオブソーズ、足元は謎の黒いブーツ。
万全の武装とは言い難いちぐはぐ感だが、今のわたしには最善の武装でもある。
左右の剣を水平に構え、走る。
巨赤龍は残された左眼を見開き、口をゆっくりと大きく開いた。
赤白色の炎の渦が頭上から降ってくる。
わたしはぐんぐん駆け、巨赤龍へ近付く。火を噴き出す顔の可動範囲の限界より内側へ入り込みさえすれば、炎は気にする必要はない。
燃え盛る地を踏みしめ走っているにも関わらず、不快とまでは感じなかった。
むしろ足元は何故か少し涼しささえ感じる。不思議でさえあった。
いずれにせよ、一息で巨赤龍の足元…二本足で立ち上がるこいつの足元に無傷で到達したわたしは、何も考えずに太い大樹のような脚部を、まずは右側からと狙いを付け、執拗に斬りつけ始めた。
緑龍だ青龍だと、簡単に斬り伏せ得たキングオブソーズが、こいつ相手には斬れ味さえ鈍ったように思えた。
刃こぼれしないのはさすがと思ったが、鱗に覆われた脚部に明確なダメージが通っているような感触は正直感じない。
ペイジオブソーズに至っては力負けしている感さえあり、鱗に弾かれる始末だった。
押し切れるのか…わたしの中に焦りが広がり始める。
その時わたしは思い出した。
斬れ味負けする剣を潔く捨て、もう一枚。ナイトオブワンズを左手に…
ずしりとした重量に、体勢を崩し掛けながらも踏みとどまり、キングオブソーズも一度カードに戻し、ワンズを両手持ちでバットのように構えた。
からの、フルスイング!
両手が痺れる。だが、痛打が通った感覚も感じる。
もう一度フルスイング!
いける!脚部の中に芯のような、骨というか…砕くべきものの存在を感じた。
砕くまで何度でも繰り返してやる。
だが流石に巨躯の龍とはいえそんなものをいつまでも放置してもいられないと考えたか、攻撃し続けた右側…奴の左脚部がわたしを跳ね飛ばそうとずずず、っと不気味に動いて来た。
正確に見えているわけでも無いだろうからなんとか避け得たが、巨大なパーツは急に動き始めるだけで、かなり動揺する。
だが、やはり敵からすれば足を捻りたくなる程度には痛手となり始めている…
巨木か大岩か、というような脚部は多少ジタバタと足元の異物を排除しようと動き回ったが、やや緩慢にさえ見えるその動きを躱し続けると、巨赤龍は少しずつ浮揚し始めた。上から下へ向かい、凄い風圧がかかり始める。
翼を使い、上昇を始めたようだ。
体勢を立て直すのか、それとも逃げるのか。
どちらの可能性もある…だが、このまま奴を上空に上げてしまえば火炎ブレスで狙い撃ちにされる可能性も高い。
どのみち無事で済む可能性が低いなら、わたしは意を決して引きずり加減の左脚部目掛けてジャンプした。
思った以上に高く跳び…足の甲?にあたる部分に着地した。
目の前には先程からの攻撃で砕け始めた鱗の跡。だが、足元も悪い。さっきまでのような野球スイングを加え続ける事は難しそうだ。
その間にもゆっくりとではあるが確実に、巨赤龍は空へと上がり続けている。
体勢も斜めになり始めている。このままではおそらく体の前面は地面を向き、わたしは足にへばり付けずに地に落ちるだろう…
ならば。
巨赤龍の体表は全身を鱗に覆われ、鱗の合間合間から時折火柱があがる。
本来相当な温度に達しており、ペガ公もその翼などに火傷を負っていた。
だが、なぜかわたしは熱に関して無傷だった。ぶっちゃけ既に巨赤龍と接しているのにダメージは無い。
ならば…!
わたしは意を決して、手で鱗を掴んだ。
…熱く…少しは熱いが…行ける!
ごつごつした鱗は岩肌にも似て、足場がある急斜面のように思えたのだ。
手で鱗を掴みながら、脚部周囲をぐるりと回り、斜面を見据え、巨赤龍が飛行体勢に変化しつつあるのを見計らい…
わたしは巨赤龍の体をボルダリングするように這って、体の上部へと上がり始めた。
巨赤龍は徐々に高度を上げ始めており、わたしはその間にも徐々にその脚を、腹を、背を渡り。奴の頭部目指して進んでいた。
サイズ感があまりにも違いすぎるが故に、巨赤龍はわたし相手に無防備が過ぎた。
既に後頭部は目の前、巨赤龍はわたしの前に完全に無防備だった。
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