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イルグリット王国 魔道具編
151話 16年前の真実【シン視点】
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「きゃーーーーー!!」
王妃様の悲鳴で室内が騒然とした、クロト達が飛び降りた窓に護衛騎士が駆け寄り見下ろす。下を覗いた騎士が部屋に顔を向け、
「痕跡が全くありません」
その声を聴いたとたん、室内の皆は息をのんだ。その中でアタシだけは納得していた。あの親子だ、消えることもあるだろうな…と。
王妃様はプルプル震えながら王様の服を掴む王妃様を見ながら、知らない人が見たら腰をぬかすよねと、心の中でおもっていたら、顔を上げた王妃様は満面の笑みで王様と笑い合っていた。
「ルフ様!見ましたか!!見ましたわよね!!なんてかっこいい!!クロト!最高ではないですか!!本当に黒のドラゴン討伐しちゃうかも✿」
「そうだね!そうだねメルちゃん。これは僕たちもお役目頑張らないとね!!なあバルちゃん頑張ろうね!!」
そんな二人の言葉に眉間に指を置いて大きなため息を吐きながら、バルトロメオ殿下は、
「父上、母上家族以外の者がいる時は、その呼び方は遠慮くださいと言っているでしょう…」
「あらあら32歳にもなったら、可愛い呼び方もさせてくれないの寂しいわぁ」
「私の事は良いから、妻と息子達の事を愛でてください。さすがにその呼び方は、王子達にも示しがつきません」
「うふふ、もちろんエルちゃんもサイ君もセイ君も、可愛がりますわぁ」
「そうだよね、皆私たちの可愛くて愛しい家族だものね」
眩しい。仲の良い家族の姿がそこにはある…アタシは産まれてすぐ置き去りにされたのに…私はその光景を眺めながら拳に力を入れ俯いた。
「だから今回フリムストに囚われていた14人が帰って来てくれるのは嬉しい事だね。僕たちも精一杯おかえりなさいをしようね」
王様のその言葉に俯いていた顔を恐る恐る上げると、涙をにじませたジェニーおばさんが「はい」そう言って頷いていた。その光景をみて胸から熱くて苦い何かがグルグルと渦巻き、這い上がってくるように、大きな声を出していた。
「フリムストに送られた魔道具技師たちは!イルグリット王国を恨んでおりますニャ!!」
王族3人を含め、ウィル様やマルリシオ様、紬木さんに護衛や給仕の方々迄の視線を浴びても、いつもはひるんでしまうこんな状態でも言葉は止まらなかった。
「先日…技師たちの様子をクロトと遠目に確認した時の彼らのこの国への怒りはすさまじかったニャ。直接2人言葉を交わしましたがニャ、自分たちは国と家族から、フリムストに売られたと言ってましたニャ。」
私の言葉に室内の皆は驚きの顔をする者、ウィル様はとてもつらそうに胸元を押えていた。
「16年…フリムストで彼らに与えられた情報はニャ、嘘で固められた話ばかりでニャ、この国の事も家族の事も。私を産んだ人間は、子供は死んだと聞かされていたようですニャ」
ウィル様が目を見開き呟く…
「産んだ人間って…」
その言葉に、他にどう言えと言うのかと握った手にさらに力が入り下を向いてしまった。ジェニーおばさんが私の側に来て背中を撫でてくれたけれど、それでも言葉を止めることは出来なかった。
「彼女はアタシに名前を付ける前にフリムストに旅立ちましたニャ…育ててくれたのは祖父母です」
「あぁそうよね、ガンさんの孫だもの、りるりるの娘なのよね、あなたには辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」
そう言って、強く握り過ぎた拳を両手で包み優しく声を掛けてくれた王妃様。王妃様の手をたどって顔を上げると、悲しそうなお顔の王妃様と眼が合った……そんな私と王妃様の側に王様もやってきて、王妃様の背中に手を添え、語り始めた。
「あの頃、この国は魔石が枯渇していたんだよ。突然、鉱山の落盤が相次ぎ、他国からの輸入が制限されていき。新たな仕入れ先も開拓できず…でも他国からも魔道具の注文は入る。私もメルちゃんも、あの頃まだ学生で16歳だったバルちゃんも走り回った。でもあの頃は、国内の魔物の討伐をしてもらい、それから出る魔石をどうにか集めてやり繰りして…それでも全く足りなかったんだよ」
王様の隣にバルトロメオ殿下もやってきて、
「今思えば、いろいろな所で何者かの手が回っていたんだろう。だいたいあの発注だっておかしな話だったんだ。16年前どこからか我が国が『魔道具大国』と言われ始め、それに比例するように小さいこの国に、今まで関わりのなかった国々から圧をかけるように注文が殺到した。注文してくる国々は魔石の輸入は解禁してはくれない。魔石枯渇の国に魔道具を注文するのも無茶な話だ。作るための魔石が無いのに、作れと言う。そんな中、フリムスト王国からの魔道具技師15人の派遣要請。それと引き換えに魔石を輸出すると。断ることが出来ず、魔道具工房の親方たちに相談してね、ガンさんが義息子を修行がてら出すと言ってくれた。その声かけもあって、どうにか、15人集まったんだ。若い技師たちも魔石の無いこの国に居るより他国で腕を磨けばいいと本人たちも、親方たちも了承してくれて送り出すことになった」
「明日出発と言う時にね、一組の夫婦が事故にあって、亡くなってしまったの。欠員が2名…フリムストは、それでは約束が違うと契約が破棄になりそうな時に、リルリルが知って、産後の身体を引き摺って来てくれたの。
1人足りないけれど、どうにか契約にこぎつけて皆には3年の約束で出向してもらったのに…」
「16年…彼らを取り戻す事も出来ない私達は本当に不甲斐ない」
3人が代わるがわる当時の事を教えてくれて最後に、アタシとジェニーおばさんに王族3人が頭を下げた。
もちろんアタシと、ジェニー叔母さんは固まった。
王妃様の悲鳴で室内が騒然とした、クロト達が飛び降りた窓に護衛騎士が駆け寄り見下ろす。下を覗いた騎士が部屋に顔を向け、
「痕跡が全くありません」
その声を聴いたとたん、室内の皆は息をのんだ。その中でアタシだけは納得していた。あの親子だ、消えることもあるだろうな…と。
王妃様はプルプル震えながら王様の服を掴む王妃様を見ながら、知らない人が見たら腰をぬかすよねと、心の中でおもっていたら、顔を上げた王妃様は満面の笑みで王様と笑い合っていた。
「ルフ様!見ましたか!!見ましたわよね!!なんてかっこいい!!クロト!最高ではないですか!!本当に黒のドラゴン討伐しちゃうかも✿」
「そうだね!そうだねメルちゃん。これは僕たちもお役目頑張らないとね!!なあバルちゃん頑張ろうね!!」
そんな二人の言葉に眉間に指を置いて大きなため息を吐きながら、バルトロメオ殿下は、
「父上、母上家族以外の者がいる時は、その呼び方は遠慮くださいと言っているでしょう…」
「あらあら32歳にもなったら、可愛い呼び方もさせてくれないの寂しいわぁ」
「私の事は良いから、妻と息子達の事を愛でてください。さすがにその呼び方は、王子達にも示しがつきません」
「うふふ、もちろんエルちゃんもサイ君もセイ君も、可愛がりますわぁ」
「そうだよね、皆私たちの可愛くて愛しい家族だものね」
眩しい。仲の良い家族の姿がそこにはある…アタシは産まれてすぐ置き去りにされたのに…私はその光景を眺めながら拳に力を入れ俯いた。
「だから今回フリムストに囚われていた14人が帰って来てくれるのは嬉しい事だね。僕たちも精一杯おかえりなさいをしようね」
王様のその言葉に俯いていた顔を恐る恐る上げると、涙をにじませたジェニーおばさんが「はい」そう言って頷いていた。その光景をみて胸から熱くて苦い何かがグルグルと渦巻き、這い上がってくるように、大きな声を出していた。
「フリムストに送られた魔道具技師たちは!イルグリット王国を恨んでおりますニャ!!」
王族3人を含め、ウィル様やマルリシオ様、紬木さんに護衛や給仕の方々迄の視線を浴びても、いつもはひるんでしまうこんな状態でも言葉は止まらなかった。
「先日…技師たちの様子をクロトと遠目に確認した時の彼らのこの国への怒りはすさまじかったニャ。直接2人言葉を交わしましたがニャ、自分たちは国と家族から、フリムストに売られたと言ってましたニャ。」
私の言葉に室内の皆は驚きの顔をする者、ウィル様はとてもつらそうに胸元を押えていた。
「16年…フリムストで彼らに与えられた情報はニャ、嘘で固められた話ばかりでニャ、この国の事も家族の事も。私を産んだ人間は、子供は死んだと聞かされていたようですニャ」
ウィル様が目を見開き呟く…
「産んだ人間って…」
その言葉に、他にどう言えと言うのかと握った手にさらに力が入り下を向いてしまった。ジェニーおばさんが私の側に来て背中を撫でてくれたけれど、それでも言葉を止めることは出来なかった。
「彼女はアタシに名前を付ける前にフリムストに旅立ちましたニャ…育ててくれたのは祖父母です」
「あぁそうよね、ガンさんの孫だもの、りるりるの娘なのよね、あなたには辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」
そう言って、強く握り過ぎた拳を両手で包み優しく声を掛けてくれた王妃様。王妃様の手をたどって顔を上げると、悲しそうなお顔の王妃様と眼が合った……そんな私と王妃様の側に王様もやってきて、王妃様の背中に手を添え、語り始めた。
「あの頃、この国は魔石が枯渇していたんだよ。突然、鉱山の落盤が相次ぎ、他国からの輸入が制限されていき。新たな仕入れ先も開拓できず…でも他国からも魔道具の注文は入る。私もメルちゃんも、あの頃まだ学生で16歳だったバルちゃんも走り回った。でもあの頃は、国内の魔物の討伐をしてもらい、それから出る魔石をどうにか集めてやり繰りして…それでも全く足りなかったんだよ」
王様の隣にバルトロメオ殿下もやってきて、
「今思えば、いろいろな所で何者かの手が回っていたんだろう。だいたいあの発注だっておかしな話だったんだ。16年前どこからか我が国が『魔道具大国』と言われ始め、それに比例するように小さいこの国に、今まで関わりのなかった国々から圧をかけるように注文が殺到した。注文してくる国々は魔石の輸入は解禁してはくれない。魔石枯渇の国に魔道具を注文するのも無茶な話だ。作るための魔石が無いのに、作れと言う。そんな中、フリムスト王国からの魔道具技師15人の派遣要請。それと引き換えに魔石を輸出すると。断ることが出来ず、魔道具工房の親方たちに相談してね、ガンさんが義息子を修行がてら出すと言ってくれた。その声かけもあって、どうにか、15人集まったんだ。若い技師たちも魔石の無いこの国に居るより他国で腕を磨けばいいと本人たちも、親方たちも了承してくれて送り出すことになった」
「明日出発と言う時にね、一組の夫婦が事故にあって、亡くなってしまったの。欠員が2名…フリムストは、それでは約束が違うと契約が破棄になりそうな時に、リルリルが知って、産後の身体を引き摺って来てくれたの。
1人足りないけれど、どうにか契約にこぎつけて皆には3年の約束で出向してもらったのに…」
「16年…彼らを取り戻す事も出来ない私達は本当に不甲斐ない」
3人が代わるがわる当時の事を教えてくれて最後に、アタシとジェニーおばさんに王族3人が頭を下げた。
もちろんアタシと、ジェニー叔母さんは固まった。
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