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第455話 ダンジョンで長く生きた魔物の事実
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「着いたな。みんなはどこにいるのかな?」
今日の予定は、午前中に下層のボスである地竜を倒すところを見学して、問題がなければ午後にレッドドラゴンに挑んでもらう予定だ。
地竜を倒す時は特化武器を使う予定はない。というより地竜は龍ではないので、ドラゴンキラーがきかないのだ。貸し出す予定の武器は、地竜に使うと性能の良い武器という程度になってしまう。
俺はそれを聞いた時首を傾げたけど、この世界のルールと言われてしまったら納得しなきゃいけないんだよね。
「シュウ様、お待ちしておりました」
エレベーターで上の屋敷まで上がると、スカルズのメンバーとケモ耳三人娘が待っていた。
「今日は、レッドドラゴンに挑戦できるんですよね?」
「もちろん。でもその前に地竜と戦ってもらう予定だよ。ウォーミングアップという所だね。苦戦するとは思わないけど、これの結果次第で挑ませるからしっかりやるんだぞ!」
やけに気合の入った七人が目を輝かしていた。
予定を伝えて準備を始める事になった。
「見るのは二度目だけど本当にデカいな。これで龍じゃないんだからびっくりだな。でも一匹だけか? サイズは同じくらいだけど数が一匹、何か理由があるんかな? ちょうどいいと思うか。気を引き締めて戦ってきてくれ」
先制攻撃は、弓による強撃だった。弓も老ドワーフたちと俺によって魔改造された装備なので、非現実的な攻撃力を実現している。弓のことを考えていたら、杖のときと一緒で、弓型の枝を落としてくれたのだ。
弓使いは魔力を使う事がほとんどないので、その有り余る魔力を使って世界樹の弓の威力を上げているのだ。世界樹の弓の復元力だけでなく、ミスリル合金で補強をしていて、魔力を使って弓を引く時は柔らかくなり、指を離すと勢いよく元に戻ろうとするのだ。
他にも本体を持つ左手の近くには、矢に属性が乗せられるように魔核を埋め込んである。普通の矢が属性を帯びて飛んでいくので、属性持ちの敵には大ダメージを与えられる仕様だ。
放たれた矢が地竜の眉間付近にあたるが、さすがに貫通させることはできなかった。それでもかなり痛かったようで悲鳴をあげている。胴体とかにはすんなり刺さって埋まっているので、頭の皮や骨のおかげで弱点である頭は、頑丈なんだろう。
怒っている地竜は、そのまま七人のいる所に突っ込んでくるが、二人のタンクがフォートレスを発動し、きっちりと止めている。二人で息を合わせて止めるとか器用だな。
シュリは英雄症候群によって上がっているステータスで、物を言わせて受け止めるし、レイリーは老練な技術で受け止めずに受け流すし、サーシャならとにかく攻撃を避けるから、今までとは違うタイプのタンクだな。
二人で一つ? うまく機能させられるなら、片方が物理、片方が魔法の防御もすることできるか? レッドドラゴンにはちょうどよさそうだ。
受け止められた地竜はびっくりして動くことをやめてしまった。そんな隙を見逃すはずもなく、双剣使いのケモ耳娘とスカルズの二人が前足に攻撃をしていく。
老ドワーフの作った武器だけあって、地竜位の防御力なら問題なく突破できるようだ。弓使いは矢を構えたまま、止まっている。魔法使いのケモ耳娘は、集束した風魔法を後ろに向かって解き放っている。
攻撃はすべてが有効で、手足が動かなくなってすでに死に体になっていた。でかい声を出しているが、もう動けなくなっているので後は調理されるだけだった。
首を切り落とされ地竜はドロップ品に変わってしまった。
「全然余裕だったな。心配はしてなかったけど、実際に見ると違うもんだな。昼食挟んでレッドドラゴンに挑むけど、その前にレッドドラゴンの攻撃パターンや、攻撃方法対応法の復習をするから」
復習といっても、俺達が収集できた情報をもとに作った物なので、完璧ではない事を初めに伝えて、自分たちでシミュレーションをしてもらっている。飛んでる時の注意点は、火炎ブレスと魔力ブレスだから、その予備動作は、間違えないように念を押しておいた。
昼食前にあーでもないこーでもないと話し合いをして、昼食になった。
「相変わらず、シルキーさんたちの食事は美味しいですね……」
食事の美味しさで絶句をしている七人を置いておいて、そのまま食事を続ける。美味い飯は正義なのだ!
「食休みしたらレッドドラゴンに挑んでもらおうか。今は休憩しよう」
俺は特に疲れてもいなかったので、連れてきていたスライムたちで遊び始めた。
あいつらは呼ぶと近づいてくるので、次々と投げてやるとポンポンはねて戻ってくるのだ。何がうれしいのかわからないが、高速でプルプル震えているので楽しんでいるのだろう。
たまに二匹同時に投げてみたり、戻ってくるスライムにぶつけてみたりすると、お互いに競争してみたり、ぶつけられたスライムがぶつかったスライムを追いかけまわしてみたり、カオスな状況になっている。
それを見ていたシェリルとネルは、一緒にスライムに交じって追いかけっこをしている。イリアは地面に泥をまいたり水たまりを作ってみたり、山を作ったりと魔法で地形をいじっていた。
ここはダンジョンなので、直接地面をいじれなかった。自分の魔力で生み出したもので、地形をいじっていた。そのうちダンジョンに吸収されるから、放置しておいてもいいだろう。
「そろそろ休憩を終わりにしようか。しっかり装備を確認するように」
レッドドラゴンのいるボス部屋に向かっていく、俺が戦うわけじゃないけど緊張するな~
「みんな、もし七人がピンチになるようだったら、遠慮なく戦闘に介入するように。シュリとレイリーは、防御の要になるから常に準備しておいてね。魔法組もライムの指示に従って、準備しておくんだぞ。俺ももし何かあったら全力で結界を張るからな」
最終確認をしてからボス部屋に突入していく。
少し遠くにレッドドラゴンの姿が見える。向こうもこちらに気付いたようで、こっちに高速で飛んでくる。
「ご主人様、あのレッドドラゴン小さくない?」
ネルに裾を引っ張られて、俺の意識が現実に戻ってくる。そうなのだ、このレッドドラゴンのサイズは、俺達が倒した奴より、二回り……いやもっと小さいかもしれない。何でサイズが違うんだ? 地竜は数が少なかったけど、大きさは一緒だったよな?
地竜は倒されずに時間が過ぎていたから数が増えていて、レッドドラゴンは倒されずに時間が過ぎて体がでかくなった……ってところか? 意味は分からないが、召喚された魔物はダンジョンの中だと、食事をしなくても死ぬ事がないのだ。嗜好として食事をしている魔物はいるけどな。
「このサイズなら安全に倒せるか? ドロップ品は少なくなるだろうけど、安全に倒せるのはいい事だな。っといけない、サイズが小さいからって弱いとは限らない。気を引き締めて倒そう。後は任せたぞ!」
今日の予定は、午前中に下層のボスである地竜を倒すところを見学して、問題がなければ午後にレッドドラゴンに挑んでもらう予定だ。
地竜を倒す時は特化武器を使う予定はない。というより地竜は龍ではないので、ドラゴンキラーがきかないのだ。貸し出す予定の武器は、地竜に使うと性能の良い武器という程度になってしまう。
俺はそれを聞いた時首を傾げたけど、この世界のルールと言われてしまったら納得しなきゃいけないんだよね。
「シュウ様、お待ちしておりました」
エレベーターで上の屋敷まで上がると、スカルズのメンバーとケモ耳三人娘が待っていた。
「今日は、レッドドラゴンに挑戦できるんですよね?」
「もちろん。でもその前に地竜と戦ってもらう予定だよ。ウォーミングアップという所だね。苦戦するとは思わないけど、これの結果次第で挑ませるからしっかりやるんだぞ!」
やけに気合の入った七人が目を輝かしていた。
予定を伝えて準備を始める事になった。
「見るのは二度目だけど本当にデカいな。これで龍じゃないんだからびっくりだな。でも一匹だけか? サイズは同じくらいだけど数が一匹、何か理由があるんかな? ちょうどいいと思うか。気を引き締めて戦ってきてくれ」
先制攻撃は、弓による強撃だった。弓も老ドワーフたちと俺によって魔改造された装備なので、非現実的な攻撃力を実現している。弓のことを考えていたら、杖のときと一緒で、弓型の枝を落としてくれたのだ。
弓使いは魔力を使う事がほとんどないので、その有り余る魔力を使って世界樹の弓の威力を上げているのだ。世界樹の弓の復元力だけでなく、ミスリル合金で補強をしていて、魔力を使って弓を引く時は柔らかくなり、指を離すと勢いよく元に戻ろうとするのだ。
他にも本体を持つ左手の近くには、矢に属性が乗せられるように魔核を埋め込んである。普通の矢が属性を帯びて飛んでいくので、属性持ちの敵には大ダメージを与えられる仕様だ。
放たれた矢が地竜の眉間付近にあたるが、さすがに貫通させることはできなかった。それでもかなり痛かったようで悲鳴をあげている。胴体とかにはすんなり刺さって埋まっているので、頭の皮や骨のおかげで弱点である頭は、頑丈なんだろう。
怒っている地竜は、そのまま七人のいる所に突っ込んでくるが、二人のタンクがフォートレスを発動し、きっちりと止めている。二人で息を合わせて止めるとか器用だな。
シュリは英雄症候群によって上がっているステータスで、物を言わせて受け止めるし、レイリーは老練な技術で受け止めずに受け流すし、サーシャならとにかく攻撃を避けるから、今までとは違うタイプのタンクだな。
二人で一つ? うまく機能させられるなら、片方が物理、片方が魔法の防御もすることできるか? レッドドラゴンにはちょうどよさそうだ。
受け止められた地竜はびっくりして動くことをやめてしまった。そんな隙を見逃すはずもなく、双剣使いのケモ耳娘とスカルズの二人が前足に攻撃をしていく。
老ドワーフの作った武器だけあって、地竜位の防御力なら問題なく突破できるようだ。弓使いは矢を構えたまま、止まっている。魔法使いのケモ耳娘は、集束した風魔法を後ろに向かって解き放っている。
攻撃はすべてが有効で、手足が動かなくなってすでに死に体になっていた。でかい声を出しているが、もう動けなくなっているので後は調理されるだけだった。
首を切り落とされ地竜はドロップ品に変わってしまった。
「全然余裕だったな。心配はしてなかったけど、実際に見ると違うもんだな。昼食挟んでレッドドラゴンに挑むけど、その前にレッドドラゴンの攻撃パターンや、攻撃方法対応法の復習をするから」
復習といっても、俺達が収集できた情報をもとに作った物なので、完璧ではない事を初めに伝えて、自分たちでシミュレーションをしてもらっている。飛んでる時の注意点は、火炎ブレスと魔力ブレスだから、その予備動作は、間違えないように念を押しておいた。
昼食前にあーでもないこーでもないと話し合いをして、昼食になった。
「相変わらず、シルキーさんたちの食事は美味しいですね……」
食事の美味しさで絶句をしている七人を置いておいて、そのまま食事を続ける。美味い飯は正義なのだ!
「食休みしたらレッドドラゴンに挑んでもらおうか。今は休憩しよう」
俺は特に疲れてもいなかったので、連れてきていたスライムたちで遊び始めた。
あいつらは呼ぶと近づいてくるので、次々と投げてやるとポンポンはねて戻ってくるのだ。何がうれしいのかわからないが、高速でプルプル震えているので楽しんでいるのだろう。
たまに二匹同時に投げてみたり、戻ってくるスライムにぶつけてみたりすると、お互いに競争してみたり、ぶつけられたスライムがぶつかったスライムを追いかけまわしてみたり、カオスな状況になっている。
それを見ていたシェリルとネルは、一緒にスライムに交じって追いかけっこをしている。イリアは地面に泥をまいたり水たまりを作ってみたり、山を作ったりと魔法で地形をいじっていた。
ここはダンジョンなので、直接地面をいじれなかった。自分の魔力で生み出したもので、地形をいじっていた。そのうちダンジョンに吸収されるから、放置しておいてもいいだろう。
「そろそろ休憩を終わりにしようか。しっかり装備を確認するように」
レッドドラゴンのいるボス部屋に向かっていく、俺が戦うわけじゃないけど緊張するな~
「みんな、もし七人がピンチになるようだったら、遠慮なく戦闘に介入するように。シュリとレイリーは、防御の要になるから常に準備しておいてね。魔法組もライムの指示に従って、準備しておくんだぞ。俺ももし何かあったら全力で結界を張るからな」
最終確認をしてからボス部屋に突入していく。
少し遠くにレッドドラゴンの姿が見える。向こうもこちらに気付いたようで、こっちに高速で飛んでくる。
「ご主人様、あのレッドドラゴン小さくない?」
ネルに裾を引っ張られて、俺の意識が現実に戻ってくる。そうなのだ、このレッドドラゴンのサイズは、俺達が倒した奴より、二回り……いやもっと小さいかもしれない。何でサイズが違うんだ? 地竜は数が少なかったけど、大きさは一緒だったよな?
地竜は倒されずに時間が過ぎていたから数が増えていて、レッドドラゴンは倒されずに時間が過ぎて体がでかくなった……ってところか? 意味は分からないが、召喚された魔物はダンジョンの中だと、食事をしなくても死ぬ事がないのだ。嗜好として食事をしている魔物はいるけどな。
「このサイズなら安全に倒せるか? ドロップ品は少なくなるだろうけど、安全に倒せるのはいい事だな。っといけない、サイズが小さいからって弱いとは限らない。気を引き締めて倒そう。後は任せたぞ!」
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