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第860話 武闘大会1日目前半戦終了
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コロシアムで武闘大会の試合がドンドン消化されていく。
一応、俺たちは各ブロックに分かれている。それと特別枠の真紅の騎士団は、勝ち残れば決勝であたる位置に配置はしているが、それ以外は完璧にランダムである。まぁくじで決めたんだよね。
中にはシングル冒険者も3人いたようだが、その内2人は2回戦でぶつかる事になってしまっている。これだけいる中で2回戦でぶつかるのは、くじ運がない気がするが仕方がないだろう。それより、1回戦でシングル冒険者と戦う対戦相手の方がくじ運がないか?
安全に来られるゴーストタウンとはいえ、樹海に来るためか全体的にレベルが高いんだよな。そういえば、帝国のインペリアルガードの人も参加しているんだよな。個人的には真紅の騎士団の若手と戦ってもらいたかったが、戦うためにはレイリーを倒さないとあたれない位置にいるので残念だ。
それにしても、予想以上にサクサク進んでいくな。試合によっては、移動時間の方が長くなっている気がする。それも考えていて、リングから少し離れた所に椅子が準備されているのだが、それでも一撃で終わってしまう試合も結構あった。
自分のいた街では強かったかもしれないが、粋がっていたのにすぐ負ける哀れな奴もちらほらいた。
そんな事を考えながら試合を見ていると、17試合目。両リングをあわせると、33試合目のサーシャの試合が始まろうとしていた。
相手は冒険者のようで、軽装のスピードタイプの対戦相手に見える。革鎧を装備しており、武器は両腰にサーベルのような武器を下げている。二刀流だろうか?
開始の合図の声がかけられる。
対戦相手は二刀流で、スピードを活かした戦闘を得意としているようだ。ただ、この武闘大会のルール上、手数で攻める選手は不利になりやすいんだよな。
不利になりやすい理由は簡単で、武器の刃が潰されているので浅い傷をたくさんつけて、相手の動きを鈍らせて戦闘をするという事が難しいからだ。特に叩き切る直剣ではなく、切り裂く日本刀に近い武器なので尚更だろう。
それに対して、サーシャは盾と片手直剣のスタイルだが、他のタンク陣と違いスピードを活かし回避を中心とした戦闘スタイルなので、相性はどうなのだろうか?
先手は対戦相手だ。左手の剣が右足を右手の剣が右肩を攻撃していた。左右を挟むように攻撃ではなく、両手とも右からの攻撃だ。サーシャは左手に盾を持っているので、右からの攻撃を盾で受けにくい。
対戦相手の右手の剣をコンパクトに振り下ろしてはじくと同時に、側転するようにして足元を狙った攻撃を一緒に回避してしまった。
まだ成人もしていない少女がアクロバットな回避をしたことにより、会場だけでなく会場の外でも歓声が上がっている様子だ。
サーシャは回避した後に着地をすると、体が右に流れてしまった対戦相手にむかって、上から切り下ろす攻撃を繰り出した。対戦相手は、右に流れてしまった勢いのまま地面をけり、サーシャから距離をとっていた。
レベルは100を超えているが、サーシャに比べれば圧倒的に低い。なのにサーシャに押され気味ではあるが、攻守を交代しながら試合が続いている。
何というか、戦い慣れている? と言えばいいのか、サーシャの攻撃を読んでいるような動きだ。俺から見れば、サーシャもかなり熟練した動きをしていると思うが、やっぱり死線をくぐっているのか質が違う気がする。
激しく動き回りながら攻撃や回避を繰り返している試合は、観客的にはよかったらしく歓声もヒートアップしている印象だ。
戦闘から5分、100を数えるくらいは合わせて攻撃をしているだろう。だが、ステータスによる差が出始めてきた。純粋な体力の差が5分で現れたのだ。
対戦相手は、サーシャの攻撃を回避しきれず、剣ではじいて防御する回数が増えてきた。
対戦相手は、持久戦になると不利だと感じたのか、残りの体力を振り絞り加速して攻撃を仕掛けたように見えた。その攻撃は、腕をクロスして下から両手で切り上げている。
サーシャも動きが変わった事には気付いたようだ。交差する斬撃だったため、左半身を前に出し交差する位置に盾を置いて防いだ。サーシャは、回避ではなく受ける事を選んで、斬撃を防いだ。
対戦相手は、振り切った両腕を次の攻撃につなげるため、強引に上段からの切り下ろしに攻撃を変化させた。サーシャは攻撃を盾で防ぐために低い位置に盾があったため、上段からの攻撃に対して無防備になっていた。
危ない! と思って目をつぶってしまった俺は後悔する。目を開けた次の瞬間に攻撃をくらってしまったサーシャを思い浮かべて、目を開ける。
そうすると、サーシャはしゃがんでいて、対戦相手は仰向けに倒れていた。なんで? そう口に出ていたみたいで、一緒に観戦していたミリーが、ダンマスのスキルでリプレイする事が出来る事を思い出させてくれたため、慌ててそのシーンをリプレイする。
対戦相手が切り上げた瞬間からスタート。
下からの斬撃を盾で受け、相手の攻撃が切り下ろしに変わる。次の瞬間、若干前傾姿勢で攻撃を受けていたサーシャが、そのまま前転するように前に飛び込み、胴回し回転蹴りの様な攻撃で相手の顎を撃ち抜き着地してしゃがんだ。
斬撃を防ぎきれない上に距離もとれないためか、斬撃の内側に入る事を選択してそのまま回避と同時に攻撃を行ったのだ。
「思い切りがいいな」
俺のセリフに近くで見ていた、ミリーやカエデ、年中組が同意とばかりに頷いていた。
ちなみに、年少組と年長組はコロシアムの特別席で観戦している。年少組は、メルフィとサーシャが出場するからと意気込んでコロシアムへ行き、年長組は年少組の付き添いとシュリの応援のためにコロシアムへ行っている・・・レイリーの応援がいないぞ!孫のリリーはここにいるからな・・・
あ、リンドは老ドワーフ達と酒を飲みながら、工房に設置した巨大テレビで観戦している。
サーシャも苦戦はしたが何とか勝った。レベル差があっても一瞬じゃ決着がつかないもんだな。
順当に試合が消化されていき、シングルの冒険者の試合が同時に行われた。どっちも一気に突っ込む事はせずに、様子を見ながらギアをあげていき叩き潰した印象だ。
前半の64試合が終わった所で、お昼休憩になった。休憩後、すぐにシュリの試合が開始される。
勝負は一瞬でついた。勢いにまかせた【シールドチャージ】で場外へ押し出して、試合終了。
あまりにもあっけなく終わってしまったため、対戦相手も意味が分からず、観戦者からはブーイングの嵐だった。
シュリは一切の手加減無しで攻撃したのは、昼食後すぐに戦闘なのでお腹いっぱい食べれなかったため、さっさと試合を終わらせて食事を食べようと思ったそうだ。そんな理由で瞬殺された対戦相手が可哀そうだな。
一応、俺たちは各ブロックに分かれている。それと特別枠の真紅の騎士団は、勝ち残れば決勝であたる位置に配置はしているが、それ以外は完璧にランダムである。まぁくじで決めたんだよね。
中にはシングル冒険者も3人いたようだが、その内2人は2回戦でぶつかる事になってしまっている。これだけいる中で2回戦でぶつかるのは、くじ運がない気がするが仕方がないだろう。それより、1回戦でシングル冒険者と戦う対戦相手の方がくじ運がないか?
安全に来られるゴーストタウンとはいえ、樹海に来るためか全体的にレベルが高いんだよな。そういえば、帝国のインペリアルガードの人も参加しているんだよな。個人的には真紅の騎士団の若手と戦ってもらいたかったが、戦うためにはレイリーを倒さないとあたれない位置にいるので残念だ。
それにしても、予想以上にサクサク進んでいくな。試合によっては、移動時間の方が長くなっている気がする。それも考えていて、リングから少し離れた所に椅子が準備されているのだが、それでも一撃で終わってしまう試合も結構あった。
自分のいた街では強かったかもしれないが、粋がっていたのにすぐ負ける哀れな奴もちらほらいた。
そんな事を考えながら試合を見ていると、17試合目。両リングをあわせると、33試合目のサーシャの試合が始まろうとしていた。
相手は冒険者のようで、軽装のスピードタイプの対戦相手に見える。革鎧を装備しており、武器は両腰にサーベルのような武器を下げている。二刀流だろうか?
開始の合図の声がかけられる。
対戦相手は二刀流で、スピードを活かした戦闘を得意としているようだ。ただ、この武闘大会のルール上、手数で攻める選手は不利になりやすいんだよな。
不利になりやすい理由は簡単で、武器の刃が潰されているので浅い傷をたくさんつけて、相手の動きを鈍らせて戦闘をするという事が難しいからだ。特に叩き切る直剣ではなく、切り裂く日本刀に近い武器なので尚更だろう。
それに対して、サーシャは盾と片手直剣のスタイルだが、他のタンク陣と違いスピードを活かし回避を中心とした戦闘スタイルなので、相性はどうなのだろうか?
先手は対戦相手だ。左手の剣が右足を右手の剣が右肩を攻撃していた。左右を挟むように攻撃ではなく、両手とも右からの攻撃だ。サーシャは左手に盾を持っているので、右からの攻撃を盾で受けにくい。
対戦相手の右手の剣をコンパクトに振り下ろしてはじくと同時に、側転するようにして足元を狙った攻撃を一緒に回避してしまった。
まだ成人もしていない少女がアクロバットな回避をしたことにより、会場だけでなく会場の外でも歓声が上がっている様子だ。
サーシャは回避した後に着地をすると、体が右に流れてしまった対戦相手にむかって、上から切り下ろす攻撃を繰り出した。対戦相手は、右に流れてしまった勢いのまま地面をけり、サーシャから距離をとっていた。
レベルは100を超えているが、サーシャに比べれば圧倒的に低い。なのにサーシャに押され気味ではあるが、攻守を交代しながら試合が続いている。
何というか、戦い慣れている? と言えばいいのか、サーシャの攻撃を読んでいるような動きだ。俺から見れば、サーシャもかなり熟練した動きをしていると思うが、やっぱり死線をくぐっているのか質が違う気がする。
激しく動き回りながら攻撃や回避を繰り返している試合は、観客的にはよかったらしく歓声もヒートアップしている印象だ。
戦闘から5分、100を数えるくらいは合わせて攻撃をしているだろう。だが、ステータスによる差が出始めてきた。純粋な体力の差が5分で現れたのだ。
対戦相手は、サーシャの攻撃を回避しきれず、剣ではじいて防御する回数が増えてきた。
対戦相手は、持久戦になると不利だと感じたのか、残りの体力を振り絞り加速して攻撃を仕掛けたように見えた。その攻撃は、腕をクロスして下から両手で切り上げている。
サーシャも動きが変わった事には気付いたようだ。交差する斬撃だったため、左半身を前に出し交差する位置に盾を置いて防いだ。サーシャは、回避ではなく受ける事を選んで、斬撃を防いだ。
対戦相手は、振り切った両腕を次の攻撃につなげるため、強引に上段からの切り下ろしに攻撃を変化させた。サーシャは攻撃を盾で防ぐために低い位置に盾があったため、上段からの攻撃に対して無防備になっていた。
危ない! と思って目をつぶってしまった俺は後悔する。目を開けた次の瞬間に攻撃をくらってしまったサーシャを思い浮かべて、目を開ける。
そうすると、サーシャはしゃがんでいて、対戦相手は仰向けに倒れていた。なんで? そう口に出ていたみたいで、一緒に観戦していたミリーが、ダンマスのスキルでリプレイする事が出来る事を思い出させてくれたため、慌ててそのシーンをリプレイする。
対戦相手が切り上げた瞬間からスタート。
下からの斬撃を盾で受け、相手の攻撃が切り下ろしに変わる。次の瞬間、若干前傾姿勢で攻撃を受けていたサーシャが、そのまま前転するように前に飛び込み、胴回し回転蹴りの様な攻撃で相手の顎を撃ち抜き着地してしゃがんだ。
斬撃を防ぎきれない上に距離もとれないためか、斬撃の内側に入る事を選択してそのまま回避と同時に攻撃を行ったのだ。
「思い切りがいいな」
俺のセリフに近くで見ていた、ミリーやカエデ、年中組が同意とばかりに頷いていた。
ちなみに、年少組と年長組はコロシアムの特別席で観戦している。年少組は、メルフィとサーシャが出場するからと意気込んでコロシアムへ行き、年長組は年少組の付き添いとシュリの応援のためにコロシアムへ行っている・・・レイリーの応援がいないぞ!孫のリリーはここにいるからな・・・
あ、リンドは老ドワーフ達と酒を飲みながら、工房に設置した巨大テレビで観戦している。
サーシャも苦戦はしたが何とか勝った。レベル差があっても一瞬じゃ決着がつかないもんだな。
順当に試合が消化されていき、シングルの冒険者の試合が同時に行われた。どっちも一気に突っ込む事はせずに、様子を見ながらギアをあげていき叩き潰した印象だ。
前半の64試合が終わった所で、お昼休憩になった。休憩後、すぐにシュリの試合が開始される。
勝負は一瞬でついた。勢いにまかせた【シールドチャージ】で場外へ押し出して、試合終了。
あまりにもあっけなく終わってしまったため、対戦相手も意味が分からず、観戦者からはブーイングの嵐だった。
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