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第1027話 問題がたくさん
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「さて、何処から始めようかしら?」
「そうでござるな。まずは、休憩室兼生活場所でござるな!」
綾乃とバザールは、ここに住み込み出来る事を条件に考えていたようだ。確かに、休憩室にしては大きすぎる部屋をいくつも作っていると思ったらそういう事か。
俺は、この工房とダンジョン農園を特別列車で移動できるようにするので、ここに部屋は必要ないのだ。まぁ休憩室は作ってあるけど、2人と違って休憩室としては広いけど、休憩するためのスペースは作っている。
2人は生活スペースを作っており時間がかかるため、俺は1人になってしまった。
「さて、工房に必要な物か。一般的な工房にはどんなものが置いてあるんだろう? それに全部手作りとは言ったけど、さすがに炉や金床、ハンマーを何もない状態から作るのは無理だよな」
そう考えて、ゴーストタウンで買えるものは買ってもいいんじゃないか? と思った。後で2人に聞いてみよう。
その答えは『確かに何もない所から作るのは無理でござるな』『さすがに、買える物は買いましょう』と言う事になった。
「ドワーフのじっちゃんたちのおかげで、鍛冶と大工、木工に使われる道具は分かってるけど、それ以外の生産ってよく考えたら、あまり何使ってるか知らないな。革は鞣す、生地は織るって、この世界ってどうやって生地を作ってるんだ?」
分からない事は、ゼニスに聞けばいい!
『生地ですか? 様々な素材を繊維として加工、それを生地にしていますよ?』
「いやだから、どうやって生地を作ってるんだ?」
『決まっているじゃないですか。織機を使った手織りですよ』
「ゴーストタウンでその織機って見れる場所あるか?」
『それでしたら、商会の工房がありますので、見に行ってはどうですか?』
どうやら商会の工房に織機が置いてあるようなので、見に行く事にした。そして、ビックリした。
織機ってもっと機械チックな物を想像していたが、工房で見た物は田舎の民族衣装を作る時に使われるような、自分の手で縦糸1本1本に横糸を通していくタイプの物だった。シャトルなどを使った織機では無かったのだ・・・
「マジか、これなら服が高いのも頷けるな。それに市場に繊維が余ってる理由ってそういう事なのか」
ここにきて初めて紡績関係の技術が遅れている事を認識した。あの2人も知っているのだろうか? 慌てて自分たちの工房に戻ると、
「どこ行ってたのよ!」
「どこ行ってたでござるか?」
そう出迎えを受けた。
「って、お前らが部屋に時間かけるから、俺が暇だったんだよ! その時間で調査してきて、大変な事実が分かったんだ。この世界の紡績関係の技術が遅れてる。生地作りが田舎の民族衣装作っているような、手織りだった。しかも、縦糸1本1本に横糸を通すタイプの・・・」
「マジで? そう考えると、召喚された時は不遇な扱いを受けてたけど、それなりにお金のかかった服は与えられていたんだ。あれ? そうするとディストピアは?」
「ディストピアは、初期の頃は生地をDPで召喚して、今は外から買ってるからな、生地にする過程を知らなかったんだよ。繊維を売り出して生地を買うって形になってたからな。住民もお金があるんだから、手間のかかる生地作りをしなかったんだろうな、と今は考えてる」
無い知恵を絞って3人で話し合う。
「とりあえず、織機を作る事は決定でいいかな?」
「そうでござるが、どこら辺まで進化させるでござるか? 手動シャトルの織機? 全自動織機? どこら辺にするでござるか?」
「確かに、何処まで進化させるべきだ? 全自動と言っても、地球みたいな精度で作れるとも思えないし、何より精密機器なんてこの世界ではオーバーテクノロジーだぞ?」
「全自動織機のネックは動力でござろうな。安定した動力をどうやって得るのかが問題でござろう」
「魔導具を魔石で動かす? とか」
「そこまで複雑な魔導具が作れるかが問題でござらんか?」
「でもさ、動力以外の機械仕掛けの部分。カラクリは、魔導具じゃなくてもいいんじゃないか? だから動力さえ何とかすれば色々できそうな気がするぞ! たしか川の近くの街では水車を動力に使った脱穀や製粉をしているぞ」
「待つでござる! そもそも、全自動織機なんていきなりは、作れないでござらんか?」
俺たちの会話は作れる前提で話が進んでいた。よく考えれば、普通の織機ですら作った事ないのに、知識も無しに全自動なんて作れるわけないよな。
「そうだね。まずは設計図を出して! そこから必要になってくる道具を考えましょ! あと、この街で売ってる道具の把握もしないといかないから、リストでもないかしら?」
「木材を主に使って作るのでござるなら。あまり釘を使わない方がいいでござるか?」
「どうなんだろ? まぁ、細かい加工をするにも道具が無いとできないからな。バザールはとりあえずいくつか設計図を出して、作りやすそうなものを綾乃と選んでくれ。綾乃はバザールと一緒に設計図を選びながら、必要になりそうな部品や道具を書き出してくれ。俺は、何が売ってるかゼニスとかに聞いてくるわ」
ゼニスに連絡して聞いてみたが、さすがに売り物の種類までは把握できていなかったので、商会の物品管理をしている人を紹介してくれた。
そこで確認すると、素材に関しては大半の物が揃うようだ。それもそのはず、ダンジョンから色々取れるんだから当たり前だ。
道具に関しては、思ったより数が少なかった。金床や槌も売っていなかった。どこで手に入れるのかと思ったら、基本的にそう言った物は師匠からプレゼントされる物で、店で売られるような物ではないと教えてもらった。そうなのか。
他にも基本的な工具はあるけど、電動工具に代わるような物は当然なかった。
さて、どうしようか? 釘や鉋、金槌は普通に売っている。細工するための道具は、彫刻刀のような物があった。
その情報を持って2人の元へ帰る。
「思ったより少ないでござるな」
「自分たちが作る事にこだわらなくても、ゴーストタウンで作ってもらえる物なら良くない?」
「それもそうか。全部自分たちで作ろうなんて無理にも程があるよな。まずは、ある程度俺たちの注文通りに作れる人と、一緒に作業する人を探すか?」
「一々どこかの工房へ頼むのも大変だもんね」
ゼニスに話をしてこようか、俺たちだけじゃ雇うにも雇えないからな。
「そうでござるな。まずは、休憩室兼生活場所でござるな!」
綾乃とバザールは、ここに住み込み出来る事を条件に考えていたようだ。確かに、休憩室にしては大きすぎる部屋をいくつも作っていると思ったらそういう事か。
俺は、この工房とダンジョン農園を特別列車で移動できるようにするので、ここに部屋は必要ないのだ。まぁ休憩室は作ってあるけど、2人と違って休憩室としては広いけど、休憩するためのスペースは作っている。
2人は生活スペースを作っており時間がかかるため、俺は1人になってしまった。
「さて、工房に必要な物か。一般的な工房にはどんなものが置いてあるんだろう? それに全部手作りとは言ったけど、さすがに炉や金床、ハンマーを何もない状態から作るのは無理だよな」
そう考えて、ゴーストタウンで買えるものは買ってもいいんじゃないか? と思った。後で2人に聞いてみよう。
その答えは『確かに何もない所から作るのは無理でござるな』『さすがに、買える物は買いましょう』と言う事になった。
「ドワーフのじっちゃんたちのおかげで、鍛冶と大工、木工に使われる道具は分かってるけど、それ以外の生産ってよく考えたら、あまり何使ってるか知らないな。革は鞣す、生地は織るって、この世界ってどうやって生地を作ってるんだ?」
分からない事は、ゼニスに聞けばいい!
『生地ですか? 様々な素材を繊維として加工、それを生地にしていますよ?』
「いやだから、どうやって生地を作ってるんだ?」
『決まっているじゃないですか。織機を使った手織りですよ』
「ゴーストタウンでその織機って見れる場所あるか?」
『それでしたら、商会の工房がありますので、見に行ってはどうですか?』
どうやら商会の工房に織機が置いてあるようなので、見に行く事にした。そして、ビックリした。
織機ってもっと機械チックな物を想像していたが、工房で見た物は田舎の民族衣装を作る時に使われるような、自分の手で縦糸1本1本に横糸を通していくタイプの物だった。シャトルなどを使った織機では無かったのだ・・・
「マジか、これなら服が高いのも頷けるな。それに市場に繊維が余ってる理由ってそういう事なのか」
ここにきて初めて紡績関係の技術が遅れている事を認識した。あの2人も知っているのだろうか? 慌てて自分たちの工房に戻ると、
「どこ行ってたのよ!」
「どこ行ってたでござるか?」
そう出迎えを受けた。
「って、お前らが部屋に時間かけるから、俺が暇だったんだよ! その時間で調査してきて、大変な事実が分かったんだ。この世界の紡績関係の技術が遅れてる。生地作りが田舎の民族衣装作っているような、手織りだった。しかも、縦糸1本1本に横糸を通すタイプの・・・」
「マジで? そう考えると、召喚された時は不遇な扱いを受けてたけど、それなりにお金のかかった服は与えられていたんだ。あれ? そうするとディストピアは?」
「ディストピアは、初期の頃は生地をDPで召喚して、今は外から買ってるからな、生地にする過程を知らなかったんだよ。繊維を売り出して生地を買うって形になってたからな。住民もお金があるんだから、手間のかかる生地作りをしなかったんだろうな、と今は考えてる」
無い知恵を絞って3人で話し合う。
「とりあえず、織機を作る事は決定でいいかな?」
「そうでござるが、どこら辺まで進化させるでござるか? 手動シャトルの織機? 全自動織機? どこら辺にするでござるか?」
「確かに、何処まで進化させるべきだ? 全自動と言っても、地球みたいな精度で作れるとも思えないし、何より精密機器なんてこの世界ではオーバーテクノロジーだぞ?」
「全自動織機のネックは動力でござろうな。安定した動力をどうやって得るのかが問題でござろう」
「魔導具を魔石で動かす? とか」
「そこまで複雑な魔導具が作れるかが問題でござらんか?」
「でもさ、動力以外の機械仕掛けの部分。カラクリは、魔導具じゃなくてもいいんじゃないか? だから動力さえ何とかすれば色々できそうな気がするぞ! たしか川の近くの街では水車を動力に使った脱穀や製粉をしているぞ」
「待つでござる! そもそも、全自動織機なんていきなりは、作れないでござらんか?」
俺たちの会話は作れる前提で話が進んでいた。よく考えれば、普通の織機ですら作った事ないのに、知識も無しに全自動なんて作れるわけないよな。
「そうだね。まずは設計図を出して! そこから必要になってくる道具を考えましょ! あと、この街で売ってる道具の把握もしないといかないから、リストでもないかしら?」
「木材を主に使って作るのでござるなら。あまり釘を使わない方がいいでござるか?」
「どうなんだろ? まぁ、細かい加工をするにも道具が無いとできないからな。バザールはとりあえずいくつか設計図を出して、作りやすそうなものを綾乃と選んでくれ。綾乃はバザールと一緒に設計図を選びながら、必要になりそうな部品や道具を書き出してくれ。俺は、何が売ってるかゼニスとかに聞いてくるわ」
ゼニスに連絡して聞いてみたが、さすがに売り物の種類までは把握できていなかったので、商会の物品管理をしている人を紹介してくれた。
そこで確認すると、素材に関しては大半の物が揃うようだ。それもそのはず、ダンジョンから色々取れるんだから当たり前だ。
道具に関しては、思ったより数が少なかった。金床や槌も売っていなかった。どこで手に入れるのかと思ったら、基本的にそう言った物は師匠からプレゼントされる物で、店で売られるような物ではないと教えてもらった。そうなのか。
他にも基本的な工具はあるけど、電動工具に代わるような物は当然なかった。
さて、どうしようか? 釘や鉋、金槌は普通に売っている。細工するための道具は、彫刻刀のような物があった。
その情報を持って2人の元へ帰る。
「思ったより少ないでござるな」
「自分たちが作る事にこだわらなくても、ゴーストタウンで作ってもらえる物なら良くない?」
「それもそうか。全部自分たちで作ろうなんて無理にも程があるよな。まずは、ある程度俺たちの注文通りに作れる人と、一緒に作業する人を探すか?」
「一々どこかの工房へ頼むのも大変だもんね」
ゼニスに話をしてこようか、俺たちだけじゃ雇うにも雇えないからな。
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