1,384 / 2,518
第1384話 自覚?
しおりを挟む
俺たちは朝食後に分娩室の隣にある安静室の前に来ている。まだ生まれたばかりの赤ちゃんはこの中で、ピーチと一緒に過ごしている。ブラウニーも新しく呼んだ、専属ケットシーもスライムも中にいるけどね。
アメーバ状のスライムは、雑菌ばい菌だらけなのだが、うちのニコから分裂して生まれたスライムたちは、完璧な無菌状態になることができる。スライムの特性なのだろう、全てを体内に取り込んで消化してしまうのだ。それにクッションとしても優秀なので近くにいてもらっている。
ミリーたち母親は、妊娠している残り2人のところへ行き話を聞いている。出産が近付くにつれて不安になっているので、経験者としてミリーたちが近くにいてくれているのだ。
プラムは起きているようでピーチに抱かれており、手を伸ばしたりしてピーチを触っている。ピーチの肩の上にいるケットシーの尻尾がいいのか触れられると、喜んだような声を出している。もしかして、産まれてすぐにケモラーとなったのだろうか?
ん? まてよ、うちの子たちはみんなケモラーだったな。ケットシーや猫たち、俺の従魔たちが惜しみない愛を注いでいるし、面倒も見ているからな。
ミーシャたちはピーチがプラムの顔が見えるように体を傾けてくれているところに「プラムちゃん、お姉ちゃんですよ~」と微笑ましい姿をせてくれている。
さすがにまだ見えない子にお姉ちゃんですよ~って言ってもな。声は聞こえてくれているから、何となくわかるのだろうか? って生まれたばかりの赤ちゃんって、音というより振動で感じているんだっけ? ん~わからんや。
それにしてもプラムが生まれた事によって、ミーシャたちにお姉ちゃんとしての自覚が出て来たのだろうか? この子たちって自分より小さい子供がいなかったから、実感がなかったのかもしれないな。今実際にプラムを見て実感がわいたとか?
これが地球だったら、弟や妹にお母さんをとられて、退行してしまう子もいるって話だよな。そういう意味では、一夫多妻制だと子たちの感じ方が変わるのかな? それにうちは母親以外にもたくさんいるしな、退行する子はいないのかもしれないな。
そんなことを考えていると、体が揺さぶられる感覚して現実に引き戻される。
「とーたん、いつになったらプラムちゃんと遊べるようになるの?」
ミーシャがそんなことを訊いてくる。
「そうだな……一緒に遊べるのはまだ先だと思うけど、シルキーやブラウニーたちから許可が出れば、近くにいることはできるよ」
俺の答えに若干の不満を見せるが、近くにいられるっていう部分には大いに反応を見せた。面倒を見る! とか言っているけど、ブラウニーたちに怒られるようなことはするなよ。俺も手を出そうとすればすぐに怒られるからな!
プラムが寝てしまったのでミーシャたちの興味が違うところへ向いた。もうすぐ予定日のアリスとマリーのところだ。
そこには母親もいるので、3人とも母親の膝の上に座りアリスやマリーとお話を始めた。少し離れた位置で、俺の膝の上にはもちろんウルを乗せている。何も言わずに自然な流れで胡坐の上に乗せたので戸惑っていたが、お腹をホールドして座らせたので大人しく座っている。
しばらくすると、俺の膝の上を争うようにミーシャたちが突撃してきた。胡坐の中にウルがいるので、両膝は空いている。でも座りたいのは、ミーシャ・スミレ・ブルムの3人……誰が座るかプチ喧嘩を始めてしまった。
そんな様子をみていたウルが、手をどかすようにお願いしてきたのでどかすと、3人で仲良く座るように注意をした。体の一番大きなミーシャがウルのいた胡坐の中で、スミレとブルムが両膝に座った。ウルは3人の前に座って4人で話し始める。
「シュウ君、その子たちの面倒を看てくれてありがとね。本当に助かってるわ。アリスたちも初めてだから、気持ちが不安定になってるみたいでね……シュウ君にも近くにいてもらいたいみたいだけど、不安でつぶれそうな状態の時に、あたってしまうのが怖いみたいなの」
「別に可愛い妻が不安になって、当たり散らしたからって気にしないんだけどね。それが分かってても近くにいさせないっていうことは、何か理由があるんだろ? だったら俺は俺のできることをしないとな。それに娘たちと一緒にいられるのは嬉しいからな。ミーシャたちはお父さんと一緒いるのは嫌か?」
「「「とーたんと一緒! 嬉しい!」」」
「そうよね、私たち母親に比べれば、シュウ君が娘たちと一緒にいられる時間って短いもんね。この子たちもシュウ君のことが好きみたいだしね。アリスたちもシュウ君の気持ちは分かっているけど、もし当たり散らしてしまったら、あの子たちが病んでしまうからね。だから私たちが近くにいるのよ」
なるほど、そういう理由だったのか。頭で分かっていても、もし当たり散らしてしまったらって考えると、自責の念に囚われてしまうって感じかな? そんなことで苦しむくらいなら、今は遠くから見守ろう。後でいっぱいお礼を言って、感謝の気持ちを伝えればいいかな?
「了解。もし俺が必要になったら呼んでくれたらいいから。もし病むようなことがあっても、何とかするから。絶対に2人は無理をさせないでくれ。先輩として良く看てあげてほしい。さぁみんな、お母さんたちに負担を掛けないように、そろそろ行こうか? 何して遊ぼう?」
ミーシャたちを降ろしてから、4人を引き連れて遊ぶ事にした。
この子たちもゲームをできるのだが、理解して遊んでいるのではなく何となく動かして、それを見て楽しんでいるというレベルなので、ゲームよりアニメを見たりする方が好きなんだよな。前の続きでも一緒に見るか?
リビングに戻ると、スカーレットが待っていた。あれ? 俺なんかしたっけ? 怒られるようなことは何もしていないと思うけど……自信が無くなって来た。
どうやら俺の心配は杞憂に終わった。スカーレットは、ピーチの赤ちゃんが生まれたことで、ウルたちに赤ちゃんについて話をしたいのだとか。
ミーシャたち3人は普段、あまり集中力が持続することはないのだが、妹……プラムに関する事だと聞いて、真剣な様子でスカーレットの話を聞いている。どこまで理解しているのか分からないけど、大切なことだということは分かっているようだ。
アメーバ状のスライムは、雑菌ばい菌だらけなのだが、うちのニコから分裂して生まれたスライムたちは、完璧な無菌状態になることができる。スライムの特性なのだろう、全てを体内に取り込んで消化してしまうのだ。それにクッションとしても優秀なので近くにいてもらっている。
ミリーたち母親は、妊娠している残り2人のところへ行き話を聞いている。出産が近付くにつれて不安になっているので、経験者としてミリーたちが近くにいてくれているのだ。
プラムは起きているようでピーチに抱かれており、手を伸ばしたりしてピーチを触っている。ピーチの肩の上にいるケットシーの尻尾がいいのか触れられると、喜んだような声を出している。もしかして、産まれてすぐにケモラーとなったのだろうか?
ん? まてよ、うちの子たちはみんなケモラーだったな。ケットシーや猫たち、俺の従魔たちが惜しみない愛を注いでいるし、面倒も見ているからな。
ミーシャたちはピーチがプラムの顔が見えるように体を傾けてくれているところに「プラムちゃん、お姉ちゃんですよ~」と微笑ましい姿をせてくれている。
さすがにまだ見えない子にお姉ちゃんですよ~って言ってもな。声は聞こえてくれているから、何となくわかるのだろうか? って生まれたばかりの赤ちゃんって、音というより振動で感じているんだっけ? ん~わからんや。
それにしてもプラムが生まれた事によって、ミーシャたちにお姉ちゃんとしての自覚が出て来たのだろうか? この子たちって自分より小さい子供がいなかったから、実感がなかったのかもしれないな。今実際にプラムを見て実感がわいたとか?
これが地球だったら、弟や妹にお母さんをとられて、退行してしまう子もいるって話だよな。そういう意味では、一夫多妻制だと子たちの感じ方が変わるのかな? それにうちは母親以外にもたくさんいるしな、退行する子はいないのかもしれないな。
そんなことを考えていると、体が揺さぶられる感覚して現実に引き戻される。
「とーたん、いつになったらプラムちゃんと遊べるようになるの?」
ミーシャがそんなことを訊いてくる。
「そうだな……一緒に遊べるのはまだ先だと思うけど、シルキーやブラウニーたちから許可が出れば、近くにいることはできるよ」
俺の答えに若干の不満を見せるが、近くにいられるっていう部分には大いに反応を見せた。面倒を見る! とか言っているけど、ブラウニーたちに怒られるようなことはするなよ。俺も手を出そうとすればすぐに怒られるからな!
プラムが寝てしまったのでミーシャたちの興味が違うところへ向いた。もうすぐ予定日のアリスとマリーのところだ。
そこには母親もいるので、3人とも母親の膝の上に座りアリスやマリーとお話を始めた。少し離れた位置で、俺の膝の上にはもちろんウルを乗せている。何も言わずに自然な流れで胡坐の上に乗せたので戸惑っていたが、お腹をホールドして座らせたので大人しく座っている。
しばらくすると、俺の膝の上を争うようにミーシャたちが突撃してきた。胡坐の中にウルがいるので、両膝は空いている。でも座りたいのは、ミーシャ・スミレ・ブルムの3人……誰が座るかプチ喧嘩を始めてしまった。
そんな様子をみていたウルが、手をどかすようにお願いしてきたのでどかすと、3人で仲良く座るように注意をした。体の一番大きなミーシャがウルのいた胡坐の中で、スミレとブルムが両膝に座った。ウルは3人の前に座って4人で話し始める。
「シュウ君、その子たちの面倒を看てくれてありがとね。本当に助かってるわ。アリスたちも初めてだから、気持ちが不安定になってるみたいでね……シュウ君にも近くにいてもらいたいみたいだけど、不安でつぶれそうな状態の時に、あたってしまうのが怖いみたいなの」
「別に可愛い妻が不安になって、当たり散らしたからって気にしないんだけどね。それが分かってても近くにいさせないっていうことは、何か理由があるんだろ? だったら俺は俺のできることをしないとな。それに娘たちと一緒にいられるのは嬉しいからな。ミーシャたちはお父さんと一緒いるのは嫌か?」
「「「とーたんと一緒! 嬉しい!」」」
「そうよね、私たち母親に比べれば、シュウ君が娘たちと一緒にいられる時間って短いもんね。この子たちもシュウ君のことが好きみたいだしね。アリスたちもシュウ君の気持ちは分かっているけど、もし当たり散らしてしまったら、あの子たちが病んでしまうからね。だから私たちが近くにいるのよ」
なるほど、そういう理由だったのか。頭で分かっていても、もし当たり散らしてしまったらって考えると、自責の念に囚われてしまうって感じかな? そんなことで苦しむくらいなら、今は遠くから見守ろう。後でいっぱいお礼を言って、感謝の気持ちを伝えればいいかな?
「了解。もし俺が必要になったら呼んでくれたらいいから。もし病むようなことがあっても、何とかするから。絶対に2人は無理をさせないでくれ。先輩として良く看てあげてほしい。さぁみんな、お母さんたちに負担を掛けないように、そろそろ行こうか? 何して遊ぼう?」
ミーシャたちを降ろしてから、4人を引き連れて遊ぶ事にした。
この子たちもゲームをできるのだが、理解して遊んでいるのではなく何となく動かして、それを見て楽しんでいるというレベルなので、ゲームよりアニメを見たりする方が好きなんだよな。前の続きでも一緒に見るか?
リビングに戻ると、スカーレットが待っていた。あれ? 俺なんかしたっけ? 怒られるようなことは何もしていないと思うけど……自信が無くなって来た。
どうやら俺の心配は杞憂に終わった。スカーレットは、ピーチの赤ちゃんが生まれたことで、ウルたちに赤ちゃんについて話をしたいのだとか。
ミーシャたち3人は普段、あまり集中力が持続することはないのだが、妹……プラムに関する事だと聞いて、真剣な様子でスカーレットの話を聞いている。どこまで理解しているのか分からないけど、大切なことだということは分かっているようだ。
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ダンジョン作成から始まる最強クラン
山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。
そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。
極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。
そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。
ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。
ただそのダンジョンは特別性であった。
ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる