ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,449 / 2,518

第1449話 明日はとうとう……

しおりを挟む
 一仕事(シュウの感覚では一仕事でも、やらかしたあれのこと)終えて家に帰ると、娘たちが駆け寄ってくる足音が聞こえた。

「とーたん、だっこ!」

 一番初めに到着したのは、ミーシャではなくスミレだった。スミレが俺の左腕に収まったのだが、ミーシャの方が身体能力が高いはずなのに、何でスミレの方が早く到着したんだ? ミーシャたちが到着したのは、それから10秒後くらいである。

「あー、スーちゃんだけズルい! ミーシャもだっこして!」
「スーちゃんもミーちゃんもズルいよ! ブルムだってだっこしてほしい!」

 遅れて到着した2番手のミーシャが飛び付いてきて、右手に収まる。最後に来たブルムにはスペースがなかった。3人ともスクスクと成長しているため、3人を同時に抱っこできなくなってしまい、ブルムがブーブー言っている。

 しょうがないので、背中を向けてしゃがんでやると、意図を察知したのかブーブー言うのを止めて、よじ登り始めた。そして肩車の位置に収まる。おでこに手を回し、しっかりとしがみついてくる。

「スーちゃんたらズルいんだよ、よくわからないけど、とーたんが帰って来たことがわかるんだって」

 なるほど、スミレが一番に到着した理由は、それか……にしても、何で俺の帰って来たことが分かるんだ? スミレに聞いてみたが、ん~何となく? と、首を傾げながら答えたので、自分でも理屈はよく分かっていないようだ。

 今まではそんなことなかったのに、ここ最近になって身につけた能力とかかな? 俺が帰って来たのが分かって逃げられるとかだったら、マジで凹むだろうけど、駆け寄ってきてくれるのであれば気にすることもないか?

 最近、ちょっと勉強やお手伝いに力が入っていた娘たちが、少し冷たいと感じていたがこうやってくっ付いてもらえるとなると、特にうれしく感じるもんだな。

 話を聞いていると、ちょっと残念な気分になったけど、嫌われているわけではないので頑張れるかな?

 駆け寄って来た大きな理由の1つが、そろそろ母親たちからDPをあげてもいいかな? とか聞いて、DPがもらえるなら早くマイワールドが欲しい! と、俺におねだりしに来たようだったのだ。

 何でも買ってくれるお父さんポジションって感じだろうか? 都合のいい父親みたいになっているが、それでも娘たちが可愛い。今日準備したことを伝えると、暴れる位に喜びだした。

「だけど、今日は行っちゃだめだぞ。行くなら明日からな。それが守れない子や暴れる子には、しばらくお預けになっちゃうぞ」

 それはヤダ! と3人ともピタッと止まる。現金な子たちだなあ。

「3人はどんなお手伝いしているんだ?」

 どんなお手伝いをして、DPをもらっているのか気になったので聞いてみた。

 そしたら、下の子たちの面倒をみているとの事だった。なるほど、いつもやっていたことにDPを付与して、しっかりとお手伝いしているという気分にさせているのかな? でも、仕事にしちゃうと下の子たちに失礼じゃないか?

 って思ってた時期もありました。下の子たちの面倒と言っても、下のお世話のことだった。さすがに3人でやらせるわけじゃなく、母親たちの手伝い、いわゆる、下のお世話をするための準備みたいな感じらしい。オムツの準備やキレイにふくタオルなどを準備する係のようだ。

 他には何をしているのか聞いてみたら、お茶の時間になったらティーセットの準備や、猫たちの餌を言われずにやることなど、今までしていたことの延長で、自分から進んでやることが大切なんだとか。

 話を聞く時は、ソファーに座って両サイドにミーシャとスミレが座って、膝の上にブルムが座って、3人で怒涛の如く話すので理解するのに時間がかかってしまったけどな。

 とりあえず、明日は妻たちも含めてマイワールドに行く事になった。娘たちもそうだが、妻たちも気になっていたらしい。

 娘たちはどのくらいのDPをゲットできたんだろうな? 初めの部分はみんな変わらず、1キロメートル四方の草原を準備するようにお願いされたので、今のうちに準備をしておこう。

 のんびりとお風呂に入っている間に、スキルを使ってポチポチとしておいた。娘たちが湯船ではしゃいでいるが、自分の家のお風呂なのでうるさく言う必要は無いかな。だけど、

「3人とも、家以外のお風呂では、こんなに騒いだらダメだからな」

 と、注意しておく。娘たちはまだ行ったことないが、妻たちはよくメンバーを変えてスーパー銭湯に行っているので、その内母親たちについていく事もあるだろう。なので、しっかりと注意しておく。

 地球にいた頃によく感じていたことがあるんだよな。子どもを全く注意しないで騒がしたまま放置する親がいて、注意した大人に文句言うやつとかさ。あの親たちって、何様のつもりなんだろうな?

 多少騒ぐ分には子どもだからしかたがないとは思うけど、迷惑かける位騒いでいるのに注意されて逆ギレとかいるんだよな。お前らの放置は、甘やかすではなく迷惑をかけている、っていうのを理解してほしいよね。

 っと、昔のことを思い出してしまった。モンスターペアレントとか、社会問題になってたっけな?

 厳しいのも良くないけど、ある程度の躾はしないといけないと思う今日この頃である。

 聞き分けの良い娘たちで良かったな。俺が注意すれば、は~~い、と返事をして、言ったことを理解して静かになる。まぁ、完全に静かになるわけじゃなく、小さな声で話し出すあたりしっかりと理解している気がする、天才じゃないかと思う。

 まぁ、こんなことを周りの人に言えば、親ばかって言われるんだろうな。

 とりあえず言えることは、周りに迷惑をかけずにスクスクと育ってくれればいいかな。最悪、俺が面倒みてやるから悪いことだけはするなよ。

 娘たちは熱くなったのか、水風呂(ぬるま湯仕様)に浸かっていた。最後に少し熱めのお湯を妻たちにかけてもらい、お風呂からあがって行った。

 そういえば、ダンジョンから帰ってきてから、妻たちが同じ時間にお風呂に入っている気がするな。俺は娘たちに合わせて早めに入っていたのだが、妻たちも時間を合わせて入るようになっていた。

 理由は簡単なものだった。俺が居ない時にこの時間で入っていたみたいで、それが癖になっていたみたいだ。

 こうなると、俺がしなければいけないことが少なくなるので、サウナに入れそうだな。

 娘たちがお風呂が上がるのと一緒に出てたから、サウナに入れてなかっただけだしな。

 ということで、入ってしまおう!
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...