1,946 / 2,518
第1946話 早く帰りたい!
しおりを挟む
6日目の俺たちの雰囲気は、殺伐としていた。ウル・綾乃・ロジーはまだ寝ているが、俺・ライガ・バザールは準備体操を始めている。
50人を殺せば、ウルたちを帰してあげられるので、俺のヤル気は天元突破しているといってもおかしくない。その殺る気が、この殺伐とした空気を生み出しているのだろう。
こうなることが分かっていたので、3人が起きる前に集まっているのだ。帰る方法が分かったので、ライガもバザールも俺の空気に当てられて、テンションをあげている。
バザールがここにいる理由は、ここにいない3人を可能な限り同時に送り返したいので、数を合わせるためにバザールも狩りに参加することになったのだ。サイレントアサシンを操って殺しても、カウントされないと考えて、本体で狩りに参加して散らばっていたサイレントアサシンを拠点の守りに使うことになった。
「新しく送り込まれてくるなら、人の少ないところだと思うけど、南東側は誰が行くか?」
「数を稼いでほしいのは、バザールさんじゃないですか。自分は鼻でお二方よりは敵を見つけやすいので、今の所一番数の少ないバザールさんを優先するのがいいのでは?」
「50になりそうだったら、連れ帰ってもらうことになるけど、それは問題ないよな?」
「了解でござる。本体で動いて拠点を守る分、2人のサポートは最低限になるでござるが、問題ないでござるか?」
「問題ない。情報共有といざって時の呼びかけに反応してくれれば、問題ないな」
「自分かシュウ様が、東と北ですかね。どちらに行きますか?」
「俺が北に行くよ。1人なら油断しないし、ライガより俺の方がああいったエリアは得意だろう。鼻があれば問題ないと思うけど、装備的に俺の方がまだましだからな。ライガは出来るだけ早く、数をこなしてくれ」
話し合いが終わり、綾乃を起こして伝言を残し、今まで以上に気合を入れて行動を開始する。
俺は、意識が研ぎ澄まされる感覚になる。昨日の油断もあり、気合を入れなおしたことも関係しているのか、体の隅々まで思い通りに動く感じがする。この感じ、久しぶりだな。妻たちと嫌々ながら本気の模擬戦をした時以来かな。
あの時は闇落ちみたいになりかけたけど、今回はただただ研ぎ澄まされているだけだ。
ジャングルの地面を走るのは、研ぎ澄まされていてもさすがに面倒なので、今日も木の枝を移動していく。昨日より早く移動しているのに、景色がゆっくりと流れている気がする。
30分も移動すると、昨日の残りか3人の人影を視界の端で捉えた。
進む方向を変え強襲をかける。
上から落下するように降りる最中にターゲット以外の2人に、麻痺ナイフを投げる。ターゲットに攻撃する前に、悲鳴が聞こえる。
驚いたターゲットは俺に対して無防備になり、首を切り落としナイフが刺さり麻痺した2人の心臓を突き刺し、息の根を止めた。
「ふ~、刀を作っておいてよかったな。持ち込めた武器や奪った武器では、こう上手くはいなかったな。間に合わせとはいえ、切れ味のいい武器を作ったのはナイス判断だったな」
刀から血を拭き取り、刃がかけていないか確認する。元の世界なら自動修復をかけるので、血をふき取るだけで問題ないのだが、頑丈に作ったとはいえ刃がかけていないか確認する。
「刀の方は問題なさそうだな。こいつらから得られそうな物は……なさそうだな」
そう考えて、ふと動きを止める。殺して荷物をあさるって、完璧に追い剥ぎの思考だな。帰るためには殺しを強要されているので、問題ないということにしておこう。
次の獲物を探して、移動を開始する。
今日は山のジャングルの中で5人、北へ超えた先の森で7人を仕留めた。
「お疲れさん。今日はどうだった?」
ライガとバザールに今日の成果を聞いた。2人も10人は殺したようで、このままのペースで進めば10日もあれば、全員帰れるな。
「そういえばさ、ここって山を中心に森があって、その外に草原がある感じかな? 西側が狭くて、東側が広い気がするけど、ライガは東の端までいけたか?」
「さすがに到着できていないですが、言われたように東側の方が広い感じがしますね。それと、森の中に開けた草原地帯をもう1つ発見しました。初めの方と同じで人がいた痕跡が所々にありましたね」
「某は、南に抜けて森の境界線上を東に移動したでござる。ライガ殿の外側を移動して、敵を探した感じでござるな」
「この世界って、森だけが生存圏みたいだな。動物は、ダンジョンの魔物みたいに、ドンドン補給されている感じだしな。動物を狩猟して、人間も狩猟する感じの舞台なのかね?」
「シュウ殿、それ以上考えても無駄でござる。神が考えている事なんて、某たちには分かるわけないでござる。人を50も殺せば帰れることが分かっただけ、十分でござろう」
バザールに言われた通りだな。神たちの考えなんて、俺たちが考えても分からんだろうな。
帰ったらチビ神のタブレットやノートパソコンのデータを、全部消してやるからな! 国民的アニメの破壊の言葉をオマージュして登録している。何故オマージュしたかと言えば、不意にチビ神があのアニメを真似て滅びの言葉、閉じよと唱えてしまったら、データが消えてしまうからな。
とはいえ、俺の声が直接天界に届くわけではないので、ちょっと工夫しないといけないんだけどな。俺の渡した機械は全部がリンクしているので、どれかにその言葉が登録されると全部からデータが飛ぶ仕様なんだよな。
チビ神のいい訳を聞いてから、タイミングを見計らって消すことを検討する。
帰れると分かったので、帰った後の事を考え始めている自分に、内心笑っている。
明日も同じコースで移動することが決まり、俺たちの懸念材料の1つのギリースーツの情報を聞くことにした。
バザールから緊急の連絡とかは無かったので、問題は起きていないのだろうが、気になるので情報は聞いておくにこしたことは無い。
奴は、あのスーツを脱ぐことはないのだが、匂いはほとんどしないらしい。アンデッドの嗅覚なので微妙にあてにならないが、俺たちが体を洗っても多少匂いを感じるのに、そいつからはほとんどにおわないのだとか。
深い眠りにつくことも無く、食事のために動物を狩り、保存食を作っているらしい。その匂いの方が強いから、本人の匂いが分かんないんじゃないかな?
とりあえず動いていないことに安心して、動きに注視はしておいてもらう。
50人を殺せば、ウルたちを帰してあげられるので、俺のヤル気は天元突破しているといってもおかしくない。その殺る気が、この殺伐とした空気を生み出しているのだろう。
こうなることが分かっていたので、3人が起きる前に集まっているのだ。帰る方法が分かったので、ライガもバザールも俺の空気に当てられて、テンションをあげている。
バザールがここにいる理由は、ここにいない3人を可能な限り同時に送り返したいので、数を合わせるためにバザールも狩りに参加することになったのだ。サイレントアサシンを操って殺しても、カウントされないと考えて、本体で狩りに参加して散らばっていたサイレントアサシンを拠点の守りに使うことになった。
「新しく送り込まれてくるなら、人の少ないところだと思うけど、南東側は誰が行くか?」
「数を稼いでほしいのは、バザールさんじゃないですか。自分は鼻でお二方よりは敵を見つけやすいので、今の所一番数の少ないバザールさんを優先するのがいいのでは?」
「50になりそうだったら、連れ帰ってもらうことになるけど、それは問題ないよな?」
「了解でござる。本体で動いて拠点を守る分、2人のサポートは最低限になるでござるが、問題ないでござるか?」
「問題ない。情報共有といざって時の呼びかけに反応してくれれば、問題ないな」
「自分かシュウ様が、東と北ですかね。どちらに行きますか?」
「俺が北に行くよ。1人なら油断しないし、ライガより俺の方がああいったエリアは得意だろう。鼻があれば問題ないと思うけど、装備的に俺の方がまだましだからな。ライガは出来るだけ早く、数をこなしてくれ」
話し合いが終わり、綾乃を起こして伝言を残し、今まで以上に気合を入れて行動を開始する。
俺は、意識が研ぎ澄まされる感覚になる。昨日の油断もあり、気合を入れなおしたことも関係しているのか、体の隅々まで思い通りに動く感じがする。この感じ、久しぶりだな。妻たちと嫌々ながら本気の模擬戦をした時以来かな。
あの時は闇落ちみたいになりかけたけど、今回はただただ研ぎ澄まされているだけだ。
ジャングルの地面を走るのは、研ぎ澄まされていてもさすがに面倒なので、今日も木の枝を移動していく。昨日より早く移動しているのに、景色がゆっくりと流れている気がする。
30分も移動すると、昨日の残りか3人の人影を視界の端で捉えた。
進む方向を変え強襲をかける。
上から落下するように降りる最中にターゲット以外の2人に、麻痺ナイフを投げる。ターゲットに攻撃する前に、悲鳴が聞こえる。
驚いたターゲットは俺に対して無防備になり、首を切り落としナイフが刺さり麻痺した2人の心臓を突き刺し、息の根を止めた。
「ふ~、刀を作っておいてよかったな。持ち込めた武器や奪った武器では、こう上手くはいなかったな。間に合わせとはいえ、切れ味のいい武器を作ったのはナイス判断だったな」
刀から血を拭き取り、刃がかけていないか確認する。元の世界なら自動修復をかけるので、血をふき取るだけで問題ないのだが、頑丈に作ったとはいえ刃がかけていないか確認する。
「刀の方は問題なさそうだな。こいつらから得られそうな物は……なさそうだな」
そう考えて、ふと動きを止める。殺して荷物をあさるって、完璧に追い剥ぎの思考だな。帰るためには殺しを強要されているので、問題ないということにしておこう。
次の獲物を探して、移動を開始する。
今日は山のジャングルの中で5人、北へ超えた先の森で7人を仕留めた。
「お疲れさん。今日はどうだった?」
ライガとバザールに今日の成果を聞いた。2人も10人は殺したようで、このままのペースで進めば10日もあれば、全員帰れるな。
「そういえばさ、ここって山を中心に森があって、その外に草原がある感じかな? 西側が狭くて、東側が広い気がするけど、ライガは東の端までいけたか?」
「さすがに到着できていないですが、言われたように東側の方が広い感じがしますね。それと、森の中に開けた草原地帯をもう1つ発見しました。初めの方と同じで人がいた痕跡が所々にありましたね」
「某は、南に抜けて森の境界線上を東に移動したでござる。ライガ殿の外側を移動して、敵を探した感じでござるな」
「この世界って、森だけが生存圏みたいだな。動物は、ダンジョンの魔物みたいに、ドンドン補給されている感じだしな。動物を狩猟して、人間も狩猟する感じの舞台なのかね?」
「シュウ殿、それ以上考えても無駄でござる。神が考えている事なんて、某たちには分かるわけないでござる。人を50も殺せば帰れることが分かっただけ、十分でござろう」
バザールに言われた通りだな。神たちの考えなんて、俺たちが考えても分からんだろうな。
帰ったらチビ神のタブレットやノートパソコンのデータを、全部消してやるからな! 国民的アニメの破壊の言葉をオマージュして登録している。何故オマージュしたかと言えば、不意にチビ神があのアニメを真似て滅びの言葉、閉じよと唱えてしまったら、データが消えてしまうからな。
とはいえ、俺の声が直接天界に届くわけではないので、ちょっと工夫しないといけないんだけどな。俺の渡した機械は全部がリンクしているので、どれかにその言葉が登録されると全部からデータが飛ぶ仕様なんだよな。
チビ神のいい訳を聞いてから、タイミングを見計らって消すことを検討する。
帰れると分かったので、帰った後の事を考え始めている自分に、内心笑っている。
明日も同じコースで移動することが決まり、俺たちの懸念材料の1つのギリースーツの情報を聞くことにした。
バザールから緊急の連絡とかは無かったので、問題は起きていないのだろうが、気になるので情報は聞いておくにこしたことは無い。
奴は、あのスーツを脱ぐことはないのだが、匂いはほとんどしないらしい。アンデッドの嗅覚なので微妙にあてにならないが、俺たちが体を洗っても多少匂いを感じるのに、そいつからはほとんどにおわないのだとか。
深い眠りにつくことも無く、食事のために動物を狩り、保存食を作っているらしい。その匂いの方が強いから、本人の匂いが分かんないんじゃないかな?
とりあえず動いていないことに安心して、動きに注視はしておいてもらう。
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる