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入浴
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私は高校の制服を着ていた。こぼしたスープの染みが黒くなっている。とはいっても、それほど目立つものではない。だけど使用人は「お召し物をかえましょう」と執拗に言う。はぎ取られた衣類がどこへ行ったのやら、押し込まれた浴室は広かった。浅い湯船になみなみと白濁したお湯が満たされていて、肩まで浸かるにはそこに横になる必要があった。変わった浴室だ……と思っていたら、白い服を着た女性達が複数人、入ってくる。完全に気を抜いていた私は即座に正座した。なんだこの人達。
この国では服を着たまま風呂に入るのが普通だったのか。一人用の風呂じゃないからこんなに広いのか。全裸の私が痴女扱いされるんじゃないかと怯えていたら、声もなく女性達が近付いてくる。ちょっと近すぎるんじゃないというところまで来て、私の肩や腕を手に取り始めた。数々の腕を感じて蜘蛛に補食される気分である。
「何をするんですか!」
女性達の柔らかな乳房が目に入る。彼女たちの来ている服は隙間だらけでおよそ機能しない。お湯に濡れて張り付いた薄い白い布。淡い乳首の色が透ける。
わけのわからない彼女たちの行動。私は押さえつけられるように湯船に浸けられた。優しく手足にお湯をかけられる。抵抗を試みるが、意外にも彼女たちは力強くてされるがままになってしまう。かたまっていると、妖精のような手がいくつも私の手足をさすり始めた。くすぐったくて身じろぎする。
「くつろいでくださいませ。お客様ですから」
石鹸が取り出されて、泡で体を洗われた。一人でできる、と何度主張しても意味が無かった。もてなしの一環らしい。きわどい部分まで指が這うのでたまらなかった。美しい女性達の手指を汚してしまう気さえした。
解放される頃にはクタクタだった。脱力状態。何かが尽きた。指の感触をまだ感じている。
着せられた薄い布地はパジャマだろうか。多分そうだ。ぺらぺらだ。
あてがわれた自室は広く、お茶ができそうなスペースや大きなクローゼット、天蓋付きのベッドなどがあった。天蓋付きのベッド! 女子なら一度は憧れるものではないだろうか。むやみやたらとフリルなんかが付いているわけでもなく、上品にモノクロでまとめられた部屋だった。シンプル。なぜだか懐かしいような気がした。この部屋の内装は好みだ。一度腰掛けてみたベッドは、あまりにも柔らかく沈んでいくのでぎょっとした。だけど、自室なのだなぁ、と思う。
ベッドに横たわったまま、ここにやってくる前、何をしていたのか、思い出そうと試みる。何も思い浮かばない。もやがかかったように家族の顔が曖昧で、何も……。バターを塗ったトースト。皿の上にある。多分食べた。誰と? いつ? 朝だった……学校に行く前? 学校で勉強をしていたんだ、毎日のように。それはわかる。それよりも詳しいことを考えようとすると、頭がぼんやりと痛み始める。
ノックの音がした。
「どなたです?」
答えられる前に扉が開いた。くつろぎすぎてめくれていた服の裾を慌てて直す。
「話をしようじゃないか?」
入ってきたのはアルバートだった。
この国では服を着たまま風呂に入るのが普通だったのか。一人用の風呂じゃないからこんなに広いのか。全裸の私が痴女扱いされるんじゃないかと怯えていたら、声もなく女性達が近付いてくる。ちょっと近すぎるんじゃないというところまで来て、私の肩や腕を手に取り始めた。数々の腕を感じて蜘蛛に補食される気分である。
「何をするんですか!」
女性達の柔らかな乳房が目に入る。彼女たちの来ている服は隙間だらけでおよそ機能しない。お湯に濡れて張り付いた薄い白い布。淡い乳首の色が透ける。
わけのわからない彼女たちの行動。私は押さえつけられるように湯船に浸けられた。優しく手足にお湯をかけられる。抵抗を試みるが、意外にも彼女たちは力強くてされるがままになってしまう。かたまっていると、妖精のような手がいくつも私の手足をさすり始めた。くすぐったくて身じろぎする。
「くつろいでくださいませ。お客様ですから」
石鹸が取り出されて、泡で体を洗われた。一人でできる、と何度主張しても意味が無かった。もてなしの一環らしい。きわどい部分まで指が這うのでたまらなかった。美しい女性達の手指を汚してしまう気さえした。
解放される頃にはクタクタだった。脱力状態。何かが尽きた。指の感触をまだ感じている。
着せられた薄い布地はパジャマだろうか。多分そうだ。ぺらぺらだ。
あてがわれた自室は広く、お茶ができそうなスペースや大きなクローゼット、天蓋付きのベッドなどがあった。天蓋付きのベッド! 女子なら一度は憧れるものではないだろうか。むやみやたらとフリルなんかが付いているわけでもなく、上品にモノクロでまとめられた部屋だった。シンプル。なぜだか懐かしいような気がした。この部屋の内装は好みだ。一度腰掛けてみたベッドは、あまりにも柔らかく沈んでいくのでぎょっとした。だけど、自室なのだなぁ、と思う。
ベッドに横たわったまま、ここにやってくる前、何をしていたのか、思い出そうと試みる。何も思い浮かばない。もやがかかったように家族の顔が曖昧で、何も……。バターを塗ったトースト。皿の上にある。多分食べた。誰と? いつ? 朝だった……学校に行く前? 学校で勉強をしていたんだ、毎日のように。それはわかる。それよりも詳しいことを考えようとすると、頭がぼんやりと痛み始める。
ノックの音がした。
「どなたです?」
答えられる前に扉が開いた。くつろぎすぎてめくれていた服の裾を慌てて直す。
「話をしようじゃないか?」
入ってきたのはアルバートだった。
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