英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人

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第6章 漆黒の召喚士

第173話 ユーリヤの実力

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「つまり、魔族を倒す為にダークエルフの女の子とお喋りするお店に入ったんだ。へー」
「いやだから、これも任務な訳でさ」
「で、魔族を倒してダークエルフを救ったお礼に、ダークエルフの女の子を貰って来たんだ。ふーん」

 イロナを連れて来た理由も説明したのだが、相変わらずアタランテの視線が厳しい。
 全てあのロリコン魔族を倒す為に行った事なのだが、どうして無言のプレッシャーを掛けられているのだろうか。

「ハー君、お喋りって楽しいよねー」
「にーに! ユーリヤも、おはなしするのー!」

 エリーがフォローのつもりなのか、それとも皮肉なのか判断が難しい事を言い、ユーリヤもそれに続く。
 だがエリーだし、笑顔だし、前者のつもり……いや、単に喋るのが楽しいという、ただの感想か。
 もちろん、ユーリヤも純粋に話がしたいだけだろう。

「イロナちゃんもー、ヘンリーとお話したいなぁー。時空魔法の事とか、時空魔法の事とか、時空魔法の事とか」
「だから、話さないっての」
「えぇー。お話してくれたらぁー、イロナちゃんの事をいっぱい教えてあげちゃうよぉー? 例えばー、スリーサイズとか」

 イロナ、アタランテが物凄いジト目になっているから、それ以上煽らないでくれよ。
 一先ず、この話題は不毛なので、話を進めよう。

「あー、一先ず話を続けるが、結論から言うと、魔族を倒したものの、エリーのお母さんの行方を知る事は出来なかった。すまない」
「ハー君が謝る事じゃないよ。ハー君はエリーに出来ない事をしてくれた訳だし。お母さんが見つからないのは寂しいけれど……ありがとう」
「まぁ俺の方はアテが外れてしまったけど、フローレンス様が動いてくれているし、きっと見つかるさ」

 エリーを慰めるように頭を撫でていると、ユーリヤが何か言いたそうに、俺の顔をジッと見つめてくる。

「どうしたんだ? ユーリヤも撫でて欲しいのか?」
「うんっ! なでてなでてー!」
「はいはい」
「えへへー……にーに! ちがうのっ!」

 右手でエリーを、左手でユーリヤの頭を撫でていると、突然ユーリヤが身体の向きを変える。
 俺の膝の上で反転し、俺の膝の上にまたがりだした。

「あのね。ねーねのおかあさん、いないの?」
「……あぁ、そうなんだ。魔族に連れ去られたみたいなんだよ」
「にーに! ユーリヤ、ねーねのおかあさんのばしょ、わかるよ!」
「何だって!? 本当か、ユーリヤ!」
「うん! ねーねといっしょにいて、ねーねのまりょくのはけいをおぼえたもん。ほとんどおなじはけいが、あっちにあるよー」

 えーっと、ユーリヤの話を要約すると、ねーね――エリーの魔力の波形? を覚えて、ほぼ同じ波形が向こうにある……って、どういう事だ?
 さっぱりわからん。

『ヘンリーさん。ユーリヤちゃんは人間よりも遥かに高い魔力を持つドラゴンです。私がエルフ族の大まかな魔力の波形――つまりパターンを知っているのと同じように、ユーリヤちゃんもエリーさんの魔力のパターンを知ったという事でしょう』
(つまり、ドラゴンのユーリヤは、種族とかってレベルではなく、個人のレベルで魔力のパターンを認識出来るって事か?)
『おそらく。私には感知出来ないレベルですが、エリーさんとそのお母さんに共通する魔力のパターンをユーリヤちゃんは感知出来るという事なのでしょう』

 マジか。じゃあ、最初からユーリヤに尋ねていれば解決していたのか。

「ユーリヤ。その、あっちっていうのは、結構遠いのか?」
「うーん。むこーのほう」

 よし、わからん。
 とはいえ、ユーリヤに距離を示せといっても無理な話だ。
 一先ず、現時点で分かっているのは南西方向というだけだが、方角が分かっているだけでも十分だろう。

「わかった。ユーリヤ、じゃあ俺があっちへ瞬間移動で行ける、最長の場所へ連れて行くから、そこでまたエリーのお母さんの場所を教えてくれないか?」
「うんっ! わかったー!」
「よし、じゃあ今すぐ行こう。皆はここで待っていてくれ」
「にーに。ねーねは、まりょくのはけいをかくにんしたいから、いっしょにいてほしい」

 エリーも一緒にか。
 ロリコン魔族は倒したものの、まだ魔族が残っていそうなんだが……仕方が無い。
 最悪の場合は、場所だけ確認して一度エリーを瞬間移動で逃がすか。

「じゃあ、ユーリヤとエリーを連れて行くから、アタランテとイロナは……」
「貴方。私も行きますから」
「イロナちゃんも行くよー! イロナちゃん、ヘンリーが戦っている所、見てないしー」

 アタランテとイロナも同行すると言ってきたが、この二人だけで残しておくと、ろくな事にならない気がするから連れて行くか。
 それに、アタランテもイロナも夜目が利きそうだし、ダークエルフのイロナは精霊魔法を使って自分の身を護る事くらいは出来るだろう。
 アタランテの実力は良く知っているので、俺はユーリヤとエリーを護る事に専念しようか。

「わかった。じゃあ、全員で行くぞ。ただし、もう日が落ちているから、探索は一時間だけだ。それで見つけられなければ、明日の朝まで待つぞ」

 そう宣言してワープ・ドアの魔法を使用し、俺が行ける最も南西に位置する場所の一つ、フォレスト・タウンへと移動した。
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