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第65話 上級ダンジョンへ
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「≪アース・ウォール≫! 次、左から魔物が来ます!」
右前方にある、通ると矢が発射される罠を事前に塞ぎつつ、左手から来る新手に備える。
上級ダンジョンは、複数の地形パターンの組み合わせで作られるので、十パターンしかない中級ダンジョンよりも、少しややこしい。
とは言え、完全にランダムの隠しダンジョンに比べればマシだし、パターンをほぼ把握しているので、中級ダンジョンと同じようにノーダメージで進んで行く。
「なんだろう。ルーシーと一緒に居ると、上級ダンジョンが凄く簡単に感じてしまうんだけど」
「そうよね。上級ダンジョンって、もっとギリギリの戦いで、半分くらいで戻るのかなって思っていたわ」
「えっと、リラックスするのは良いですけど、気を抜くのはダメですからね?」
中級ダンジョンで回避力が上がる短剣を手に入れたから、私が前衛に立とうとしたんだけど、結局ローランドさんが前に立つ事に。
中級ダンジョンと同じ陣形で進んで行き、今回もあっさりボスの部屋にたどり着く事が出来た。
「さて、どうしようか。上級ダンジョンでボスの部屋まで来られると思っていなかったんだけど……中へ入るかい? 中級のボスと戦った後だし、連戦になっちゃうけど」
ローランドさんが立ち止まり、私たちを振り返ると、すぐにメリッサさんが口を開く。
「ここまで来たんだし、サクッと倒しちゃう? 私の火魔法でこんがり焼いてあげるわっ!」
「あの、メリッサさん。火魔法が強力なのは十二分に分かっていますが、相手の弱点の属性で攻撃してくださいね?」
「ミノタウロスの事を言っているなら、ちゃんと弱点を突いて火魔法を使ったじゃない。それより、行きましょう」
いや、ミノタウロスの弱点は氷なんだってば。
まぁ全員無事ならそれで良いんだけどね。
「二人とも、これから上級ボスと戦うんだから、仲良くしような」
「な、何を言っているのよ、ローランド! 私とルーシーさんは、とっても仲が良いわよ! ね?」
「は、はぁ……まぁ別に仲が悪い訳ではないと思いますけど」
急にメリッサさんから腕を組まれ、ちょっと戸惑ったけど、嫌いという訳でもないので、思った事をそのまま答え、ボスの部屋へ入る事に。
上級のボスは十種類の魔物からランダムで決まるんだけど、今回はなんだろうか。
パーティ的に、遠距離攻撃だけで倒せる相手だと嬉しいんだけど。
三人で扉の奥へ進んで行くと……巨大な鏡が置かれていた。
最悪だ。十種類居る中で、このパーティでは唯一勝てない魔物が出てしまっていた。
「ローランドさん、メリッサさん。退却しましょう。私たちでは、あの魔物に勝てません」
「ふむ。そうなのか? ルーシーが言うなら、かなり信憑性が高そうだな」
良かった。ローランドさんが話のわかる人で。
「はい。あの魔物は、イビルミラーっていうんですけど、火水風土光闇の魔法を反射……」
「何を言っているの? あんなのただの鏡じゃない。先手必勝で攻撃しちゃえば良いのよ」
「ダメっ! 今説明していたじゃない! あいつは、魔法を……」
「≪サンダー・ストーム≫」
あぁぁぁっ! だから、あいつは魔法を反射して、その上何倍にも強くして返してくるのよっ!
だから、前衛の物理攻撃で倒すのがセオリーなのにっ!
大慌てで土の壁を生み出したけど、防ぎきれないっ!
「くっ! 二人とも大丈夫ですかっ!?」
「……俺は、何とか」
「……」
メリッサさんの返事がないっ!
大丈夫なのっ!?
右前方にある、通ると矢が発射される罠を事前に塞ぎつつ、左手から来る新手に備える。
上級ダンジョンは、複数の地形パターンの組み合わせで作られるので、十パターンしかない中級ダンジョンよりも、少しややこしい。
とは言え、完全にランダムの隠しダンジョンに比べればマシだし、パターンをほぼ把握しているので、中級ダンジョンと同じようにノーダメージで進んで行く。
「なんだろう。ルーシーと一緒に居ると、上級ダンジョンが凄く簡単に感じてしまうんだけど」
「そうよね。上級ダンジョンって、もっとギリギリの戦いで、半分くらいで戻るのかなって思っていたわ」
「えっと、リラックスするのは良いですけど、気を抜くのはダメですからね?」
中級ダンジョンで回避力が上がる短剣を手に入れたから、私が前衛に立とうとしたんだけど、結局ローランドさんが前に立つ事に。
中級ダンジョンと同じ陣形で進んで行き、今回もあっさりボスの部屋にたどり着く事が出来た。
「さて、どうしようか。上級ダンジョンでボスの部屋まで来られると思っていなかったんだけど……中へ入るかい? 中級のボスと戦った後だし、連戦になっちゃうけど」
ローランドさんが立ち止まり、私たちを振り返ると、すぐにメリッサさんが口を開く。
「ここまで来たんだし、サクッと倒しちゃう? 私の火魔法でこんがり焼いてあげるわっ!」
「あの、メリッサさん。火魔法が強力なのは十二分に分かっていますが、相手の弱点の属性で攻撃してくださいね?」
「ミノタウロスの事を言っているなら、ちゃんと弱点を突いて火魔法を使ったじゃない。それより、行きましょう」
いや、ミノタウロスの弱点は氷なんだってば。
まぁ全員無事ならそれで良いんだけどね。
「二人とも、これから上級ボスと戦うんだから、仲良くしような」
「な、何を言っているのよ、ローランド! 私とルーシーさんは、とっても仲が良いわよ! ね?」
「は、はぁ……まぁ別に仲が悪い訳ではないと思いますけど」
急にメリッサさんから腕を組まれ、ちょっと戸惑ったけど、嫌いという訳でもないので、思った事をそのまま答え、ボスの部屋へ入る事に。
上級のボスは十種類の魔物からランダムで決まるんだけど、今回はなんだろうか。
パーティ的に、遠距離攻撃だけで倒せる相手だと嬉しいんだけど。
三人で扉の奥へ進んで行くと……巨大な鏡が置かれていた。
最悪だ。十種類居る中で、このパーティでは唯一勝てない魔物が出てしまっていた。
「ローランドさん、メリッサさん。退却しましょう。私たちでは、あの魔物に勝てません」
「ふむ。そうなのか? ルーシーが言うなら、かなり信憑性が高そうだな」
良かった。ローランドさんが話のわかる人で。
「はい。あの魔物は、イビルミラーっていうんですけど、火水風土光闇の魔法を反射……」
「何を言っているの? あんなのただの鏡じゃない。先手必勝で攻撃しちゃえば良いのよ」
「ダメっ! 今説明していたじゃない! あいつは、魔法を……」
「≪サンダー・ストーム≫」
あぁぁぁっ! だから、あいつは魔法を反射して、その上何倍にも強くして返してくるのよっ!
だから、前衛の物理攻撃で倒すのがセオリーなのにっ!
大慌てで土の壁を生み出したけど、防ぎきれないっ!
「くっ! 二人とも大丈夫ですかっ!?」
「……俺は、何とか」
「……」
メリッサさんの返事がないっ!
大丈夫なのっ!?
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