神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第2話 ゴミスキルで出会った、喋るゴミ

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 何かに呼ばれた気がして辿り着いたのは、ボロボロの廃墟……いや、古い遺跡かな?
 いずれにせよ、建物とは呼べない壁の残骸に沿って進んで行くと、

『そのまま真っすぐ……その先。その先に私が居ます』

 再び謎の声が聞こえて来た。
 何かは分からないけれど、僕に呼び掛けているのは間違いない。
 そう確信して歩いて行くと……そこにあったのはゴミの山だった。

「これは……そうか。僕の≪ゴミ≫スキルのせいだったんだ。どんなスキルなのか知らなかったけど、まさかゴミに引き寄せられるっていう、本当のゴミスキルだったなんて」

 少しだけ……ほんの少しだけ期待してしてしまったんだ。
 この≪ゴミ≫スキルっていうのが、実はいわゆるゴミスキルではなくて、本当は隠れた力を秘めた凄いスキルだった……なんて、都合の良い展開を。
 だけど現実にそんな事が起こる訳がなく、目の前にあるのは、打ち捨てられたゴミだけ。
 くっ……どうして、僕がこんな目にっ!
 そう思った時には、いつの間にか僕は真銀の杖を握っていて、

「≪サンダーボルト≫っ!」

 唯一まともに使える、雷の攻撃魔法をゴミの山に向けて放っていた。
 ただの八つ当たりだというのは分かっている。
 こんな事をしても、僕が強力なスキルを得られる訳でも無いし、家に帰れる訳でもない。
 ただ、夜に魔物と戦闘となった時に使う、攻撃魔法一回分の魔力を無駄にしてしまっただけだ。

「……はぁ」

 なので自然と溜息が出てしまい、改めて今日の寝床をどうしようかと思った所で、

『呼び掛けに応じていただき、ありがとうございます。その上、私が必要としている電気エネルギーまで提供してくださるなんて。この御恩は決して忘れません。……ですから、恩返しをさせていただく為にも、私を連れて行ってくれませんか?』

 僕をここまで連れて来た、あの声が再び聞こえて来た。
 声がした方を見てみると、僕が雷魔法で吹き飛ばしたゴミの山があった場所に、ポツンと小さな銀色のカードみたいな物が落ちている。
 掌に収まる程の大きさのそれを拾うと、

『貴方様が私を助けてくださったのですね! うん。若くて、見た目もカッコ良いし、何より雷魔法が使えるというのが素晴らしいです! 不束者ですが、これから末永く宜しくお願い致しますね』

 カードが喋った!
 やっぱり、僕をここまで連れて来たのは、このカード……というか、このゴミなんだ。
 ……でも、ゴミスキルがゴミと会話出来るスキルだとすると、山ほどあった他のゴミが話し掛けて来なかったのは何故だろうか。

『あの、ご主人様? 私の事を無視しないでいただけると嬉しいです。ちょっと悲しくなりますし』
「……あの、ゴミさん。ちょっとうるさいです」
『……まさかとは思いますが、ゴミさんって、私の事ですかっ!? 何を仰るんですかっ! 私は人型古代兵器、シャルロットと言います! 今は色々あって機能が制限されていますが、私は決してゴミなどではないのですっ!』
「……人型の、古代兵器? このカードが?」
『で、ですから、今は機能が制限されているんですっ! それに、今の姿はカードではなく、マジックフォン……いわゆる、マジホですっ!』

 マジホ……って何だ?
 いずれにせよ、ゴミである事に変わりないんだけど……って、こんな事をしている間に陽が落ちたっ!

「しまった! 早く安全に眠れる場所を探さなきゃ!」
『なるほど。安全な場所をお探しでしたら、そこを真っ直ぐ行った所で、右へ行ってください』
「ん? えーっと、シャルロットは安全な場所を知っているの?」
『はい。その突き当たりの壁の左下に、小さな隠し扉がありますので、そこへ入っていただければと』

 シャルロットに教えてもらった通りに進むと、本当に隠し扉があった。
 鍵は掛かっていないものの、開けるには手順が必要らしく……それもシャルロットが教えてくれて、無事に中へ。
 扉の中は小さな部屋になっていて、見た事のない不思議なアイテムがいっぱいある。

『ここは魔物が入って来る事は無いので安全です。あと、そこの棚にある缶詰をスキャンし、食べても問題ないと判定しました。尚、壁にかけられている魔銃は……残念ながら壊れているので、ゴミですね。ですが骨董品的価値があるので、いくつか持って行くのも良いかと』
「一気に言われても分からないよ。とりあえず、ここは安全なんだね」
『はい。あと、そこの缶詰……はい、それです。その蓋を引っ張って開けていただければ……それは、食べられますので』

 シャルロットに言われ、缶詰とやらを開けると、中に美味しそうな魚肉が入っていて、

「……美味しい! こんなの今まで食べた事ないっ!」

 空腹だった事もあって、一気に食べてしまった。

「シャルロットは、この遺跡の事は何でも知っているんだね」
『いえ、違います。この遺跡の事だけでなく、この世界の大半の事は分かります。明日の天気から、小麦の相場。あと、暇潰しのゲームまで出来ますよ』
「ゲーム……っていうのは分からないけど、シャルロットが凄そうなのは分かったよ」
『はい。現在は失われてしまった技術により作られた、マジホですから』

 それから暫くシャルロットとお喋りして……僕はいつの間にか、眠ってしまっていた。
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