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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
挿話2 バカ貴族マルク=ロレーヌ
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「あの、先生。出来ました」
先程の錬金魔法授業で、聖水を作ったと騒がせたソフィアとかいう平民の女が、またもや初めて使うという、精霊魔法を成功させた。
こいつ……錬金魔法や精霊魔法を初めて使ったというのは、嘘ではないのか!?
俺様が初めて錬金魔法を成功させたのは、本当は十三歳の時だ。
精霊魔法だって成功させたのは十四歳の時で、三週間掛かったというのに!
「ふはははは……ま、まぁ、中々やるではないか。だが、何だ!? その白い精霊は。そんな変な精霊など、見た事がないぞ!?」
「なっ……これは、ウィル・オー・ウィスプ!? 初めて精霊魔法を使って、すぐさま成功させた上に、光の精霊を具現化させるなんて! ……ヴィクトール先生から聞いていましたが、ソフィアさんは本当に凄いのですね」
む……光の精霊だと!?
先程の聖水といい、この女は神に選ばれた者だというのか!?
全ての魔法の中で、唯一治癒を行う事が出来る神聖魔法……俺はこの魔法が使いたくて、幼少期を神聖魔法の練習に費やした。
だが、どうしても神聖魔法は使えず、助言を求めて招いた魔法の先生から、そもそも神聖魔法をはじめとする光属性の魔法は、神に選ばれた者にしか使えないと教えられた。
何故だ! 何故、こんな平民の女に、俺が使いたかった光の魔法がつかえるのだ!?
光魔法や治癒魔法を使う事が出来たら、正に英雄……格好良い俺が、更に格好良くなれるのに!
「……先生、出来ましたけど」
「リュカ君は、中級精霊魔法のイフリートですか。素晴らしいです。流石はSクラスの方々ですね」
な、何っ!?
あの無口な男……火の中級精霊イフリートを具現化させただと!?
ふっ……流石はSクラスといったところか。
これは俺も本気を出さねばなるまい。
奴がイフリートならば、俺様は上級精霊のフェニックスだ!
見てろよ! 俺の魔力を全て注ぎ込み……どうだっ!
「ふははははっ! 俺様も少しばかり本気を出してやったぞ」
「うん。マルク様も、ちゃんと下級精霊のサラマンダーが具現化出来ましたね」
「か、下級精霊だと!? よく見てみよ! これは上級精霊のフェニックスではないか」
「いえ、フェニックスは、こんなに小さな力ではないのです」
「小さな力? 何を言う! 俺様が全力を出したんだぞ!? それがサラマンダーの訳が無いであろう! これはフェニックスだ! そうであろう!?」
かつて家に招いた魔法の先生も、これがフェニックスだと言っていた。
だから、これがフェニックスに間違いないのだ!
「いえ、ですが……」
「……知っていると思うが、我がロレーヌ家は、このアストリア魔法学校に多額の寄付をしており、また父上は学長と仲が良く……」
「……そうでした。それがフェニックスでした。おっと、そうこうしている内に、私の授業はお仕舞いですね。ソフィアさん……本日具現化させた感覚を忘れずに、精霊の存在を身近に感じてあげてくださいね」
そう言って、精霊魔法の教師が逃げるようにして教室を出て行った。
その直後、
「ねぇ、貴方。せっかく魔法学校へ入学したんだから、素直に先生の話を聞いたら?」
例の平民女が、ジト目で俺に何か言ってきた。
な、何なんだ!?
平民で、しかも女くせに、俺様へ意見するだと!?
俺が誰か知らないのか!?
ロレーヌ家の長男なんだぞ!?
「ふ……ふはははは。面白い。平民のくせに、俺様へ指図したな? それがどういう意味か、身をもって知るが良い!」
同じクラスという事もあって、平民でも話し掛けてやったが……目に物見せてやろう!
先程の錬金魔法授業で、聖水を作ったと騒がせたソフィアとかいう平民の女が、またもや初めて使うという、精霊魔法を成功させた。
こいつ……錬金魔法や精霊魔法を初めて使ったというのは、嘘ではないのか!?
俺様が初めて錬金魔法を成功させたのは、本当は十三歳の時だ。
精霊魔法だって成功させたのは十四歳の時で、三週間掛かったというのに!
「ふはははは……ま、まぁ、中々やるではないか。だが、何だ!? その白い精霊は。そんな変な精霊など、見た事がないぞ!?」
「なっ……これは、ウィル・オー・ウィスプ!? 初めて精霊魔法を使って、すぐさま成功させた上に、光の精霊を具現化させるなんて! ……ヴィクトール先生から聞いていましたが、ソフィアさんは本当に凄いのですね」
む……光の精霊だと!?
先程の聖水といい、この女は神に選ばれた者だというのか!?
全ての魔法の中で、唯一治癒を行う事が出来る神聖魔法……俺はこの魔法が使いたくて、幼少期を神聖魔法の練習に費やした。
だが、どうしても神聖魔法は使えず、助言を求めて招いた魔法の先生から、そもそも神聖魔法をはじめとする光属性の魔法は、神に選ばれた者にしか使えないと教えられた。
何故だ! 何故、こんな平民の女に、俺が使いたかった光の魔法がつかえるのだ!?
光魔法や治癒魔法を使う事が出来たら、正に英雄……格好良い俺が、更に格好良くなれるのに!
「……先生、出来ましたけど」
「リュカ君は、中級精霊魔法のイフリートですか。素晴らしいです。流石はSクラスの方々ですね」
な、何っ!?
あの無口な男……火の中級精霊イフリートを具現化させただと!?
ふっ……流石はSクラスといったところか。
これは俺も本気を出さねばなるまい。
奴がイフリートならば、俺様は上級精霊のフェニックスだ!
見てろよ! 俺の魔力を全て注ぎ込み……どうだっ!
「ふははははっ! 俺様も少しばかり本気を出してやったぞ」
「うん。マルク様も、ちゃんと下級精霊のサラマンダーが具現化出来ましたね」
「か、下級精霊だと!? よく見てみよ! これは上級精霊のフェニックスではないか」
「いえ、フェニックスは、こんなに小さな力ではないのです」
「小さな力? 何を言う! 俺様が全力を出したんだぞ!? それがサラマンダーの訳が無いであろう! これはフェニックスだ! そうであろう!?」
かつて家に招いた魔法の先生も、これがフェニックスだと言っていた。
だから、これがフェニックスに間違いないのだ!
「いえ、ですが……」
「……知っていると思うが、我がロレーヌ家は、このアストリア魔法学校に多額の寄付をしており、また父上は学長と仲が良く……」
「……そうでした。それがフェニックスでした。おっと、そうこうしている内に、私の授業はお仕舞いですね。ソフィアさん……本日具現化させた感覚を忘れずに、精霊の存在を身近に感じてあげてくださいね」
そう言って、精霊魔法の教師が逃げるようにして教室を出て行った。
その直後、
「ねぇ、貴方。せっかく魔法学校へ入学したんだから、素直に先生の話を聞いたら?」
例の平民女が、ジト目で俺に何か言ってきた。
な、何なんだ!?
平民で、しかも女くせに、俺様へ意見するだと!?
俺が誰か知らないのか!?
ロレーヌ家の長男なんだぞ!?
「ふ……ふはははは。面白い。平民のくせに、俺様へ指図したな? それがどういう意味か、身をもって知るが良い!」
同じクラスという事もあって、平民でも話し掛けてやったが……目に物見せてやろう!
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