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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
挿話10 手作りクッキーで喜ぶ堕天使シェムハザ
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ソフィアちゃんが、可愛くラッピングされた手作りクッキーをプレゼントしてくれたかと思ったら、恥ずかしがってリターンの魔法を使い、俺を天界へ押し返してしまった。
いやー、そういうピュアな所が良いよね。
俺にプレゼントを渡す為、わざわざ人気の無い場所と時間を選んで召喚魔法を使ってさ。
……ふふふ。そんな恥ずかしがり屋さんで奥手なソフィアちゃんに、あんな事やこんな事をしちゃうんだ!
穢れを知らない無垢な少女を、ゆっくりと穢していく……ぉぉぉ、やばぃ。超楽しい!
「ふんふんふんふーん」
「む! シェムハザ……って、一体どうしたんだ? ニヤニヤしながら鼻歌なんて」
「あ、ミカエルちゃーん! ちょっと聞いてくれよー! 実は……っと思ったけど、やっぱ止めた」
「なんだよ。言い掛けたんなら、最後まで言えよな」
「いやー、だってお前はちょっとお堅いというか……まぁいいじゃないか」
危ない危ない。
ソフィアちゃんが余りにも可愛くて、つい手作りクッキーの事を自慢したくなったけど、そもそも地上まで行ってソフィアちゃんに会って来たっていう時点で、天界的にはかなり黒に近いグレーゾーンだからな。
人間が神聖魔法を使って、天界の天使を呼び出すのは良いのに、召喚魔法で呼び出すのは微妙だという謎のしきたりなんて、とっとと捨ててしまえば良いのに。
「ん……ちょっと待て。お前、それ……手に何を持っているんだ?」
「何……って、ただのクッキーだが?」
「クッキーだが? ……って、地上の食べ物じゃないか。どうして、そんな物が天界にあるんだよ! お前、まさか……」
「違う、違う。お供え物だよ、お供え物。ミカエルちゃんだってあるだろ? あんまり似てないミカエル像に、地上で人間が供物を捧げる事が。そのお供え物が、天界に転送されただけだよ」
「あー、まぁそういう事なら確かによくある事だが……しかし、大天使である僕はともかく、地上にお前の像なんてあるのか?」
「あるの、あるの。ちょっとマイナーだけど、あるにはあるんだよ」
ソフィアちゃんの手作りクッキーが見つかってしまったけど、適当な事を言っていたら、ミカエルが「そういうものか……」と納得し、引き下がる。
ふっ……ミカエルもまだまだだな。
小うるさいミカエルがどこかへ行ったので、改めて物見の湖へ移動し、
「ソーフィーアーちゃーんっ! クッキーありがとね!」
家に帰ろうとしているのか、小走りで走るソフィアちゃんを眺めながら、お礼を伝える。
もちろん俺の声なんて届いていないけど、こういうのは気持ちだからね。
「さて、ハァハァと息を弾ませ、頬をほんのりと紅く染めたソフィアちゃんを眺めながら、手作りのクッキーをいただ……おぉぉぉっ!? ソフィアちゃんったら。また俺が見ている事に気付いたのか? ……はっ! これはつまり、俺の視線に気付いたソフィアちゃんの照れ隠しのツッコミでは!?」
ただ、ちょーっとツッコミが激し過ぎるけど。
こんなの並の悪魔だったら、かするだけで消滅しちゃうゾ!
「おい! また白い柱が……って、またお前か。しかも、物見の湖から見ている相手も、前と同じ少女じゃないか」
「大丈夫だ。アレはただのツッコミだからな」
「ツッコミ……って、お前は何を言っているんだ? ……待て。お前の手の中にある、そのクッキー? は、何だ? 聖なる魔力が付与されているんだが」
「見ての通り、ただのクッキーだよ。言っておくが、俺の物だから一枚たりともやらないぞ!」
「いや、貰おうとも思っていないが……しかし、そんな物を食べて大丈夫なのか!? クッキーとは思えない、かなりヤバい代物な気がするんだが……って躊躇なく食べたっ!」
「当たり前だっ! 俺の為にわざわざ作ってくれたんだぞ!? 作ってくれた人の気持ちを考えたら、食べる以外に選択肢は……無……い」
「おい! シェムハザ!? シェムハザーっ!」
ソフィアちゃんが作ってくれたクッキーは、野菜の味が強い。
きっと俺の健康を気遣ってくれたのだろう。
だが、それ以上にこの聖なる魔力がヤバい。
身体が……身体が浄化されていくみたいだっ!
「……はっ! あー、ビックリした」
「お、おい。大丈夫なのか?」
「当然だ。その……あれだ。あまりの旨さにビックリしただけだ」
「……そ、そうなのか? ちなみに、そのクッキーを食べたからだと思うが、お前の黒い羽が、半分近く白色に変わっているからな?」
「えぇっ!? な、なんだってーっ!」
ソフィアちゃんを俺色に染めるつもりが、俺の方が染められているじゃないかっ!
いやー、そういうピュアな所が良いよね。
俺にプレゼントを渡す為、わざわざ人気の無い場所と時間を選んで召喚魔法を使ってさ。
……ふふふ。そんな恥ずかしがり屋さんで奥手なソフィアちゃんに、あんな事やこんな事をしちゃうんだ!
穢れを知らない無垢な少女を、ゆっくりと穢していく……ぉぉぉ、やばぃ。超楽しい!
「ふんふんふんふーん」
「む! シェムハザ……って、一体どうしたんだ? ニヤニヤしながら鼻歌なんて」
「あ、ミカエルちゃーん! ちょっと聞いてくれよー! 実は……っと思ったけど、やっぱ止めた」
「なんだよ。言い掛けたんなら、最後まで言えよな」
「いやー、だってお前はちょっとお堅いというか……まぁいいじゃないか」
危ない危ない。
ソフィアちゃんが余りにも可愛くて、つい手作りクッキーの事を自慢したくなったけど、そもそも地上まで行ってソフィアちゃんに会って来たっていう時点で、天界的にはかなり黒に近いグレーゾーンだからな。
人間が神聖魔法を使って、天界の天使を呼び出すのは良いのに、召喚魔法で呼び出すのは微妙だという謎のしきたりなんて、とっとと捨ててしまえば良いのに。
「ん……ちょっと待て。お前、それ……手に何を持っているんだ?」
「何……って、ただのクッキーだが?」
「クッキーだが? ……って、地上の食べ物じゃないか。どうして、そんな物が天界にあるんだよ! お前、まさか……」
「違う、違う。お供え物だよ、お供え物。ミカエルちゃんだってあるだろ? あんまり似てないミカエル像に、地上で人間が供物を捧げる事が。そのお供え物が、天界に転送されただけだよ」
「あー、まぁそういう事なら確かによくある事だが……しかし、大天使である僕はともかく、地上にお前の像なんてあるのか?」
「あるの、あるの。ちょっとマイナーだけど、あるにはあるんだよ」
ソフィアちゃんの手作りクッキーが見つかってしまったけど、適当な事を言っていたら、ミカエルが「そういうものか……」と納得し、引き下がる。
ふっ……ミカエルもまだまだだな。
小うるさいミカエルがどこかへ行ったので、改めて物見の湖へ移動し、
「ソーフィーアーちゃーんっ! クッキーありがとね!」
家に帰ろうとしているのか、小走りで走るソフィアちゃんを眺めながら、お礼を伝える。
もちろん俺の声なんて届いていないけど、こういうのは気持ちだからね。
「さて、ハァハァと息を弾ませ、頬をほんのりと紅く染めたソフィアちゃんを眺めながら、手作りのクッキーをいただ……おぉぉぉっ!? ソフィアちゃんったら。また俺が見ている事に気付いたのか? ……はっ! これはつまり、俺の視線に気付いたソフィアちゃんの照れ隠しのツッコミでは!?」
ただ、ちょーっとツッコミが激し過ぎるけど。
こんなの並の悪魔だったら、かするだけで消滅しちゃうゾ!
「おい! また白い柱が……って、またお前か。しかも、物見の湖から見ている相手も、前と同じ少女じゃないか」
「大丈夫だ。アレはただのツッコミだからな」
「ツッコミ……って、お前は何を言っているんだ? ……待て。お前の手の中にある、そのクッキー? は、何だ? 聖なる魔力が付与されているんだが」
「見ての通り、ただのクッキーだよ。言っておくが、俺の物だから一枚たりともやらないぞ!」
「いや、貰おうとも思っていないが……しかし、そんな物を食べて大丈夫なのか!? クッキーとは思えない、かなりヤバい代物な気がするんだが……って躊躇なく食べたっ!」
「当たり前だっ! 俺の為にわざわざ作ってくれたんだぞ!? 作ってくれた人の気持ちを考えたら、食べる以外に選択肢は……無……い」
「おい! シェムハザ!? シェムハザーっ!」
ソフィアちゃんが作ってくれたクッキーは、野菜の味が強い。
きっと俺の健康を気遣ってくれたのだろう。
だが、それ以上にこの聖なる魔力がヤバい。
身体が……身体が浄化されていくみたいだっ!
「……はっ! あー、ビックリした」
「お、おい。大丈夫なのか?」
「当然だ。その……あれだ。あまりの旨さにビックリしただけだ」
「……そ、そうなのか? ちなみに、そのクッキーを食べたからだと思うが、お前の黒い羽が、半分近く白色に変わっているからな?」
「えぇっ!? な、なんだってーっ!」
ソフィアちゃんを俺色に染めるつもりが、俺の方が染められているじゃないかっ!
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