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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第40話 アルフレッドに教わる、完璧な休日?
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「ソフィアさん。あの……また寮のすぐ傍にお迎えが来ていますけど」
二度目の週末。
朝食を済ませ、今日は何をしようかと考えていると、先週と同様に寮長さんが部屋に来た。
お迎えって、またアルフレッドだろうか……って、忘れてたっ!
今日はアルフレッドが完璧な休日を教えてくれる日だったんだ。
「シロ。ちょっとお出掛けてくるけど、夕方までには帰ってくるから」
「うん。いってらっしゃーい!」
シロのご飯を多めに出しておき、寮の外へ行くと、
「おはよう、ソフィア。今日は俺が完璧な休日をエスコートしよう」
メイドさんではなく、アルフレッド自ら寮まで来ていた。
「えぇ、よろしくね。私も、しっかり勉強させてもらうから」
「あぁ、任せろ。では先ず、歌劇を鑑賞しよう」
「歌劇? それって、要はお芝居って事?」
「まぁそうだな。最近、巷で話題になっている歌劇で、笑えるし、感動も出来る優れた内容らしい」
「ふーん。そうなんだ」
聖女をしていた頃、王族の人や貴族の人から、時折お芝居の話を聞いた事はあったけど、実際に自分で見た事はない。
馬車の中で、今から見に行くお芝居の話の概要を聞いている内に目的地へ着き、大きなホールの真ん中へ。
「凄く沢山の人が見に来ているのね」
「あぁ、本当に面白くて、大人気なんだ。このチケットを手に入れるのは、父上でも中々……こほん。何でもない。それより、そろそろ始まるみたいだぞ」
アルフレッドに言われて舞台に目を向けると、早速お芝居が始まり……気付いたら終わりを迎えていた。
お芝居の内容は、国家間の戦争に巻き込まれ、捕虜にされてしまった父子のお話なんだけど、捕虜にされてしまった子供を励ますため、おどけた調子のお父さんが良い意味で嘘を吐き、機転を利かせ……聞いていた通りの笑えて、でも最後は感動で涙するお話だった。
「凄かったわ……あのお話って、本当にあった話なのかしら」
「どうなんだろうな。ただ、あの父親は凄かったな」
「そうね。あそこまで子供を大切にしてくれる父親は素晴らしいわね」
私は幼い頃に両親を亡くし、ずっと教会で育ったから、あぁいう親の愛みたいなのは、よく分からない。
だけど自分に子供が出来たら、誰しもがお芝居の中の父親のように、沢山愛情を注ぐものなのだろうか。
「ねぇ。アルフレッドは父親になったら、いっぱい愛してあげる?」
「も、もちろんだっ! 安心しろ! 俺はソフィアにも、その子供にも愛情を注ぎ、立派な父親になってみせる!」
……どうして、そこで私の名前が出て来るんだろう?
正直、そこは意味が分からなかったけど、やっぱり子供に愛情を注ぐものよね。
それから再び馬車へ戻り、今度は昼食を食べに行くと言って、何処かへ移動し始める。
「ソフィアは、何を食べたいとかっていう希望はあるか?」
「え? 何でも良いわよ?」
「そうか。ならば、馴染みの店があるから、そこへ行こう」
「うん。任せるわよ」
うーん……完璧な休日って、結構色々な所へ行かないといけないのね。
歌劇の感想を話しながら少し移動すると、アルフレッドの言う馴染みのお店に着いた。
「いらっしゃいませ。アルフレッド様、どうぞこちらへ」
何だか、凄く高級そうなお店だけど、大丈夫かな?
私、あんまりお金を使いたくないんだけどな。
「ねぇ、アルフレッド。私、あんまりお金を持ってないよ?」
「ん? いや、今日はソフィアが支払う事はないぞ? というか、俺は貴族だからな。そういう事は気にするな」
「え……そういうものなの?」
「そういうものさ」
でも、これってつまり、アルフレッドが教えようとしてくれている完璧な休日って、貴族じゃないと出来ないって事なの?
いただいたお昼ご飯は凄く美味しかったけど、ちょっと困っていると、
「うぉい! ソフィアちゃん! その男は何なんだぁぁぁっ!」
お店を出たところで、翼の無いジェムハザが現れた。
二度目の週末。
朝食を済ませ、今日は何をしようかと考えていると、先週と同様に寮長さんが部屋に来た。
お迎えって、またアルフレッドだろうか……って、忘れてたっ!
今日はアルフレッドが完璧な休日を教えてくれる日だったんだ。
「シロ。ちょっとお出掛けてくるけど、夕方までには帰ってくるから」
「うん。いってらっしゃーい!」
シロのご飯を多めに出しておき、寮の外へ行くと、
「おはよう、ソフィア。今日は俺が完璧な休日をエスコートしよう」
メイドさんではなく、アルフレッド自ら寮まで来ていた。
「えぇ、よろしくね。私も、しっかり勉強させてもらうから」
「あぁ、任せろ。では先ず、歌劇を鑑賞しよう」
「歌劇? それって、要はお芝居って事?」
「まぁそうだな。最近、巷で話題になっている歌劇で、笑えるし、感動も出来る優れた内容らしい」
「ふーん。そうなんだ」
聖女をしていた頃、王族の人や貴族の人から、時折お芝居の話を聞いた事はあったけど、実際に自分で見た事はない。
馬車の中で、今から見に行くお芝居の話の概要を聞いている内に目的地へ着き、大きなホールの真ん中へ。
「凄く沢山の人が見に来ているのね」
「あぁ、本当に面白くて、大人気なんだ。このチケットを手に入れるのは、父上でも中々……こほん。何でもない。それより、そろそろ始まるみたいだぞ」
アルフレッドに言われて舞台に目を向けると、早速お芝居が始まり……気付いたら終わりを迎えていた。
お芝居の内容は、国家間の戦争に巻き込まれ、捕虜にされてしまった父子のお話なんだけど、捕虜にされてしまった子供を励ますため、おどけた調子のお父さんが良い意味で嘘を吐き、機転を利かせ……聞いていた通りの笑えて、でも最後は感動で涙するお話だった。
「凄かったわ……あのお話って、本当にあった話なのかしら」
「どうなんだろうな。ただ、あの父親は凄かったな」
「そうね。あそこまで子供を大切にしてくれる父親は素晴らしいわね」
私は幼い頃に両親を亡くし、ずっと教会で育ったから、あぁいう親の愛みたいなのは、よく分からない。
だけど自分に子供が出来たら、誰しもがお芝居の中の父親のように、沢山愛情を注ぐものなのだろうか。
「ねぇ。アルフレッドは父親になったら、いっぱい愛してあげる?」
「も、もちろんだっ! 安心しろ! 俺はソフィアにも、その子供にも愛情を注ぎ、立派な父親になってみせる!」
……どうして、そこで私の名前が出て来るんだろう?
正直、そこは意味が分からなかったけど、やっぱり子供に愛情を注ぐものよね。
それから再び馬車へ戻り、今度は昼食を食べに行くと言って、何処かへ移動し始める。
「ソフィアは、何を食べたいとかっていう希望はあるか?」
「え? 何でも良いわよ?」
「そうか。ならば、馴染みの店があるから、そこへ行こう」
「うん。任せるわよ」
うーん……完璧な休日って、結構色々な所へ行かないといけないのね。
歌劇の感想を話しながら少し移動すると、アルフレッドの言う馴染みのお店に着いた。
「いらっしゃいませ。アルフレッド様、どうぞこちらへ」
何だか、凄く高級そうなお店だけど、大丈夫かな?
私、あんまりお金を使いたくないんだけどな。
「ねぇ、アルフレッド。私、あんまりお金を持ってないよ?」
「ん? いや、今日はソフィアが支払う事はないぞ? というか、俺は貴族だからな。そういう事は気にするな」
「え……そういうものなの?」
「そういうものさ」
でも、これってつまり、アルフレッドが教えようとしてくれている完璧な休日って、貴族じゃないと出来ないって事なの?
いただいたお昼ご飯は凄く美味しかったけど、ちょっと困っていると、
「うぉい! ソフィアちゃん! その男は何なんだぁぁぁっ!」
お店を出たところで、翼の無いジェムハザが現れた。
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