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第3章 人間超越編
第27話 人を超越する者……俺、何になるんだろ?
しおりを挟む[それではトモが言っていた例外のスキルから説明させていただきます]
アユムの説明が始まる。
[例外のスキル。それは【転生者】です]
(転生? 生まれ変わるのか?)
[ある意味ではそうです。【転生者】は取得すると能力値の上限が五千になりますがレベルが0になり、能力値が全て1になります]
(それはマズい! その状態からレベルを上げるには命を賭ける必要があるぞ!)
あのスライムとの初戦を思い出し、全身が震え上がる。あんな思いは二度と御免だ。
だが、アユムは冷静に続ける。
[いえ、スキルはそのままなのでそれ程苦労はしないと思われますーーそして【転生者】は条件を満たす事で更なる進化系スキルを派生させます]
(それが例外って事?)
[はい。今の時点で確認されているものでも【聖人】、【天人】、【仙人】、【龍人】、【鬼人】、【魔人】などがあります]
(えーと……それ、もう人じゃないよね)
[そう……ですね。まぁ、人を超える為のスキルですから]
アユムが取り繕う様に答える。
(そうか……強くなる為には必要な事なんだな)
〈[はい!]〉
トモとアユムが力強く答える。
俺の目下の目標は健一達との合流だ。しかし今の健一達は井上は勿論、『風の国』ファルテイムの庇護下にいる。それはつまり、場合によっては国一つを敵に回す事を意味する訳でーー
(強さは必要か……じゃあ俺は【転生者】を取得すればいいのか?)
目標達成の為、覚悟を決めてそう聞くとアユムは静かに否定した。
[いいえ、マスターには最後の一つを取得してもらいます]
《あっ、やっぱりあれを取ってもらうんだ》
いつの間にか復活したニアが口を挟む。
〈あっ! ニアいつのまに!〉
《へっへ~♪。だって二人ばっかりマスターとお話ししてズルいじゃん》
悪戯っ子の様な人懐っこい笑顔が想像で浮かぶ。
[全く、仕方の無い子ですね]
そしてアユムがお母さんみたいだ。
[!! ……マスター。今、何を考えておいででした?]
(いえ、何も思っていません)
凄まじい威圧を感じて思わず敬語で答えてしまった。アユムは勘も鋭いらしい。
[さて、話が逸れてしまいましたね。では改めて、マスターには最後の一つーー【超越者】を取得して貰いたいのです]
(【超越者】……随分と大層な名前のスキルだね)
[はい。数あるスキルの中でも頂点の一つと言っていいスキルです]
〈取得条件はレベル10のスキルを百取得する事。取得スキルポイントは1000です〉
(おいおい……その条件、クリア出来るのか?)
《あはは、何言ってるのマスター。マスターはレベル29でもうレベル10のスキルを六十八個取得してるんだよ。自分のオリジナルスキルの変態っぷりを理解してほしいなぁ》
[ニア……またマスターに向かってその様な物言いを……]
アユムからまた凄まじい威圧が……しかし念話越しで感じる威圧って……
アユムとニアが何やら言い合っている間にトモが言葉を続ける。
〈ええっと……そうですね言い方はアレですけど、ニアの言う通りマスターならレベル80強でレベル10の【超越者】を取得出来ると思います〉
(そうか。で、そこに到達するのにどの位の期間が必要?)
〈三ヶ月程……いえ、ティアちゃんが居るからもっと縮まるかも……〉
(ふむ……その位の期間でいけるのか……それじゃよろしく頼むね)
〈《[はいっ!]》〉
言い争っていた筈のニア、アユムもいつの間にか加わり、三人で元気良く答えてくれた。
⇒⇒⇒⇒⇒
【共に歩む者】を取得し八十日が過ぎ、やっと【超越者】の取得条件を満たせた。
随分とバタバタした行程だったが有益な発見もあった。
一つは【共に歩む者】の能力。細かなサポートは当然として更に、魔術スキルの使用許可、パーティ内での情報共有などがあった。
魔術スキルの使用許可はトモ、ニア、アユムの三人が、俺の覚えている魔術を俺の許可のもとで使用出来るというものだ。
これにより事実上、俺は同時に四つの魔法を発動出来る様になった。
パーティ内での情報共有はトモ、ニア、アユムがパーティメンバーと距離を問わずコミニケーション可能というもので、これでティアと【共に歩む者】の三人娘は俺を除いてガールズトークに勤しんでる様だ。ティアには俺以外話し相手が居なかったので良い傾向だとは思うが、俺の居ない所で一体どんな話をしてるやら……
二つ目はーー米、ありました。
四十層から四十五層は作物が生っているエリアで、四十層に入り一層一杯に広がる田園風景を見た時は歓喜した。
四十層ボス、麦わら帽子をかぶり三又のフォークを持つファームオーガを瞬殺。すぐさま【農業】更にその上位スキル【農夫】を取り、更に【収穫】を取得して速攻で米を入手。
この【収穫】は神スキルで稲の状態なのにスキルを使用すると、米俵になるという優れもの。ホクホクと収穫させていただきました。
更に四十一層から四十五層には大豆、大麦、小麦、わさび、サトウキビ、など、見慣れた作物が生っていた。落ち着いたら醤油や味噌の作製をしてみようと思う。
そして三つ目、ティアの【神才】の事だがアユムの話では、これはスキルというよりも神の祝福みたいなものらしい。
効果はやっぱり成長促進。アユムの分析では【神才】の効果はスキルの成長が約百倍になるというもので、それが俺の【スキルポイントアップ】のパーティ効果で更に十倍されてるらしい。
アユムのシミュレーションではそれだけの成長促進効果があれば、見るだけでスキルの取得が可能だろうという事だ。
ちなみに、【精霊認識】は精霊の祝福みたいな意味合いのスキルなので、精霊より位の高い神の祝福を持つティアに、精霊はスキルを与えられなかったのではないか。というのがアユムの見解である。
全くどんな神だか知らんが、自分が祝福を与える事でティアがどんな事になるのか予測できなかったのかね。
「ん? 何考えてる?」
ティアに祝福を与えた神の後先考えない行動に不平を感じてると、俺の隣で幸せそうに牛丼もどきを食べていたティアが不思議そうに俺を見上げていた。
自分の事を考えていた俺に気付いたのだろうか? これが女の勘ってやつか?
「いや、ティアに【神才】が無ければエルフの郷で幸せに暮らしてたのかなって……」
「ん、ひろにぃに逢えたから別にいい」
可愛い事を言ってくれる。いつか醤油を作って本物の牛丼を作ってやろう。
ティアは色気より食い気。近いうちにティアに美味い牛丼を食べさせてやろうと誓いながらティアの頭を撫でる。
《うっわぁ……ティアちゃん今のはポイント高いねぇ》
〈うん、計算尽くならティアちゃん怖いわね〉
[二人共何を言ってるんですか、ティアは天然でああいう事をするから怖いのですよ]
「ん? ティア怖い?」
なんか女性陣で始まっちゃいました。
(はぁ~、アユム、あまりティアに余計な事を吹き込むなよ)
[はい。心得ています]
ここは小気味好い返事を返してくれた『お母さんアユム』に期待して、先に休ませてもらおうと席を立った。
[!、マスター、今何を考えていましたか!]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスを書こうと思いましたがステータスを出す場面に持って行けませんでした。
ほんと、文章を書くって難しいです。
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