30 / 172
第3章 人間超越編
第27話 人を超越する者……俺、何になるんだろ?
しおりを挟む[それではトモが言っていた例外のスキルから説明させていただきます]
アユムの説明が始まる。
[例外のスキル。それは【転生者】です]
(転生? 生まれ変わるのか?)
[ある意味ではそうです。【転生者】は取得すると能力値の上限が五千になりますがレベルが0になり、能力値が全て1になります]
(それはマズい! その状態からレベルを上げるには命を賭ける必要があるぞ!)
あのスライムとの初戦を思い出し、全身が震え上がる。あんな思いは二度と御免だ。
だが、アユムは冷静に続ける。
[いえ、スキルはそのままなのでそれ程苦労はしないと思われますーーそして【転生者】は条件を満たす事で更なる進化系スキルを派生させます]
(それが例外って事?)
[はい。今の時点で確認されているものでも【聖人】、【天人】、【仙人】、【龍人】、【鬼人】、【魔人】などがあります]
(えーと……それ、もう人じゃないよね)
[そう……ですね。まぁ、人を超える為のスキルですから]
アユムが取り繕う様に答える。
(そうか……強くなる為には必要な事なんだな)
〈[はい!]〉
トモとアユムが力強く答える。
俺の目下の目標は健一達との合流だ。しかし今の健一達は井上は勿論、『風の国』ファルテイムの庇護下にいる。それはつまり、場合によっては国一つを敵に回す事を意味する訳でーー
(強さは必要か……じゃあ俺は【転生者】を取得すればいいのか?)
目標達成の為、覚悟を決めてそう聞くとアユムは静かに否定した。
[いいえ、マスターには最後の一つを取得してもらいます]
《あっ、やっぱりあれを取ってもらうんだ》
いつの間にか復活したニアが口を挟む。
〈あっ! ニアいつのまに!〉
《へっへ~♪。だって二人ばっかりマスターとお話ししてズルいじゃん》
悪戯っ子の様な人懐っこい笑顔が想像で浮かぶ。
[全く、仕方の無い子ですね]
そしてアユムがお母さんみたいだ。
[!! ……マスター。今、何を考えておいででした?]
(いえ、何も思っていません)
凄まじい威圧を感じて思わず敬語で答えてしまった。アユムは勘も鋭いらしい。
[さて、話が逸れてしまいましたね。では改めて、マスターには最後の一つーー【超越者】を取得して貰いたいのです]
(【超越者】……随分と大層な名前のスキルだね)
[はい。数あるスキルの中でも頂点の一つと言っていいスキルです]
〈取得条件はレベル10のスキルを百取得する事。取得スキルポイントは1000です〉
(おいおい……その条件、クリア出来るのか?)
《あはは、何言ってるのマスター。マスターはレベル29でもうレベル10のスキルを六十八個取得してるんだよ。自分のオリジナルスキルの変態っぷりを理解してほしいなぁ》
[ニア……またマスターに向かってその様な物言いを……]
アユムからまた凄まじい威圧が……しかし念話越しで感じる威圧って……
アユムとニアが何やら言い合っている間にトモが言葉を続ける。
〈ええっと……そうですね言い方はアレですけど、ニアの言う通りマスターならレベル80強でレベル10の【超越者】を取得出来ると思います〉
(そうか。で、そこに到達するのにどの位の期間が必要?)
〈三ヶ月程……いえ、ティアちゃんが居るからもっと縮まるかも……〉
(ふむ……その位の期間でいけるのか……それじゃよろしく頼むね)
〈《[はいっ!]》〉
言い争っていた筈のニア、アユムもいつの間にか加わり、三人で元気良く答えてくれた。
⇒⇒⇒⇒⇒
【共に歩む者】を取得し八十日が過ぎ、やっと【超越者】の取得条件を満たせた。
随分とバタバタした行程だったが有益な発見もあった。
一つは【共に歩む者】の能力。細かなサポートは当然として更に、魔術スキルの使用許可、パーティ内での情報共有などがあった。
魔術スキルの使用許可はトモ、ニア、アユムの三人が、俺の覚えている魔術を俺の許可のもとで使用出来るというものだ。
これにより事実上、俺は同時に四つの魔法を発動出来る様になった。
パーティ内での情報共有はトモ、ニア、アユムがパーティメンバーと距離を問わずコミニケーション可能というもので、これでティアと【共に歩む者】の三人娘は俺を除いてガールズトークに勤しんでる様だ。ティアには俺以外話し相手が居なかったので良い傾向だとは思うが、俺の居ない所で一体どんな話をしてるやら……
二つ目はーー米、ありました。
四十層から四十五層は作物が生っているエリアで、四十層に入り一層一杯に広がる田園風景を見た時は歓喜した。
四十層ボス、麦わら帽子をかぶり三又のフォークを持つファームオーガを瞬殺。すぐさま【農業】更にその上位スキル【農夫】を取り、更に【収穫】を取得して速攻で米を入手。
この【収穫】は神スキルで稲の状態なのにスキルを使用すると、米俵になるという優れもの。ホクホクと収穫させていただきました。
更に四十一層から四十五層には大豆、大麦、小麦、わさび、サトウキビ、など、見慣れた作物が生っていた。落ち着いたら醤油や味噌の作製をしてみようと思う。
そして三つ目、ティアの【神才】の事だがアユムの話では、これはスキルというよりも神の祝福みたいなものらしい。
効果はやっぱり成長促進。アユムの分析では【神才】の効果はスキルの成長が約百倍になるというもので、それが俺の【スキルポイントアップ】のパーティ効果で更に十倍されてるらしい。
アユムのシミュレーションではそれだけの成長促進効果があれば、見るだけでスキルの取得が可能だろうという事だ。
ちなみに、【精霊認識】は精霊の祝福みたいな意味合いのスキルなので、精霊より位の高い神の祝福を持つティアに、精霊はスキルを与えられなかったのではないか。というのがアユムの見解である。
全くどんな神だか知らんが、自分が祝福を与える事でティアがどんな事になるのか予測できなかったのかね。
「ん? 何考えてる?」
ティアに祝福を与えた神の後先考えない行動に不平を感じてると、俺の隣で幸せそうに牛丼もどきを食べていたティアが不思議そうに俺を見上げていた。
自分の事を考えていた俺に気付いたのだろうか? これが女の勘ってやつか?
「いや、ティアに【神才】が無ければエルフの郷で幸せに暮らしてたのかなって……」
「ん、ひろにぃに逢えたから別にいい」
可愛い事を言ってくれる。いつか醤油を作って本物の牛丼を作ってやろう。
ティアは色気より食い気。近いうちにティアに美味い牛丼を食べさせてやろうと誓いながらティアの頭を撫でる。
《うっわぁ……ティアちゃん今のはポイント高いねぇ》
〈うん、計算尽くならティアちゃん怖いわね〉
[二人共何を言ってるんですか、ティアは天然でああいう事をするから怖いのですよ]
「ん? ティア怖い?」
なんか女性陣で始まっちゃいました。
(はぁ~、アユム、あまりティアに余計な事を吹き込むなよ)
[はい。心得ています]
ここは小気味好い返事を返してくれた『お母さんアユム』に期待して、先に休ませてもらおうと席を立った。
[!、マスター、今何を考えていましたか!]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスを書こうと思いましたがステータスを出す場面に持って行けませんでした。
ほんと、文章を書くって難しいです。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる