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閑話2
第93話 神官ラルク、堕落する
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メルセルティス大陸を縦に二分する大きく高い壁。
その壁の西側には魔界が、東側には人類圏が広がっている。
そんな壁のふもとにある辺境の街メダニア。
そこに赴任してきた世渡り下手な神官ラルクは、己のスキル【啓示】に従って愚直に穴を掘り続けた結果──。
「ボクの名前はアベル! アベル・フィード・オファリング! 職業は……鑑定士です!」
鑑定士と名乗る背の低い赤毛の少年──アベルと出会ったのであった。
【辺境の街メダニアにある星光聖教会 併設居住スペース】
ラルクは呆然と立ち尽くす。
赤毛の少年、アベル。
それは、まだいい。
いや、いいっていうか、アベルはどう見てもいい人だ。
助けられてよかった。
なんであんなとこにいたのかは知らないけど。
「あら、フィード、これなかなか美味しいわよ」
「フィードさん、こっちのも美味しいです」
アベルを挟むようにテーブルに着き、パンとスープ、干し肉をむしゃむしゃと食べている女の子二人。
たしかリサとルゥと言ったか。
どちらも可愛い。
きっと二人ともアベルのことを好きなのだろうというのがひしひしと伝わってくる。
それも、まだいい。
「ふむ、これが、人間の住居。こんなボロ家で暮らすとは、やはり、みじめなものだな、人間というのは」
この、やたらと見下してくる金髪幼女。
テス・メザリアと名乗った少女。
まぁ、これもまだ許容できる。
だけど、この最後の一人──。
「あぁ~らっ! こぉ~んなぼろっちぃところに、この私! いずれ世界を統べる歌姫、セレアナ・グラデンが泊まらなければならないのかしらぁ!?」
青髪。
セクシーなタレ目。
最高のスタイル。
こんな辺鄙な町に似つかわしくない超弩級の美女。
なんだけど──!
(下半身が魚~~~~~~~~!)
魔物です!
魔物ですよ!
魔物がこっちの人間界に入ってこないようにって、わざわざこんなでっかい壁作ってるのに!
魔物が来ちゃいました、人間界に!
はい!
ボクのせいです!
ボクが毎日シコシコと穴掘ってたから、そこから魔物を招き入れちゃいました!
あぁ……神様……ボクはとんだポンコツ野郎です……。
まさか神に反する魔界の生き物を人間界に侵入させてしまうなんて……。
きっと神は、もっと他にボクにさせたいことがあったのですよね?
それなのに、あぁ……!
ボクがダメダメうすらとんかちのおたんこなすのあんぽんたんなせいで……。
もうだめです、ボク、ここで殺されます。
神官とはいえ、ボクは【回復】しか使えません。
戦闘力ゼロ。
ああぁ……だめですよ魔物さん、そんなにぬるぬる動き回ったら……。
床がぬめぬめになってるじゃないですか……。
誰が掃除すると思ってるんですか、それ……。
あれ?
っていうか……。
こっちに向かってきてません? あの魔物?
う、うぅ……。
せっかく神官になれたってのに、いいことなかったなぁ、ボク……。
ソラノさんにはハメられて……。
ここに着いてからも穴掘りばっかり……。
その結果が魔物に殺される……ですか……。
あぁ……もう……せめて、最後は楽に殺してくださいね……。
そう思って、手を組み目を瞑る。
はらはらと涙がこぼれていくのを感じる。
(お母さん……どうか先立つ不幸を許してください……。故郷のミファニスちゃん、好きだったなぁ……。こんなことになるなら神になんか仕えず、田舎で農夫でもやってればよかった……)
ぬぬぬ……ぬめぇっ……。
(ああっ、魚臭い……! 魚の匂いが近づいてくる……! 今からボクは、この匂いに包まれて死ぬんだ……)
と、思いきや。
(……あれ? へ?)
匂いは、ボクの後方へと通りすぎていった。
「あらぁ? これってもしかしてオルガンってやつじゃなぁい!?」
「え、はぁ、そうですが。あ、一応調律はしてあります。まぁ、歌う人がいないので、この町には無用の長物なんですが……」
いやいや、魔物相手に何を説明してるんだ、ボクは?
っていうか、え? ボクを、殺さない……?
なんで? 魔物って人間を問答無用で殺す邪悪な存在なんじゃないの?
(はっ……!)
そ、そうだ……!
こいつら、ボクをゆっくりといたぶって殺すつもりなんだ……!
そう、それこそ何日も……下手したら三十日くらいかけて……!
ぶるっ……!
クソっ……こんなことなら、もっと暴飲暴食して脂肪を蓄えておけばよかった……。
いや、それとも痩せてた方が、すぐに食べられ終わって苦しまないんだろうか。
えぇい、どうせ死ぬんだ!
それなら、やりたいことやって死んだ方がいいに決まってるじゃないか!
えぇ~っと……やりたいこと、やりたいこと、やりたいこと、やりたいこと……!
キッ!
初めてかもしれない。
ボクが、ここまで己の意志というものを強く意識したのは。
あぁ……これが死が迫った時の【覚醒】とでもいうんだろうか。
きっと、今のボクの両目は炎がメラメラと燃えているに違いない。
決めた。
決めたぞ、ボクは!
さぁ、魔物どもめっ!
ボクの人生最後の決死の覚悟、見るがいいっ!
ってことで、ボクは──。
あの青髪の女魔物の──。
胸 を 揉 む っ !
ハハ、そうさ。
胸を揉んで死ぬ人生。
胸を揉んで死なない人生。
どっちが悔いが残らないか。
決まってるじゃないか。
揉 む ッ !
絶 対 に !
ああ、あんなにぷるんぷるん惜しげもなく胸を放り出しやがって!
これだから魔物ってやつは!
これだから魔物ってやつは!
やるぞ、ボクはやるぞ!
やると言ったらやる男だ、ボクは!
揉む!
その丸出しの胸を!
それが、ボクのこれまで生きてきた──。
『証』、だァぁぁぁッ!
バッ!
(青髪魔物)くるっ。
スカッ!
バイ~ンんんんんん……!
胸ではなくオルガンへと突っ込むことになったボクは、教会中に鍵盤音を響かせてしまう。
「んん~っ……いい音っ!」
そう言うと、青髪の魔物は軽やかに歌い出した。
♪~
さんび……か。
賛美歌?
まさか。
そんな……。
魔物、だぞ?
魔物が神の賛美歌を……歌う、だって……?
しかも、これは……。
(美しい……)
ドンピカゴロドーン!
ボクの頭に落下する、ボクにしか見えない神の雷。
これは──。
【啓示】
神の啓示が伝えられる合図。
あぁ、すみません!
ボクが魔物の歌なんかに聴き惚れてたから……。
いや、胸を揉もうとしたから……?
いやいや、神なんかに仕えるんじゃなかったって言ったから?
いやいやいや、魔物を人間圏に呼び込んだから?
あああああああ~~~! 心当たりが多すぎるううう!
頭を抱えるボクに、信託が下った。
『鑑定士アベル一行をもてなし、数日足止めせよ』
…………は?
もて、なす?
一行ってことは……この魔物も?
え? いいんですか、神?
もちろん神は、ボクの問いかけになんか答えてくれない。
その神託の意味を理解しようと必死に頭を回転させていると。
目の前で美しい歌を紡ぎ続ける青髪の魔物の下半身魚が──。
ズズズズズ……っ。
と変化していって──。
(……は? はあああああああ!?)
一糸まとわぬ、人間のものへと姿を変えた。
(あ、ダメ、これ)
ボク、神官ラルク。
思っちゃったんです。
歌声だけじゃなく。
姿までも、美しいなって。
え~っと、あの、神官、なんです、ボク。
結婚とか、そういうのダメなんです。
でも、あの、ボク。
しちゃったんです。
恋。
よりによって。
──魔物に。
その壁の西側には魔界が、東側には人類圏が広がっている。
そんな壁のふもとにある辺境の街メダニア。
そこに赴任してきた世渡り下手な神官ラルクは、己のスキル【啓示】に従って愚直に穴を掘り続けた結果──。
「ボクの名前はアベル! アベル・フィード・オファリング! 職業は……鑑定士です!」
鑑定士と名乗る背の低い赤毛の少年──アベルと出会ったのであった。
【辺境の街メダニアにある星光聖教会 併設居住スペース】
ラルクは呆然と立ち尽くす。
赤毛の少年、アベル。
それは、まだいい。
いや、いいっていうか、アベルはどう見てもいい人だ。
助けられてよかった。
なんであんなとこにいたのかは知らないけど。
「あら、フィード、これなかなか美味しいわよ」
「フィードさん、こっちのも美味しいです」
アベルを挟むようにテーブルに着き、パンとスープ、干し肉をむしゃむしゃと食べている女の子二人。
たしかリサとルゥと言ったか。
どちらも可愛い。
きっと二人ともアベルのことを好きなのだろうというのがひしひしと伝わってくる。
それも、まだいい。
「ふむ、これが、人間の住居。こんなボロ家で暮らすとは、やはり、みじめなものだな、人間というのは」
この、やたらと見下してくる金髪幼女。
テス・メザリアと名乗った少女。
まぁ、これもまだ許容できる。
だけど、この最後の一人──。
「あぁ~らっ! こぉ~んなぼろっちぃところに、この私! いずれ世界を統べる歌姫、セレアナ・グラデンが泊まらなければならないのかしらぁ!?」
青髪。
セクシーなタレ目。
最高のスタイル。
こんな辺鄙な町に似つかわしくない超弩級の美女。
なんだけど──!
(下半身が魚~~~~~~~~!)
魔物です!
魔物ですよ!
魔物がこっちの人間界に入ってこないようにって、わざわざこんなでっかい壁作ってるのに!
魔物が来ちゃいました、人間界に!
はい!
ボクのせいです!
ボクが毎日シコシコと穴掘ってたから、そこから魔物を招き入れちゃいました!
あぁ……神様……ボクはとんだポンコツ野郎です……。
まさか神に反する魔界の生き物を人間界に侵入させてしまうなんて……。
きっと神は、もっと他にボクにさせたいことがあったのですよね?
それなのに、あぁ……!
ボクがダメダメうすらとんかちのおたんこなすのあんぽんたんなせいで……。
もうだめです、ボク、ここで殺されます。
神官とはいえ、ボクは【回復】しか使えません。
戦闘力ゼロ。
ああぁ……だめですよ魔物さん、そんなにぬるぬる動き回ったら……。
床がぬめぬめになってるじゃないですか……。
誰が掃除すると思ってるんですか、それ……。
あれ?
っていうか……。
こっちに向かってきてません? あの魔物?
う、うぅ……。
せっかく神官になれたってのに、いいことなかったなぁ、ボク……。
ソラノさんにはハメられて……。
ここに着いてからも穴掘りばっかり……。
その結果が魔物に殺される……ですか……。
あぁ……もう……せめて、最後は楽に殺してくださいね……。
そう思って、手を組み目を瞑る。
はらはらと涙がこぼれていくのを感じる。
(お母さん……どうか先立つ不幸を許してください……。故郷のミファニスちゃん、好きだったなぁ……。こんなことになるなら神になんか仕えず、田舎で農夫でもやってればよかった……)
ぬぬぬ……ぬめぇっ……。
(ああっ、魚臭い……! 魚の匂いが近づいてくる……! 今からボクは、この匂いに包まれて死ぬんだ……)
と、思いきや。
(……あれ? へ?)
匂いは、ボクの後方へと通りすぎていった。
「あらぁ? これってもしかしてオルガンってやつじゃなぁい!?」
「え、はぁ、そうですが。あ、一応調律はしてあります。まぁ、歌う人がいないので、この町には無用の長物なんですが……」
いやいや、魔物相手に何を説明してるんだ、ボクは?
っていうか、え? ボクを、殺さない……?
なんで? 魔物って人間を問答無用で殺す邪悪な存在なんじゃないの?
(はっ……!)
そ、そうだ……!
こいつら、ボクをゆっくりといたぶって殺すつもりなんだ……!
そう、それこそ何日も……下手したら三十日くらいかけて……!
ぶるっ……!
クソっ……こんなことなら、もっと暴飲暴食して脂肪を蓄えておけばよかった……。
いや、それとも痩せてた方が、すぐに食べられ終わって苦しまないんだろうか。
えぇい、どうせ死ぬんだ!
それなら、やりたいことやって死んだ方がいいに決まってるじゃないか!
えぇ~っと……やりたいこと、やりたいこと、やりたいこと、やりたいこと……!
キッ!
初めてかもしれない。
ボクが、ここまで己の意志というものを強く意識したのは。
あぁ……これが死が迫った時の【覚醒】とでもいうんだろうか。
きっと、今のボクの両目は炎がメラメラと燃えているに違いない。
決めた。
決めたぞ、ボクは!
さぁ、魔物どもめっ!
ボクの人生最後の決死の覚悟、見るがいいっ!
ってことで、ボクは──。
あの青髪の女魔物の──。
胸 を 揉 む っ !
ハハ、そうさ。
胸を揉んで死ぬ人生。
胸を揉んで死なない人生。
どっちが悔いが残らないか。
決まってるじゃないか。
揉 む ッ !
絶 対 に !
ああ、あんなにぷるんぷるん惜しげもなく胸を放り出しやがって!
これだから魔物ってやつは!
これだから魔物ってやつは!
やるぞ、ボクはやるぞ!
やると言ったらやる男だ、ボクは!
揉む!
その丸出しの胸を!
それが、ボクのこれまで生きてきた──。
『証』、だァぁぁぁッ!
バッ!
(青髪魔物)くるっ。
スカッ!
バイ~ンんんんんん……!
胸ではなくオルガンへと突っ込むことになったボクは、教会中に鍵盤音を響かせてしまう。
「んん~っ……いい音っ!」
そう言うと、青髪の魔物は軽やかに歌い出した。
♪~
さんび……か。
賛美歌?
まさか。
そんな……。
魔物、だぞ?
魔物が神の賛美歌を……歌う、だって……?
しかも、これは……。
(美しい……)
ドンピカゴロドーン!
ボクの頭に落下する、ボクにしか見えない神の雷。
これは──。
【啓示】
神の啓示が伝えられる合図。
あぁ、すみません!
ボクが魔物の歌なんかに聴き惚れてたから……。
いや、胸を揉もうとしたから……?
いやいや、神なんかに仕えるんじゃなかったって言ったから?
いやいやいや、魔物を人間圏に呼び込んだから?
あああああああ~~~! 心当たりが多すぎるううう!
頭を抱えるボクに、信託が下った。
『鑑定士アベル一行をもてなし、数日足止めせよ』
…………は?
もて、なす?
一行ってことは……この魔物も?
え? いいんですか、神?
もちろん神は、ボクの問いかけになんか答えてくれない。
その神託の意味を理解しようと必死に頭を回転させていると。
目の前で美しい歌を紡ぎ続ける青髪の魔物の下半身魚が──。
ズズズズズ……っ。
と変化していって──。
(……は? はあああああああ!?)
一糸まとわぬ、人間のものへと姿を変えた。
(あ、ダメ、これ)
ボク、神官ラルク。
思っちゃったんです。
歌声だけじゃなく。
姿までも、美しいなって。
え~っと、あの、神官、なんです、ボク。
結婚とか、そういうのダメなんです。
でも、あの、ボク。
しちゃったんです。
恋。
よりによって。
──魔物に。
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