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あれから数日、サザンカは蛇に付きまとわれていた。
最初は気のせいかな~なんて思って知らんぷりしていたけど…
「なあお主、我のことが見えとるじゃろ」
「………」
「なあ、なあって主」
「いや~いい天気だな~何も見えないって最高!!気分爽快!」
「うむ、見えとるな。なあ頼みがあるのだが」
もう何処に行こうが付きまとわれちゃ段々とイライラもする。
サザンカは諦めて振り返った。
「見えてますけど…私に何の用です?私これから筋トレと散歩っていう大事な用事があるんですが」
「おお!やはりそうであったか!!サザンカといったか、お主、ちと我の願いを聞いては貰えぬだろうか」
蛇はくねくねと曲がって嬉しそうにした。
ゲーム内に蛇が出てくるなんて、みっちゃんから聞いてなかったぞ??
「いいですけど…手短にお願いしますね」
見たところ、蛇が見えているのはサザンカ一人だけのようだから、ひとりごと言ってるなんて知られたらメイド達から更に疎遠にされてしまうかもしれない。
「実は困っておるのだ」
「困ってる?」
「我は龍の神獣なり。だがある事件で身を封印されてしまってからというもの、本来の力を発揮できずにおる」
「封印ですか、」
「そうだ。これは封印直後に分霊した魂の断片にすぎん。アイツらに封印される直前にギリギリのところでなんとか出しておくことができたゆえ。こうして公爵家に戻ることもできた」
「ん~…ちょっとよく意味が分かんないんですけど、、、」
その後も詳しく聞いてみるとこうだ。
①つまり蛇は仮姿で本来は龍。
②本体が封印されていて力が出せないナウ。
③本体の封印を解き放って欲しいな!プリーズ!!
「無理っす!!」
「まあまあ、そこをなんとか、な?サザンカよ」
「いやいや!無理がありますって!!」
封印を解き放ってくれ⁈
自分が⁈
この蛇ならぬ神獣の???
どう考えても無理がある話だろうが!!!!!
「神獣は基本、その家門を守護しており、その家門の当主のみにしか見えず扱うこともできん。それ故に我を操れるのはエヴァーソン家の人間のみ。だがこんな姿では誰の目にも見えない。サザンカ、お前だけだったのだ。我の姿を見ることができるのは」
「それは…う~ん…なんでだろうか~」
「理由は分からぬ。だがお主からは神に近い匂いがしよる」
「神に近い匂い?それって聖女的な?」
聖女であれば天界からの加護を授かり、それによって神のお告げを聞いたり、人や大地を浄化することもできるまさにチートのような能力を持つ。ロエナもヒロインなのだ。これからのストーリー展開によっては聖女として更に覚醒する可能性も充分にある。
「聖女とはまた違う。あれはあくまで加護を与えられたにすぎん。お主は神そのものを操れる能力がある気がするのじゃ」
「神そのものを操れる?どういう事??」
「言葉の通り。天界と意思疎通をはかり、神を呼び寄せその身に纏う。地上に生きる神獣を使役することも訓練によっては可能だろう。ま、とにかく凄い!ということだ。ハッハッハ!!!」
「え……」
す、す、凄すぎる!!!!!!
え、待って待って。
自分ってそんな凄いチート並の力があったの??
この蛇が神獣を名乗るポンコツなインチキ野郎でなかったら、自分も頑張り次第では力が手に入る。そしたら死亡フラグも回避して、ヒロインと攻略キャラとの進展にも上手く立ち回れるのではないか??
「ということでどうだ?封印を解き放ってもらえんか?もしも上手くできた暁には、お前の守護神になってやらんこともない」
「え、なんですかその上から目線。でもな~…」
「腹筋せずとも力が入るぞ!後は魔法飛び越えてもはやチートキャラに昇格だ!」
「え~魔法は習いたいかな~楽しいし。後はお兄ちゃんと話せるし」
「ええい!ならばお主の大好きな姉を守れるだけの力が手に入るぞ!!」
「はい、やりま~す!!」
二つ返事で交渉成立した。
蛇は名をスロークと名乗った。
最初は気のせいかな~なんて思って知らんぷりしていたけど…
「なあお主、我のことが見えとるじゃろ」
「………」
「なあ、なあって主」
「いや~いい天気だな~何も見えないって最高!!気分爽快!」
「うむ、見えとるな。なあ頼みがあるのだが」
もう何処に行こうが付きまとわれちゃ段々とイライラもする。
サザンカは諦めて振り返った。
「見えてますけど…私に何の用です?私これから筋トレと散歩っていう大事な用事があるんですが」
「おお!やはりそうであったか!!サザンカといったか、お主、ちと我の願いを聞いては貰えぬだろうか」
蛇はくねくねと曲がって嬉しそうにした。
ゲーム内に蛇が出てくるなんて、みっちゃんから聞いてなかったぞ??
「いいですけど…手短にお願いしますね」
見たところ、蛇が見えているのはサザンカ一人だけのようだから、ひとりごと言ってるなんて知られたらメイド達から更に疎遠にされてしまうかもしれない。
「実は困っておるのだ」
「困ってる?」
「我は龍の神獣なり。だがある事件で身を封印されてしまってからというもの、本来の力を発揮できずにおる」
「封印ですか、」
「そうだ。これは封印直後に分霊した魂の断片にすぎん。アイツらに封印される直前にギリギリのところでなんとか出しておくことができたゆえ。こうして公爵家に戻ることもできた」
「ん~…ちょっとよく意味が分かんないんですけど、、、」
その後も詳しく聞いてみるとこうだ。
①つまり蛇は仮姿で本来は龍。
②本体が封印されていて力が出せないナウ。
③本体の封印を解き放って欲しいな!プリーズ!!
「無理っす!!」
「まあまあ、そこをなんとか、な?サザンカよ」
「いやいや!無理がありますって!!」
封印を解き放ってくれ⁈
自分が⁈
この蛇ならぬ神獣の???
どう考えても無理がある話だろうが!!!!!
「神獣は基本、その家門を守護しており、その家門の当主のみにしか見えず扱うこともできん。それ故に我を操れるのはエヴァーソン家の人間のみ。だがこんな姿では誰の目にも見えない。サザンカ、お前だけだったのだ。我の姿を見ることができるのは」
「それは…う~ん…なんでだろうか~」
「理由は分からぬ。だがお主からは神に近い匂いがしよる」
「神に近い匂い?それって聖女的な?」
聖女であれば天界からの加護を授かり、それによって神のお告げを聞いたり、人や大地を浄化することもできるまさにチートのような能力を持つ。ロエナもヒロインなのだ。これからのストーリー展開によっては聖女として更に覚醒する可能性も充分にある。
「聖女とはまた違う。あれはあくまで加護を与えられたにすぎん。お主は神そのものを操れる能力がある気がするのじゃ」
「神そのものを操れる?どういう事??」
「言葉の通り。天界と意思疎通をはかり、神を呼び寄せその身に纏う。地上に生きる神獣を使役することも訓練によっては可能だろう。ま、とにかく凄い!ということだ。ハッハッハ!!!」
「え……」
す、す、凄すぎる!!!!!!
え、待って待って。
自分ってそんな凄いチート並の力があったの??
この蛇が神獣を名乗るポンコツなインチキ野郎でなかったら、自分も頑張り次第では力が手に入る。そしたら死亡フラグも回避して、ヒロインと攻略キャラとの進展にも上手く立ち回れるのではないか??
「ということでどうだ?封印を解き放ってもらえんか?もしも上手くできた暁には、お前の守護神になってやらんこともない」
「え、なんですかその上から目線。でもな~…」
「腹筋せずとも力が入るぞ!後は魔法飛び越えてもはやチートキャラに昇格だ!」
「え~魔法は習いたいかな~楽しいし。後はお兄ちゃんと話せるし」
「ええい!ならばお主の大好きな姉を守れるだけの力が手に入るぞ!!」
「はい、やりま~す!!」
二つ返事で交渉成立した。
蛇は名をスロークと名乗った。
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