美術教師の檻――「描き終わるまで帰さない」画家の執着

紺碧のごんぎつね

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【第2章:密室での支配段階】(第5~10話)

第9話「閉ざされた扉」

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また一週間が経った。

透也は、今度こそ行かないと決めていた。

でも、柊からのメッセージは毎日来る。

『来週も、待ってます』 『先生がいないと、描けないんです』 『お願いします』

透也は、返信しなかった。 でも、ブロックもできなかった。 なぜだろう。 透也にも、分からなかった。

金曜日の夜。

『明日、2時に待ってます。来てくれますよね』

柊からのメッセージ。

透也は、長い間画面を見つめていた。

そして。

『...分かりました』

また、承諾してしまった。

「くそ...なんで俺は...」

透也は、自分に苛立った。

土曜日。

透也は、重い足取りでアトリエへ向かった。

「今日こそ、ちゃんと断ろう」

自分に言い聞かせる。

ドアをノックする。

「どうぞ」

柊の声。嬉しそうな響きがある。

ドアを開けると、柊が満面の笑みで迎えた。

「来てくれたんだね」 「...約束ですから」

透也の声は小さい。柊は気づいていないようだった。

「さあ、今日も頼むよ」

いつもの椅子。透也が座ろうとすると、柊が言った。

「先生...シャツを」

透也は黙って、シャツのボタンを外し始めた。 もう、抵抗する気力もなかった。

シャツを脱ぐ。上半身が露わになる。 椅子に座る。

柊がキャンバスの前に立った。

時間が過ぎていく。

午後4時。約束の2時間が経った。

透也が立ち上がろうとする。

「柊さん、今日はこれで」 「もう少し」

柊が言った。透也は首を横に振った。

「いえ、今日は用事があるんです」

嘘だった。でも、断る理由が必要だった。

柊の表情が、曇った。

「...そうか」

透也は、急いでシャツを着た。

「それじゃあ」

ドアへ向かう。

ドアノブを回した。

開かない。

「...?」

透也は、もう一度回した。 やはり、開かない。

「あの...鍵が」

透也が振り返ると、柊が立っていた。 穏やかな表情。 でも、その目には、何か冷たいものがあった。

「柊さん、鍵が開かないんですが」 「ああ」

柊が平然と言った。

「描き終わるまで、帰してあげられない」

透也の心臓が、止まった。

「...え?」 「まだ、完成してないんだ」

柊が一歩近づく。

「君が必要なんだ」

透也の背中が、ドアに押し付けられた。

「冗談...ですよね」

透也の声が震える。柊は首を横に振った。

「本気だよ」

その声は、いつもの穏やかさを失っていた。 冷たく。 そして、執着に満ちていた。

「開けてください」

透也が懇願する。柊は動かない。

「まだだ」 「お願いします...」

透也の目に、涙が滲んだ。 男として、こんなところで泣くなんて。

柊が近づいてくる。 透也は、逃げ場がなかった。 背中はドア。目の前は柊。

「怖がらないで」

柊の手が、透也の頬に触れた。

「っ...」 「君を傷つけたりしない」

柊の声が、甘く囁く。

「ただ、描きたいだけなんだ」

透也の涙が、頬を伝った。 透也は、すぐに涙を拭った。

「ちっ...」と舌打ちをする。でも、涙は止まらない。

「美しい...泣いてる顔も」

柊の指が、透也の涙を拭った。

透也が顔を背ける。

「やめてください...」 「さあ、続きをしよう」

柊が、透也の手を引いた。

「やだ...」

透也が抵抗する。でも、柊の力は強い。

椅子まで引きずられる。

「座って」

柊の声に、命令の響きがあった。

透也は、従うしかなかった。 座る。

「シャツを脱いで」

柊の命令口調。

透也の手が震える。 でも、従ってしまう。

シャツを脱ぐ。

柊がキャンバスの前に立った。

「いい子だ」

その言葉に、透也は屈辱を感じた。 「いい子」って。 まるで、子供扱いだ。

透也は、唇を噛んだ。

時間が、また過ぎていく。

午後5時。 午後6時。 午後7時。

透也の身体は、限界だった。 寒さを感じる。上半身裸のまま、何時間も。

「寒いです...」

透也が小さく言った。柊が筆を置いた。

「そうか」

でも、何もしてくれない。 ただ、透也を見つめている。

「シャツ...着てもいいですか」 「だめだ。今、いいところなんだ」

柊が冷たく言った。

透也は、もう何も言えなくなった。

午後8時。 午後9時。

透也の意識が、朦朧としてきた。

「もう...無理です」

声が掠れている。

柊が、ようやく筆を置いた。

「そうだね。疲れたよね」

柊が近づいてくる。

透也は、もう逃げる気力もなかった。

「立てる?」

柊の手が、透也の肩に触れた。

透也が立ち上がろうとする。でも、足がふらついた。

「っ...」

柊が、透也の身体を支えた。

腕が、透也の腰に回る。

「危ない」

透也は、柊に抱きかかえられる形になった。 裸の上半身が、柊の身体に密着している。

「大丈夫です...離してください」

透也が弱々しく言う。でも、柊は離さない。

「肩の力を抜いて」

柊の手が、透也の肩に触れた。 揉むように。

「っ...」

透也の身体が震える。

柊の手が、透也の首筋へ滑った。 ゆっくりと、撫でるように。

「緊張してるね」 「やめて...」

透也が小さく言う。でも、声に力がない。

柊の手が、鎖骨へ。 なぞるように、指先が動く。

「こんなに綺麗な線...」

透也の呼吸が荒くなった。 恐怖。 でも、身体は別の反応を示し始めている。 男性に触れられて。 こんなに。

「やめて...ください」

透也が、柊の手を掴んだ。

柊が、透也を見下ろす。 その目には、抑えきれない欲望があった。

「先生...」

柊の声が、低く囁く。

「君は、僕のものだ」 「...違います」

透也が首を横に振る。

「君を、誰にも渡さない」

柊の手が、透也の胸元へ。 指先が、透也の乳首に触れた。

「っ...!」

透也が柊の手を強く掴んだ。 でも、柊は離さない。

指先が、乳首をくりくりと弄る。

「っ...ああ...」

透也が声を漏らす。 男性の乳首でも、感じてしまう。

「やめて...!」

透也が必死に言う。

柊の手が、もう片方の乳首へ。 両方の乳首を同時に刺激する。

「っ...くそっ...ああ...」

透也の膝がガクリと崩れそうになる。 柊が透也を支える。

「可愛い反応」

柊が微笑む。 その笑みは、優しくて。 でも、どこか狂気を孕んでいた。

柊の手が、執拗に透也の乳首を刺激し続ける。 摘んで、引っ張って、転がして。

「っ...ああ...もう...やめ...」

透也の声が、甘くなっていく。 自分でも気づいている。 男なのに。 こんな声。

そして、最悪なことに。 透也の下半身が、完全に反応してしまった。 ズボンの中が、窮屈で仕方ない。

「先生」

柊が、透也の耳元で囁いた。

「下も、反応してるね」

「っ...!」

透也が顔を真っ赤にする。 恥ずかしい。 恥ずかしすぎる。

柊の手が、透也の腹部へ滑る。 ゆっくりと、下へ。

「触ってもいい?」 「だめ...!」

透也が、柊の手を掴んだ。

「だめ?」

柊が透也を見下ろす。

「だめです...それだけは...」

透也の目に、涙が滲む。 もう、これ以上は。 男としてのプライドが、持たない。

柊が、少し残念そうな顔をした。

「そう...」

手を離す。

でも、その瞬間。 透也の股間から、何かが滲み出た。 ズボンの前が、濡れている。

柊が、それに気づいた。

「...先生」

透也も気づいた。 自分の身体が、何をしているか。

「っ...くそっ...!」

我慢汁が、ズボンに染みを作っている。

「触ってないのに」

柊が、嬉しそうに微笑んだ。

「こんなに」

透也は、絶望した。 身体が、正直すぎる。 男に触れられて。 こんなに興奮して。

「可愛い」

柊が、透也の頭を撫でた。 まるで、ペットでも撫でるように。

「やめろ...」

透也が弱々しく言う。

柊の両手が、また透也の乳首へ。

「っ...!」 「もう少し、楽しませて」

柊の指が、執拗に乳首を刺激する。 摘んで、引っ張って、転がして。

「っ...ああ...もう...やめ...」

透也の声が途切れ途切れになる。

柊の手が、さらに激しく乳首を弄る。 片方を強く摘みながら、もう片方を優しく撫でる。 緩急をつけた刺激。

「っ...くそっ...ああ...」

透也の身体が、ビクビクと震える。

そして。 柊の手が、透也のシャツに触れた。

「っ...何を...」 「シャツが邪魔だ」

柊が、透也の着ているシャツをたくし上げる。

「やめ...」

透也が抵抗する。でも、力が入らない。

シャツが、胸までたくし上げられる。 透也の上半身が、完全に露わになった。 冷たい空気が、肌に触れる。 汗ばんだ肌。 そして、硬く尖った乳首。

「綺麗だ...」

柊が、透也の胸を見つめる。 その視線だけで、透也の身体が震える。

「見るな...」

透也が小さく言う。 でも、柊は見続ける。

そして、指先で、透也の乳首に触れた。 今度は、直接。 シャツ越しではなく。

「っ...!」

透也の身体が跳ねる。 直接触れられる感覚。 男性の指の温度。 硬さ。

「敏感だね」

柊が微笑む。

指先が、ゆっくりと乳首の周りを撫でる。 円を描くように。 でも、中心には触れない。

「っ...」

透也が小さく声を漏らす。 焦らされている。 中心に触れてほしい。 でも、そんなこと思っちゃいけない。 透也は自分を戒める。 でも、身体は正直だった。 柊の指を求めて、胸が動く。

「欲しいの?」

柊が囁く。

「違う...」

透也が否定する。

「でも、身体は正直だよ」

柊の指が、ようやく乳首の中心に触れた。

「っ...ああ...!」

透也の声が大きくなる。

指先が、乳首を弄ぶ。 くりくりと。 転がすように。

「っ...ああ...だめ...」

透也の腰が、勝手に動き出す。 快感に耐えきれない。

柊の手が、両方の乳首を同時に刺激する。 左右で違う動き。 片方は優しく撫でて、もう片方は強く摘む。

「っ...ああ...くそっ...」

透也の声が、部屋に響く。 もう、堪える余裕もない。

柊の指が、透也の乳首を軽く引っ張った。

「っ...!」

痛みと快感が混じる。 透也の身体が、ビクンと跳ねる。

そして。 下半身から、また何かが溢れ出た。 我慢汁。 さっきよりも多い。 ズボンの染みが、さらに大きくなる。

「また、出てる」

柊が嬉しそうに言う。

透也の顔が、真っ赤になる。

「くそ...」 恥ずかしい。 情けない。 男なのに。 こんなに。

「先生...綺麗だよ」

柊が、透也の乳首から手を離した。 透也が安堵する。

やっと、終わる。

でも。

「まだ、続きがあるんだ」

柊の声。 透也の心臓が跳ねる。

「もう...やめてください...」

透也が懇願する。

「大丈夫。気持ちいいから」

柊が、優しく微笑んだ。 その笑顔が、透也には恐ろしかった。

「今日は、ここまで」

柊が、ようやくそう言った。

透也の身体を離す。

ドアの鍵を開ける音がした。

透也は、急いでシャツを下ろした。 たくし上げられていたシャツを。 そして、椅子に置いていたシャツを掴む。 羽織る。

ボタンを留める手が震えて、うまくできない。

ズボンの前の染み。 大きな染み。 二回、我慢汁を漏らした痕。

恥ずかしい。

透也は、それを隠すようにシャツの裾を出した。 でも、隠しきれない。

「また...来週」

柊の声。

透也は答えずに、ドアへ向かった。 開ける。

階段を駆け下りる。 転びそうになりながら、必死で。

外に出て、走った。 どこまでも、走った。

人通りの多い大通りに出て、ようやく立ち止まった。 全身が震えている。 涙が溢れてきた。

透也は、壁に手をついた。

「くそ...くそっ...」

男なのに。 泣いてる。

透也は、急いで涙を拭いた。 でも、止まらない。

触れられた場所が、熱い。 肩。首筋。鎖骨。乳首。

「あれは...何だったんだ」

恐怖。

でも。 身体は、反応してしまっていた。 柊に触れられて。 乳首を弄られて。 ゾクゾクとした感覚。

「くそ...」

透也は、自己嫌悪に苛まれた。

家に帰って、シャワーを浴びる。 触れられた場所を、何度も洗う。 でも、感触が消えない。

ズボンを脱ぐ。 下着も汚れている。 我慢汁で。

「くそ...」

透也は、それを洗濯機に放り込んだ。

ベッドに倒れ込む。

「もう...絶対に行かない」

今度こそ、本気だった。

でも。

携帯が震えた。 柊からのメッセージ。

『今日はありがとう。また来週、待ってる』

透也の身体が、恐怖で震えた。

「来週...?」

まだ、求めてくる。

透也は、携帯を投げ捨てた。

「もう...無理だ」

透也は、布団にくるまった。 でも、柊の手の感触が消えない。 あの声。あの視線。 全てが、透也を縛り付ける。

「助けて...」

誰にも聞こえない声で、透也は呟いた。 でも、誰も助けに来ない。

透也は、一人だった。 柊の執着から、逃れられない。 檻の中に、閉じ込められたように。

透也の夜は、長く、暗かった。
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