スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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31話・見張り

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 俺は、森を探す事にした。
 だけど、森はかなり広く今から探しだすと、確実に日も暮れると思うので、急いで探す為、

眠れる力ソーン・能力向上」

 ステータスを3倍まで上げてから、森の中を探索する。
 すると、中腹部に洞窟を発見する。木の影から洞窟を見てみると、その前には、見張りなのか、2人の男が待機していた。腰には、武器を装備している。たぶん、あれが盗賊だよな…
 俺は、腰に差してある武器をアイテムボックスに入れてから、その見張りらしき男たちの前に出る。

「「!?」」

 男たちは、驚きながらも武器を抜く。

「誰だ、お前!!」

 その内の1人が聞いてくる。
 まぁ、正直に答える必要はないので、

「近くの村の村人です」

 と、だけ答えておく。

「チッ… ビビらせやがって… おい、どうする?」
 
「村人だろうが、ここを見られたからには、生きて帰す訳にはいかないだろ…」

 2人は、小声で話しているようだが、俺は今、能力向上している状態なので、聴覚も良くなっている。だから、普通に見張り同士の声も聞こえてくる。

「お… 俺は、道に迷っただけです。ここの事を、誰かに言うつもりはありません。だから、命だけは…」

 一応、命乞いをしてみた。

「…分かった。なら、そのまま帰れ!!」

 生きて帰す訳にはいかないと言っていた男が、そう答える。

 あれ? てっきりそのまま攻撃してくると思ったけど、命乞いって通用するんだな… いや、違うか…
 俺は、とりあえず、背をむけてから、帰るふりをすると、

「バカが!! 死ね!!」

 声がすると同時に、振り返ると、見張りの1人が迫ってきており、剣を振り下ろした。

「な!!」

 まぁ、いつも通り、振り下ろされた剣は、俺の前で止まる。案の定、攻撃を仕掛けてきた。

「はぁ… 眠れスリープ

 目の前の、男はそのまま地面へ倒れる。

「き… 貴様何をした!!」

眠れスリープ

 もう1人も、眠らせる。

「見張りなら、驚く前に人を呼べよ…」

 全ての行動に、呆れながら、とりあえず、洞窟から人が出てこないのを確認しながら、2人を洞窟から見えない草影まで引きずる。見張りの剣を手に持ち、

「お前らにも、転生があるかどうか知らないが、悔い改めろ」

 ひと突きで、心臓を突き刺す。
 ビクンッと少し跳ねた後、動かなくなる。
 
「モンスターを殺すのと、そんなに変わらないな…」

 人を殺した事に対する罪悪感は、殆どない…
 何かが、込み上げてくる感じもない。モンスターでなれたのかも知れないな…

「とりあえず、こいつらが盗賊なのは確定として… 子供たちの事を聞いとけば良かったか… いや、騒がれるよりいいか…」

 それじゃあ、洞窟内でも探してみるか。
 俺は、突き刺した剣を引き抜いてから、洞窟内へ入っていく。
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