スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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1話・プロローグ

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 目を開け、窓の外を見ると明るくなりだしていた。
 伸びをした後、布団から体を起こし部屋を後にする。
 顔を洗った後、戻ると既に、カリーナさんがご飯の準備をしていた。

「おはようございます、カリーナさん」

「あぁ、おはよう、セウン」

 昨日より、顔色は良さそうに見える。
 そんな俺の視線に気づいたのか、

「セウン… 私は、もう大丈夫よ…」

「そうですか…」

「そうよ。それより、準備を手伝って貰ってもいいかい?」

「はい」

 準備を手伝う。

「手際が良くなってるじゃないか、セウン」

「まぁ、それなりにやってますから…」

 村を出た後も… 前世でもな。

「そういえば、セウンはこの後はどうするつもりなんだい?」

「そうですね…」

 色々あったが、カリーナさんに顔を出すと言う目的は達している。カリーナさんの事は、まだ少し心配だが逆に俺がいたらいたらで、思い出させるかもしれないから、早めに出た方がいいよな。それに、あいつの言っていた魔神教団とやらの事も早めに調べときたいから、

「…シエルたちの依頼に、ついて行ってみようかと思います」

 まぁ、まだ頼んでもいないんだけどな…

「シエルさんたちって言ったら、私や子供たちを助けてくれた子らだよね?」

「はい、そうです」

「それで、どんな依頼を受けてるんだい?」

「確か… 森の奥の大きなモンスターの調査もしくは討伐です」

 助けた女性たちの村の更に奥の森で、大きさ影を見たとかで、その調査依頼を受けたようだ。

「それは、大変そうだね。行くなら、気を付けるんだよ、セウン」

「はい」

 そうこうしている内に、ご飯を作り終わったので、子供たちを起こしてから、ご飯を食べる。

「「お兄ちゃん、昨日は助けてくれてありがとう!!」」

「おう、気を付けるんだぞ!!」

「「うん!!」」

「それじゃあ、食べようかね」

「はい」 「「うん!!」」

 食べ終えた後は、俺は孤児院を出てからシエルたちが泊まっている宿屋へむかった。





 宿屋に入ると、丁度3人はご飯を食べ終えていた。

「おはよう、3人とも。今時間大丈夫か?」

「おはようございます、セウンさん」

「おはようなのじゃ」

「おはよう、セウン。大丈夫よ」

 俺は、空いていたマオの横の椅子に腰掛ける。

「それで、こんな早くからどうしたの?」

 俺は、カリーナさんの状態とシエルたちの依頼に同行したい事を伝える。

「私は、別にいいけど、2人はどう?」

「私も、構いませんよ」

「儂も大丈夫じゃが、理由は何なのじゃ?」

 そう聞かれた俺は、正直に答える。

「なるほどのぅ… にしても、魔神教団…」

「マオは、知ってるのか?」

 俺は、詰め寄る。

「ち… 近いのじゃ!!」

「あぁ、悪い。それで、マオはそいつらの事を知ってるのか?」

「少しは、知っているのじゃ…」

 マオの顔つきが少し変わる。

「後で、教えて貰ってもいいか?」

「分かったのじゃ…」

「なら、少しの間だけど、よろしくな3人とも」

「よろしく」

「はい、よろしくお願いします」

「よろしくなのじゃ」

 その後は、出発時間を決めてから、俺は孤児院へ戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

数話前からですが、シエルの口調から固さが取れてます。夜営時や馬車での帰り道に話をして、打ち解けてます。
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