スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

文字の大きさ
107 / 453

40話・お願いしたい事

しおりを挟む
 センで試したい事は、粗方やり終えたので、スピカ姿のセンを手元にのせて、ブレスレットをつけてある方とは逆の腕で、腕輪になって貰う。
 センがちゃんと腕輪になったのを確認した後、トラップだらけだった来た道を引き返し、次層へ続く階段を探し始める。





 次層へと続く階段を見つけた所で、遠話のブレスレットが反応した。俺は、ブレスレットに魔力を流しながら階段を下り、転移版があるスペースへとむかう。
 今日の遠話の相手は、シェーンからのようだ。

『セウンさんは、今日もダンジョンですか?』

「まぁ、そうだな。でも、キリがいいから今から地上へ戻る予定だよ」

『そうなんですね…』

「あぁ。シェーンはどうだ? シエルたちからそろそろ戻ってくると聞いたけど?」

『はい、そうなんです。今は、夜営中で、明日のお昼前には、帰れると思います』

「そうか、それを聞けて安心したよ」

 知り合いに何かあったら、いい気はしないしな。

『・・・』

「ん、どうかしたか?」

『な… 何でもないです!!』

「そうか、ならいいけど」

『そ… それよりも、セウンさんに、お願いしたい事があるのですが…』

「俺に、お願いしたい事? なんだ?」

『明日、私が帰ってきた後なんですけど、教会や孤児院に行きたいのですが、着いてきてくれませんか?』

「教会や孤児院? 着いていくのは、別にいいけど、俺は何しに着いていくんだ?」

『孤児院の子供の面倒を一緒に見てほしいんです』

「子供の面倒?」

『はい、そうです。孤児院の先生とは顔見知りで、時折そのお手伝いをしているんです』

「へぇ、そりゃあ偉いな」

『い… いえ、別にそんな事ないですよ。それで、いつもは、シエルやマオさんが手伝ってくれてたんですけど、明日は、都合が悪いみたいで…』

「そうなんだな。そういう事なら、手伝わせて貰うよ」

『本当ですか!! ありがとうございます、セウンさん!!』

「お礼を言われる程の事でもないよ。それじゃあ、シェーン、また明日な」

『はい!!』

 遠話を終えた俺は、転移版で地上へと戻った。





 地上に戻ると、冒険者ギルドに寄って素材の買い取りをお願いする。今回も、鑑定に時間がかかるようで、お金は、後日受け取る事になった。その代わりに、前回分のお金を受け取りギルドを後にした。
 ギルドを出た後は、

「さて、いつもの所で、汚れでも落としましょうかね」

 いつもお世話になってある銭湯に寄った後、宿屋に帰り、おばちゃんに挨拶し、ご飯を済ませる。
 部屋に戻った後、久しぶりのベッドに身を預け、眠りに着いた。
しおりを挟む
感想 105

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。

ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。 俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。 そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。 こんな女とは婚約解消だ。 この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...