スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

４８話・審判役

　シェーンに、外の連中を呼びに行って貰う。

「セウン、なに面白い話をしてるんだ」

　突然後ろから、声をかけられる。
　ふりかえると、そこには、見しいった禿げあ…　スタッフさんがいた。

「お久しぶりです、スタッフさん」

「おう、久しぶりだな。無事戻ってきたみたいだな」

「まぁ、色々ありましたが、戻ってきました」

　スタッフさんには、１度里帰りする事を伝えていた。

「そうか…　それで、セウン。外の騎士たちと訓練場でなにするつもりなんだ？」

「聞いてたんですか？」

「まぁな。それで、なにするんだ？　模擬戦か？」

「そんな所ですね…　そうだ！！　スタッフさん、今時間ってありますか？」

「ん、時間か？　まぁ、少しくらいなら時間があるが、それがどうかしたのか？」

「なら、模擬戦の審判をしてくれませんか？」

「なるほどな…　まぁ、いいぞ。でも、その代わりこの後飯奢れよ」

「分かりました。俺は、この後予定があるので、お金だけ渡しますね」

「あぁ、それで構わねぇよ。それじゃあ、俺は、先に行ってるよ」

　そう言って、スタッフさんは先に訓練場へむかっていった。すぐ来るから、一緒に行ってもいいと思うんだが…　そう思っていると、シェーンが騎士たちを連れて戻ってくる。

「連れてきました！！」

「ありがとう、シェーン。それじゃあ、行こうか」

　俺たちは、訓練場へむかう。
　訓練場内では、若そうな冒険者(まぁ、若そうと言っても今の俺くらいの年齢なんだが…)数組が、端の方で立っており、訓練場の中央で、スタッフさんが待っていた。
　どうやら、声をかけて場所を開けて貰ったみたいだ。

「ありがとうございます、スタッフさん。他の冒険者の事を気にしていませんでした」

「いいって事よ。それに、若い連中にもいい刺激になるかもしれないからな」

　俺は、もう一度礼を言う。
　シェーンは、どうやらスタッフさんの事を知っているようで、模擬戦中は、スタッフさんの横で待機して貰う予定だ。一応、カヴァリエたちには、今から模擬戦をする事とスタッフさんが審判役である事伝えている。

「それでは、セウン殿。武器は、そこの木剣で宜しいですか？」

　カヴァリエは、端に置いてある木剣を指差す。

「いや。その腰に差してある物を使って貰って大丈夫だ。シェーン、悪いが、終わった後、回復を頼んでもいいか？」

「分かりました。任せて下さい！！」

　シェーンの了承をえる。

「ありがとう、シェーン。お前も、別にいいな」

「分かりました。それで、構いません」

　カヴァリエが剣を抜いたので、俺も、アイテムボックスから刀を取り出す。

「よし、準備できたな。それじゃあ、始め…　「待って下さい、スタッフさん」　どうした、セウン？　まだ、準備があるのか？」

「いえ、違います。準備があるのは、むこうの人たちです」

　そう言って、俺はカヴァリエを指差した。